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2019-05-07 10:02

第44回「アイデアより技術〜iPodのクイックホイール特許侵害裁判のTV番組と本で思ったこと」

今さらながら、iPodのクイックホイール特許侵害裁判を取り上げたテレビ番組を見て本も読んだので、勝訴した個人発明家をほめたたえる論調に疑問を持ったことについて話しました。
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令和だよ、アシカガキャスト。
NHKで、逆転人生という番組をやっていて、
これの第一回が、7月1日の放送だったんですが、
最強アップルvs貧乏発明家という内容で、
これ、録画してみたんですが、
iPodのクイックホイール、
クルクルクルって曲を選んで、
ペッと押したら再生するというような、
iPodに付いていた装置というかの部分なんですが、
このクイックホイールと同じような技術というか、
発明をしていた人がいて、
それで特許の申請もしていたということで、
アップルに対して特許侵害の裁判を起こし、
最終的には約3億4千万円の賠償金をもらう。
いろいろあったんですが、アップルと裁判をして勝ったと。
個人発明家の人が大企業アップルに、
最終的には勝ってスカッとするような話。
下町ロケットみたいに弱い立場の人たちが、
最終的には大企業に一泡拭かせました。
みたいなスカッとするような話に、
その番組としてはまとめられていました。
アップルが悪者で個人発明家の人が、
個人発明家の人が主人公、正義みたいな話だったので、
やっぱりネットの反響も、
アップルって汚い会社だよねとか、
アップル感じ悪いとか、
アップルざまぁみたいなことがみんな言っていて、
私の中ではそういうイメージではなく、
この番組を見ていたので、ちょっともやもやしたんですね。
で、今一番のポイントは、
この人実際にものを作ってるわけじゃないんですよね。
クイックホイールを作ったわけではないですし、
クイックホイールのようなものを何か作ったわけではなくて、
あくまでもアイディアだけなんですね。
言ってしまえば。
本が出ていて、
iPod特許侵害訴訟、
アップルから3.3億円を勝ち取った個人発明家という本が出ていたので、
その本を読んだらもしかしたらこのもやもやが晴れるかなと思ったんですが、
その本を読んでも結局このもやもやは晴れずというか、
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番組を見て感じた私の印象と同じでした。
で、このiPodのクイックホイールに関する特許侵害裁判の話で、
私が連想したのは、
ドクター仲松のフロッピーディスクの話なんですね。
フロッピーディスクをドクター仲松が発明したと思ってる人がまだいるかもしれないと思うんですけども、
フロッピーディスク自体を発明したのはIBMで、
そのフロッピーディスクに関連するような特許をドクター仲松が持っていたので、
IBMに掛け合って使用料か何かをもらえたというような話なんですね、実際は。
要するに、広く普及した、大ヒットしたものを作った大企業があって、
そこの中で使われている技術とたまたま同じものの特許を持っていた。
このiPodのクイックホイールの人は、その時点では特許を申請していたんですが、
お金を払ってなくても、
特許自体は取得できていなかったんですけども、
関連する特許をたまたま持っていた人が、
その大企業に対してちょっと使用料をよこせやと、
言い方悪いですけど、おこぼれ頂戴的な感じの話なので、
そんなに褒めたたえられるような、
アイデアが盗まれた、パクられたということに対して、
じゃあ裁判とかで戦って、最後は正義が勝つみたいな感じのストーリーだったら、
それは非常にいい話というか、
ひたまちロケットみたいな感動できる話になると思うんですけども、
このiPodのクイックホイールの話については、そうではないので、
その辺やっぱりNHKの番組の中でも、
そういうストーリー立てにはできないので、
なんかちょっと無理がある感じがありました。
で、NHKの番組の中でも、
このiPodのクイックホイールの話については、
なんかちょっと無理がある感じがありました。
で、NHKの番組では、
一番初めに発明した人に正当な対価が支払われる夢のある社会になってほしいと言っていて、
日本人ももっと発明しようよみたいな感じでまとめていたんですが、
ほとんど内容としては発明の話ではなくて、
裁判での戦い方の話だったんで、
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そこで最後にみんな発明しようよみたいな話になるのも、
ちょっと無理があったなと思いました。
で、私が一番思っているのは、
アイディアよりもそれを形にする、
実際のものにするということの方が難しいし、
すごく大事なことだと思うんですね。
このiPodのクイックホイールに関しても、
Appleが作ったからこそ、あれだけ完成度が高く使っていて、
すごく気持ちがいいものになったんだろうと、私は思うんですね。
これ発明家の人が考えたのはアイディアだけみたいな話をしましたけども、
本を読んでみると、アイディアだけというわけではなく、
ちゃんとそれをどう実現するか、
センサーがこうあって、押したときにどうなって、
みたいなこともちゃんと考えていて、
それがiPodで使われている技術とぴったり当てはまるように特許を出した。
これ後から特許の範囲を完全にiPodで使われているクイックホイールの技術に
当てはまるように決め打ちして特許を変更して申請したりとかしているので、
その辺もなんかずるいような感じはしたんですが、
ちゃんと技術は考えてはいて、
それがぴったりiPodに当てはまっているからこそ裁判には勝てたということだとは思うんですが、
それを実際にやっぱり形にして使っていて気持ちいい絶妙なアップルの商品って結構何でもそうだと思うんですけど、
絶妙なところに仕上げてくるやっぱりソフトウェアとハードウェア両方作っているアップルの強みが
iPodにもiPhoneとかにも活かされていると思うんですけども、
その辺の作り込みの部分がすごく重要だと思うんですが、
例えばネットのいろんなサービスとかでもそんなの誰でも思いつくよというようなものでも、
それを実際に形にしたところがやっぱりすごい偉いわけですし、
NHKの朝ドラでやってた満腹のまんぺいさんですが、
お湯をかけるだけでできるラーメン、麺が乾燥していてそこにスープが練り込まれていて、
お湯をかけたら出来上がりというアイデアは最初に思いついているんですが、
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そのアイデアを考えたということよりもそれを実際に実現したものとして作り上げたということの方に価値があるわけですし、
実際に形にする作業に対してものすごく時間をかけて試行錯誤していたわけなので、
やっぱりそのものを作り上げる部分の方が大事だと思うんですね。
なので、やっぱりアイデアよりもそれを形にする技術の方が重要なんじゃないかなと思うということもあり、
このiPodのクイックホイールの特許侵害裁判の話に対してはちょっともやもやしたなということでした。
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