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この番組は、毎週一冊の邦訳アメコミを取り上げて、その内容を紹介しています。
今日は新刊です。
スーパーマン・スマッシュ・ザ・クラン
舞台は1946年、チャイナタウンからメトロポリスへ引っ越してきたリー兄弟。
メトロポリスの日々を楽しむ兄、トミーとは対照的に、妹のロベルタは自分の居場所を見つけられず、メトロポリスに馴染めなかった。
しかし、そんな二人の日常がスーパーマンとの出会いとともに一変する。
それによる白人史上主義を掲げる秘密結社、クランの襲撃を受けた二人は、スーパーマンとクランとの戦いに巻き込まれていく。
果たして二人は、そしてスーパーマンは、この戦いに勝利することができるのか?
といったお話ですね。
おー、すごい。ちゃんとようやく。
すごいですね、あらすじこれ紹介するのちょっと難しいかな。
ようやくな、難しかったですね、このお話。
別に複雑な物語というか、分かりにくい物語では決してないんで。
そうですね。
スーパーマン自身も自分の執事についてちょっと悩むし、
リー兄弟も自分たちの執事に悩むというね。
いろんな人たちの成長というか葛藤が描かれてて、
それが複雑というか絡み合ってというかね。
そうですね。
成功して描かれてるんで。
群蔵劇っぽさがありますよね。
そうですね、群蔵劇っぽさがある。いろんな主人公がいるような感じだよね。
素晴らしいあらすじ紹介でしたね。びっくりしちゃいました。
これ難しいなと思って、自分でも。
20回も我々もやってるんで。
さすがです。
でもさ、偉いと思う。
20回もやってて、出版社が紹介してるあらすじじゃなくて、
毎回自分たちでちゃんとあらすじを描いてる。
私今回は割と出版社の人と参考にさせていただいて、
やはりシュープロさんは素晴らしいなというふうに思いましたね。
そうですね、やっぱりプロですからね。
素晴らしい。
今回のライターという原作は、
ジン・ルエン・ヤンという方ですね。
名前からもさせる通り、中国系アメリカ人2世。
お父さん世代が移民してきて、
息子世代、息子ってことですよね。
多分ね。
解説書によると、高校教師を務める方々、
自費出版でコミックを描いているということで。
すごいですね。
すごいね。才能があるよね。
満ち溢れてますね。
そっか。今、副業の時代だしね。
なるほどね。働きながらコミックを描くっていうのも。
いいのかもしれないですね。
なるほど。
あと、絵を描いている方は、
日本人アメコミアーティスト、グリヒル先生ですね。
ツイッターでフォローしていますね。
グリヒル先生のツイッター。
ウルトラマンジードの感想の絵とかアップしてて、
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特撮オタクとしては、
グリヒル先生がジードを描いているみたいな。
なじみ深い。
好きなものと好きなものが繋がると嬉しいですね。
確かに。
しかもグリヒル先生って、日本にいてアメコミをやってるんだね。
北海道出身で、2人組らしいですね。
作画の人とカラーリスト、色を塗っている人。
北海道出身で埼玉で仕事してるらしいですね。
なじみ深いというか、身近な感じしちゃいますね。
アメリカの話したってことは、
ヘルズキッチンとか言われても聞きたくないけど、
埼玉って言われるとね、
なんか知ってるってなるよね。
確かに。
そんな感じで。
ただ、この組み合わせも、
アジア系の人たちが1946年に差別されるというようなお話なので、
ちょっとそういうのも意識した組み合わせなのかな。
そういうことなのか。
かもしれないですね。
ジーン・ルエンヤンさん、ライターの方の方はですね、
中国人のスーパーマンが出てくるニュースーパーマンっていうシリーズをですね、
DC Comicsで描いてたりして、
そういう自分のアイデンティティに根差した物語を描くのが得意なのかもしれないですね。
なるほど。今回のスーパーマンもそのアイデンティティ一つのテーマでしたもんね。
やっぱり思うところがアメリカ社会で暮らしててね。
あるんでしょうね。
あるかもしれないですね。
このお話、結構アジア人の差別が描かれるじゃないですか。
読んでて悲しい気持ちになりましたね。
自分たちはアジア人だからね。
悲しくなっちゃった。
結構辛いものがありますね。
これ、日本ではGNコレクションというレーベルで出てるんですけど。
ほんとだ。表紙に書いてありますね。
ヤングアダルト向けに。
ヤングアダルトって何ですか?中高生ですか?
中高生かな?
ヤングアダルト向けに描かれた作品っていうんですかね。
アメリカの方でもそういう風にヤングアダルト向けのレーベルが何個かあるみたいなんだけど。
それを翻訳して出版しているシリーズみたいで。
本の大きさがね。
いつもとちょっと違うんですよね。
ちょっと一回り小さい。
紙質もちょっと日本人に馴染みの深い。
触り心地ですよね。
このぐらいの大きさいいなって思って。
最高ですね。
電車とかでこれぐらいだったら読めるもんね。
ディシーズとかでかくて電車で読みにくいんですよね。
だからこれはなかなかそういう意味で。
サイズ的にもアジア人にぴったり。
そうか。
アジアサイズなのか。
こういう発想がちょっと差別的かな。
アメリカって何でもでかいもんね。
飯とかもでかいし。
おもちゃとかもめちゃくちゃでかいんでね。
アメリカのおもちゃいつも欲しいなって思うけど自分の住宅状況考えて諦めるんだけど。
06:03
バットマンのプレイセットみたいな。
上院亭があって。
エレベーターの下にバットケーブルがあるみたいな。
どこに置くんだよとか。
家に欲しいなって。
アメリカサイズなんだ。
まあそんな感じで。
差別というか人種というかアイデンティティの部分をテーマにした作品でしたね。
新刊なんですが今回もネタバレどんどんしていくので。
ぜひ皆さん読んでほしいやつではあるのでね。
読んでからまた聞いていただければいいんじゃないかなと。
嬉しいですね。
今回のお話。
1946年に放送されたラジオの番組を原案としているお話ですね。
1940年代といえば有名な映画の舞台になった年でもありますね。
ワンワン物語です。
このラジオでこの話をするのは2回目ですね。
私が知っているアメリカ文化はワンワン物語から始まるので。
アメリカの歴史は。
前回ワンワン物語が登場したのは
登場したのはというかこのラジオにおいてね。
このラジオでおいてワンワン物語を話したのはミズマーベル。
そうですね。
現代のムスリムの女子高生カマラカンちゃんがというお話で。
あれも人種とかっていうのと結構絡まったんでね。
前回話し話題に出さなかったんですけど
ワンワン物語にもアジア人登場してるんですよね。
あ、そう。
ヒロインの犬のレディの家にやってくる猫が2匹いるんですが
その猫がアジア人の象徴として描かれていますよね。
あ、そうなんだ。
シャム猫っていう設定からしても
シャムってほらアジアの一部であるわけですし。
そして猫のデザインも非常に目がつり上がった
いかにもな猫で。
ステレオタイプのアジア人なんだ。
登場する瞬間もドラがですね。
ジャーンってなって
いかにもアジア的なというか中華風な音楽なんですよ。
なるほどね。
音楽とともに登場して
そのレディの住む家をめちゃくちゃに荒らして
レディをいじめるっていうシーンが描かれますね。
1940年代のアメリカにある空気っていうのがそういう感じなのかな。
アジアに対する偏見というか
オーカロンとかね。
よく言いますもんね。
黄色の災いと書いて
オーカロンね。
アジア人によって世界がめちゃくちゃにされてしまうんだみたいな。
なるほどね。
ありますよね。
だからこそ今回の46年が舞台のスマッシュ・ザ・クラン今回の作品でも
リー兄弟に対しては大変過劣な差別がありますよね。
かわいそうだよね。
腫れ者扱うかのように
コミュニケーションされていくってこんなにつらいんだなと思いましたね。
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今回特徴としては
リー兄弟の差別が描かれると同時に
スーパーマンも一つのマイノリティとして描かれるんですよね。
宇宙人ですからね。
結局のマイノリティといえばマイノリティですよね。
母性滅びてますからね。
マイノリティ差で言ったらすごいよね。
宇宙のマイノリティですから。
でもマイノリティだということが
うすうす感じ取ってるというか
両親も宇宙人だということを
スーパーマン自身にあまり言えてないんですよね。
小さい頃にクリプトン人としての能力を発現してしまって
宙に浮いたり、目からビーム、ヒートビジョンを使ってしまったり
そこから彼はみんなと離れてしまうこと
マイノリティでいることがすごく怖くなってしまった
トラウマになってしまったんでね。
そのせいで彼は普通でいたいと
特殊な力を発揮するのではなくて
他の人と同じように完璧に普通でありたいと言ってましたね。
だから今回のスーパーマンは飛ばない。
ヒートビジョンも使わない。
ジャンプして力が強い男というキャラクターですね。
でもスーパーマンのコミックの歴史を考えてみると
最初のスーパーマンは飛ばないんですね。
ビルもひとっ飛び。ジャンプ力が高い。
飛行能力がなかったんですね。
ヒートビジョンも最初から使えるようになっていたわけではなくて
色々あっていつの間にか使うようになっていたというような
初期のスーパーマンの設定がそのままでできているってことですね。
スーパーマンのコミックの歴史もなんとなくなぞりつつ
それに理由づけをしているところが上手いですよね。
ヒートビジョンを使えるようになったのはなぜか。
飛べるようになったのはなぜか。
今まで飛ばなかったのはどうしてかってことを
普通でいたいからという説明づけをしているのは結構面白いなと。
なるほどね。確かに。
普通でいたいと思いつつ、やっぱり人を助けたいという
善良な気持ちもあるので
コスチュームを着て人助けをするようになったと。
というような説明になっているんですけども
あのスーパーマンのコスチュームがどうしてああなったのかという
ピチピチタイツに赤パンツの説明が
サーカスに小さい頃行くんですね。そこに
合力サムソンという
怪力自慢の
重いものを持ち歩けたりとかのサーカスあるあるですよね。
そういう見せ物をする人が出てきて
そのコスチュームを見てスーパーマンのコスチュームを思いついたと
というような設定になっていますね。
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これ実際にスーパーヒーローがどうして
全身タイツ的な格好をしていくのかという風に考えていくと
やっぱり起源はサーカスの格好にあるという研究が
どこかで読みました。
なので、実際のコミックの影響を
漫画のストーリーの中に落とし込んでいるお話だよね。
なるほどね。サーカス由来だったんだ。
ジョーカーと戦うのも馴染み深いのもそういうことなんですかね。
同家対決的な。
グラント・モリソンが
オールスタースーパーマンという作品を描いたんだけど
確かそれだと
パンツを外側に履くのは
確か言われているのはパンツを外側に履いているってことだもんね。
僕でも言っても、なんて衣装だ。下着を外側に履いているよ。
それはクリプトン人の正装だっていう設定だったけど
これだとサーカスを見て
あとちょっとこれなんとなく話しておきたいんだけど
見に行ったサーカスで
空中ブランコをやっている家族がいるんですけど
なんか聞いたことありますね。
初代ロマン。ディック・グレイソンですよね。
この後悪人の手によって
両親は事故を装って殺されてしまい
ディックはバットマンの両親になり
ロビンとして活躍していくわけですね。
だからこの赤と緑のコスチュームを着ているのかな。
ロビン的な格好をしていますね。
私スーパーマンって
ちょっと苦手なキャラクターではあったんですよね。
苦手?
常に貧困法制で優等生キャラ
ポーイスカートですからね。
クラーク・ケントが
メトロポリスでインタビューを受ける
もしあなたがスーパーマンだったらどうしますか?
僕が?
実は正直に言いますと僕はスーパーマンなんです。
そしてあなたもスーパーマンです。
番組をご覧の皆さんも学校の先生も警官や消防士
子供を気にかける親御さんも
そうした日常の恋を通じて我々はみんなスーパーマンになっているんですよ。
とはいえ空を飛ぶのはとても魅力的だと思いますけどね。
うぜえ。
いいじゃん。
めっちゃイラつく。
なんだこいつ。地球人のことすげえバカにしてんだろうなって。
今までは思ってた?
今までは思ってた。
ほんとこいつなんだんだって思ってたんだけど
でもこの本を見て認識変わりました。
スーパーマンが貧困法制なのは
彼がマイノリティであるという自意識があるから
正しくあらればならない。
そういう彼の出身によって
この貧困法制さえ生まれてるんだってことをわかったので
ちょっとスーパーマン好きになりましたね。
応援しようって思いました。
単なる真面目、いい子ちゃんじゃなくてね。
スマッチがいいから、スーパー能力があるから
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貧困法制なんじゃなくて
コンプレックスがあるから貧困法制になってるっていうのが
すごく魅力的だと思いました。
まあそうだね。いいやつというか
人に厚みが出たくなる。
そっか。このラジオでスーパーマンやるの初めて。
そうだね。ちょこちょこ出てきたけど
単体で出てくるのは初だね。
そうですね。スーパーマンいいやつですね。
めっちゃいいやつでしたよ。
今回の敵は
アトムマンだっけ?
アトムマン
ちょっとしたスーパーフィランっぽい人も出てくるんだけど
基本的には燃える十字架のクランっていう
白人史上主義者の秘密結社ですかね。
一般人ですよね。
スーパーパワーがあるとかではない。
これが敵になってきます。
クークラックスクランっていう
現実に存在する白人史上主義者たちの集団と
パロディーというかですね
直接名前使えないからってことだと思うんだけど
コスチュームとかね。
彼らが着る白い三角帽子とか同じですもんね。
当時のラジオを聴いている人も
これを読んでいる人も
クークラックスクランと重ねて読んでいると思うんだけど
タイトルにスーパーマンスマッシュ・ザ・クラン
スーパーマンがクランを打ち破るというタイトルになってるけど
現実にこのラジオはですね
クークラックスクランに大きな一撃を与えた作品だという風に
この本の刊末にですね
ライターのジーン・レイアンのエッセイというか
コラムみたいなのが載ってますよね。
ここに書いてありましたね。
この作品でスーパーマンが
架空のクランを倒したことで
クークラックスクランの吸心力を下げることができたと
結果としてクランに一撃加えてやったと
スーパーマンがね。
めっちゃいいね。
スーパーマンが現実の敵を打ち倒したわけね。
スーパーマン最高だよね。
もうすっかりファンじゃん。
スーパーマン大好きだわ。
スーパーマン嫌いとか信じられないな。
そういうところが80年も経って愛され続けるというかさ
スーパーヒーローの代名詞だもんね。
確かに。
やっぱこういう魅力なんだろうね。
なるほどね。確かに。
今回のクランの目的は
クークラックスクランの目的は私ちょっと詳しくないんですけど
燃える十字架のクランは
一つの民族つまり白人によって
アメリカがもう一度立て直せるんだと
他の民族を全部追い出して
白人だけの国にすればアメリカは良くなるんだ
という考え方で行動してるんですよね。
今回スーパーマンが繰り返しいうセリフがあるんですけど
他人のことばかり
自分のことばかり気にかけていると気が狂う
18:00
だから他人のことを助けようと
繰り返しスーパーマン行って人助けに走っていくんですよね。
これはスーパーマンが自分の父親から言われた言葉として言ってるんですが
これちょうどクランの考え方の対比になってますよね。
クランは自分たちだけのことを考えて
気が狂ってしまった人たちに対してスーパーマンは
人のために行動していくという対比になっていて
いいなと思うんですが
同時にすごく私いいなと思うのが
一方でクランにとってもスーパーマンって英雄なんですよね。
そうですね。
つまりスーパーパワーを持っている白人なんですよね。スーパーマンって。
だからクランにとっては白人の優位性を証明するのがスーパーマンなんですよね。
スーパーマンが人助けをすればするほど
白人の素晴らしさが世界に伝わっていく。
そして俺たちの素晴らしさが世界に広まるんだ。
スーパーマン自身がクランのメンバーから言われるシーンがあるんですが
この時のスーパーマンの心境タルヤですよね。
特に今回のスーパーマンは
自分が地球人じゃないってことに悩んでるわけだからね。
自分混ざりたいわけじゃん。地球人に。
アメリカの一員として、地球人の一員として。
そこでこういう人たちに自分たちを同一視して
差別主義者の一つの象徴として
実はヒーローとして扱われていたっていうのは
複雑だね。
チャックっていうクランの幹部の人の老いっ子ですかね。
最初いじめっ子として登場するんだけど
この子もスーパーマンファン。
スーパーマンのTシャツを着て赤いブーツを履いて
複雑だな。
複雑ですよね。
The BoysっていうAmazonプライムオリジナルビデオでも
ヒーロー白人が多すぎるっていう話の展開があって
実はヒーローが作られた存在だったから白人の割合が多いってことなんだけど
やっぱりアメコミだからさ
ヒーロー白人がずっと多かったんだよね。
でも最近はやっぱりそのノリが変わってきて
この間やったミズマーベルナとか
あと今度ブラジル系のワンダーウーマンが誕生するって話も聞きましたし
なるほどね。
今回そういうふうに
敵は差別主義者ですよね。
自分とは違うものを認めないという話だけど
実はスーパーマン自身も自分とは違うというか
他人を認められない部分があるんですよ。
その他人って誰かって言ったら
本当の両親ってことね。
21:01
育ての両親からは自分が宇宙人だってことを
ちゃんとは聞かされてなかったね。
でもいろいろなことで気づいちゃってるんだけど
それで地球人であろうと
普通であろうと
完璧な普通であろうと
もがくわけなんだけど
本当の実の両親の原影が見えてくるんだよね。
その姿がいかにもエイリアン
いかにもなエイリアン
こんなコテコテのエイリアン今時いねえぞっていう
緑色の肌に赤い目
触覚
一目でエイリアンとわかる
何やらよくわからない言葉を喋る
よくわからないものを食べる
お話の中でスーパーマン自身
自分が宇宙人であるということを受け入れるんだね。
受け入れた結果
もう空を飛ぶことや
ヒートビジョンを使うことを隠さないようになったのね。
本当の自分で人々の前に立つ
その瞬間に今まで見えていた
宇宙人の両親の原影が
自分と同じように
普通の人のように見えるようになって
言葉もわかるようになってるね。
やっぱり知らないもの、未知のものと思って
距離を置いたり
偏見の目で見てると怖いものに見えてしまうんだね。
だけど結局心を開いて
理解し合おうと思えば
同じ人間に見える。
なるほどね。
そういう話なんじゃないかな。
確かにリー兄弟のお父さんも
差別される側の存在ではあるんだけど
一方でリー兄弟の父親も
黒人に対して非常に強い差別意識を持ってるっていうシーンが
序盤にありましたね。
クランに家に火付けられそうになって
助けに来てくれた黒人たち。
実際にはメトロポリス市警の警察官だったりしたんですけど
に対して
誰もお前らの助けなどを頼んでない。
揉め事になる前に出ていけ!
これもそうだよね。
後半、黒人警察官とも
親子深めていくことによって
メトロポリスの仲間として
リー一家が認められていくことにも繋がってきますもんね。
やっぱり偏見持たずにね。
そうだね。
お互い理解し合わないといけないってことですよね。
そういうことか。
なるほどね。
スーパーマンは
自分が宇宙人であるってことを受け入れる物語。
そうだね。ジムの羊をね。
もう一人の主人公が
中国系アメリカ人のロベルタ・リーっていうね。
ロベルタちゃん。
女の子。
妹ですね。
お兄ちゃんはトミー・リー。
24:01
お兄ちゃんの方は結構上手く
結構ね、ノリノリで
ノリノリで周りの
中国人ジョークとかね。
そう。これもちょっと思うんだけどさ
中国人としてのキャラクターを求められているのを演じちゃってる感があって
あるね。
これもある種の差別ですもんね。
難しいよな。だから差別ってさ
難しいよな。
ワンタン使ったジョークとか言うんだよね。
俺たちは焼きにくいワンタンだったみたいだぜみたいなね。
家に火をつけられた後に。
すごい度胸してると思うけどな。
自分たちをワンタンに例えるジョークとかね。
だからちょっと度胸を演じちゃってるというかね。
そうだよね。
それがロベルタは
うって思っちゃうんだよね。
許せないんですよね。
でもトミーは明らかにしてるんだよね。
この兄弟はですね。
ユニティハウスというところの役のチームに入って
地元の子供たち、メトロポリスの子供たちと関わっていくようになると。
ユニティハウスっていうのもいいよね。
ユニティ、ユナイトっていうか一つになる。
ユナイテッドステイツのユニティだもんね。
牧師と神父とラビが設立した公民館っていう。
こういうのあるんですかねアメリカに。
わかんないけど。
あるあるなのかな。ないから出てくるのかな。
カトリックとプロテスタントとユダヤ教徒と。
だから本当にこの子供たちのいるところは
そういう融和っていうかさ。
そうだね。
クランの逆だよね。
そうかそうか。
だから後の展開でクランの標的、テロの標的にされちゃうんだけどね。
そんなような感じで。
この中国人だっていうことを隠すっていうか隠せないけど
名前を英語風にしたり
あとお父さんがお母さんに英語を使えって何回も言うんだよね。
食事とかもアメリカ風にしてね。
こういうアメリカへの馴染み方もあるんですかね。
集団に馴染むとかっていうのはやっぱり難しいよ。
難しいよね。
差別とはまた別の形っていうかさ。
やっぱり自分らしくあることとか。
そうだね。自分の居場所ですよね。どうやって作るのかっていう。
アイデンティティーとかいう居場所と。難しいよね。
今回の作品はもちろん差別がテーマではあるんだけど
自分の居場所をどうやって見つけるかっていう。
どんな人間にとっても共感できるテーマの作品にもなってますよね。
もうラストシーンの話しちゃって大変恐縮なんだけど。
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最後のシーンですね。ロイスレーンからペンをもらうんですよ。
ロベルタちゃん。
持つ人が持てば世界一強い武器だぞとか。
ジャーナリストの鏡ですね。
素晴らしい人ですよね。
ペンをもらうんだけど、ここにイニシャルが書いてあって
LLって書いてあってね。ロイスレーンかと思って
こんな高価なものはいりませんと返しに行くんだけど
これロイスレーンじゃないわよ。
ラン・シン・リー。あなたのことよっていう。
つまり中国名。
本当の名前ですよね。
それで最後のページは私の名はラン・シン・リーっていうところから
最後のシーンが終わっていきますね。
いい話だね。
いい話ですよね。自分らしく生きていくことの素晴らしさをね。
難しさと素晴らしさで誰しも共感できるんじゃないですかね。
さっきもちょっと話したんだけど、チャックっていういじめっ子が出てきてさ
野球チームに行った時に
お兄ちゃんが思ったよりも野球ができるから
エースの方が奪われるんじゃないかということでね。
この中国人兄弟に対して
ちょっときつく当たりますね。
この子のおじさんが実はクランの幹部だっていうこともあって
自分のポジションが移民に奪われるんじゃないかっていうのを
規模は違うけどさ。一つは野球チーム。
一つは国のレベルだけど。
だから二人とも同じようなことを悩んでるんだよね。
で、そうなんだけど
最後の最後でですね。チャック君はですね。
いじめっ子チャック君は
このおじさんをね。バッとぶん殴るんですね。
まあまあ確かにそうですね。バッとぶん殴ります。
アンセデパイオレスではないですけどね。
クランっていって
サクッとね。サクッと殴ります。
だから若い世代の方は
ちゃんとそういうね。
そうだね。
受け入れる方向に行くっていうことと
やっぱ子供たちみんなスーパーマンに憧れてるね。
そうだよね。
チャック君もさっきも言ったけどスーパーマンのTシャツ着てるし
俺これめっちゃ羨ましいなって思ったんだけどさ。
ロベルタちゃんがさ。
スーパーマンに助けてもらった時に
スーパーマンのマントをもらうんだよね。
このマントをお母さんが
ジャケットに縫い直してくれて
背中にS字が入った赤いジャケットに変わるっていう。
めっちゃいいジャケットですよね。
欲しい。
欲しい。これは欲しい。
これは欲しいよね。
そういう感じでね。
30:00
子供たちの目線でも
この社会のね。
そうだね。社会の状況みたいなものが子供目線でも描かれていて。
途中でさ昔のチャイナタウンの友達と会うシーンとかさ
今度は経済的な格差の部分とかもさ。
チャイナタウンの友達からもちょっともう疎まれてしまうんですよね。
メトロポリスに来たことで。
なんかお高く泊まってるって思われちゃうんだよね。
でこう自分の居場所がどんどんなくなっていくローベルトちゃん。
ちょっとしたシーンがすごくいいですよね。
胸をえぐってくる。
胸をえぐってくる。
その社会における居場所の無さというかさ。
生きにくさみたいなものが。
まあ我々日本で暮らしてて
そんなにこういうことは感じないけど
やっぱり誰にも共感できる。
レベルは違っても生きにくさというかさ。
自分らしさとかさ。
自分らしさをどう出していくのかっていうのがね。
共感できるテーマだと思います。
確かに。
好きなシーンの話していいかな。
おー聞きたい聞きたい。
今回スーパーマンは飛べないんで
電信柱?電線の上をね。
電線の上を高速移動して歩いててね。
走っててね。
車の交通の邪魔にならないように。
こういうのも好きなんだけど。
あとスーパーマンが自分の宇宙人になるってことを受け入れて
飛ぶというか両親の残した秘密基地みたいなところに行くっていうシーンももちろん好きなんだけど。
一番好きなのはラストのシーンで
追い詰めたクランの幹部がダイナマイトを腹に巻いてて
それで自らもろとも自爆しようという。
メトロボイス全員のみんなにね。
それを阻止して敵のリーダーとスーパーマンが
言葉を交わすシーンなんだけど
絆が大事だとクランは言うんだね。
お前と奴らは人種も歴史も共有していない。
だからお前たちを賜れる絆などないのだ。
クランはそれを訴えてきた。
絆なくして国家は保てん。
絆ね。絆の大切さってよくみんな言うもんね。
バカにしてるでしょ。絆をバカにしてるでしょ。
でも実際絆って大事だと思うんですよ。
なんで人と人とが結びつくかって考えるときに
例えば会社とかってお金とかで
利害関係でね。
その利害関係が一致しなくなったり
より良い利益を与えてくれる人がいたら
そっちに行っちゃうわけじゃん。
だから組織を維持するには
利害を超えた絆がないといけないと思うんですよ。
絆の大切さを説くっていうのは分かる。
やり方はおかしかったとしても。
このクランということはね。
それに対してスーパーマンがですね。
33:01
束ねているものならある。
リーケや僕、デイリープラネット、ユニティハウス、死刑の友人たち
それどころか地上にいる人たちすべて
皆同じ未来で束ねられている。
同じ明日を分かち合っているんだ。
いいセリフですね。
スーパーマンが言うとちょっといいな。
お前だって一緒にその中にいる。
偏見を捨て、自分の罪を償いさえすれば。
スーパーマンがマイノリティとして悩んできたってことを考えた上で
これを見るとグッときますよね。
クランの人たちが言ってる絆ってのは
過去思考なんだよね。歴史思考。
スーパーマンが言うのは未来思考なんだよね。
皆同じ未来を、同じ明日を分かち合っているんだ。
なるほどね。
いやーいいシーンですね。
そういうことか。
普段さ、説教臭い話とかされるとさ
さっきキズナバカにしてるんだけど
俺もやっぱけって思っちゃうんだけど
ヒーローショーとか見て、ウルトラマンが最後に出てきてさ
いい感じの説教っていうか
説教で説教すんの?
言うんだよ。
人と手を取り合うことを忘れないでくれみたいなことを
そしたらスッと入ってくるもんね。
それは何でなんですか?
何を言うかよりも誰が言うかが大事だからね。
なるほどね。
確かに会社の上司とか親とか先生とかから説教されても
そいつの過去知らないもんね。
オリジン知らないからピンとこないってのあるよね。
ウルトラマンだったら大体誕生から死ぬまで見てるから
そういうことか。
スーパーマンだね。
やっぱり今回こうやって丁寧にさ
彼が悩んできたってことを見せてくれるから
最後の説教がスッと入ってくるね。
実際にはこれ書いてるの高校の先生だって。
確かに。
そんなこと言っちゃダメだね。
でも生徒にこういういい説教してるんじゃないですか。
自分のオリジンを話した上で。
このみんな同じ未来で束ねられているっていうのを
説得力持って言えるって相当だよね。
原作者も中国系二世でしょ。
やっぱりバックグラウンドがあるとな。
あるんじゃないですかね。
言葉の重みってやつね。
あるかもしれないね。
リー兄弟のお母さんが英語下手で悩んでるシーンとか
リアルな話なんでしょうね。
バカにされちゃったりとか。
言い間違いをひにくられたりとかね。
リアルで胸にグッてくるよね。
グッてきちゃいますね。
そういう人がこういう説教したら確かに
同じ明日を分かち合ってるんだって言ったら
確かになってなるかもしれない。
こういう気持ちで生きていきたいね。
どこを好きでした?シーン。
36:00
私好きなのは
男神リーちゃんとお母さんが喋るシーンですね。
これ中国語、関東語で喋ってるシーンなんですけど
メトロポリスに居場所がなくて
悩んでる男神リーちゃんに対して
お母さんが言うわけですよ。
居場所ってのはどうやってできるのか。
その場所の秘密を見つけていくと
そこが故郷になるの。
っていうセリフがあって。
かどのパン屋は火曜日には最高のエッグタルトを出す。
公園の端にある木製のベンチは
お父さんと私が夕日を見るのに最高の場所だった。
気難しいおばあさんが本当は優しい人だった。
そういう地域の秘密を知っていくことが
その場所を故郷にする方法なんだ
というセリフがあるじゃないですか。
これってもう
ジャーナリズムの話にも関わってくるのかなと思って。
なるほど。
秘密として何かその地域の
メトロポリスの取材をして秘密を知っていくこと
っていうのはこの秘密を
分かっていくことにほかならない。
そこを故郷にしていくことにほかならないわけで。
だから最後に
ロイスからペンをもらって
デイリープラネットの新人記者になって
この話は終わっていくんですけど
超美しいエンディングだね。
綺麗だね。
まあ探偵になってもよかったけどね。
確かにね。ゴスターもね。
スーパーマンと被るってのがいいんじゃないですか。
あ、そっかそっか。
スーパーマンも故郷がなかった人間が
ジャーナリストになって
メトロポリスの秘密をどんどん探っていくわけじゃないですか。
なるほど。
そして同じように乱心リーチャーも
故郷をなくしてしまったけど
ジャーナリストとして取材して
メトロポリスを別名明日の街を
故郷としていくために
努力していく。
いい。
つまり誰でもスーパーマンになれるんですよ。
あなたも僕もスーパーマンなんです。
そうだね。
終わり方。
じゃあそう思うと
最初のクラークケントの取材も
なんかいいこと言ってるね。
そうだね。いいね。
誰でもスーパーマンになれるんです。
誰でもスーパーマンになれるんだと。
そして故郷、居場所を見つけることは
誰でもできるんだっていう
希望に満ち溢れた。
スーパーマンにふさわしいですね。
やはり希望が。
そうだね。
この話の中にもあったけど
この胸のSの字はね
クリプトンのその
実家っていうか。
実家の家紋なんだけど
希望を意味するんだよね。
やっぱ希望のヒーローなんだね。
そうだね。
スーパーマンってめっちゃいい奴だね。
応援するわ今度から。
そうだね。
もうバカにしないわ。スーパーマンのこと。
またじゃあちょっとスーパーマンなんかやりましょうか。
またぜひ。
というわけで
スーパーマンスマッシュ・ザ・クランでした。
居場所をどうやって作っていくのかっていう話
結構アメリカの映画とかさ
我々が読んでるアメコミとかでも出てくるのかなと思っていて
そうですね。
さっき話したワンワン物語も
ラストシーンは
移民とアメリカに暮らしているエスタブリッシュメント層が
39:01
結婚して子供を作るっていう終わり方だったし
前やったミズ・マーベルも
ラストはムスリムの少女と
カトリックの少年が
ラスト手を取り合うシーンで終わっていたり。
そうやって恋愛。
そうそう。恋愛とか
子供を作るっていう形で
居場所を作っていくっていう話が多かったんですけど
今回は
異性愛とか
子供を作るとか
家庭を作るとか
そういうのとは違った形で
自分の居場所をどうやって見つけるか。
なるほど。
具体的には自分らしく生きることが
その社会で居場所を作ることになるんだ
っていう終わり方になってて
すごく希望にあふれた
ラストじゃないかなって思いましたね。
そうか。
新聞記者になる自己実現。
そうだね。
自分の名前を取り戻して
自分らしく生きる。
自分らしく生きる。
なるほど。
それが居場所になるんだという訳で。
確かに。
そうだね。
いろんな人に刺さるというか
希望のある終わり方だね。
私もしアメコミ読んだことない人に
最初の一冊進めるならこれを
スマッシュ・ザ・クラウンを進めますね。
相当気に入りましたね。
まず大事に
手に入りやすい。
まあそうだね。
新刊なんで。
そしてグリヒル先生のアートワークが
めちゃくちゃ読みやすい。
日本人には
馴染みのある感じかもしれないね。
そうそう。
ストーリーも
居場所を探しという
普遍的なテーマを使っているし。
そして何よりも
本のサイズが小さい。
本当にこれ読みやすかった。
読みやすい。
本当にこれは。
やっぱりアメコミでかいからな。
一冊目でいきなりウォッチメンとか渡されてもね
困るもんね。
箱入りだしでかいし。
面白いけどな。
面白いけどね。
いろんな意味で重いよね。
めっちゃ面白いけど
重い。
重いよね。
一冊目でガーってなっちゃうから。
そうそう。
化粧箱入りだからさ。
一回出すっていう。
二回出す作業がね
本作が必要になってくるんで。
そうだね。
あれはあれの良さがありますが。
確かに最初に進めるのっていう風に考えるとね。
これですね。
こっちにプがあるかもしれないね。
スーパーマン嫌いな人類とかいないからさ。
めちゃくちゃスーパーマン好きになってるじゃん。
でもダメか。
こういう発想が差別とかそういうのに繋がっていくんだね。
そうだね。
いろんな人がいるんだっていうことを受け入れてね。
前提としてやらなくちゃね。
私はスーパーマンがこの本で好きになりました。
でも今回こうやってこの本を取ることで
スーパーマンを理解しようっていうか知ろうと思ったわけじゃん。
確かにね。
知った結果好きになったんだよね。
なるほど。
相手を知ろうっていう気持ち大事だよね。
なるほどね。
エグザエルとかヤンキーっぽくてなんか嫌だなってずっと思ってたんだけど。
分かる分かる。
ハイ&ローっていう映画みたいなのが一発で好きになっちゃったからね。
いい。
いいよね。
コンテナ街で不良が個性に豊かな不良たちが。
42:00
みんな自分らしく生きてたもんね。
確かにな。
そうね。
そうやってね。
お互い分かり合っていけるといいよね。
確かに。
ということでまた次回。
ありがとうございました。
さよなら。
そんなスーパーマンとウォッチメンが共演というかぶつかるお話が12月に公開されます。
ドゥームズデイクロック。
今後期待。
楽しみですね。
絶対やりましょうね。
絶対やりましょう。