オンラインで買い取った怪談話
怪談作家の宇都郎しかたろうです。この番組では、私が行っている怪談売買所で買い取った世にも奇妙な体験をされた方のお話をお届けします。
今回は、オンラインで買い取ったこの番組に関する怪談です。番組の最後にはお知らせもございますので、ぜひ最後までお聞きください。
去年の3月頃に、中古で渋フリーのお部屋にスマホを買ってもらったんですよ。夏頃になって、宇都郎さんのポッドキャストを聞き始めたんですね。
それが多分8月頃だったと思うんですけど、聞き始めたらちょっとちょくちょく、ちょっとよくわかんないなーっていう現象が起こるようになって、
例えばなんですけど、ツイッターとかインスタグラムとかをアプリを閉じようかなって思って、音楽アプリを開いてないのに宇都郎さんのポッドキャストが突然流れ始めたりとか、
電源を入れて、パスコードを入れて、画面が明るくなった瞬間にそのポッドキャスト、百円怪談が流れたりとかして、もちろん音楽アプリもその時になって開いてないですし、
iPhone開いた直後だったので、まだWi-Fiにもつながってないはずなのに突然流れたりとかして、何だったのかなーっていうことがちょくちょくあったりしました。
一個だけ本当にマジであれは何だったんだろうっていう体験があって、百円怪談をまだ聞き始めた頃ぐらいなんですけど、当時受験生だったんですけど、家で勉強してて、
午前中にリビングで勉強してて、お昼過ぎくらいになって、スマホをちょっといじってたんですね。
なんかすることなくなったなーって思って、ちょっとゲームしようって思って、同時にポッドキャストも聞きたいなって思って、百円怪談をBGMにしてゲームをしようって思って、
その当時、たぶん10話ぐらいしかまだ聞いてなかったんで、11話目ぐらいから聞き始めたんですけど、途中で短いお話が何個か入ってるエピソードがあると思うんですけど、
その回が終わった後に、突然音声がプツって切れて、ヘッって思って、その時は私は当時の最新話に追いついたんだって思って、
じゃあまた1話目から聞き直そうかなーって思ってたんですけど、再生画面にしたらまだ全然続きのエピソードがあるみたいだったんで、
なんか変なこともあるなーって思って、その次のエピソードからまた聞き始めたんですね。そこからまたしばらくして、今どんぐらいなんだろうって思って、再生画面にしたら
16話目が終わって、17話目が始まろうとしてたんですね。その時は17話目にグループラインって書いてて、
面白そうって思って、そのまま聞き始めたんですね。話されてたのは男性だったんですけど、体験されたのが女性の方らしくて、
捨て猫を拾ったと、その女性が。だいぶ弱っている感じだったんで、家で看病してたらしいんですよ。
グループラインで、捨て猫を見つけたみたいな感じのことを言って、看病してたんですけど、猫ちゃんが結局死んじゃって、
ただその死体の処理みたいなのがちゃんとしてなかったって言ったら変ですけど、その後Aさんの言動がどんどんどんどんおかしくなってて、
取り憑かれたみたいな感じになって。
グループラインでの言動とか、グループツアー、ラインだったらグループツアーとかあると思うんですけど、そこで猫の鳴き声聞こえたりとかするみたいな感じのことを言ってて、
結局Aさんが行方不明になったみたいな話だったはずなんですけど、なんかすごい、私はそれがすごい怖い。なんでかわからないけど、すごい怖いって思ってて、
その日は結局20話目ぐらいまで聞いたのかな。で、そのままゲームを、ポッドキャストのアプリも閉じて勉強に戻ったんですけど、
後日、当時の多分40話目ちょっとぐらいかなに追いついた時に、次の配信の更新までしばらく時間があったんで、
もう一回もう一周しようって思って、また1話目から聞き直したんですよ。で、聞き直してて、その時も多分一気に10何話ぐらいまで聞いたんですけど、
その時のグループラインっていうエピソードがすごい印象的だったんで、なんかそれもう一回聞きたいって思ってたんですけど、
待っててくださると全然流れてこなくて、あれ?って思って。で、エピソードの一覧を見たら、17話目にロッカーって書いてて、
なんか私の初めて聞いた時には、ロッカーっていうお話が18話目だったはずだったんですよ。で、あれ?って思って、ない?って思って。
で、え、ない?ない?って思って。で、一回全部、えっと、その当時の最初まで全部聞いたんですよ。でもやっぱりなくて。で、あれ?って思って、私は何を聞いていたんだろう?って思って。
なんか、もしかしたら期間限定で配信されているエピソードなのかな?とか、なんか、グループラインってタイトルがついてたから、なんか、あの、バンされたりとかしたのかな?って思って、で、いろいろ調べたんですよ。
で、ネットで検索したりとかして、キーワード入れてみたりとかしたんですけど、それに該当するようなものが出てこなくて、あれは何だったんだろう?っていうような、そういうお話です。
ついに、この番組にも怪異が紛れ込んでしまったようです。
実は、前々からこの番組を聞いている時に奇妙なことが起きるとか、聞いていると突然スマホの電源が落ちるとか、逆に気がつくと勝手にこの番組が再生されている、などといった話は私の耳にも聞こえてきていました。
怪談話の急変
私は、これまで階段の執筆や階段ライブなど、階段に関わる仕事に携わってきました。
そのような形で階段に接していると、支えながらも実際に怪異が起きることがあります。
例えば、執筆中、すぐ横の窓の外から名前を呼ばれるとか、消してやるテレビがつく、後ろから誰かに覗かれるといったことがありました。
階段ライブでは、本番中ステージの後ろにずっと人影が立っているとか、ステージの下から手が出てあたりをまさぐる、
照明に照らされて舞台の後ろの壁に映った出演者の影が勝手に動く、といったことがありました。
階段を追う者として、私が行っている階段に関する活動の中で怪異が起きることは、それが活動の妨げにならない限り大歓迎です。
それは、私の活動が本物だというお墨付きをあちらの世界から与えられたというふうに感じるからです。
私がMCを務め、実際に怪異を体験された方に階段を語っていただくこの番組が、怪異を引き起こしているとするならば、それもまたこの番組が本物だという証。
制作側の人間としても喜ぶべきことだと思います。 さて、今回は七江さんという女性に体験談を語っていただきました。
それは本当に不思議としか言えないものでした。 まず結論から言いますと、当番組の第17話はロッカーであり、それ以外の回も含めてグループラインという回を配信したことはありません。
そもそも彼女が聞いたという猫にまつわる怪談を私は聞いたことがないのです。 彼女はその配信の中で
体験された方がその話を語り、それについて私が解説しているのを聞いたと言います。 しかも最後にはいつものお決まりのセリフ
それではまた次回お会いしましょうまで私は言っていたそうです。 いつもと同じ題材、いつもと同じBGM、聞いていて特に違和感はなかったとのこと。
しかしそんな回は存在しません。 何かの記憶違いだとか夢と現実を混同してしまっているのかというとそうでもなさそうです。
七江さんはその前後の出来事やどういった流れでそれを聞くに至ったのかまではっきりと覚えているのですから。
では彼女は一体何を聞いたのでしょうか。 七江さんからこの話を聞いたのはオンライン怪談買取の際であり、
幻のエピソードの謎
それは今皆さんにも聞いていただいた通りなのですが、 実はその後彼女に対して追加取材を行いました。
その結果彼女が聞いた話で新たにわかった部分がありますのでそれについて補足します。 話の中で飼っていた猫を死なせてしまったという女性Aさんですが、
彼女が捨て猫を拾ったのは雨が降る中だったそうです。 そのためその猫は弱っていたのではないかとのことです。
そして彼女はその猫を飼い始めるもすぐに死んでしまいます。 その後彼女の言動がおかしくなっていくわけですが具体的にはグループライン内で何の脈絡もなく
猫がね猫がねとしきりに猫の話題を出すようになったこと。 ある時などは突然
猫って可燃物だよねというメッセージとともに無残な猫の死骸の写真をグループラインに 上げていたといった下りがあったそうです。
それを聞いた時七江さんはヒトコアのような怖さを強く感じたそうです。 そしてその後ライン通話中にAさんの後ろから猫が威嚇するような鳴き声がずっと聞こえていた
という部分へとつながります。 もちろんその時には猫はすでに死んでおり
また別の猫を飼い始めたということもないとのことでした 最後はAさんの失踪という形で終わります
この話についての私の解説は捨て猫が出てくる話だったからか どんな理由があれ動物を捨てるということは犯罪なのです
と言っていたんだとか 確かに私は動物を捨てたり虐待することは許されるものではないと考えています
私はペットを飼っていませんがその理由というのもしっかりと世話をできないから ということが挙げられます
ペットは犬だろうが猫だろうが鳥や魚 虫であったとしても一つの命であることに違いはありません
命は尊いと言われますがそのような命を預かるということは大きな責任を負うことです 今の自分にはその責任は全うできないのでペットは買わないことにしているのです
また私は今のペット産業のあり方にも疑問を持っています 命ある生物を単なる商品として扱っており
毎年多くの売れ残った動物が廃棄処分されています このような状況は見るに絶えません
このように動物を取り巻く状況はひどいものがあります 普段からそのように考えている私ですから
七江さんが聞いた話の解説をするとき 動物を捨てるのは犯罪だという意味のことを言うかもしれません
それを思うとこのグループラインという幻の会話 話の内容そのものにもインパクトがあり
それに続く私の解説もさもありなんといったところです とてもリアルだと言わざるを得ません
この話のようにテレビやラジオでありえないものを見たとか聞いたという話は全く ないわけではありません
例えば私が以前取材した話で vhs のビデオにテレビ番組を録画しておいて後日見たところ
不気味な映像が映っておりもう一度それを巻き戻してみても同じ映像を二度と見る ことができなかったというものがあります
また当番組第59話 飲んだら塗るなにもご登場いただいた作家のすざくもいずるさんが実は階段集
階段5式受賞に秀才された階段オーグリーンは死にましたわ この手の階段の中でも特に薄気味悪いものです
これは特撮ヒーロー番組超力戦隊オーレンジャーの とある回についての話です
体験されたのはある男性で彼は幼い頃この番組を毎週欠かさず見ていました ある時いつものようにオーレンジャーを見ていると異様な展開を迎えます
登場人物の一人オーグリーンが包丁で刺し殺されるのです しかもそれがとても生々しく血にまみれた包丁までもが映し出されました
そしてその直後画面は暗転しオーグリーンは死にました というテロップが映し出されるのです
子供向けの明るい特撮番組にしては随分と暗く浮き身ですが このような展開はこの番組のどの回にもなく
その他のスーパー戦隊シリーズのどの作品にもありません これを見たのがその男性一人というのなら俗に言う偽りの記憶虚偽記憶であるとも考えられるの
ですがその後別の方からもオーレンジャーで同様の場面を見たという証言が得られ 謎は深まりますオーレンジャーはそのような形で放送されたことがあるのか
それとも回位なのか テレビにせよラジオにせよ番組は人が作るものですから何かのミスや社会情勢の
変化などから一般公開が自粛され 意をなかったことにされたり特定の場面が差し替えられたりする放送会はあります
有名なところでは特撮番組ウルトラセブンの第12話や 回帰大作戦の第24話
アニメポケットモンスターの第38話などが挙げられます このような作品は俗に封印作品と呼ばれ再放送やメディア化がされなくなったり
問題のある映像に処理を加えられたりします 社会的に問題があるということはなかったとしても
ドラマや映画などで作品の質を高めるために細かい部分に修正が加えられ 初回放送時や初公開時と再放送やメディア化のサイトでは少しだけ
見た目や印象が変わるということも少なくありません 超力戦隊オーレンジャーの件もそういうことなのでしょうか
スザクモンさんはその後この一件の一つの回答として amazon kindle でオーグリーンは死にました子&
アザーストーリーズを上司されています その中である程度謎は解けたようにも見えるのですがそれでもやはり
もやもやしたものが残るかきぶりからはスザクモンさんがまだ完全に納得したわけではない この話は終わっていないと感じられているのかもしれません
詳細が気になる方はぜひ amazon kindle にて スザクモンイズルさんのオーグリーンは死にました子&アザーストーリーズを求めください
さて七江さんの体験に話を戻しましょう 当番組100円で買い取った怪談話では先ほども述べた通り
グループラインというエピソードを制作してはいません 制作の中心にいる私自身が言うのですから間違いありません
制作されていない番組を聞いたということは今回の話も第48話 もう一人の私の解説でもお話ししました
並行世界パラレルワールドが絡む体験なのでしょうか それとも別の何かが関係しているのでしょうか
異なる視点
ここで私たちの認識の話をしてみたいと思います 例えば時の流れというものがあります
私たちが住む世界は過去から現在 そして未来へと時間が進んでいきます
現在だった時間はすぐに過去へと流れていき ほんの一瞬前まで未来だった時間は現在となります
この過去現在未来というのは概念です このような概念を私たちが持つに至ったのは人類が言葉という道具を発明したからです
言葉の発明は人類の認識に大きな進化をもたらしました それは革命と言ってもいいのかもしれません
言葉があったからこそ人類は現在のような文明を生み出すことができたのです では人類のように言葉というコミュニケーションツールを持たない他の生き物はどうでしょう
時の流れの概念一つとってもおそらく彼らが認識しているのは今この瞬間のみです 過去と未来という概念は彼らにはないでしょう
その2つがないということは現在の概念もありません 言い換えれば犬も猫もミミズもオケラもアメンボも過去も未来も現在すらない世界に生き
ているのです つまり私たち人間と同じ視野に立って世界を見ていないことになります
ということは全く違う世界に生きていると言えるのではないでしょうか これは他の生き物に限ったことではありません
人間同士でも全員が全員同じ世界を見ているわけではないのです 例えば資格
男性と女性とでは近くできる色の数に違いがあると言います 女性の方が目で捉えられる色の数は多く
男性よりも女性の方が周囲の光景を色鮮やかに見ています 年齢によっても近くに差は生まれます
例えば味覚 人は成長とともに感じられる味が減っていきます
これは味を感じる細胞が成長とともに減少していくからです 私たちは常に体にある目や耳
肌といった各機関から外部の情報を取り込みます それらは脳を介して私たちの意識へと運ばれます
つまり私たちの周りを取り巻く現実はすべて体と脳を経てもたらされたものであり それら以外の周囲の情報は一切認識することができないのです
ということは体の各機関や脳のさじ加減一つで現実は様々に変わるということです これは私たちが生きていく上で大変に重要なシステムです
例えば脳が全身の機関からもたらされた情報をすべて意識に運んだとしたらどうなるでしょうか 耳からは周囲のあらゆる音が
肌からは全身が触れているあらゆるものの感触が伝わってきます 目や鼻下からも膨大な情報が入ってきて周囲の状況を理解することができなくなるでしょう
そのため脳はある特定の特に重要と考えられる情報だけを意識へと流し それ以外の情報はカットしています
つまり脳は情報を統制・検閲する積書のようなものです 脳がこのように外部からの情報を取捨選択することで私たちは周囲の状況を
その人の脳なりに正しく判断して日常生活を送ることができているのです そして脳の検閲ももちろん個人差があります
同じ景色を見ていても各人で見えているものは違うかもしれません ほんのわずかな際の場合もあれば
ロールシャッハーテストで使用される絵のように全く違うものを見ていることもあるでしょう また同じ赤という色であったとしても私とあなたとでは全く違う色に見えているのかもしれません
現実の多様性
統合失調症や識覚異常といった状態ではなかったとしてもこのような差は当然あるはずです 私たちが現実と呼んでいるこの世界は10人いれば10通りの
100人いれば100通りの世界があるということになります 現実は人によって違いしかもその現実は時として変化します
私たちが生きるこの世界に確実性などはなくそれは流動的で曖昧もことしています オーグリーンが刺し殺される会があったとしても
録画したビデオに奇妙な光景が映し出されたとしても 100円で買い取った怪談話の第17話がグループラインという話であったとしても
それは不思議ではないのかもしれません さて100円で買い取った怪談話は今週の配信をもちまして一旦お休みとさせていただきます
理由としましては安定したクオリティの怪談の配信が難しくなってきたことが挙げられ ます
怪談売買所で今まで集めた怪談の中で配信で使える音質と体験された方の使用許可の 両方を兼ね備えた怪談が減り
聞いていただいている方に楽しんでもらえるクオリティの怪談を毎週お送りすることが 難しくなってきたのです
そのため怪談を集める期間に入らせていただきます その間 youtube の方の活動をさらに充実させていきます
現在配信している怪談語りの動画だけではなく生配信や一般の方々も参加できる ような企画も考えていますのでぜひチャンネル登録をお願いします
それらの告知はツイッターでお知らせしますのでツイッターのフォローもぜひお願いします 怪談収集は引き続き行いますのでオンライン怪談買取は継続いたします
不思議な体験をされた方はこれまで通り番組概要欄のリンクからご応募ください さて
1年以上にわたってお送りしてきた100円で買い取った怪談話ですが本当に多くの方々に 聞いていただくことができ大変に嬉しく思っています
この番組は当事者が怪談を語るという点とそれについての私の見解という二部構成であり 他にはない軽なものだったかと思います
私が怪談一つ一つに解説をつけたのも怪談はただ怖いだけのものではなく それぞれの体験には意味がありそこから様々な学びがあると考えるからです
私の解説が皆さんにとっての学びにつながったかどうかはわかりませんがこの番組を聞いて 少しでも心に残るものがあれば私にとってこれほど嬉しいことはありません
会はいつでも皆さんのすぐ隣で息を潜めています それに気づいた時その会をただ怖がるだけではなく
知的好奇心を働かせてなぜそこに会が存在するのか なぜ自分が体験したのかそれも考えてみてください
そしてそれをぜひ他の人にも伝えてください そうすればその体験は怪談になります
そして怪談は私たちを見えない世界へと誘ってくれます それは私たちの生活をより豊かなものにしてくれるはずです
これからも怪談で楽しく充実した日々をお送りください それではまたいつかどこかでお会いしましょう