第三十一話『相反するものを留める強さ』-【京都篇】 喜劇王 チャーリー・チャップリン-
2016-04-02 11:45

第三十一話『相反するものを留める強さ』-【京都篇】 喜劇王 チャーリー・チャップリン-

「ユーモアとは、哀しみに裏打ちされたおかしみです」。
そんな言葉を残した世界の喜劇王、チャーリー・チャップリン。
彼は、親日家として知られています。
二度目に日本にやってきたのは、1936年。
そのとき、初めて京都を訪れています。
『鴨川をどり』を堪能して、円山公園を散歩し、宿泊したのは、創業1818年の『柊家』。
川端康成も定宿にしていた格式ある老舗旅館です。
宿のひとは、チャップリンの印象をこんなふうに語っています。
「とても几帳面なご様子から、何か別の人のように感じました」。
この旅館の茶室でお茶を飲む姿が写真に残されています。
黒い蝶ネクタイをした彼は、うれしそうな笑顔。
キチンと正座しています。
翌日は清水寺を参り、嵐山や金閣寺を訪ね、西陣織会館で絹のガウンを進呈されました。
以来、彼はこのガウンをこよなく愛し、晩年まで自宅で着ていたと言われています。
戦後、再び京都を訪れたときは、上七軒の銭湯にいきなり入ると言い、周囲を驚かせました。
京都に本部がある日本チャップリン協会発起人代表で、チャップリン研究家として国際的に有名な大野裕之さんは、この銭湯の一件について、こう記しています。
「チャップリンが幼少時代を過ごしたケニントンにも銭湯があり、恐らくはそのことを思い出したのだと推測されます。72歳の世界的な名士になっていても、極貧のロンドン時代のことをずっと忘れることはなかったのです」
幼少時代の貧しさ、哀しさを生涯心に留め続け、世界中のひとを笑わせ続けた喜劇王。
哀しみと笑い。
常に、その二つを見つめ続けたチャップリンが、明日への風に吹かれながら見つけた、人生のyes!とは?

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