第三百十六話『ほがらかに生きる』-【大阪篇】物理学者 南部陽一郎-
2021-09-18 12:24

第三百十六話『ほがらかに生きる』-【大阪篇】物理学者 南部陽一郎-

今年1月、大阪市立科学館で、ある物理学者の生誕100年を記念する企画展示が開催されました。
その物理学者とは、2008年にノーベル賞を受賞した、南部陽一郎(なんぶ・よういちろう)。
企画展のタイトルは、「ほがらかに」でした。
2015年に94歳で亡くなった南部は、生前、この「ほがらか」という言葉を大切にしていました。
「ほがらか」…心に曇りや濁りがなく晴れ晴れした様子、おだやかで明るい様。
南部は、未来を担う子どもたちのために色紙を頼まれると、「大きな夢を抱いて ほがらかに生きよう」と書きました。
彼はインタビューで答えています。
「今の子どもたち、若者は、大変だと思います。とにかく情報が多く、時間の流れが速い。何でも手に入る時代であるからこそ、手の届かないところにある、大きな夢を描いて、それを抱き続けてほしい。目先のことばかり考えていると、世界は痩せ細ります。遠い将来と、遠い過去を大切にしてください」。
南部の幼少期は、戦争による空襲、大震災に大洪水など、過酷な環境下にあり、ほがらかに生きることとは、むしろ対極にありました。
だからこそ、彼には、ほがらかであることこそ、夢を抱き続けるための条件に思えたのです。
若き日に大阪市立大学で教授を務め、晩年も大阪・豊中で過ごし、大阪と縁が深かった南部は、常ににこやかに若者に接し、励ましました。
「失敗は大歓迎。むしろ、科学者なんてものは、失敗や挫折なくして結論にはたどり着けない。試行錯誤というのは簡単だが、一回の失敗で、3年、5年を棒に振ることだってある。でもね、人間は、失敗の中からしか学べないことがあるんですよ」。
先駆者的な研究から「預言者」と言われた、物理学の巨匠・南部陽一郎が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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