第八十五話『変化を見逃さない』-【富士山篇】 画家 クロード・モネ-
2017-04-15 12:47

第八十五話『変化を見逃さない』-【富士山篇】 画家 クロード・モネ-

霊峰・富士山に影響を受けたのは、何も日本人ばかりではありません。
19世紀中ごろの、ジャポニズム。
浮世絵に描かれた富士の山は、世界の芸術家の知るところとなりました。
印象派の巨匠、クロード・モネは、葛飾北斎の『冨獄三十六景』を見て、驚愕します。
「なんだ、この躍動感、ダイナミックな構図、音が聴こえるようだ、水しぶきが、飛んでくるようだ!」
荒々しく襲い掛かる海の向こうに、富士山がありました。
特に、モネの心をとらえたのは、連作という表現方法でした。
さまざまな角度から見える富士山は、時のうつろいを示し、観るひとの心情に寄り添う格好の対象でした。
連続して、同じものを描き続けること。そこから見えてくる、光と闇。
あるいは、時間や空間の流れと、人生が有限であるというテーマ。
やがてそれは前代未聞の大作『睡蓮』での結実に向かっていきます。
86年の生涯で2000点以上もの絵画を描いてきたモネにとって、晩年、最大の試練がやってきました。
両目がほとんど見えなくなったのです。
それでも彼は画くことをやめませんでした。
『睡蓮』は、彼にとってどうしても完成させたい連作。
あらゆる治療を試み、ようやく片方の目の視力が少し戻ると、寝食を忘れて、対象に向き合いました。
浮世絵に描かれた富士山から得たインスピレーション。
変化を見逃さず、変化から学ぶということ。
そこに、モネの神髄が隠されているのかもしれません。
印象派の巨匠、クロード・モネが、その戦いに満ちた生涯でつかんだ、明日へのyes!とは?

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