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これが写生か。これですね、これ皆さんご覧になったかもしれないですけども、これ本当にこれもすごいなと思ってて、いろいろ確か書き込みもあったと思うんですけど、これ見ると、そもそも構図というか、この女の子が、確か実際にはこの一番下にあるように左側にありますが、
これ最初からこの左側だったのか、いろいろ試してというか、どういう経緯だったんですかね。
一番最初は左上の29番ですね。まだフジが一番下まで足り下がっていなくて、結構バラバラな感じで、奥の方に人がかがんでる人がいるんですよね。
布をかぶった人がいて、手前の方は結構蝶なんかも飛んでいて、最初は多分イメージがこういう感じだったんですね。
それをもっとわかりやすく、狂気っていうのをわかりやすく示すには、フジを全面に出して、圧迫感というか脅迫観念みたいなものを出していった方が、より伝わるだろうと考えて、全面にフジを描いていって。
最初はこの女の子だけだったのもあったんですけど、全部ゆりかご入れちゃったんですけど、ゆりかごがない状態もあったんですけど、やっぱりなんかここのキーワードが欲しいと思って、うーんとなって編み出したのが、赤ちゃんのいないゆりかごで。
そのゆりかごの形も、車輪がついてる、車輪というか、揺れる、なんて言うんでしたっけ、ゆりかごの形もこういう形がいいのか、ああいう形がいいのかっていうのを考えて、大きさはどのぐらいがちょうどいいのかとか、いろいろ考えて。
なるほど。他の作品もやっぱりそうなのかもしれないですけど、本番は当然これって決めて描くと思うんですけど、下図は相当、大枠の描きたいテーマとか思いはあるにしても、この細かい構図っていうのは下図で相当いろいろ変わったりというか、試すんですか。
松井 そうですね、結構変わります。
その出来上がった完成品の裏にはこれだけあったっていうのが、やっぱりわかってすごくやっぱり面白いなというふうに思ったんですけど。
松井 よかったです。
そしてですね、展示の最後にあった、やはり私、絵がとても印象に残ったんですけども、生まれるという、どちらかというと個人的な感想としては、そこまでの描かれているものはやはりその松井さんがテーマにされているその恐怖とか狂気とか痛みとかをダイレクトに感じていたんですけども、
生まれるっていうのは、死があって、裏表なのかもしれないですけど、生というので、すごく最後にスーッと心がさらに現れたみたいな感じしたんですけども、これ当然最後に持ってきた意味みたいなものあったと思うんですけども、これは。
松井 今回のこの展示って、9つのセクションに分かれているんですね。最初は自動と自殺から始まって、幽霊、世界中の子と友達になれる、部位、ふわけ、鏡面、クソーズ、ナルシシズム、彼方へっていうタイトル、一番最後の部屋が彼方、その未来に向かって、どうやって私たちは生きていこうかという考えるようなもの、そういったものを作品を展示させてもらっていて、
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生まれるというこの作品に関しては、去年ですね、震災のオークションのために制作したもので、震災のオークションの時に限ってですね、普段の仕事とは全然切り離して、とにかく被災地の方に寄り添えるようなものを描かなければならないなと思って描いたものだったので、
ちょっと全然違うテイストというかのものになっています。
これは、ほとんどが今回展示されているものは、さっきの剣本画が中心だったと思うんですけど、これは違うんですよね。
はい、紙なんですね。私、詩本に描いているのはもう本当に久しぶりで、ずっと絹に描いていたんですけど、紙に描いたことで結構新鮮な発見がありまして、絹に描いていると、絹ってやっぱり布なので、こうやって編み目状になっていますよね、近くで見ると。
大きな面で見る時には、ぼかしなんかにはすごく向いているんですけど、この編み目があることによって、ものすごく細かい作品を描くのには、この編み目の点の上にしか墨が乗らないというか、墨がつかないので、結局抜けちゃうんですよね、描いた線が。
なので、細かい作品を描くのには、あまり絹は向いていなくて、どちらかというと、紙の方がやっぱりフラットなので、墨がちゃんと乗る。
そしてですね、展覧会のところはこれが生まれるが最後だったと思うんですけど、やはり僕は今日ぜひ伺いたいのが、皆さんもひょっとしたら気になっていると思うんですけども、この展覧会の告知のところですね、やはり松井さんが初のアートディレクションを手掛ける映像作品が3月に公開とのことなんですが、
すみません、プレッシャーかけているわけですが、今どんな状況で、もし話せる範囲で、なんか少しいただけると嬉しいなと。
そうですね、まず映像の世界は全くいつも私の制作している状況と全然違うので、いろんなところで戸惑いがあって、本当に勉強になります。
いつもはアトリエで一人でこもって、ちまちま絵描いてるわけですよ、一人でもうずっと、アイデアも全部自分でやるので、全部一人の責任になってくるんですけど、映像の場合は結構何百人とかの人が関わってきて、これを担当して、あれを担当して、みたいになってくるので、本当に責任重大なプレッシャーを感じています。
でも作品自体は、私は一応監督という形で、絵コンテから全部考えてるんですけど、お楽しみにという感じでしょうか。
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ある程度固まってるんですよね。
映像の内容は固まって、長さ的には1分から3分ぐらいの作品になっています。
楽しみに。初監督作品ということになりますね。
そうです。
楽しみにしてます。
そして、ぜひ2012年も明けましたので、今後、具体的でも漠然とでも構わないんですけど、
その画家松井ふゆ子として、新たにこんなことにチャレンジしたいとか、もし具体的なものでもいいんですけど、あるとしたら。
そうですね。基本的には大きなテーマは変わらないけれども、もっと具体的に興味のあることや個人に関わることにもっと詰めて追求していきたいという気持ちがありますね。
やっぱり詰めれば詰めるほどいいものが出てくるので、もっと具体的にもっと詰めていいものを制作していきたいと思います。
楽しみにしてます。
ありがとうございます。
そして最後になんですけども、ここにいらっしゃっている方もほとんどの方もすでに展覧会を見ていらっしゃると思いますけども、
番組のこのラジオ美術館のひょっとしたらまだ見ていない、まだ見ぬ人へも含めてですね、メッセージというか、あえて松井さんから一言いただけると。
はい。私の作品は一つ一つ、結構じっくり見ていただけるものとなっているので、時々作品の横にコンセプトがしっかり書かれていますが、
そのコンセプトに関しては、私はこういうふうに考えて制作していますという提示ではあるんですけども、
ご覧になる方はもう本当にご自由にご覧になっていただいてもちろん構わないというか、そういう気持ちでおります。
で、なんかこの絵の意味がわからないって言った時にちょっとそこからヒントを得て、また自分の中でこの考え方を増やしていったりとか、
自分の中でおこがましいですけど問いを投げかけてみたりとか、そういうきっかけになったらいいなというふうに思っています。
なので、そうですね、自分を思い描くきっかけのようなものになれたらいいなというふうに思います。
なるほど、今後も5月の5月絵画を楽しみにしております。
ありがとうございます。
はい、ということで、今日はラジオ美術館に画家の松井裕子さんをお迎えしてお話を伺いました。松井さんどうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。