検閲の定義と意義
やわらかいほうのごたく
行政書士応援ポッドキャスト、やわらかいほうのごたく、KAZUです。
福岡では口砂が飛び始めて、喉が焼けるように痛いんですね。
だいぶマシになったんですよね。
5年前とかは、口砂が飛び始めたくらいの頃、PM2.5とかが取り上げられたくらいの頃は、
まじ、高熱出して寝込んでましたね、春咲きとか。声出ないくらい咳したりとか、大変でした。
今日はですね、表現の自由の21条1項を前回やりましたんで、
21条2項についてやりたいと思います。
喉が焼けるように痛いです。
日本国憲法の第21条2項、検閲はこれをしてはならない。通信の秘密はこれを犯してはならない。
この一文というか、短文で表現されています。
あえて2項をね、憲法21条1項で表現の自由は保障されてますよということなんですけど、
あえて2項を設けたっていうことは、検閲は絶対やっちゃダメよ、通信の秘密を犯しちゃダメよっていう、
絶対やっちゃダメって構成に書き残したかったんだろうということなんですけど、
非常に端的な一文で表現されています。検閲はこれをしてはならない。通信の秘密はこれを犯してはならないということで、
これについて勉強しろよって言われてもですね、勉強?え?だって書いてある通りじゃんみたいな話なんですけど、
そもそもじゃあ検閲はしてはならないのはわかったけど、検閲って何をしちゃダメなのよっていう素直な疑問がですね、議論に発展していくわけです。
個別具体的な判決によって、そうですね、いつもの判例によって埋めていくしかないところなんですね。
検閲とは何かと。
税関検査事件という有名な判例がありまして、この中で検閲とは行政権が主体となって、
思想内容等の表現物を対象とし、その全部または一部の発表の禁止を目的として、
発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止するというものですよと。
という定義が示されております。
ここで初めて出てきたのかな。
定義ですね。
ここは覚えるところかなと。検閲とは行政権が主体となって、思想内容物の表現物を対象とし、発表前に発表を禁止するものということ。
この4つですね。
その税関検査事件なんですけど、
税関検査事件と事前差し止め
あるXという人がですね、ヌード初心者を輸入申告しましたと。
外国から持ってきて輸入申告したところ不許可となったと。
税関で止められて書籍の輸入について検査を実施して、輸入の可否を判断することは検閲に当たるんじゃないかと。
さっきの憲法21条2項に反する行為なんじゃないかというふうに訴えた事例です。
結論としましては、税関検査は憲法21条2項が禁止している検閲に当たらないと。
先ほどの4つの行政権が主体となって、思想内容等の表現物を発表前に発表を禁止するものという4つの定義があったんですけど。
そもそもこれはですね、輸入禁止になっただけでなくて、発表禁止になってない。
外国から持ってきているので、国外で発表済みのもの、表現物がですね。
であり事前の発表そのものを一切禁止するものではないため、これは検閲に当たりませんという結論が出されています。
その他ですね、北方ジャーナル事件ですね。
北海道知事選に立候補予定のXさんを批判する記事を掲載した雑誌を販売しようとした出版社に対して、
Xが仮処分の申立て、この後また地方行政、地方じゃないや、行政法のところで出てくると思いますけど、
仮処分の申立てをしたところの裁判所は発売前に名誉起訴を理由として同雑誌の出版を差し止めた事例ということです。
結論として、ここで出版社が検閲じゃないかと差し止めを、表現物を差し止めたので発表前に、
販売前にですね、検通に当たるんじゃないかということで訴えたということなんですけど、
裁判所の仮処分による事前差し止めは検閲に当たらないということが結論です。
事前差し止め、原則として事前差し止めは、
右出版物が公務員または公職選挙の立候補者に対する評価、批判等に関するものである場合には原則として許されるものではありません。
原則として事前差し止めはやっちゃいけないよねと。
ただし例外としてその内容、表現内容が真実でない、またはもっぱら攻撃を図る目的のものでないことが明確であって、
かつ被害者が重大にして著しく困難回復な被害を被る恐れがある時に限り、例外的に事前差し止めをすることが許されますよねということが原則と例外ですね。
事前差し止めの仮処分によって命ずる場合には原則として口頭弁論または債務者の人身を経ることを要するんですけど、
今回雑誌の販売という締め切りとか決まっている切羽詰まった中で、再建者、そのXさんですね、
批判する記事を書かれた人が提出した資料によって表現内容が真実でないかもっぱらまたはもっぱら攻撃を図る目的でないものが明確であるということと、
かつ再建者、このXさんが重大にして著しく困難回復な損害を被る恐れがある。
その発表物というか出版物が発表されちゃったら困難ですよね。
やっぱりごめんなさい、あれ嘘でした、間違ってましたって言っても、出ちゃった瞬間にニュースとか人の目に触れた時点で、
回復を困難な損害をこぐる恐れがあるということで、この場合は口頭弁論または再建者の人身を得なくても、
減なくても憲法21条の趣旨に反するものとは言えない。
事前差し止めは検閲にそもそも当たらないんだよということと、本当は口頭弁論もしくは再建者の人身を必要とするんですけど、
それを差し止めする、仮処分する場合にはですね。
でもそもそもその表現物が真実でない、もしくは攻撃を図る目的のものでないことが明白で、
かつ回復困難な損害をこぐる恐れがあると認められた場合は、先に口頭弁論等しなくても事前差し止めすることができる。
それは憲法21条の趣旨に反するものとは言えないということです。
で、さっきほど4つの定義、検閲の定義言いましたけど、検閲つってのは行政権が主体となってという1つ目の条件があったので、
これは司法権による差し止め命令なんで、そもそも検閲に当たらないと解せることができるということなんですね。
行政権が主体でやると検閲に当たる可能性があるけど、司法権による差し止め命令は事前の発表禁止であっても検閲に当たらないと解せることができるということなんで、
ここらへん結構引っ掛けで出してきそうな感じですね。
真実でないって断定されちゃってたんで、公務員または公職選挙の候補者に対する批判がですね、この雑誌嘘じゃんって断定されたと回復困難な損害を交付するおそれがあるので、
一回出ちゃうとやばいので仮処分ですね。差し止めの仮処分というのが後から行政法をやっていくと出てくると思いますけど、認められたと。憲法21条に違反するものではないという風な事例でした。
家永教科書事件と歪説表現
その他ですね、第一次、家永教科書事件というのがあって、教科書検定ですね。小学校とか中学校の教科書の、これ教科書として認定してくださいみたいな。
検定があって、これちょっとこことここと修正してくださいみたいなことをやってたら、教科書の間に合わなくて不服で直したんだけど、1年後に教科書検定をまた受けてくださいみたいな感じになっちゃって、おかしいでしょうと。
精神的損害?精神的被害を被ったとか言って国家賠償を求めるみたいな訴えを起こしたんですね。教科書書いてた人が。これは検閲じゃないかと。憲法違反だって騒いだんですけど、結論として別に教科書として不適当って言っただけなんで、一般図書としての発行を制限するものではないので事前抑制に回答しませんよと。
21条2項に違反しませんよというふうに出された、家永教科書事件ですね。何でも憲法に違反するんじゃないかって言うなよっていう話なんですけど。
ただし、また別件でですね、総務省において、行政ですよね、行政権。総務省において出版前に書物を検本することを義務付け、弾圧の結果、旧俗を外すべき書物にては発行禁止することは検閲に当たりますよということで、やっぱり行政権が主体となって定義ですね。検閲とは行政権が主体となって思想内容等の表現物を対象に発表前に発表を禁止するものということですね。
この4つの基準を照らしていくと、さっき言ってきた判例の結論には納得できるのかなというふうに思います。
憲法の条文には絶対やっちゃダメよっていうか書いてないので、個別に問題が起きたときにこうやって裁判の中で法律のスペシャリストたちが解釈を加えて言葉を作ったりとか定義を作ったりとか基準が作られていって、
その基準と照らして次の個別具体的な裁判においてはどう判断するかみたいなことが作られていったと。それを問う試験がまた生まれていったということで、実に日本らしいというかですね。
憲法には改正されてないので一文しか。あとは法律とか判例でうまいこと処理しておいてくださいっていうようなイメージですね。
この検閲の4つの基準ですね。行政権が主体となって思想内容等の表現物を対象に発表前に発表を禁止するもの。この4つの基準は必ず覚えておいたほうがいいと思います。
マイナー事例から出題されたとしても、さっきの4つの基準に照らし合わせれば対応できるのかなというふうに思っています。
21条そのほかですね。表現の自由関連では歪説とは何かについても真面目にですね。歪説って何よそもそも。これ歪説表現が多いからこの作品は差し止めというか出版しちゃダメよみたいなことがあるんですけど。
歪説とは何かについてクソ真面目に判例において定義されておりますので紹介したいと思います。チャタレイ事件ですね。昭和32年3月13日。最大判となっています。
イギリスの小説チャタレイ夫人の恋人には、チャタレイ夫人という人が不倫をしていてその恋人との恋愛を描いたみたいな小説なんですけど、露骨な性的描写がある。
出版社もどう超えている表現だなと理解しながら出版しましたよと。その後この作品チャタレイ夫人の恋人はですね、欧州発売禁止となりました。しかもその翻訳者と出版社社長が刑法第175条違反で起訴されてしまいましたという内容ですね。
その歪説文書に対する規制は表現の自由、日本国憲法第21条で保障する表現の自由に反しないんですかというのが問われた部分ですね。結論としては違反しませんよということです。ここで判例の中でそもそも歪説とはということで3つの定義が示されています。
イタズラに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ不通人の正常な性的周知心を害し、善良な性的道徳関連に反するものを言うんですよ。
これは芸術作品であったとしても、例えば絵画とか映画とかであったとしても、それだけで芸術作品だから歪説性がないというふうに否定することはできないんですよと。さっきの3つですね。3つの基準に引っかかれば、歪説物反腐罪で被告人を処罰しても21条には反しませんよという結論が出されております。
こういう歪説表現の3つの基準について問われることもあると。
関連して余剰犯不相間の下張り事件、男女の性的交渉の情景を線上的筆記で露骨詳細かつ具体的に描写した部分が両的筆跡に文章の中枢、小説の中の中枢を占めているので、
さっきの3つの歪説の基準に照らすと、構成とか展開とか思想的価値などを考慮に入れたとしても、芸術作品だとしても、主として、読者の公職的興味に訴えるものと認められる本件は刑法175条に行くという非歪の文書に当たる。
歪説の文書に当たるんですよということみたいです。小説や芸術作品であっても総合的に、いたずらに性欲を興奮または刺激説明、不通人の正常な性的周知心を害し善良な性的道徳管理に反するかどうかを検証して、歪説物に当たるか、エロ過ぎるかどうかを判断しますよというふうに結論付けられている。
です。歪説表現に対しても、新しい言葉というか定義をですね、新しい定義を持ち出して、これに当たる場合は処分される可能性があるよと、起訴される可能性もあるし、報酬発売禁止となる可能性があるよということで、
憲法関連の判例と議論
それは表現の自由、21条として表現の自由として保障されてるんだけど、何でもありじゃなくて公共の福祉からの制限を受けることがあるよという内容の判例ですね。
21条1項もそうなんですけど、2項についても、検閲に当たるか当たらないかというところ、通信の秘密というところもですね、例えばメールだったりとか電波を受信したりとかいうこともできるようになったので、そこら辺についてもまた新たに議論されているところみたいです。
憲法関連の判例っていうのは、こういうふうに言葉とか定義とか、じゃあそもそも外説って何?とか検閲って何?みたいなところからですね、始まって新たに示された概念だったり新しい法律要項が出てくることがあるので、非常に試験に問いやすい、いろんな問題の出し方ができるし、
マイナーな判例の中でも、さっきの基準に照らせば判断できますよね、みたいな感じで、試験官が出してくる可能性が非常に高い部分になっています。
試験官の立場なら非常に楽しいやろうな、みたいな感じが憲法関連の判例ですね。
深掘りしていくというか、関連した判例をですね、効率的に勉強していくのがいいのかなと。
あんまり深掘りしすぎると、結局試験、300点満点の試験においては28点分しか出題されない、1割いかないぐらいのところが憲法なので、ここをこん詰めてやりすぎるような科目じゃないのかなというふうに思います。
103条までありますからね、今21条、間すっ飛ばして21条なんで、個人的なすごく好きな、面白いなっていう判例がたくさんある部分なんですけど、
テーマごとに関連判例も含めて効率的に勉強していって、過去問に当たりながらですね、どう判断するんだとか、その基準に照らしたら確かにその判決文は納得やなっていうのを、
判例独特の言い回しとか論点整備のコツを身につけていくのがまず憲法なのかなというふうに思っています。民法で法律の具体的な権利関係の話とか、どういうふうにバランスをとるのかっていうところを学んで、
行政法では手続状のいろいろ覚えることがあるので、行政法が結局一番問題数も多いし、点数も配点も高いところなので、そこに注力していくために、まず憲法が一番最後の最後の取り手なんで、すごく分かりやすく整理されているし、
法律のスペシャリストの最強の人たちが集まって話し合って議論して論理立てて、判例要旨をですね、判決文を発表しているというところなんで、もう突き詰められて、ロジックとしてはもうなかなかこうね、大学教授とかが崩そうとおかしいと。
昔のことなんでですね、80年前とか70年前の判決が今も判例として引用されているのがおかしいっていう気持ちも分からなくてはないんですけど、当時としてはですね、どうだ完璧だろうみたいな。
これ以上このロジックを崩せるやついないだろうみたいな感じで出ているのが、それがですね、しかも、歪説って何みたいなところにもですね、真剣に答えてくれているのが僕は個人的には好きなんですけど、皆さんが行政職種試験という形で勉強するところにおいてはさらっと、
そういう判断基準で、さっきの4つ目とかさっきの3つ目っていう判断基準でやったのねっていうのが理解しておけばいいのかなというふうに思っております。
はい、21条2項のですね、検閲はこれをしてはならないっていう、この一文についてですね、つらつらと喋ってきました。
この後ですね、またちょっと戻って公務員の人権とかね。公務員ってなんかいろいろやっちゃいけないんですよ。政治的中立性を損なうようなものをやっちゃいけないとか。
在管者ですね。受刑者って言っていいんですかね。在管している人、刑務所に収容されている人の人権とか、人権の限界とかですね。公共の福祉によって制限されるっていうのは何回も先ほどから言っておりますが。
私人間公欲とかね。個人ごとにやるとか、そこには憲法は直接的に適用されることはないよっていう個人的な話には適用されることないよとか。
学校と大学とですね、個人とか会社と個人の場合はどうですか。あとはですね、新しい人権とかいうのもありますね。肖像権とかプライバシーとか宗教関係とか幸福追求権の中の新しい人権ですね。
最近になって出てきた人権について、じゃあどう考えるか。例えば性同一性障害のものが戸籍状の性別を変更するにはとかいうところも最近ですね、またいろいろ、令和5年の新しい判例ということで、生殖能力なく手術を受ける要件が必要ですっていうのは、それは憲法に違反するんじゃないのみたいな議論も
やっぱり時代に合わせていろんな個別具体的な審査が行われて、そこに対して答えを出していってるっていうのが、こういうとこは最近の話なので出しやすいよね。あと肖像権プライバシーだったりですね。
新しい人権と呼ばれているところなどについてもお話をできればいいなと思いますが、何回も言ってますけど、これ聞いてても試験には受かりませんので、僕が面白いなと感じたところを中心におしゃべりをしていきたいと思いますので、順番に聞いてもあんまり意味ないよっていうただの言い訳でした。
以上、聞いてる暇があったら勉強したほうがいいよ、柔らかいほうのごたく、カズがお届けしました。コメント、チャンネル登録、フォロー、ぜひよろしくお願いします。バイバイ。