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2023-06-22 20:54

985. 超巨大ブラックホールたちが40億光年先でダンス

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は、40億光年先で見つかった超巨大なブラックホール同士のぐるぐる回っている
錬成のお話をしていきたいと思います。 ブラックホール同士が、しかも超巨大なブラックホール同士が回っているこの現場、
どうやって見つかったのか、ここには非常にラッキーな要素が詰まっている。 そんな結論になってくるかなぁとも思ったり、
あとは天文学の未来を切り開く上で、実は重要な候補天体かもしれない。 そんなところまでお話ししておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
2023年6月22日、始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、 毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが985話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますので、
気になるタイトル、気になるトピックから、ぜひ聞いていただけたら嬉しいなと思います。 面白いなと思ったら、ぜひフォローもしていただければ嬉しいです。
そんな感じで、前回は10億光年先の銀河と銀河のぶつかり合いっていう交通事故みたいなお話をさせてもらったり、
その前は結構宇宙ビジネスっぽい話というか、 ソフトバンクが宇宙からインターネットを届けるサービスっていうのがどういうものなのか、
みたいな話をさせていただきました。 そんな感じでですね、結構いろんなバリエーションで宇宙の話してるんですけど、今回は天文学のお話ですね。
特にめちゃめちゃ遠くにあるブラックホールのお話をしていきたいなと思っております。 今回はこれ大人気宇宙ポータルサイト
ソラエとのコラボ企画になっておりますので、文字でも、そして画像でも、そして音声でも宇宙を楽しめるという、そういう立て付けになっております。
ぜひですね、こちらの概要欄の方にリンクも貼っておきますので、ぜひ覗きに行ってみてください。 ということで、まぁ早速今回お話ししておこうかなと思いますが、今回紹介するのは
めちゃめちゃ遠くにある、これ4ビリオンライトイヤーなので、40億光年先にある ブラックホールの話をしていきたいと思っております。
40億光年ってね、まぁなんか宇宙の全体の大きさから見たら そこまで遠いかっていうと、まぁ遠い部類ではあるけどって感じですよね。
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で、そんな中で、その40億光年先に活動銀河と呼ばれるような めちゃめちゃ活発に動く銀河があるんですよ。こいつの名前を
OJ287っていうふうに言っていて、一番古い観測記録では、これ1888年に見つかったと。
そんな時代から見つかるんだっていう。でなんかこれ、いろんな海外のサイトとかもいろいろ調べてみると、1888年って、
まぁそういう、これ銀河って言ってるけど、言っちゃえばでっかいブラックホールがあるような状態なんですよ。
ブラックホールを見つける技術って、1888年はないはず。で、ないんですよね。で、じゃあどうやって見つけたのかっていうと、この銀河として見つけたっていう感じで、
惑星を見つけようとした中で、なんかたまたま、偶然、運良く見つかったっていうね。
なんかそんなことあるんだっていうような感じですけど、まぁそういう幸運ラッキーな天体であるこのOJ287。
で、後の観測いろいろ、まぁ1世紀ぐらい経った1982年とかに、ちゃんと詳細な観測とかが行われて、で、この天体が40億光年先にあるっていう話だったりとか、
あとは、そういう観測の結果いろいろ見てみると、なんかわかんないけど、55年の周期で明るくなったり暗くなったりしている、だったりとか、
その中でも12年の周期で明るくなったり暗くなったりしているとか、っていうような、なんかすごく複雑な環境っぽいんですよね。
55年の周期と12年の周期って、ぴったりマッチするタイミングないじゃないですか。
だから、なんかこう、でっかい変化もありつつ、ちっちゃい変化もありつつ、みたいな、なんかこう、やっぱ不思議な感じなんですよね。
で、まあ、短い方の、この今回研究の対象になったのは、この短い方の12年周期っていう風に呼ばれる部分ですね。
で、これ、もう先に結論言っちゃいましょう。これ先に結論言うと、めちゃめちゃでかいブラックホールと、まあまあ大きいブラックホールが、
ぐるぐるぐるぐる回っていて、こういう周期を見せていたっていう、そういう結果なんですね。
面白くないですか、これ。どういうことかっていうと、今回見つかったこのOJ287っていうのの詳細な結果っていうのは、
もともと巨大なブラックホールであることは分かっていた。で、そのブラックホールの重さっていうのが、なんと太陽の、これすごいですね。
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184億倍。でけえ。超でかいですね。184億倍の重さを持つ天体であったと。
で、これが見つかったのが本当に、昔、1900年代後半とかですね。
っていうところに明らかになってきていて、ただその短い周期で明るさが変わっていく、その周期って何なんだろうっていう研究が今回行われたっていう、そういう背景があります。
で、そんな中で研究をいろいろ進めてみると、なんとこの184億倍、太陽の184億倍の重さを持つブラックホールの周りを、これ、
太陽の1億5000万倍の重さのある超重いブラックホールが回っていると。
すごくないですか?なんか数字が。もう一回繰り返しますね。
太陽の184億倍の重さのブラックホールと、太陽の1億5000万倍のブラックホール。
どちらも大質量ブラックホールっていうふうに言われるような、巨大なブラックホールではあるんですけど、それが12年に1回とかっていうペースで近くを通ったり遠くを通ったりっていうような感じを見せていたと。
なんかこれ、なんて表現するのが一番いいのかなと思うと、
彗星みたいな感じなのかな。あとは普通に、ブラックホールの周りを回っている地球みたいな状態で捉えてくれてもいいかな。
あ、太陽か。太陽の周りを回っている地球みたいなのを想像してくれればいいかなと思うんですよ。
その周りを回っているから、ただ、すごい近くに行く時と遠い時とっていう、中心でぐるぐる円形に回っているっていうよりは、
楕円形に回っているし、ブラックホールがすごく近づく楕円のこのタイミングと、そうじゃないタイミング等で、かなり離れたり近づいたりするっていうような、そういう現象ですね。
っていうのが12年周期で見えていたっていうのが、今回研究結果として明らかになった部分ですね。
すごいですよね、これ。で、これ、面白い結果なんですよ。なんでかっていうと、まあ一つ将来的な話をすると、
2016年、2016年、2017年ぐらいのノーベル賞で重力波の話が出たのって覚えてますか。
で、ここから重力波天文学っていうのが幕を開けて、で、重力波天文学がどんどん発展していくことっていうのは、
100年前にアインシュタインが予測した、この相対性理論とかを観測的に解き明かしていく、みたいなところの面だったりとか、
あとは今まで、宇宙空間を解き明かす上で、光の情報しか使ってなかったけど、重力っていう天体、どの天体も持っている力っていうところ。
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で、なおかつこれ、光っていうのは重力に紛られてしまうけど、重力波っていうのは何の影響も受けないんですよね。
っていうところで、より宇宙の真理に迫れるっていうところが注目されている部分であるので、重力波天文学っていうのが重要視されてるんですよ。
で、これ重力波って、ポッドキャスで説明するのなかなか難しいなと思って、たまにしか紹介してないんですけど、
どの物体も重力波っていうのは持ってるんですよ。 僕たちも重力波源だし、太陽もそうだし、ブラックホールもそうだし、すべてが重力波を出し得る。
まあなんか、僕たちの体って体温とかがあるから、赤外線とかで撮ると、例えばそこらへんの地面とかよりもすごく光を発してる時あるじゃないですか。
けど僕たちは、そんな光を発している意識はないというのと同じような感じで、実は重力波に相当する能力っていうのを僕たちは持ってるんだけど、
まあ普段の生活の中でそこまで意識するようなこと、というかもう全くですね、全く意識することではないっていうのがこの重力波の特徴なんですよ。
で、重力波っていうのは、なんかイメージ的には世の中に薄いなんか膜みたいなのがあって、その上で僕たちが生活してるイメージでいると、
重いもの、トランポリンとか想像してくれたらいいかな。すっごい重い、すごいでかい人がトランポリンジャンプするとめちゃめちゃ沈むじゃないですか。
で、一方でなんかちっちゃい子とかがジャンプしても、そこまでそのトランポリンの膜って沈まないですよね。
あれみたいな感じで、膜の上で何かすごい重たいものがあると膜が沈む。
そしてブラックホールとかみたいなのってその重さがすごいので、どんどんどんどん沈んでいって、なんならその膜をもう無限に下の方までグーッと引っ張って、まるでそこが見えないような状況になっている。
これがブラックホールなんですよね。
だからもうすっごい大きいトランポリンの上で、すっごいでかい人が立って真ん中の方に、そしたらめちゃめちゃ膜が沈んでいって、あれ?みたいな。
あの人どこまで膜沈めてるんだ?みたいな。もう見えないじゃん。みたいなね。
そうすると、でっかい人が沈んでいくとこを見てた人は、なんかあの人が沈めてる場所だよねってわかるけど、
パッと見、いきなり来た人ってでかい穴開いてるように見えるじゃないですか。
もうしかもそこもないような。これがブラックホールなんですよね。
で、重力波の面白い部分っていうのは、トランポリンもそうなんですけど、真ん中に人が座ってるだけだったらその膜って揺れませんよね。
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ただ一箇所がグーッと沈んでいくだけなんですよ。
ただ、そのトランポリンの膜はどうやって揺れるのか。その揺れが重力波であるんですけど、どうやったら揺れるのかっていう目線で見ると、
誰かが飛び跳ねたりとか、表面を走ったりとか、移動すると膜が揺れますよね。
その膜の揺れを検出するのが重力波天文学なんですよ。
で、今回その40億光年先に見つかった、138億倍だっけ?の巨大なブラックホールが見つかった。
つまりそのブラックホールは、その重力の膜をただひたすら下にギューッと押し込めている状態なんですよ。
ただ、いたずら心のあるもう一匹が現れて、本当は昔からいたんですよ。
僕らがただただ見つけられてなかったっていうだけで、
太陽の1億5000万倍の重さを持つ、中心の星に比べたら軽いけど、一般的には超巨大なブラックホールの一つである、
1億5000万倍の重さを持つブラックホールが、その周りを走っていると。
で、12年に1回その穴の近くを通って、ウェーイみたいなことをやることで、トランポリンの表面をぐにゃんぐにゃん、ぐにゃんぐにゃん波を作る。
しかもそれが12年に1回近づいたり離れたりするから、12年の周期で重力を強くしたり弱くしたりみたいな、
一箇所のね、っていうことを行っているっていうことが、今回の研究でわかったんですよ。
それが起こると、何がわかるのか。
これまでは、ブラックホールが例えば、一緒になって100億倍100億倍が200億倍になる、みたいな合体の瞬間を捉えてたんですけど、
そうではなくて、ブラックホール同士がこんなに近くで、ぐるぐるぐるぐる回ろうとしているっていうところは、
定期的に、周期的にブラックホールが作り出す重力波の波っていうのを捉えられる候補天体として考えられるんですよね。
っていうところで、重力波天文学を今後もしかしたら、すごく強化してくれるような場所かもしれないし、
重力波って見つけるのめっちゃ大変なんだけど、こういう天体が先に見つかっていると、
じゃあ、あそこから飛んでくる光だけに集中すれば、みたいなこともできなくはないんですよね。
っていうようなところで、どんどんどんどん重力波天文学が、こういったところから加速していくんじゃないかというような、ちょっとワクワクした研究結果になっております。
でですね、いきなりこのタイミングで、その130億倍とか、1.5億倍とか、
っていうような、ブラックホールの錬成、2つ組み合わせてできた錬成っていうのが、いきなり見つかったのは何でなのか、気になりますよね。
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だってこれ、それだけしか、宇宙空間にその天体しかそういうことをしているものはないって、そっちの方が考えづらくないですか。
ね。だから僕たちも、地球外生命体っているんじゃないかって思うわけじゃないですか。
僕らだけなわけないみたいな。こんなに広いのに。っていうところと一緒で、多分、
同じようなブラックホールとブラックホールがぐるぐる回って、で定期的に光の変化を見せているものってあるんですよ。
ただこれ、こういう天体が今まで見逃されていた理由が何なのか、これ研究の担当者曰く、
フーンらしいです。ラッキーじゃなかった、アンラッキーだった、見つけられなかっただけだと思う、みたいなことを言っていて、
あ、そういうもんなんだと思って。でもそうするとなんか、この天体ってただただめちゃめちゃラッキーな天体に聞こえてくるんですよね。
最初に話したみたいに、ブラックホールを見つける技術がない時代、1988年とかにこの天体っていうのは見つかっていて、
しかも偶然に。で、しかもその時を経て、今だから150年ぐらい経っているのか、そこからね。
150年ぐらい経った現在で、こんなに有用な天体はないぞ。未来をもしかしたら切り開いてくれるかもしれないっていうふうに思われている天体に、
レベルアップしてるわけじゃないですか。もう運だけで。って思うと、広い宇宙の中でも見つけられるのはごく一部だし、そういったところで分かるところが、
もしかしたら今後僕たちの知見っていうの、宇宙を研究する上で重要な、僕たちがどこから来てどこへ向かっているのかっていうような、
おっきい疑問を解決してくれる種っていうのは、結局運任せなんじゃないかなみたいな。そういうところをちょっと思わせてくれる面白い研究結果だなと思って、今回は紹介させていただきました。
ということで、今回は40億光年先に見つかった、巨大なブラックホールが2つぐるぐる回っている現場、こちらについて紹介させていただきました。
今回の話はね、大人気宇宙ポータルサイトソラエとのコラボ企画になっているので、ぜひ概要欄の記事からも飛んでみてください。
そんな感じで本編以上になりますので、最後コメントを紹介させていただきたいと思います。 これですね、昨日のエピソードにすぐつけていただきました。
リスナーネーム 達也中村さんからいただきました。ありがとうございます。毎日楽しみに聞いています。
ところで、銀河同士の衝突とは何がぶつかるのでしょうか。 中心のブラックホール同士の衝突のことでしょうか。
銀河はかなりスカスカだと思うので、衝突のイメージがよくわからないので質問させていただきました。 ありがとうございます。
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そうですね、ここでいう銀河同士の衝突は、 思ったよりスカスカではあるんだけど、対極的に見ると、銀河の中にある
星同士っていうか、ガスとか、塵とか、そういったなんか一つの塊としてぶつかっているっていうようなイメージですね。
なんか、イメージで言うとどういうのが近いのかな。
結局、なんかこう、もやーっとした他の宇宙空間よりは密度の高い塵とかガスとか、
星を作るための材料がたくさん固まっている領域が、 もやもやしたやつが2つドーンってぶつかっている感じなんですよね。
そうすると、遠くの星でどんどん星を活発に作るような、 材料たくさんある銀河たちですから、そこでガスとかがぶつかるっていうのも、
実はそんなにスカスカではなくて、ちゃんとガス同士がドーンってぶつかる、 しかもその衝撃が衝撃波として生まれるぐらいの勢いでぶつかれるっていうような、そういうイメージですね。
ブラックホールにぶつかるまでには結構まだまだ、 距離があるような場所での衝撃波の発生っていうところになっていたりするので、
まあそういったイメージですね。なので昨日の銀河同士の衝突のお話っていうのは、 中心のブラックホールがぶつかっているというよりは、
ガスとか、そういったところの銀河っていう塊の中を構成しているいろんなものが面でぶつかっているみたいな、 そういうイメージで捉えていただけたらいいんじゃないかなと思います。
いや嬉しいですね。番組の感想もめちゃめちゃ嬉しいんですけど、僕が説明したところの、いやここがわからんっていう話をしてくれると、
それに対して、いやこうですよみたいな話もできたりするので、 こういった質問とかね、どんどんなんか次の日とかに紹介できたら面白いんじゃないかなと思います。
で、ぜひ昨日のエピソード聞いてない人は、今の話踏まえつつ、昨日の984回も聞いていただけたら嬉しいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。
ということで、今回は以上にしていきたいと思います。 今回の話も面白いなと思ったら、お手元のSpotifyアプリでフォロー、フォローボタンの下にある星マーク、
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近々重要な発表あるかもです。
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