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2020-12-17 13:45

69. 世界中で出回った宇宙フェイクニュースのハナシ

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今、最も超新星爆発を起こしそうな星ナンバーワンのベテルギウス。

去年世界を賑わせたベテルギウスのフェイクニュースを紹介します。

真実を見極める目を養いましょう!

冬になってきて、夜空に現れてきたこいつに注目!


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元記事

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はい、始まりました。佐々木亮の宇宙話。普段、国の研究機関で、天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします。こちらのポッドキャスト。
今日はですね、昨日に引き続き、ベテルギウスが超新星爆発を起こすんじゃないかっていう話が、フェイクニュース化のようにすごく広まった、ちょっと出来事について解説していきたいと思います。
科学系のフェイクニュースって、実はそこまでそんなに多くはなくて、というのも、どっかの大きいニュースサイトとかが出すときっていうのは、専門家の意見を聞いて、それを引用して記事ができたりっていうところがあるので、あんまり大きくフェイクのニュースが流れることっていうのはあまりないんですけど、
今回はそこの研究者が絶対にイエス、絶対にノーみたいなのが言えない抜け道みたいなのが、いつの間にか拡散してしまったっていうお話をさせていただきたいと思います。
もしベテルギウスについてのお話がですね、まだちょっとあんまりピンとこないよっていうような方は、昨日のポッドキャストもぜひ聞いていただけると嬉しいです。
ベテルギウスについてと、超新星爆発っていうものについて紹介しております。
最後までぜひお付き合いください。
ということで、毎日の活動報告をさせていただいておりますが、今日も例にも漏れず、爆死審査論文っていうのの作業をずっとしておりました。
何回かポッドキャストでも紹介させていただいてるんですけど、私の研究のメインっていうのが光勢なんですね。
太陽みたいに自ら光っている星の爆発現象であるフレアを、太陽ではなくて他の星で発生しているその爆発をいろいろまとめ上げるっていうような研究をしてるんですけど、
実際にはその星がいきなり明るくなるみたいな、その光の変化の量とか、あとは光を細かく分解してみて、その星がどういう状態になってるかっていうような研究をするんですね。
で、ある程度研究の結果とかが出揃っていて、そうすると、そこでどういう現象が起きているのかっていうのを類推するためには、太陽で細かく研究されているものをそこに応用していくっていう形が多いんですね。
太陽は私たちが知っている通り、目の前に大きく存在しますから、研究をすごく細かくされてるんですね。なので、それが太陽と同じように起こっているとしたら、この星は今こういう状況だろうっていうようなことをするので、最近は太陽に関する研究の論文っていうのをひたすら読んで論理を組み立てているといった感じになります。
03:11
1月明けぐらいから、明けぐらいに出さなきゃいけないので、結構ラストスパートっていう感じですが、頑張ってやっていきたいと思います。
ということで、今日は早速本題に入っていきましょう。本題のベテルギウスが超新星爆発を起こすんじゃないかっていう話のフェイクニュースがどう広がっていったのかっていうお話をさせていただきたいと思います。
昨日聞いてくださった方は結構わかると思うんですが、ベテルギウスと呼ばれるオリオン座の肩にある星ですね。その星がすごく年老いていて、もう死にそうだっていう状況なんですよ。
いつ死んでもおかしくないというような状況で知られている星なんですが、その星がもし死ぬってなると大爆発、超新星爆発ってものを起こすんですね。
それが起きるんじゃないかっていうニュースが一時期ネットですごく広まったんですよ。
これが、ただでも別にそんな証拠は全くなくて、よく調べてみるとどの研究者もそんなことは言ってない。
このデマニュースがどうやって広がったのかっていうところを報告されているいろんなニュースとかで時系列で追ってみました。
大前提としてあるのは、理科の教科書とかにも書いてある通り、この星は超新星爆発を起こすかもしれないとずっと言われている星ですというところがあって、
1年前ですね、ちょうど2019年の12月頃にこのベテルギウスが今まで見せたことがないぐらいの暗さまで一気に暗くなったんですよ。
もうろうそくの火が消えてしまうんじゃないかってぐらい。ベテルギウスってもともと一等星とかって言われる、夜空の中でも本当に一番明るい星の部類に入るものなんですが、
そこから二等星ぐらいまで明るさが落ちていったっていう状況があって、
そういう異常な光の減衰というんですか、光がいきなり暗くなったところで、あれ、なんか星が変だぞっていう速報みたいなのが天文学者から出されたんですね。
で、彼はその報告した研究者の方はベテルギウスの明るさが何か変だぞというような、ただ事実だけをオンライン上の研究者が見るそういう速報サイトみたいなところに投稿したんですね。
こういう速報性の高いニュースっていうのは論文としてではなくて、ちゃんとした論文としてではなくて、速報論文といった形で世界中に公表するっていう流れが天文業界にはよくあります。
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実はこのサイトを自分もよく使っていて、宇宙ステーションの機器の運用をしている中で見つけた天文現象を速報の論文にまとめてここに報告するっていうようなことを結構日常業務としてやっていたりするので、このサイト自体はかなり信憑性の高い情報が並ぶことが多いと。
その中である研究者の方がベテルギウスの明るさが何かいきなり暗くなってる。いつもと違うぞっていう報告をしたんですね。
このぐらい暗くなるのは正直研究者の中で見たらそこまで不思議な感じではなかったんですが、今後もっと暗くなる可能性があるからこの研究者の方を報告したんですね。
なので科学的には別に間違ったことは何もしていないと。そこで別に超新星爆発なんていうワードは一切出ていなかったんですよ。
ここに一切出ていなかったんですが、皆さんが前提として持ってる超新星爆発を起こすかもしれないと言われてる星が異常な暗さを示した。
ここの2つの情報が掛け合わさってインターネット上でどこからともなく、これは超新星爆発の前触れだというような説が上がり始めたんですね。
こういう憶測みたいなものっていうのは全然許容範囲というか、正直特に珍しいことでもないですよね。
そういう一般の人が言ったデマがちょっと拡散しちゃうというところがあって、ベテルギウスの明るさが暗くなっていると報告した研究者の方は引き続きベテルギウスの様子を世界発信していたわけなんですよ。
そうすると1週間、2週間、1週間、2週間ぐらい経ったときにもっと暗くなっている、ベテルギウスが。
その時さらに温度までどんどん下がってるっぽいぞっていうような研究が出て始めて、そうするともっとネットでの注目度が高まるんですね。
あれみたいな、誰かが言ってたベテルギウスのおかしいって言ってたらもっとおかしくなってるらしいぞと。
そうなったときに、このネットで聴診性爆発の前触れだっていう振れ込みがだんだん広まってきました。
ここでそうなるとやっぱり大手メディアですね、NHKとかも含む多くのメディアでそれを取り上げようとしたときに、
専門家であったり研究者に対して一旦インタビューを挟んで、そこでの言葉を利用して報道を行うわけなんですよ。
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ここで注意したいのは事実としてはベテルギウスの明るさが異常に暗くなったっていう状況だけですね。
異常に暗くなってるっていうだけです。
そこに対して聴診性爆発が起きるかもしれないと言われてる星が暗くなってますが、これは聴診性爆発の前触れですかっていうような質問が研究者に投げられる。
これは日本国内の研究者の方もいらっしゃいますしっていうような感じで。
そうなると正直言って聴診性爆発の前触れでその星が一気に暗くなるかどうかなんていう研究結果は今までないわけですよ。
ここが研究者が断言できない悲しい部分なんですが、今まで例がないからありえないっていう結論は誰も至らないんですね。
今までないかもしれないけどそれは単純に私たちは知らないだけかもしれないし。
っていうところで聴診性爆発の前触れっていう説がありますがどうですかって言われたら例がないからそうとは言えないけど、だからといって違うとも言えない。
前触れじゃないとも言えないっていうような返事しかできないわけです。
そうするとメディアからしてみればそれ来たことかと。
これは聴診性爆発の前触れの可能性もあるといったようなちょっとした希望的観測が含んだニュースが世界中にだんだん出回るわけなんですね。
というところでフェイクニュースみたいな状態で聴診性爆発起きるぞっていうような話が世界中に広まったっていうのが経緯ですね。
なのでここで注目したいのはさっきも言った通り事実はただベテルギウスの明るさが暗くなっただけ。
でそこに人間の憶測ないしそういう希望的観測がおびれのようについて人を賑やかすニュースになったというところでこういうのっていうのは今後も
コロナウイルスの感染者数だったりとかそれこそワクチンを打ったときの副作用が出る割合だとかっていうところで
人がちょっとでも興味を持つような数字の見せ方っていうところをしてくる可能性があるのでぜひ皆さんこの
一般的にニュースで見た時の数字っていうところはしっかりと慎重に見ていかないといけませんというようなお話をさせていただきました。
ではですね、昨日も言った通りこれ3日連続でベテルギウスの話をさせていただきたくて
最後はじゃあこの暗くなった原因が何だったのかっていうような研究が出ていたのが2つ論文としてしっかり出ているのでそちらを明日は紹介していきたいと思います。
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今日実際につぶやいていただいたツイッターネームにちこさんのコメントを読ませていただきます。
ベテルギウスのクロックニュースあれはフェイクだったの?見てみたかったなぁ。
藤原の定家いいなぁ。この気持ちがフェイクニュースを読み込むのかっていうような感じで、こういう風に実際に超新星爆発が夜空で起きたら嬉しいじゃないですか。
嬉しいし、やっぱ見てみたいって思うのが当然なので、そういうところにつけ込んで、別に今回のフェイクニュースというか広まってしまったニュースに関しては、
特に実害が出るとかそういうことはないので、そんなに問題視する必要はないですが、こういう科学系のニュースっていうのは意外と落とし穴があるっていうところを皆さんに知っておいていただけると非常に嬉しいなと思っております。
こんな感じでツイッターのコメントもじゃんじゃん紹介していきたいと思いますので、ぜひ皆さんつぶやいていただけると嬉しいです。
ハッシュタグ宇宙話よろしくお願いいたします。それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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