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Credit:NASA
ソース
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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。
今回は、土星の周りを回る衛星、ここからなんと、地球にある生命体が誕生したものと、同じ要素が見つかった、そんなお話をしていきたいと思います。
これは、今後の地球外生命体を発見していくっていう上で、本当に重要になってきそうな研究です。
しかも、これは、ネイチャーと呼ばれる、科学的にはものすごくインパクトがある、宇宙業界だけじゃなく、人類の科学発展にとって非常に重要であると認められた研究にもなっておりますので、今回はこちら紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
3、2、1、イグネーション、スペース、ジャパン、佐々木亮の宇宙話。
2023年6月18日、始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが981話目を迎えております。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピックだったりとか、気になるタイトルだったりとか、まあそういったところから聞いていただけたら嬉しいなと思っております。
そんな感じで、前回は火星の水が昔いっぱいあったのになんで今ないんだろうとか、その前は
日本の安全保障っていう面から見た宇宙開発の方針だったりとか、っていうところで、今後10年の宇宙の話とかをどんどんしていったわけなんですけど、
今回は、ネイチャーっていう超インパクトのある論文、そして世界中が注目する研究が乗る論文ですね。
ここに上がってきた宇宙の生命体、見つかるんじゃないの、そんなお話ししていきたいと思っております。
でですね、これは結構面白い部分かなと思っていて、何かというと、月の周りを回っている、間違えた、土星の周りを回っている月ですね。
土星の衛星である、エンケラドスと呼ばれる天体があります。
この天体に、生命、地球にいるような生命が誕生するのに必要であると言われているリン、リンと呼ばれる要素がめちゃめちゃたくさん含まれてるんじゃないか、
そういう研究結果が出てきたので、こちら紹介していきたいと思います。
エンケラドスって言葉、記憶にある方多いんじゃないでしょうか。
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というのもですね、実は2週間前ぐらいかに、がっつりエンケラドスに関するお話しさせていただいておりました。
こちらですね、エピソード968、969っていうところに、紹介させてもらったんですね、エンケラドスって呼ばれる天体。
これは月の周りを回っている、まあ全然違う、さっきから。
土星の周りを回っている月ですね。これをまあ、土星の衛星っていうふうに呼んでるんですけど、こういうふうに惑星の周りを回っているものを衛星って言うんですね。
そのエンケラドスをカッシーニと呼ばれる探査機で見たところ、今まで見つかっていなかった生命が生まれるのに必要だと言われている物質が発見された。
しかもこれがかなりの量ありそうっていう、そういうお話です。 これは面白いですね。
で、そんなところから、まあやっていきたいなと思ってるわけなんですけど、忘れてしまってる人もいるかなっていうところもあるし、
初めて聞いたよっていう人もいると思うので、まずは土星の衛星、エンケラドスって呼ばれる天体ですね。こちら紹介していきたいと思います。
この天体は内部に液体の地下の海っていうのを持っているっていうのが指摘されていて、そこに注目が集まっていると。
で、これにプラスして熱い水が噴き出すような、寒血栓と呼ばれるようなものですね。これも見つかっているっていう、そういう状況なんですよ。
で、これなんでその液体の水、そして海みたいなところと熱水が吹き出る噴出口っていうところがあることが重要なのか。
っていうところで言うと、実はこれ、実はですよ、地球の生命が生まれた場所も同じように海の底だったんじゃないかっていうふうに言われている。そこがゆえになっています。
地球の海、こう海底深くまで潜ると、地球の内部にあるその熱源ですね。
マグマだったり、マントルって言われるような部分だったり、そういったところで蓄えられた熱と海水っていうところが相互作用を起こす部分っていうのが複数見つかると。
で、これが熱水噴出口っていうふうに呼ばれるようなところで、地球の生命体っていうのも実はそこの周りから生まれたんじゃないか。
っていうのが説として挙げられているっていう、そういう部分があったりするんですね。
実際に海底のなかなか厳しいところであるにも関わらず、その熱水噴出口と呼ばれるようなところの周りでは、生命の生態系っていうのが今現在も維持されていることが確認されていたりすると。
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っていうところがあって、海の中でそうやって熱いところに生命体の生態系が生まれるっていうところは実際にも分かっていることではあって、その場が地球の生命を作り出した本当に根源の場所っていう可能性もまだ考えられている状態だったりするんですね。
で、そんな中で同じような状況を持っているだろうというふうに言われているのが、土星の月。土星にとっての衛星のエンケラドスと呼ばれる天体です。
このエンケラドス、氷の衛星って言われているので、表面は氷に覆われていて、直径がだいたい500kmぐらいであるというような、そういう天体なんですね。
で、この割と小さいじゃないですか。直径500kmだから。小っちゃいと言えば小っちゃいって感じかな。っていうところがあって、一般的にもだんだん知られ始めているっていうところ。
で、そんな中でアメリカの航空宇宙局NASAが飛ばしたカッシーニと呼ばれる探査機ですね。これは土星のこの月であるエンケラドスのところの地下の海から噴出する間欠船みたいなところを通過して、その中にあるものっていうのが一体何なのかっていうのをどんどんどんどん探していた。実はそういうものなんですよ。
で、そんな中で、例えばちょっと前に話した、その2週間前ぐらいに話した、エピソードいうと968、969でも話したんですけど、最近だと、そのカッシーニは天体の近くまで行ってるけど、そうではない角度、つまり観測的な面からその間欠船を見て、なんか新しいことを解き明かそうっていうところで、
4分半のジェームスウェップ宇宙望遠鏡の観測っていうのが実はスタートしたっていう、そういう背景もあったりするんですよね。そういったところで結構面白い結果が出てきて、詳しくはそっち聞いていただきたいんですけど、出てきて、で、そうなってくると、じゃあこれからどんどんどんどん観測していくと面白いことがわかるんじゃないの?って言われていたフェーズで、ネイチャーの論文がドカーンと出ると。
もうね、してやったりでしょうね、この論文書いた人としては。
で、一体どういうふうにやったかっていうと、今回はこれも直接観測しに行った、その場観測って言われるような方法に近い方法を取りました。
どうやってやるかっていうと、カッシーニと呼ばれる探査機が、このエンケラドスまで行って、そこから紛失されている物質っていうのを分析すると、ダスト分析器って呼ばれるものを使って、こう探査機に衝突したプルーム、その乾血栓ですね、表面からブシューって吹き出た海水っていうのの素性を調べる測定器を使って観測をしたと。
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で、こんな感じで、もう実際に直接物を取得して、その上で分析して、一体何がわかるのかっていうところをガンガンガンガン調べていたんですね。
で、その結果、プルームって呼ばれる、氷の表面から中の海の海水がブシューって出るような、その中身からナトリウム塩、塩ですね、って呼ばれるようなものだったりとかが見つかりましたと。
で、そこに加えて面白かったのが、リン酸。リンですね。カタカナでリン。
なんか言葉として、物質としては聞いたことあると思います。なんか難しい話するとわかんなくなっちゃうんで、リンっていう物質が地球の生命体にとってめちゃめちゃ大事っていうところだけ、頭の片隅に入れといてください。
で、その地球上に住んでいる生命体に必要な、それらが生まれるのに必要だったリンと呼ばれる物質が、これ、このエンケラドスの海水から発見されたというところが、今回の研究の面白い部分ですね。
そして、さらにユニークなポイントっていうところで言うと、その地下水の、地下の海のリン酸の濃度っていうのがだいたい、これは単位難しいんですけど、1から20ぐらいっていう数字が出てるんですよね。
これちょっと科学詳しい人向けに話すと、1から20のミリモルパーリットル。モルって言葉めっちゃ久しぶりに聞いたなって人いると思うんですけど、
高校の科学の授業で出てくるかな?モル。モルの計算、距離、速さ、時間みたいな、同じような公式でモルの計算とかできるの覚えてる人いるかな?
で、だいたいこれって、1リットルの水の中に、だいたい1000分の1モルとか1000分の20モルぐらい入ってるっていうイメージ。
わかんないですよね、これ。なので、だいたい1から20ぐらいのスコアを持ってると思ってください。
で、それに対して、これ面白いのが、地球の海水、地球の海水っていうののリン酸の濃度っていうのが今、500ナノモルパーリットルですね。
これはさっきは、1から20ミリだったんですよ。これ、ミリからナノっていうのは、ナノの1000倍がミリなんですよね。
つまりどういうことかっていうと、地球の海水っていうのが、0.5ミリですね。
500ナノだから0.5ミリに対して、エンケラドスの地下水は1から20ミリっていうところになっていると。
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そうすると、これはどうなるのか。
あ、違うな。もっとちっちゃいわ。ごめんなさい。もうゼロ3つちっちゃいですね。
1000分の1に対して1000万分の5とかっていうような、そのぐらいの数値感ですね。
ってなってくるので、地球の海水のリンの濃度に対して、エンケラドスと呼ばれる天体のその海水のリンの濃度っていうところは、
これなんと、数千倍から数万倍の濃度の高さがあるっていうことがわかったんですよ。
もしですよ、これ。もし、地球の生命が誕生するのに、リンっていうのがものすごく重要で、
その濃度が濃ければ濃いほど生命が生まれる材料が多いみたいな目線で研究が進むのであれば、
地球の海水よりも数千倍数万倍濃いリン酸が含まれている海水がエンケラドスにあるというところは、
これものすごく注目度の高いものだなっていうところが、今回この研究で明らかになったっていうところなんですね。
リンっていうのは、DNAとかを作る上で重要な元素の一つであるっていうことがわかっていて、
これがギュッと詰まっているのは、本当に生命誕生の鍵なんじゃないかというところのインパクトが、
まさにこのネイチャーっていう論文に研究が載った理由っていうところにもなりますね。
で、これが濃縮した場を地球以外で初めて発見したっていうのが今回のインパクトの強さでもあって、
そうすると地球外生命体っていうところの誕生が実は目の前で起こってるんじゃないかっていうところまで話が広がっていくって、
実はそういう話なんです。
いや、これはやばいことですよ、やっぱり。
今までそもそも20年30年ぐらい前に、エンケラドスっていう、20年前か、
エンケラドスっていう天体が生命誕生の場として実はものすごく面白い性質を持っているんじゃないかっていうふうに注目をされ始めたところから、
ここまで科学技術の発展できたというところで、そうするともうどんどんこのエンケラドスっていう天体の重要度っていうのが今上がっていってる。
しかもこれ、地球外生命体を探す上で結構重要な要素が調べれば調べるほど揃ってくると。
ってなってくると、なんか遠くの星に地球外生命体あるかもとか言っていたところがね、めちゃめちゃ近くにある。
だって土星って、水・金・地・火・木・土・天・海の土ですよ。
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なので2つ、3つ先っていうところになってくるっていうところになると、めっちゃ近くにあるじゃんみたいな。
もちろん今みんなが地球外生命体っていうのを想像した頭の中に出てるものって、人の形とか頭とかありません?
そのレベルではなくて、本当に微生物とか細菌とか、そういうところのレベルではあるんですけど、そういうのが見つかる可能性があるっていうのがかなり面白い部分なんですね。
そして、それが見つかってきたら次はその知的生命体って言われるのを見つけに行きたいって、たぶんどんどん人間の欲っていうのが上がってくるので、
そういったところまでを見た上で、一体今後宇宙開発どういうふうに進んでいくのか。
手堅く世界中の方針として進んでいるアルテミス計画とは別口で、こういうのがどんどん動いていくっていうのはかなり面白い部分になりそうだなっていうところあるので、
積極的にこれからも紹介していければというふうに思っております。ぜひですね、楽しみにしておいてください。
ということで、今回の本題は、土星にとっての月エンケラドスから地球生命が生まれたのに必要な要素が見つかった。
地球外生命体、意外と近くにいるんじゃないの?っていう、そういうお話をしていきたいと思っておりますので、ぜひ楽しみにしておいてください。
はい、ということでですね、そんな感じで、じゃあ最後、リスナーからのお便り紹介させていただきたいと思います。
これね、前回のエピソードにすぐコメントをくださったものを紹介させていただきたいと思います。
リスナーネームルーボさんからいただきました。今回も楽しいお話ありがとうございます。
火星の砂嵐の存在は知っていましたが、理由を知らなかったのでとても勉強になりました。よかったです。ありがとうございます。
気が早すぎるかもしれませんが、人類は火星の次はどこを目指すのでしょうか?
木星の衛星とか、それとも太陽系から脱出するのでしょうか?
想像するだけでも楽しいですが、もし火星の次はここというものがあったら教えてほしいです、というところでありがとうございます。
そうですね、これ、火星がちょっと先すぎるっていう話もあるので、明確に計画として火星の先っていう話が出ているのは、
僕はあんま今認識できてないかなっていうところですね。これ今言ってたのって人類が行く先じゃないですか。
そもそも月にまずたどり着こう。そしてその後に人が火星に行くかもっていう話があるんですけど、その次ってなってくると、
やっぱそもそも人類が行く必要のある場所っていうのは相当限られてくるんですよね。
しかも今って宇宙開発に必要なやっぱ人件費がえげつないっていう話からロボット化していく流れにもなっているので、
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実は人類がわざわざ直接赴いてみたいなところっていうのは、あんまり広がっていかないんじゃないかなともちょっと思ってるって感じですかね。
まあでも木星の衛星とかって言ってるのすごいいい切り口だなと思ってて、やっぱ木星の周りにそういうの目指しに行ったりもそうだし、
あとやっぱり今日話したみたいな土星の衛星とかね。ただちょっと遠すぎるんですよね。
たぶん移動手段とかまた新しいのが提案されたりとかっていうところになってくると思うので、
でもこの目線でもしまた新しいニュースとか出てきたらガンガン紹介していければなと思います。
結局2回前ぐらいに話した宇宙開発の方針みたいなところっていうのを話したんですけど、
結局民間と政府がうまくマッチングしていってどんどん大きくなっていく宇宙開発の姿勢がたぶんしばらく取られるんですよね。
そうすると政府がお金出してくれる部分じゃないと逆に言うとダメだし、
しかもっていう現実味のありそうなところがむしろ強化されていくって感じなのかなと思うんですよ。
なので、たぶん政府の方針が出てからそこに動き出す民間の部分が現れてくるんじゃないかなっていうのをちょっと思ってたりしたりとかね。
あとはまだやっぱその後の火星を目指すっていうところにすらお金は回ってきてる状態ではないはずなので、
人類がね、人が行くっていう目線で。
なのでそういったところはちょっとまた段階を踏んでいくのがいいんじゃないかなと個人的には思っております。
もしですね、また今回の話たぶん僕より詳しい人いくらでもいるかなと思うので、
コメントとかでもし聞いている方で、いや次ここじゃんっていうのがあったら教えてください。
ということでルーボさん聞いてすぐにコメントしていただいてありがとうございます。
嬉しくて速攻で取り上げさせていただきました。
ということで皆様からのお便り、コメント、感想をお待ちしております。
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