火星の環境と地球外生命体への関心
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。今回は、38億年前に火星に生命がいたんじゃないか、そんなお話ししていきたいと思います。
今回は、サイエンティフィックリポートと呼ばれる科学誌に掲載された研究結果で、簡単に言うと、生命の材料になるものが十分に存在していた時期が火星にあるっぽい、
こんな研究結果が出てきたので、地球外生命体とか好きな方は、ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。どうぞ。
佐々木亮の宇宙話
2024年4月18日、始まりました佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1287話目を迎えるというところで、基本的には1話完結でお話ししております。ぜひですね、気になるトピック、気になるタイトルから聞いてみていただけたら嬉しいです。
本日は4月の18日ということで、満月に向かってだんだん月が大きくなっていくタイミング。もう半月越えて結構膨らんできてるかなと思うんで、ぜひですね、夜空見上げて月見て、お、もうそろそろだなと思いながら宇宙話聞いてくれたら嬉しいですね。
ということで、じゃあ早速今日の本題に行きたいと思います。今日の本題は、昔の火星で生命の材料を作る環境がしっかり整っていたんじゃないか、そんなお話をしていきたいと思います。
今回紹介するのは、昔の火星、火星の環境がかなり面白かったんじゃないかっていう話で、これ地球外生命体とかの話にもつながっていきそうなかなり面白い研究ですね。
今回の研究は、2024年の2月9日にサイエンティフィックリポーツと呼ばれる科学誌に掲載された論文になっているので、かなりインパクトのある研究って感じですね。
で、今回どんな話をしようとしているかっていうと、太陽系って出来上がってから47億年とか経っているわけじゃないですか。で、そんな中で地球に生命が宿っていて、今僕たちっていうのはその環境の中で生きていると。
でも、宇宙好きの人とかっていうのは、基本的に何を気にしているかっていうと、地球外に生命体いるのかなとか、地球っていう環境偶然できたのかなみたいな話とかを結構みんな気にしているわけですね。
で、実際にそういう研究もかなり盛んになってきているっていう、そういう背景があったりします。
で、その気持ちがかなり強いからこそ、小説三体とかね、この間ネットフリックスでドラマ化してかなり話題になってますけど、その三体とか、そういう作品に心惹かれるっていうのも、みんなの興味が地球外生命体っていうところに向いているからだと思ってますね。
火星の環境と生命の材料
そんな中で、今回の研究、どんなことをしたかっていうと、数値計算のモデルを作って、昔の火星を考えていこうっていう、そんな研究になってます。
具体的には、38億年前とか36億年前とかっていう、そのぐらいの期間っていうのの火星の環境を調べてあげると、ある条件下の下では、生命の材料の分子がどんどん蓄積していっていたんじゃないかっていう、そんな研究ですね。
今の火星っていうのは、平均の温度がだいたいマイナス70度ぐらいっていうような、非常に寒い地域になってます。
けど、いろんな火星の研究が進んできて、それこそNASAが火星の表面でヘリコプター飛ばすとか、ローバー走らせるとかっていうので、火星のサンプルを採取するような研究、どんどん進めてたわけですね。
で、そういった研究だったり、いろんな観測の結果から、火星の表面に水が流れた跡とかが見つかっていたりとか、あとは、その鉱物の中に地球科学的な証拠から38億年前から36億年前ぐらいっていう状態のときには、やっぱり火星には液体の水だったり海だったりが存在して、
いわゆる温暖な時代があったんじゃないかっていうのが、結構今、通説というか考えられている部分なんですよ。
で、その中で、じゃあ、液体の水の存在から生命が存在していた可能性っていうところにも注目され始めてる。
で、この生命が生まれる、生命が存在していくっていう中で非常に重要なポイントっていうのが、ホルムアルデヒドって呼ばれる分子ですね。
ホルムアルデヒド、これは生命の材料の分子である糖だったりとか、アミノ酸だったりとか、そういったところの原料になる非常に重要な分子として扱われている。
ただ、火星でホルムアルデヒドをどれぐらい生成し得るかっていうのは、これまで全然分かってなかったんですね。
なので、今回のこの最新の研究ではですね、どうやってやったかっていうと、火星の当時の大気のモデルっていうのを作ってみて、
で、その条件下でホルムアルデヒドどれだけ生成されるのかなっていうのをシミュレーションしてあげたわけです。
火星探査と将来の展望
そうすると火山から噴出されてくる、火星には火山があったっていう考えがあって、で、その火山から噴出される水素が一定量存在するっていう状況下であれば、
約40億年前から30億年前の中で、多くのホルムアルデヒドっていうのが作られていたのではないかというふうに今回の研究で見えてきたっていうところみたいですね。
で、そうするとこのホルムアルデヒドが存在していたことによって、火星の大気の中でどんどんその生命を作り出す循環っていうのが出来上がっていた可能性があると。
そうすると当時は生命が火星にいたかもしれないし、それによってその後の環境が違うことによって地球は今残ってるけど火星はダメだったっていう可能性も出てくるわけですよね。
なので、宇宙の研究をするっていうのが、そもそも僕たち生命がどこから来てどういうところに向かっていってるのか、ここを明らかにするっていうのがかなり重要なポイントになってくるので、この研究は面白いですね。
で、ただあくまで今回数値シミュレーションの話なわけです。数値シミュレーションだから、もうちょっと実際のデータからわかることっていうのがあると、やっぱそうだったんだっていう確証が得られるわけですよね。
それで期待されているのが、今まさにNASAが火星から色々物を持って帰ってきたり、地質調査を進めているところとの繋がりになってくると。
で、これ今NASAがどんどん火星の物質っていうのを回収し始めていて、で、今後のミッションでヨーロッパがその回収船っていうのを火星に飛ばして、それで回収して持って帰ってきたものを分析するっていう形のミッションが取られる予定なんですよね。
そうすると火星の実際のものが得られるから、今後の火星の生命探査というか、生命が存在していたんじゃないかっていうところの研究は一気に進むんじゃないかなということで、それに対してかなりワクワクする研究結果が今回出てきた。そんなイメージで見ていただけたらいいんじゃないかなと思いますね。
いや、かなり楽しみなポイント。で、加えて話しておくと、日本にもMMXプロジェクトっていうのがあります。このMMXプロジェクトは何かっていうと、マーシャンムーンか。
つまり、火星の月を探査していくということで、火星の月がどうやってできたのか。そうしたら、もし火星から剥ぎ取られてできた場合っていうのは、その生命の痕跡とかもしかしたらそっちにも残ってるかもしれないし、日本がそこを見つけていくっていう時代も来るかもしれない。
なので、結構ここから火星探査っていうのは熱量が一気に高まっていくポイントだと思うので、皆さん楽しみにしていただけたらいいんじゃないかなと思います。
ということで、今回はサイエンティフィックリポートに掲載されていた太古の火星に生命の材料があったんじゃないか、そんな研究内容を紹介させていただきました。
ということで、アフタートーク入っていきたいと思います。
いかがでしたかね。火星の研究かなり面白かったんじゃないかなと思うんですけど。
そうだそうだ、1個お知らせございます。何かっていうと、今週発売された週刊プレイボーイ。この週刊プレイボーイの中で、僕が担当した記事が4ページ掲載されております。
いやー、この仕事めちゃめちゃ面白かったですね。何について書いたかっていうと、僕がいたX線天文学っていう分野があるんですけど、このX線天文学で今、世界中が注目してガンガン進めていて、日本がそれを主導しているっていう、クリズムっていう人工衛星があるんですね。
クリズム、これ月面着陸機スリムと同じタイミングで打ち上がって、スリムが大成功を収めた裏で、いろんな準備を整えてきて、今まさに花開こうとしているミッションなんですけど、これの研究責任者、PIっていう方がいるんですけど、それの田代さんっていう方にインタビューをして、記事を作ったというような流れですね。
もともとこの分野にいた僕からすると、業界がよく知られるようなきっかけが作れた、いい記事だったんじゃないかなと思ってるんで、ぜひ皆さんね、コンビニで見かけた方は、またプレイボーイかと。
プレイボーイ買いづらいっていうね、文句をたくさんいただくんですけど、でも今回の記事は、本当に結構力作だなっていう、いつも力作なんですけど、特にって感じなので、しかも評判も良いです。
ぜひですね、まだ読んでない方はチェックしてみていただけたら嬉しいなと思っております。さすがにどこのコンビニにも売ってるかなと思うんで、よろしくお願いします。
ということで、そんな記事の中で紹介した内容とかもちらほらお話ししていこうかなと思うので、まずは買って読んでみてください。よろしくお願いいたします。
ということで、今回は以上にしていきたいと思います。今回の話も面白いなと思ったら、お手元のPodcastアプリでフォローボタンの近くにある星マーク、こちらでレビューいただけたら嬉しいです。
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それではまた明日お会いしましょう。さようなら。