1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 941. 火星の妊娠エコー検査!..
2023-05-10 23:07

941. 火星の妊娠エコー検査!?地球と実は全然違う惑星のなのかも【NASA】【アルテミス】【MMX】

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は、妊娠のエコー検査みたいな形で、火星の内部を明らかにしてあげた。
そういう研究結果出てまいりましたので、紹介していきたいと思います。 太陽系で一緒にできた、そして私たちの未来の移住先になるかもしれない火星。
その火星の中は、地球と一緒なのか、はたまた全然違うのか、 その辺りについて言及できる、かなり面白い研究結果になっております。
ぜひ最後までお付き合いください。
3、2、1、イギネション。
2023年5月8日始まりました、佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の梁が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが941話目を迎えております。 基本的には1話完結っていう形でお話ししているので、気になるタイトルとか、気になるエピソードだったりとか、そういったところから聞いていただけたらいいんじゃないかなというふうに思っております。よろしくお願いします。
昨日は、スペースXとかが再利用ロケットっていうのを使って、一体何を狙ってるのか、実は全然お得ではなくて、むしろ違う目的があって使い回すロケットっていうのが出てるんだなみたいな、そんなお話しさせていただいたんですね。
で、その先に見てるのが火星探査、月探査っていうところ、そして火星移住、月移住ですね。なので、今回は火星に関するお話しです。火星の、しかも地震です。
日本人にとっては、地震っていうのはすごく身近な現象で、ただ今回は、そういう災害的な意味でのお話しではなくて、火星で起こっている、その火星自体の揺れっていうのを使って、火星の内部を検査してあげようっていう、そういう研究を紹介していこうと思っております。
これ、イメージ的に言うと、妊娠した時とか、お腹の中の子供を見る時にエコー検査とかするじゃないですか。あのエコー検査って、お腹の中を超音波とか揺れとかで見ていこうっていう、そういう研究ですね。
なので、これを火星にやってあげたっていう、ちょっと面白いユニークな研究になってますので、こちら紹介していきます。そして、今回のエピソードは、大人気宇宙ポータルサイト、ソラエとのコラボ企画になっております。
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こちらですね、文字でも画像でも、そして音声でも宇宙を楽しめるっていうところで、概要欄に貼ってある記事の方からリンク飛んでいただいて、記事とか読みながらね、いろいろ聞いていくと、結構面白く楽しんでいただけるんじゃないかなというところになっておりますので、ぜひ楽しんでください。
ということで、じゃあ早速本題に入っていこうかなと思うんですけど、なぜ今、火星を研究している分野が熱いのか。そうなんですよ、火星熱いんですよ、今。何でかっていうと、大きく2つ流れあるかなと思ってて、
1つは、序盤にも話したみたいに、火星移住っていうのが、実は今僕たちが進んでる宇宙開発の流れの先にあるっていうところですね。火星移住、本当にあるのかっていう話ですけど、よくポッドキャストで話すのは、アルテミス計画っていう、月面に着陸していこうだったりとか、月面に基地とかを建てていこう、
みたいな、そういう流れの話、よくしますよね、ポッドキャストで。それはもうまさに、アポロ計画の後継プロジェクトっていうところで、あそこから50年60年経って、今のタイミングで、また月面を目指しているっていうかなり熱いフェーズ。
そして、月面にこれ、拠点ができて、月面からまたさらに宇宙探査っていうのができるようになると、火星との距離感っていうのもやっぱグッと近くなるんですよね。そういった中で、火星が僕たちの宇宙開発が進んでるベクトルの先にあるからこそ、面白いっていう流れ。
そしてもう一つは、JAXAが今MMXっていうミッションを打ち上げようとしてるんですね。MMX、Martian Moons Explorationっていうところの略称でMMXなんですよ。Martian MoonsでMMですね。
これ、2024年の打ち上げを目指して開発を進めているので、まさに来年。ただ、昨日のロケットの話にもつながるんですけど、H-2Aロケットとか、この間ちょっと失敗しちゃったH-7IIIロケットとかっていうところの失敗の原因が、実はめちゃめちゃ偶発的なものだったっていう風な、
つまり、今まで起きてなかったのがラッキーぐらいのところで、実は異常が起きてたらしいんですよね。今のところ、今の調査結果で言うと。でなると、実はMMXも確かH-2Aだったかな、に乗せていく予定になっているので、ちょっとミッションの進捗っていうのがちょっと不安視されてる。
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だったりとか、火星と月の軌道的に、この2024年のタイミングに打ち上げなきゃいけないとか、結構いろいろあるんですよ。そういう背景がありつつ、それにしても、やっぱアルテミス計画の先に火星がある。そして、今まさに火星の月を見に行こうとしているみたいなところで、火星研究の盛り上がり方っていうのは結構すごいんですよね。
それだけではなくて、この2つがまさに未来の火星に対する見え方っていうところに対して、もう1つ、これはだいたい2年ぐらい前とかに、やっぱり火星ってすごい話題をかっさらってたんですよね。
1つは、今回紹介する火星の中を探査していくミッションであるインサイトって呼ばれるもの。これが火星の中をどんどん探査していったっていう経緯。そしてもう1つは、火星の表面でヘリコプターを飛ばせるようになった。
っていうところで、火星の表面でNASAの探査機とか諸々がいろんな活躍をしていったおかげで、火星に対する研究の盛り上がり方っていうのは、ここ数年相当高かったんですよね。
っていう中で、探査した研究結果というか、その盛り上がりの中で観測をしていたデータから、今回新たな研究結果がわかってきたっていう、そういう傾向になってます。今回の研究はなかなかその流れから考えると結構面白い部分多いかなと思っているので、ちょっとその流れでお話ししていこうかなと思ってます。
今回紹介する研究は、火星の内部を透けて見えるようにするっていうような、いわゆる妊娠してる方でお腹の中を見るエコー検査みたいな形で、火星の内部を解き明かしていこうっていう、そういう研究なんですね。
地球みたいな、こう、惑星、太陽の周りをぐるぐる回ってる惑星っていうのは、岩石惑星って呼ばれてます。岩石でできている地表のある惑星ですね。一方でこれ木星とか、そういった外側の星っていうのは、ガスとかでできているようなガス惑星って呼ばれるものだったりするので、ちょっと性質が違かったりすると。
この岩石惑星ってどういうものなのか。地表があって、問題は、今回注目したいのは中心部分なんですよね。中心部分。なんかこう、卵みたいな形で何層にもなってるんですよ、地球って。で、大きく分けると、3層になるのかな。内角って呼ばれる一番内側の角、コアって書くんですね。
って書いて、内角が一番内側。で、その外側に外角っていうのがあって、で、外角の外側にマントルの層があって、で、地角。これが地震とか引き起こす部分ですね。っていうのがあって、で、その上に僕たちは住んでるみたいな形になるので、大きく分けると、この4階層に分かれてると。
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で、この内角とか外角とかっていうところの中心部分ってどうなってるか、想像したことありますか。
ポッドキャストの中であんまりそこってフォーカスしてこなかったと思うんですよね、今まで。だからちょっとピンとこない人も多いんじゃないかなと思うんですけど、地球とかのこういう岩石惑星の中心には内角外角っていうふうに呼ばれるコアがあって、
特に地球の外角って呼ばれるところは液体になっていて、で、その中心部分にさらに内角と呼ばれる個体のコアができているっていうところ。ただ、このあたりっていうのは地球の中心も中心。
だからもう僕たちが地表から見てる距離で言うと、すごく深いところにあるので、なかなか直接様子を見に行くことができないというような課題がある中で、じゃあどうやってその中が内角外角とかがあって、実はその中の物質っていうのがどうなってるかっていう研究も出てるんですけど、
そういったのってどうやって見てるかっていうと、これ、今回火星で行ったエコー検査みたいな感じで、中を通ってくる地震の波とかを分析することで、地球の掘っていけない中身の部分を解き明かしていけるっていうところが特徴として、研究の手法として実は大きく確立されてる部分なんですよ。
で、このエコー検査、地球でうまくいって地球の中身がどんな感じになってるかっていうのが分かってきたので、じゃあ他の惑星でもやりたいなっていう。で、それによって他の惑星の内側が、この中の方、もうコアの部分、どうなってるのかっていうのを解き明かしたいと。
で、この解き明かすっていうところを行ってあげると、何が分かるかっていうと、やっぱり解き明かせるのは太陽系の初期の情報なんですよね。結局は太陽系って惑星がどんどんできていくっていう中で、地球だったり火星だったり惑星どんどんできてきても、
太陽系ができた当初の情報、つまり46億年前の情報っていうのはなかなか整理しきれてないんですよ。これによって、じゃあ地球にどうやって生命がもたらされたのかっていうところだったりとか、そういった情報も明らかになってない。
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っていうので、今、人類の宇宙開発の矛先っていうのは、まさにその太陽系の歴史を探っていこうっていうところで、一昨日だったかな。2日前、2回前とかで話してるみたいに、ハヤブサ2の研究があったりしながら、どんどん太陽系の元の元の情報っていうところを捉えに行こうとしてると。
で、今回のこの火星のコアの研究をしていくっていうところも、最終的にはそのあたりにつながる結構ワクワクする研究結果をもたらしてくれるんですよね。で、じゃあ、火星の中を伝わっていく波、火星の中の地震みたいなものですね。
これがどうやって測定するのかっていうところで言うと、やっぱり火星の表面行かなきゃいけないというところで、2018年から2022年まで火星の表面で運用されていた、インサイトと呼ばれる火星着陸船。
インサイトと呼ばれる火星着陸船を使って、火星表面で起こっている地震っていうのを高感度で捉えることで、火星の内部をエコー検査してあげるというようなところを行ってあげた研究結果がとうとう公開されたって感じですね。
2022年だから、このポッドキャストの放送から考えると、約1年ぐらい前のお話ですよ。そのタイミングで寿命を迎えてしまった理由っていうのは、いくつかあるんですけど、一個大きなのは電力不足っていうところがあるらしいですね。
火星の表面って、このインサイトってそれこそ火星の表面で起きた風とかっていうのを確か捉えた着陸船だったりするんですよ。火星の表面って嵐みたいにザーって砂嵐とかが飛んでいたり、風も吹いていたりしてるって中で、やっぱ上に砂が積もっていっちゃったりして、
太陽電池パネルみたいなところで電源が供給できなくなっちゃうような環境っていうのが一部できてきて、それを振り払うことができずに、今回インサイトっていうのは2022年に寿命を迎えた。結局エネルギーが補給できなかったみたいな、そういう意味合いですね。
そういうふうになってしまったと。ただまあ、2018年から4年間に、大体約4年間ですね。3年から4年に渡って観測をしてあげたことで、今回新たに火星の内部の情報が得られたっていうところの研究結果が出たのは非常に素晴らしいなと思うので、こちらをね、紹介していこうかなと思っております。
で、これ、妊娠のエコー検査みたいな感じで火星の内部を調べてあげた結果ですね。火星の核の性質、なんとなく明らかになってきたというところで、まずびっくりしたのは、大きく2つですね。
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2つ。まず1つは、地球の中の核っていうのは、結構内側の数割とかっていう部分なんですけど、なんと火星の核っていうのは、大体火星全体の半分ぐらいまでに及ぶぐらいの大きさを持ってる。つまり結構大きな核があったっていう話ですね。
で、それに加えて、火星の核っていうのは、今回の研究結果で、ほぼ全体が液体であるというところの研究結果が出てまいりました。
地球は中心部に個体があって、その周りが液体になっているみたいな、最初に話したみたいな内核と外核の話があるんですけど、ここがもう全部液体になっているっていうのが、この火星の情報として今回研究結果出てきました。
で、これね、火星っていうのは地球よりも比較的小さい天体であるっていうところであるので、中に熱が伝わっていくだったり、逆に内側の熱がどんどん外に放出されていったりっていう、実質の距離が短いわけですよ。
ちっちゃい星だから。ってなると、やっぱり熱が伝わる時間も、例えば同じスピードで熱が伝わっていても、ちっちゃい天体だから、熱が伝わりきるまでの時間は短くなるんですよね。
なので、中身が冷えて固まってしまってるっていう状況も、一種想定できたにもかかわらず、今回火星の中をエコー検査してあげた結果ですね、なんと全体が液体であるというところになっていて、ここは結構想定に反するような、ちょっと事前に考えていた部分とは異なる部分だったっていう研究結果だったみたいですね。
あと、これ注目したい部分っていうのは、中の素材ですね。中の素材。中の素材の中でも、いろんな金属的な塊があったりするんですけど、その中でも鉄とかニッケルとかって言われるような物質。ピンときますか?鉄、ニッケル。正直多分半分ぐらいの人はピンとこないんじゃないかなと。
だからピンときてなくても全然気にすることないっていうようなものなんですけど、鉄とかニッケル。これ大体、宇宙空間の物を測定するときに、これより重い物を重い元素、軽い物を軽い元素って言ったりするんですよね。
逆にもっと水素とかヘリウムだけを軽いっていう、そういうパターンもあるんですけど、科学者が訂正的に重い軽いとか言うなみたいな、そういう話なので、あんまりそのあたりの重い軽いっていう言葉は半分信じるぐらいでいいんじゃないかなと思うんですね。
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そんな中で鉄とかっていうのは、結構太陽みたいな星が成長していった後に、最終的に鉄の塊みたいな感じにたどり着いたりするんですよ。そういう意味でも、星の中でできる重めの元素の一つが鉄だっていう意味を込めると、鉄より重いものを作るっていうのは、星の中で作れないからこそ重要視される。
逆に鉄よりも軽い元素っていうのは、一般的に見ても軽いもの、太陽系の中でも比較的軽い物質だというふうに言えるんじゃないかなと思うんですね。そんな中で鉄とかニッケルに比べて軽いもの、元素番号で言うと26番目とかよりも軽いものですよ。
っていうのが、実は、火星の核にはめちゃめちゃ含まれてるっていうことが今回わかりました。どんぐらいかっていうと、核全体の20%から22%が軽い元素であったと。
これがどんなもんなのかっていう話なんですけど、地球の核だとこんな軽い元素っていうのは大体10%未満ぐらいっていうところになってるので、火星の中心部分っていうのは比較的軽いもので詰め込まれてるようなイメージですかね。
っていうような部分だったっていうのが、結構今回の研究で明らかになった火星の特徴って言える部分かなというふうに思っていたりします。そんな感じで特徴付けがされてきた中で、そうすると今話聞いた中でも地球でも火星でもちょっとコアの部分、中心にある核の部分って情報違いそうじゃないですか。
火星の方が液体だらけのドロドロだし、軽いものもめっちゃ含まれてるし。あれ?みたいな。せっかくなんかお隣で、しかも太陽系で一緒の時期にできたはずなのに、こんなに違うんだっていうところになってくると、これって最終的には太陽系誕生のタイミングにおける惑星が作られる形成過程が実は違うんじゃないかっていうところも、
もしかしたらっていうふうに考えられるじゃないですか。あくまで今回は、火星と地球の直接比較っていうところから考察繰り広げられてますけど、これからまた他の惑星とか行けるようなタイミングになって、それこそアルテミス計画の先には火星以外の惑星に行くっていう手もどんどん出てくると思います。
そうなってきた時に、太陽系の中での惑星の形成の仕方っていうところに注目が集まるんじゃないかなっていうところで、もしかしたら何年か後にね、この宇宙話を聞いてくださった皆さんが、あれ?あんとき佐々木なんか言ってたなみたいな感じでふわっと思い出せたら、これはもう僕の勝ちですね。
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勝ち負けとかではないんですけど、とにかくね、重要そうじゃなさそうな雰囲気がある研究こそ、実は将来インパクト強かったりもするかもしれないので、そのあたり宇宙話のこういうエピソードもしっかりと頭の中に押さえておいていただけたら嬉しいなと思っております。
ということで、今回はNASAのインサイトというミッションが明らかにした、エコー検査によって火星の内部が明らかになった、そんな研究結果紹介させていただきました。いや面白いですね。火星ってそんな感じなんだみたいなところだったりとか、あとはこれからの火星探査、月探査っていうの結構面白そうだなみたいな、そういうふうに思った方はですね、ぜひそういう感想、Twitterのハッシュタグ、宇宙話にしてください。
宇宙話とかつけてつぶやいていただけたら嬉しいなと思っております。そんな感じで、次回はですね、地球の中で見つかった太陽系最古の岩のお話をしていきたいと思います。太陽系深掘るの好きですね、宇宙話は。
まあでもちょっとこの流れで、太陽系のできた頃の情報がもしかしたら地球の表面にあるんじゃないかなっていう話できたらちょっとワクワクするなと思って紹介しようと思っておりますので、次回もぜひ楽しみにしておいてください。
今回の話も面白いなと思ったら、お手元のSpotifyアプリでフォロー、フォローボタンの下にある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、Twitterのハッシュタグ、宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、じゃんじゃんお寄せください。
それではまた明日お会いしましょう。さよならー。
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