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2023-05-08 20:43

940. SpaceXの再利用ロケットが"お得"はウソ!真の目的は宇宙開発の未来【SpaceX】【月面着陸】【火星移住】

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。今回はSpaceXが取り組むような再利用ロケット
あれって本当にコスパいいのかなっていうお話をしていきたいと思います。 最初にも結論言っちゃいます。
コスパは使い捨てのロケットに比べて良くはないです。 ただ、宇宙開発の未来を見据えて、
1段目を再利用しないといけない理由っていうのがあります。 これは宇宙に行くペースだけではなくて、月・火星の着陸っていうところまで見据えた動きになっていて、
かなり壮大で面白いお話になっているので、ぜひ最後までお付き合いください。
2023年5月8日、始まりました佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の
亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。 本日でエピソードが940話目を迎えております。
昨日はハヤブサ2が残した研究結果、 また世界中にインパクトを与える研究結果を紹介させていただきました。
そんな感じで、1個1個は基本的に簡潔でお話しできるものになっているので、気になるトピックとか気になるタイトルとか、
そういったところから聞き始めていただいて、面白いなと思ったら是非フォローしていただけたら嬉しいです。
ということでですね、そんな感じで今回お話しするのは、 ロケット打ち上げ、やっぱり重要になってくるっていう中で、スペースXとかが取り組んでいる
再利用ロケット、再利用ロケットですね。 あれって意味あんの?っていう話をしていきたいと思います。
再利用ロケットの意味あるないの話は、 これ実はあんまりこう議論の矢表に立ったことがないと思うんですよね。
ただ、いろんな情報がだんだん出始めていて、その中で再利用ロケットイコール正義っていう考え方はちょっとおかしいんじゃないのっていうお話をしていこうかなというふうに思っております。
再利用ロケット、簡単に言うとロケットっていうのは、例えば2段階とかに分かれていて、ロケットがバーって飛んでいって、あの時ってものすごい出力でまずは地面から離れていって、空まで行くっていうところをやっていって、
宇宙にたどり着くかなぐらいのところで、1段目と2段目が切り離されて、またさらに先の方には燃料が乗っていて飛んでいくというような感じですね。
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それによって宇宙にまでたどり着くわけなんですけど、ロケットはその第1段目、特にスペースXとかっていうのはそれがだんだん落ちてきて、
第1段目、今までは捨てられていたものが再利用できるような形になっているというような状況で、ロケット打ち上げの常識が変わったぐらいの感じでみんなおーって思ってると思うんですよ。
ただ、あの1段目、ロケットの下の部分が元に帰ってきて、じゃあもう1回使える、すごいってなってる理由、わかりますか?値段が安くなる。
1段目を使い回すから、これ値段安くなるんじゃないの?みたいなのがよく言われるし、何なら再利用ロケットのメリットとして大きくそこらへんって書かれていたりするんですよ。
ただ、実際はこれそうでもないっていう話もあります。
で、再利用ロケットの目的っていうのは、実はそのコストの面ではなくて、これある2つの検証、実証実験っていうのが含まれてるんじゃないかっていう、そういうお話まで今日はしていくというような感じになっておりますね。
そんな感じで話進めていくと、特にSpaceXのファルコン9と呼ばれるロケットですね。こちらがよく再利用ロケットの代表格として上がってくるものになると思います。
これ、日本のロケットとかは再利用とかではない状態のものが推進されてるかなと思うんですけど、これSpaceXのがロケット打ち上げて、あの筒がまっすぐ降りてきて着陸する。
そうすると、うわーっていう歓声が起きるじゃないですか。で、あれに関してなんですけど、あれを行うことによって、じゃあ1階1階の打ち上げコストが下がっていっているのかっていう、そういう話なんですけど、簡単に言うと下がってないらしいですね。
下がってない。一時期、新聞の一面にロケットの再利用で発射費用が100分の1になるっていう記事が出たんですよ。
あ、今回の、すいません。先に言い忘れてた。今回のお話は、まずこの放送から言うと5月6日かな、2日前とかに堀江貴文さんとロケット系VTuberのうすいクリアさんの2人がコラボしているところの話をいろいろ聞いて、
あ、この話したいなって思ったっていう背景が1つ。そして堀江さんが創業した、設立したインターステラテクノロジスっていう会社があるんですけど、その会社で今社長を務められている稲川さん、稲川さんが2021年に書かれた
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社長っていうか代表、社長でいいんだよな。2021年に書かれた記事からちょっと情報抜粋してお話しさせていただくっていう形になってます。これね、ちゃんと定量的な基準があったりとか時代背景とかとマッチしてるので、楽しんで聞いていただけたらなと思うんですね。
で、この稲川さんの記事によるとですよ、これ結論から言うと、再利用、再利用ロケットの1段目使い回していって、いつお得になるのかっていう話で言うと、スペースXのファルコン9っていうロケットの場合、7回目、7回目ぐらいまでは使い捨てロケットの方が経済的らしいですね。
意外じゃないですか、これ。今、注釈挟む前にロケットの発射費用が再利用によって100分の1になったっていう記事が出たっていうところは、これはあんまり信憑性のない数字になってしまってるんじゃないかなっていうところが言及されてます。
で、この発射回数に対してどれだけお得になっていくかみたいなのの費用の換算っていうところは、参考文献のところに載せておくノートに書いてあるので、そこからちょっと計算してみていただけたら面白いんじゃないかなというふうに思っているっていう、そんな感じですね。
で、だからこれびっくりなのが、7回目までは、7回目以降、ようやく再利用ロケットが安くなるっていうところ。これ結構びっくりだなと思って。だから安くなるっていうところがポイントじゃないんですよね。
で、実際にこれって、このSpaceXの例だけ見ると、たまたまじゃないのって思うかもしれないんですけど、過去に一度、もうすでにその過ちを経てるんですよね、我々は。スペースシャトル、覚えてますでしょうか。きっとこのポッドキャストを聞いてくださってる方々の年齢とか、僕なんかデータで見れるんですけど、
その方々の数字見る感じだと、スペースシャトルが現役だった頃っていうところに宇宙を興味持った方多いんじゃないかなと思うんですね。で、そうなってきたときにスペースシャトル、これもう簡単に言うとロケットと飛行機の間みたいな形してるんですよ。
で、これで宇宙に行って、宇宙空間それでも移動できちゃって、そのままそれで帰ってくるみたいな、そういう仕様だったんですね。ただこれ、コスト面もろもろ見合わないっていうところになって、今はもう動いてないわけじゃないですか。
実はこれの実機、その当時使われてたものっていうのが、ワシントンDCの、僕住んでたワシントンDCですね、ワシントンDCのダラス国際空港、ダレス国際空港、正確なのはどっちか忘れちゃいましたけど、っていう国際空港があって、ワシントンDCに行くにはそこみたいなところですね。
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で、そこの近くにあるスミソニアンの博物館があるんですけど、航空宇宙博物館みたいなものが、そこに展示されてて、僕そこの横で写真も撮ったことあるんですよね。もうなんか細かい傷とかあって、なんかすごい生々しい感じがめちゃめちゃテンション上がるというか、心躍る感じになってるんですよ。そのままのものが置いてあるからね。
で、そんなスペースシャトルに乗って宇宙飛行士とか宇宙に行ってて、で、そのままそれで帰ってくるみたいな。で、滑走路ドワーンみたいな感じなんですけど、滑走路じゃないか、飛行機で迎えに行くのかな?ってなってたんですけど、まあ費用とかコストっていうのが、うまくバランスが取れずに、もうそれ以降スペースシャトルが使われていることはないというような状況で、再利用イコールお得であるみたいなところは、やっぱその時点でもちょっと、ん?
っていう部分だったんですよ。じゃあ、なんでスペースXだったり他の会社とかもそうですけど、これロケット再利用してんのか。これがここの観点、マジで僕感動しました。あ、そういうことかみたいな。
1個はなんとなく知ってたんですよ。1個はこれ、実験をするスピードを上げるためっていう側面が1つ大きいんじゃないかって言われてましたね。実験のスピード、つまりロケットの1段目、使い捨てのロケット全部にしちゃうと、全てをもう1個作らなきゃいけなくなるわけですよね。
その一方で、再利用ロケットを使ってあげることによって、足元はしっかりしてるから、なので、上部分だけ作ればいい。2段目だけ作ればいいっていう状態になって、製造のスピードがぐぐっと上がるわけですよ。
これによって、結局ロケットっていうのは失敗してはノウハウを貯めて、失敗してはノウハウを貯めてみたいな、そういう側面もあるし、別にこれロケットに限らずですよね。
ちょっと前にスペースXのロケット打ち上げ、失敗して空中で大爆発起こしたのを見て、スペースXのスタッフみんながうわーってやってた動画あるじゃないですか。
エピソードで言うと925話で話したのかな?っていう感じで、なぜか失敗を喜んでる姿に、日本人のみんなは、「ん?なんで?」ってなったんですよ。
これはロケットの打ち上げっていうところに対して、すでに失敗するもんだと思ってた。なんならそこまで上手くいくと思ってないっていう段階でも、データを取るために打ち上げるっていうことをしていたからなんですよね。
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で、その当時の4月の末にスペースXが大爆発を起こした実験では、そもそも持ち上がるんだみたいな、宇宙まで近づけんだこのでかい筒が120mとかなんですよね。
なので、それだけでも結構喚起物だったという感じになっていたんですよ。そんな感じでだから、失敗や力というか数をこなすことでどんどんノウハウをためていくっていうところが、ロケットの打ち上げをどんどん定常的に成功させていく上では非常に重要な部分になってくるというところで、これね、指摘されていました。
で、加えて、これもう一つの再利用の理由っていうのがマジで面白いなと思って、この視点僕なかったんですよ。これからの人類はどこに向かってますか?宇宙開発の中で。みんな想像してみてください。これ、行き先は月、火星です。
月、火星。そうなってくると、何をしなきゃいけないか。月に行くためには、火星に行くためには着陸をしないといけないというところが課題として挙げられます。こんな着陸、別に簡単なんじゃないの?って思う人いたら結構、全然よっていう。ダメよ、そんなこと言っちゃって感じなんですよ。
なんでか。じゃあまずは、宇宙飛行士が宇宙に行って地球に帰ってくるとき、どういうふうに帰ってきてるか、みなさん思い出してみてください。
なんかこう、円錐みたいな、ポットみたいなのに乗って、大気圏ドバーって進んできて、地上近くになってきたら、パラシュートを広げて、ドバン。そして減速していって、海に落ちるとか、あとは砂漠に落ちるとか、っていうようなことを行うような感じで帰還してくるじゃないですか。
あの、パラシュートで帰ってくるっていうのが、言ってしまえば着陸方法として確立されてるのが、宇宙飛行士が地球に帰ってくるタイミングなんですよね。ただ、これ、月に行ったり、火星に行ったりすると、大気がないんですよ。
正確にはちょっとありますけど、たとえば月面だったら、重力6分の1になって、6分の1でも割と重力かかるなっていう感じにはなるんですよね。下向きの力かかって。ただ、大気がない。パラシュートって、空気をつかむみたいな感じで減速していって降りるから、パラシュート効果できないんですよ。で、火星も同様ですね。
火星は一時期、1年半くらい前か、ヘリコプターとかを飛ばしたくらいで、少しは大気つかめるんだけど、やっぱり地球みたいに豊富な大気があるわけではないので、ここでもやっぱりパラシュート作戦は使えないと。
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そうなると、着陸方法としてはどうやるのか。これ、アイスペースっていう上場した宇宙企業、月面着陸に、ちょうどこの放送から見ると2週間くらい前ですかね、4月の末に着陸することに失敗してしまったっていうふうになってたと思うんですけど、
着陸するときは、これ、バーって降りていきながら、地面に向かってどんどんジェットみたいなのを噴射して減速しながら降りていくっていう方法を取んなきゃいけないんですよね。
これの練習が再利用ロケットで行われているっていう目線です。
今まではパラシュートで降りてきて、別にロケットの1弾目もパラシュートで降ろしてきて、もう1回使えばいいじゃないですか。
けど、あれだけ頑張って、もう1回使えるように着陸させようとしているっていうところ。
これには、まずは地球で月面着陸とか火星の着陸っていうのを見越して、まずは地球上でパラシュートを使わずに着陸するっていう方法をテストしているっていう側面もあるんですよ。
なので、これ再利用ロケットの目的だったり立て付けをまとめると、これ僕も初めて知った部分あったんでぜひみんなにも覚えてほしいんだけど、
まずコストではないと。コストだけで言ったら、そのまま普通に使い捨てのロケットで打ち上げてたほうが安いです。
結局、このロケットの費用っていうのはほぼ全体の質量90%以上が燃料なんですよね。
だから、エコだよねとか言いつつも燃料90%だから、エコかどうかは燃料を変えることでしか変えれないしっていうようなイメージです。
あとは、この間打ち上げ失敗したスペースXの120m級のやつですね。
あれに関しては、2回打ち上げるだけで再利用のほうが安くなるっていう、あの大きさになるとそうなんですけど、
一般的に使われているロケットの大きさだと、やっぱり数回は打ち上げないといけないっていうところで、
そこまでそれこそドラスティックに変わっていくみたいな、打ち上げ費用100分の1になるみたいなことはちょっとありえないかなっていうのが現実的なところ。
じゃあ、なんでコスト的に浮くわけじゃないのにやるのか。これは未来のミッションを見据えてるからなんですね。
ロケット打ち上げを成功させるっていう近いミッションのために、打ち上げ回数を高速で回すっていう意味で、
1段目の製造時間を短くする。2段目の製造に集中して、1段目を使い回すことで打ち上げをたくさん行えるっていうところで再利用ロケットが使われている。
そしてもう一つは、今後、月火星に行くにあたって、月火星の着陸を見越して、自分たちの燃料調整、ジェットとかを使って、どんどん着陸の練習をしているっていう側面。
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この2つがあるっていうところが、結構注目のポイントだったんじゃないかなと思うんですね。
なので、ぜひ宇宙話聞いてるみんなには、これはさすがに人に言いたいうんちくなんじゃないかなと思うんですよ。
なんか、ロケット失敗してたねーみたいな。で、なんか、たぶんドヤ顔で言ってくるやつがいますよ。
いないかな?宇宙業界にはいるかもしれないですね。
いやでもやっぱり、あれで火を抑えられてる分、何回もチャレンジできるよねーみたいな。
はい、ダウトー!みたいな感じですよ。
そうじゃないんだよーって言って、ちゃんとそこらへんの真実の部分を教えてみてください。
結構たぶん、うわ、こいつできるってなるか嫌われるかの二択ですね。
まあそんな感じで、再利用ロケット、世界中でどんどん注目度が集まってますけど、
実際は使い捨てとそこまで大差なくて、結局は今後どういうミッションをこなしていくかっていうところにつながってくる重要な伏跡だった、マイルストーンだったみたいな、
そういうお話ということで、今回は以上にしていきたいと思います。
こんな感じでね、この再利用ロケットの真の姿、知らなかったなーっていう人だったり、
あ、そんなにお金変わんないんだーっていうふうに納得していただいた方、
そんな使うとこねーよーって思ってる人もですね、もしですね、そんなふうに思っていただけたのなら、
ツイッターのハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、そちらでお知らせいただけたら嬉しいです。
次回は、これ今火星に行った未来の話をしたじゃないですか、スペースXの文脈で。
なので、ちょっと火星の研究のお話ししていこうかなと思います。
火星、もしかしたら僕たちが移住先として使うのは火星かもしれません。
その火星の中心には一体どんな物質があると思いますか。
地球でいうところのマントルの部分に一体何があるのか、その辺りの研究を明日は紹介していこうと思っておりますので、
ぜひ楽しみにしておいてください。
今回の話も面白いなと思ったら、お手元のSpotifyアプリでフォローボタンの下にある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
レビューがポッドキャスターのやる気の源になってますので、ぜひ皆さんよろしくお願いします。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
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