-今日のテーマは、刑務所の歩き方ということなんですけど、なんか海外旅行雑誌のタイトルみたいな感じになってますけど、どういう内容なんですかね。
-そうですね、なんか世界のあちこちのね、台湾の歩き方とかハワイの歩き方みたいな感じですよね。
今日のテーマは、刑務所の歩き方です。
じゃあ皆さん、いろんな刑務所に行かれてると思うんですけど、山口さんちなみにどこに行きました?
-そうですね、タイの刑務所に行ったことあります。
いきなり外国から来ましたね。
-僕ちょっと日本の刑務所どこ行ったっていうイメージで質問したんですけど、いきなり海外ので行きます?
-でもめっちゃ興味あります、タイの刑務所。
-ちなみにタイの刑務所ってどんな感じだったんですか?
-幼稚園みたいな感じで、壁に日本のアニメのキャラクターが描いてあったり、色使いとかもすごいカラフルで、
ぱっと見、第一印象は幼稚園みたいなところだなっていうのが第一印象でした。
-見た目がね。
それはあれなの?中の人が自分たちで絵描いてるってこと?
-おそらくそういうタッチの絵ですね。
-確かに壁に絵を描くところってちょくちょくあるかな?
日本だとめったに絶対見たことないよね。
-なんか意外だったのが、中でタバコが買えたりとか。
日本では全然そういうイメージなかったので、お金さえ持っていれば割と不自由なく過ごされていて、
あとミーティングみたいなのをしてたんですけど、前に威張ってる人がいて、刑務官かなと思って見てたら、実はその方も受刑者の方で、
めちゃくちゃ偉そうに、新入りの受刑者の人たちに指導してるみたいな場面もいて、日本とは結構違った印象だなっていうのを受けました。
-なるほどね。
-なんかタイが一番バッターに来たんで、一番世界のあちこちを歩いてそうな丸山さんはどんなところが行ったことありますか?
-結構ですね、日本の刑務所って多分20カ所以上は行ってるんじゃないかなと思うんですけど、
せっかくタイ言われたんで、結構海外どこ行ってるかって思い出す限り台湾でアジアで言うとね、オーストラリアでしょ?
ドイツとオランダとポルトガルも行きましたね。
アメリカ2年住んでたんで、アメリカの刑務所も結構行きましたね。
例えばアメリカの刑務所って、結構セキュリティ、どこの刑務所もそうですけど、なかなか大変なところで、
例えば入るときにですよ、受刑者の方たちとすごい近くに接するんで、仮になんか自分を盾に取られて逃走を図ろうとかされたときに、
一緒にもう打ち殺しても文句を言わないとかにサインしないといけないんですよね。
-結構な緊張感ですね。
-これそうですよ。で、嫌とも言えないしサインしますよね。
打ち殺してもというより何があっても文句は言えないというふうにサインするんですよ。
で、そういうのをサインするということは相当離れて歩くのかなとか、日本の刑務所って3階に行ったりすると、
まずこの中の方とすれ違うことがないように計画されて歩いたりして、仮にそういう場面に出くわしても顔が合わさないような状態で通り過ぎるみたいなのがするんですよ。
で、そういうアメリカでサインしたものがあるから相当離れるのかなとか、実際会わずに行くのかなと思ったら、むっちゃ近くにいるんですよね。
満員電車とは言わんけど、普通に混んでるぐらいの電車ぐらいの間を通っていくんですよ。
えーってさっきのサインして全然近くないとこにいるのかなと思ったらこんな近くおるみたいなところをガンガン歩いていって、
で、みんな中野市は気さくなんで、これまた日本の刑務所の3階とか行くと、3階に来た人にもちろん話しかけるとか、
なんならそっちの方を向くだけで懲罰を与えられてしまうという場面もあったりするんで、
だから日本の3階に行くときって超学生連れて行くときも注意をして、
彼らは僕らがこう来ることでそういうことを受けることがないように、僕らも最新の注意を払っていこうぜっていうのは、
これは学生たちによって日本の施設に行くときはそういう風に注意するんですけど、
いやもうそのアメリカとかだとガンガン普通に話しかけて行くし、その間こう歩くんですよ。
中でカリフォルニアの一番セキュリティ高いところの刑務所に行ったんですよ。
で、絶対お前青い服着てくんなよって言われたんですね、事前に。
でもちょっと小マシな服が青めのジャケットとかしかなかったんですよ。
完全に忘れてて、で入り口まで行ったときに、お前青いの着てくるなって言っただろとかって言われて、
で、確かに中の人青い服着てって、これがその出てはいけないところとか歩いていくと、何なら上から撃たれるかもしれないわけじゃないですか。
で、なんかちょっと偉い人が出てきて、まあ俺がそばにいるから大丈夫だろうとかって中に入っていくんですね。
なかなかやってしまったなと。それなりにちょっと離れたところまで車で行ってるんで、今更着替えに戻れないなってなって。
で、まあそういう体験をしてたんですけど、なんか身近に中の人たちとすれ違ったり、はいとか言いながら歩いていくんですけど、
そんな状態の刑務所でも、すごい重々しい状態で周りにガードの人がついて、自由に手が動けない状態みたいな感じで歩いてくる人がいるんですね。
で、そもそもその刑務所自体がハイセキュリティだから、こうやってはいとか言ってる人たちもそれなりの犯罪あった人たちなんですけど、
がっつり周り囲まれて自由にできない状態で来る人って、あの人はどういう方なんですかって聞くと、いや死刑囚ですと。
死刑囚の方もその外一緒にね、ガードと一緒ですけど歩いてって。
だから日本だとね、刑務所には死刑囚いないじゃないですか。
建物は別に、同じ敷地の中で建物は別なんですけど、中庭というかグラウンドというか、そこをこう運動時間とかに関してはそういう前後セキュリティの人がつくんだけど、その辺をこう一緒に歩かれるっていうのもありましたね。
面白いもんでいくと、例えばですね、受刑者の方たちで新聞社を作り上げて、作り上げてというか、これも100年くらいの歴史あって、もちろん中のことも書くし、外の情報を中に伝えたいっていうことも書いたりするんですけど、新聞書くときにインターネットとか繋がるパソコンがないんで、結構制限されてるんですけど、中でこういうことが起きてますよとか、新しく新聞で出たニュースを中の人に伝えるとか、
中の問題を外に伝えるとかっていうのを新聞社立ち上げてて、僕がちょうどカリフォルニアの刑務所に行ったときに、当時の州知事が、もともとカリフォルニアって死刑は法律上存在はするんですけど、10年以上執行しないと事実上廃止国とか廃止州って言うんですよね。
カリフォルニア事実上の廃止州なんですよ、死刑を。もうずっとやってないんで。で、今後もずっとやらないということを完全に宣言しちゃったんで、それこそさっき言った死刑州の建物から、ドラッグで死刑を執行しますよね。その執行する台とかを全部運び出したんですよ。その死刑州の建物から。もう使わないんで。
知事がこう言って死刑の機械が運び出されるっていうやつが一面トップになってたんですよ。
いい新聞やね。
びっくりするです。これはさすがにこの刑務所ではこれが一面トップだろう。
そりゃそうやわ。
だからその宣言が出て直後で多分日本人初だと思います。本当にすぐ直後に行ったんで、刑務所に。で、これも外部にも出していく。すごいしかも歴史ある。
100年ってすごいよね。
でしょ。
なんか所変わればですねって感じよね。なんか考えたこともなかった。
あとね、ジェイルやったけど、すごい昔から。今だとさ、例えば日本でもミネとかでやってるんじゃないかなと思うんですけど、食事を運んでいく機械があるんですよ。
で、廊下とか歩いてたらちょっと避けてって言われて、え、何?って振り向いたら後ろにもう食事運ぶ機械が近寄ってきてて。
ロボットが。
そう。そこ道開けてってこいつ迷い寄るからって言って。そのまま入ってって建物に。で、その建物の中まで行ったらその順番に取りに来るっていうので。
あれ結構古くからやってると思います。機械古かったから。
その辺は働き手が減るとか、そういうことが起きてくるといろんな国の刑務所で、もちろん日本もロボットに助けてもらうところは増えることではありますよね。
もう一個でもアメリカで言っておきたいのでいくと、アメリカだけじゃないかもしれないんですけど、ものすごいたくさんプログラムが用意されてて。
そうね。
で、自由に選べるし、やりたくなかった強制ではないから無理やりさせるものでもないんですけど、しかもそのプログラムがすごい多種多様で、
例えばアートプログラムだとこうアートを通じて人と接するとか、なんか新しいものを生み出すっていう。
これはでもまだ想像つくじゃないですか。だけじゃなくボードゲームやろうぜとか。その遊びを通じてコミュニケーション取るとかそういうプログラムに使われたりとか。
さらにインターンみたいに近所の大学とかからマスターの人とかドクターの人がそのプログラムを実施しに入ってきて、仲の人と一緒にやるとか。
そういう意味では外に開けているようなところでしたね。
なんかそういうのが日本の場合、刑務所に見学に行くって言ってももう名簿出して。
そうですね。
結構大変なことじゃないですか。プログラムをするって言って行かれる方たちも、そんなお気軽にはいけないし、仲の方との交流のあり方とかも、
なんか名前を呼び合ったりしないみたいなとか。
ここもあるみたいですね。
あったりとか。でも刑務所の中も社会やし、みんな社会に戻ってきはる人なので、もうちょっと社会に近いそういうね、その辺の大学から結構しょっちゅう人来るよとか。
仲の人たちが外に出るのは確かに刑罰中だから簡単じゃなくても、外から仲に会いに来るとかはできる国もあるのかなってちょっと思ったんですけど。
外部に働きに出るっていうところも結構、これ日本でも存在はするんですけど、外部に行くっていうのはまあまあありますね。
今ちょっとなかなか出にくい。もちろん出にくいんですけど、ただ外に働きに行くっていうのも結構あって、
この流れでいくと、例えば週末公勤とか週末だけ収容されるとか。週末公勤ってどういうのかって言うと、例えば刑罰の内容が100時間の収容とかなんで、
実はこれちょっと日本の中だと想像しにくいでしょうけど、100時間自由制限されるのに連続して100時間じゃなくてもいいじゃんとか考えるわけですよ。
例えばほら、1ヶ月とか2ヶ月とか短期でもグッと入っているイメージでしょ、収容施設って。じゃなくて、例えば金曜の夜に刑事施設に帰ってきて、土日を過ごして月曜の朝に刑務所から職場に行き、
月勤は自分の家で過ごして、また金曜日の夜に刑務所帰ってくるとか、週末公勤って言うんですけど、これが最終的に金の夜から月の朝までのこれのトータルが100時間になれば、
その人の自由の制限を100時間、連続じゃなくて飛び飛びでやって収容するっていうような、週末公勤ってやり方もあるし、多種多様なんですよね。
なんか外で仕事しながらっていうのができるってことですもんね。
むちゃむちゃいいポイントです。これ結構短期でもやっぱり自由刑を受けて離れてしまうと日常生活からね。
で結局なんか社会に復帰する時って難しいのは住むとことか仕事とか家族関係崩壊とかめちゃくちゃ本当は自由刑って刑罰としては自由を制限するってところが刑罰内容にもかかわらず、
自由以外のものをいっぱい失いがちですよね。さっき言った仕事を済むところとか。
じゃあここの確保がまた難しいので週末公勤すると日常生活はそれなりに続けれるんですよ。もちろん制限はありますよ。
金曜の夜お前付き合い悪いな飲みに行こうぜとか言っても、いやちょっと今日は帰らなあかんねんってやつを何回かやらないといけないんで。
それは一部制限されてますけどただ自分の普段の家も家賃も払い仕事続けられるから。
で日常生活が続けられつつでその制限としての何時間が終わったらそのまま普段の生活に戻るっていうのができるんでそれも目的としてされてるやつですね。
週末公勤。それって例えば私火曜日は時間取れそうなんですけど毎週火曜日。
選べるかってそれは無理じゃない。そもそも週末言うとるしね。
平日そうですよね。週末限定で。
プレクシブルに選べるかってこと。
ちょっと今週は火曜日暇なんで火曜日10時間行きますとかそういうのは無し。
病院勤務なんで水曜の午後と土曜の午後でお願いしますとか無理やろ。
そうですよね。
次の話いきます。
今の話だと仕事続けながらとか近所付き合い続けながらとかなんかそういう受刑っていうのは日本で考えると全然イメージがないんですけど
そういう社会関係とか人間関係大事にしてる刑務所でテレビで取り上げられるのってノルウェーじゃないですか。
そんなお話も持っておられますか。
ここがまず前提として確かに矛盾してるのが前の方のエピソードでも話したかなとは思うんですけど
社会に復帰する練習とか社会に戻ってきて生活をするっていうような練習とか土台作りを一番社会から隔離されてるところでやってるっていう矛盾があって
当然まず第一命題としては刑罰として自由を制限する保安施設だってところが優先されるのでそういうことが起きるんですけど
一方で多くの人は刑務所に求めているものって社会復帰に対するプログラムとか改善構成をする場所っていうのを両立させようとする結構難しいところがあって
それが今例えば南口さんが言ってくれたようなノルウェーの刑務所とかだとなるべく社会に出て必要なスキルが得た方がいいって
例えば朝起きて何か食べたいなと思った時に食堂みたいなところ行って
冷蔵庫の中には食材がたくさん入ってて自分で料理するんですよ
で食べたい時に食べたいものを作ったりできるんでしかも人と相談して話しながら
これは日本の刑務所だとやっぱり一律に起床時間があって最初の布団たたんで掃除みたいなのがあって
食事が運ばれてきてそれをずっとピタって待つわけですよね
でご飯を食べて改善して返す
でも日常生活で朝起きて座っててご飯出てくるってまあないわけじゃないですか
となるとやっぱり社会の中で必要な能力っていうのは人と相談したり
もちろん一人でも食材はちゃんとどれを今日は食べようかとかどうやって料理しようかとか
こういうスキルをつけないと社会の中ではなかなか生活しづらいわけですよね
となると社会の中で必要な能力をまずここで身につけようっていうのがあったりします
最終的には社会に出ていくっていう人がほとんど大半である中でおっしゃるように
社会生活とめちゃくちゃ隔絶されてなんか歩く時は行進するとか言葉を発する時は許可を取るとかってなると
むしろそこから社会に出た時つらそうですよね
ちなみにこの北欧関係でいくと映像資料でしか知らない情報人はなるんですけど
ノルウェーの刑務所でみんなが驚くようなことがまだまだたくさんあって
例えば受験者の方が休暇取って家帰るんですよね
免業日っていうか作業を今日休めますよっていう日なんじゃなくて
家に帰るんですよ
帰ってましたね私もなんかそれ見た気がする
3日休み取れたんで家帰りますとかつって
で3日後にまた戻ってくるんですよね
こういう休業制度って結構積極的にされてるみたいで
これ結構すごい合理的なのがやっぱり帰る場所の確保が一番大変なんで
頻繁に帰っているのが大事とか
ほら最近ドキュメンタリーで出てた絵本の読み聞かせみたいなのを
子供に対する発信を動画で撮ってとか録音してとか
それなんかダットが人形とか使いながらお父さんだよみたいなことをやって
それを子供が見て普段から見れるとお父さんどんな感じで
お父さんの声を頻繁に聞けてて
でその人が出所してくる時にお父さん帰りっていう風な
家族の崩壊も防げたりするので
こういうなんか家族関係をうまく生かすような
もちろんそこに全部背負わすわけじゃないし
修復できるならですよもちろんね家族関係が
修復できる家族関係のところにはそういうアプローチをして
受け入れ先として安定する方が参犯の防ぐのにもとても役立つので
そういうプログラムちゃんとしようとか
いろんな国がいろんな対策を取ってますね
世界の刑務所いろいろ話をしてきたんですけど
一番最初に刑務所を見ると社会が見えるとおっしゃってたんですけど
もうちょっと説明しておいてもらっていいですか
僕らの世界で超有名な学者にフランス・フォン・リストっていう人がいて
同性同盟で音楽家のリストですね
クラシックミュージックの同性同盟のいとこらしいんですけど
フランス・フォン・リストさんっていうのが刑事法学者にいまして
彼が残している言葉に最良の刑事政策とは最良の社会政策であるって言ってるんですね
社会政策がうまくいってるところは刑事政策がうまくいってるし
刑事政策がうまくいってるところは社会政策がうまくいってるって言うんですよ
これの結構延長戦で刑務所ってあらゆるところの社会的にいろんな弱者というか
いろんなことの被害があったりもちろん加害もしてるんですけど
っていうような生活状況に追い込まれてる人が来るところなんで
そういう人たちにどんな対応を取ってるかっていうので
その国がそういう社会的弱者の人たちにもどういうふうな対応を取るかって結構見れるんですよ