2024-09-24 41:01

#042 さまざまな被害者問題を考えさせられる3作品

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【トークテーマ】

・第3位「THE エンタメチーム」が創ったこの1本

・第2位「涙が止まらない」犯罪の被害と加害を考える

・「罪の意識」が人を苦しめる?

・第1位 「世界的ムーブメントを生んだ1本」

・映画界 / 芸能界はそういうもんだ、で終わらせない

・ツミナハナシから大事な大事なお知らせ


【キーワード】

映画、映画評論、コミック、漫画、ドラマ、踊る大捜査線、佐藤浩市、志田未来、佐々木蔵之介、被害者、加害者、家族、母親、父親、me too、反省、性被害、芸能界、ハリウッド、エンパワメント、少年犯罪、少年非行、性犯罪


<過去のエンタメ一覧>

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サマリー

今回のエピソードでは、映画『誰も守ってくれない』を通して、犯罪の被害者や加害者が直面する社会的制裁について考察します。また、メディアやネット報道の影響が重要であることを問い、さまざまな視点から被害の捉え方を掘り下げます。三つの作品が取り上げられ、それぞれの家族の葛藤や感情が繊細に描写されています。特に「愛してる」という作品では、被害者と加害者の母親の視点から心の痛みが扱われ、深い思索が促されます。性的暴行を含む被害者問題を描いた映画や書籍についても議論され、特にワインスタインの事例を通じて被害者の発見や描写の重要性が掘り下げられます。さらに、Me Too運動との関連性や、作品を通して人々に勇気を与えるメッセージについても考察されています。ファンミーティングやポッドキャストの進行については、さまざまな視点から話し合われています。

クラウドファンディングのお知らせ
番組からのお知らせです。現在、私たちの所属する一般社団法人刑事司法未来では、クラウドファンディングを実施中です。
ツミナハナシのリターンも準備していますので、詳しくは番組詳細欄にあるリンクよりご覧ください。
皆さんのご支援をお待ちしています。
ツミナハナシの丸山でした。
丸ちゃん教授のクイズ3人ぐらいに聞きました。
司会はもちろんこの人、南関口博史です。
また来ましたね。
このまま突っ走ることにしますか?
南関口博史さん、ありがとうございます。
いないんで、どうしましょうか。
でも聞いた人は、しかも3人くらいっていう微妙な感じで始まりましたけど。
実際はね、3人なんですけど、
スタジオ的には5人ぐらいいるんで、今ちょっと3人ぐらいって言った方が、
僕らはちょっと味方じゃないのかって思われても申し訳ないですよ、スタッフの皆さんに。
ちょっとよく分からないですけど、そうですね。
おおよそ3人に聞きましたっていうことですよね。
おおよそというか、実際3人なんですけどね。
大変好評いただいているんですよね。
こういうエンタメで語るっていうところがちょっと好評なので、
今回もお話ししていくんですけど、
前回のツミナハナシが犯罪の被害者についてっていうのを考えたので、
それを深めていくっていう思いも込めて、
今日は犯罪被害を考えるエンタメのベスト3を語りたいと思います。よろしくお願いします。
通常だとここでイエーイって盛り上がりたいんですけど、
ちょっと聞いていて辛くなる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、
なるべくエンタメらしく喋れるといいですね。
エンタメらしくというか、エンタメを取り上げてこの問題を取り上げるってことですよね。
はい。
よろしくお願いします。
お願いします。
丸ちゃん教授のツミナハナシ 市民のための犯罪学
刑事政策・犯罪学を専門とする立証大学教授で、
一般社団法人刑事司法未来の丸山康弘です。
同じく刑事司法未来の山口由紀です。
同じく南口文です。
このトーク番組は一般社団法人刑事司法未来が送る、
これまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話について、
わかりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
それでは早速、第3位。
映画『誰も守ってくれない』の紹介
映画、誰も守ってくれないです。
誰も守ってくれないは、
大ヒットシリーズ踊る大捜査船の制作チームが、
殺人事件の被疑者家族として、
言われのない社会的制裁を受ける15歳の少女と、
彼女の保護を命じられた中年刑事の逃避行を、
ドキュメンタリータッチで描いた社会派サスペンスドラマです。
出演は佐藤光一さん、志田未来さん、松田龍平さん、
もうちょっと紹介します。
柳場俊郎さん、佐々木倉之介さんなど、
豪華メンバーになっています。
2009年の1月に公開されました。
3位にこの作品を挙げてくれたんですけど、
まず山口さんのおすすめポイントを教えてもらえますか?
おすすめポイントは2点あります。
その前に、私がこの映画を見たきっかけを、
お話しさせていただきたいんですけど、
私は踊る大捜査船シリーズが大好きで、
なるほど。
この企画が亀山千尋さん、
監督、脚本が清塚良一さんという、
チーム踊るが制作されているっていうのを知って、
まず見てみた。
カニバルレクター知らんのに、
キョンキョンみたいなことですかって、
そっちっていうのがあったもんね。
そうでしたね。
大好きで。
それで見たのがきっかけです。
わかる。
おすすめポイントに入りますが、
一つ目が、
加害者家族に焦点を当てているところが、
衝撃だったっていうのが1点目で、
今日のテーマ、犯罪被害をテーマにした、
エンタメって聞いた時に、
この映画が一番に思いつきました。
加害者の側が受ける被害っていうのを描いていて、
この映画では、
加害者の妹がメインで描かれてるんですけれども、
母親だったり、
父親だったりの心情とか、
加害者本人が受ける被害についても、
触れられていて、
また登場人物で、
お子さんを事件で失ったご夫婦の目線だったり、
刑事の目線だったり、
一つの事件を通して、
様々な立場の目線で、
犯罪の被害っていうのを描いているところが、
私には斬新で、
いろんな角度から、
被害者、加害者を考えることができるっていうところが、
おすすめポイントの一つです。
確かに今日のテーマの、
犯罪被害を考えるだから、
この被害って言った時に、
いわゆる被害者っていうだけじゃなくて、
事件に巻き込まれている人の、
あらゆる見方によっては、
いろんな被害が起きているから、
その問題を考えるのにちょうどいい。
加害者家族側の話だもんね。
2つ目のポイントが、
実名報道とか、
ネットへの書き込みの問題など、
今でもすごく議論されている論点についても、
描かれていて、
結構前の映画なんですけど、
今でも考えなければいけない問題というのに、
向き合えることができる一本だと思って、
おすすめしたいと思いました。
これ見てない方もいらっしゃると思うので、
もちろんこれを聞いたから見ますよ、
っていう人もいると思うんだけど、
もう少しこんな映画だよって、
イメージがつきそうな内容っていかがですかね。
そうですね。
私も見ました、もちろん。
公開当時ですね。
ある少年が殺人事件で逮捕されるんですね。
夜に刑事たちが家に来て連れて行く。
その家にはお父さんとお母さんと妹がいる。
これは大きな事件なので、
取材がすごい殺到するわけですね。
メディアスクラムがかかる。
メディアスクラムが。
少し今よりたぶんものすごい、
とてもエンターテイメント的に、
踊るチームの特徴として、
わりとわかりやすく描いてくれるじゃないですか。
そういうところ。
ドーンと。
ドーンと感が出てて。
刑事さんたちが、
もう今すぐここから逃がしますと。
今すぐ離婚して。
苗字変えて。
もうこの家には戻れません。
って言って、
みんなを出そうとするんです。家から。
お父さんお母さん妹さん。
で妹さんは、
だってここにいないとお兄ちゃん帰ってこれないじゃない。
ってなるんですけど、
そんな言ってる場合じゃないねみたいな感じで、
問答無用で引きずり出すみたいな。
物理的に引きずり出すわけではないけども、
その保護をその女の子の。
を佐藤光一さん演じる中年刑事が、
この子をとにかく安全に今日今から、
このメディアから守れって言うので、
大変踊るチームっぽいカーチェイスとかあるんですよ。
ちなみにそれ松田龍平さんが相方の刑事なんです。
かっこいい。
私この映画で松田龍平さんってめっちゃいいなって思った。
カーチェイスするんですね。
カーチェイスするんです。
メディアが追いかけてくるんですよ。
その妹さんを。
え?って言うか、俺も見たんやけどね。
思い出してね今。
そんなシーンあったっけ?
ありますあります。
だいぶ前じゃない?この映画自体が。
これやっぱりそこは山口さんが好きだっていう、
踊るチームが作ってるっていうところが結構出てますよね。
なるほど。
踊るっぽいところ。
もちろんカーチェイスのところだったり、
走ってる車だけが映るシーンがあるんですよ。
後ろから車1台だけ。
それとかもすごい踊るっぽいなって感じたり。
ベイブリッジ閉鎖されてたりするからと。
閉鎖はされてない。
閉鎖はされてない。
なんかその車の取り方って言うんですかね。
え?なるほど。
音楽の使い方とか、
文字の出し方。
ドキドキ感がすごいってこと?
文字の出し方とか、
保護されて何日目とか、何時何分とか出るのが。
なるほどなるほど。
なんかちょっと踊るチームっぽいなっていうのを感じて、
そういう踊るファンの人も、
踊るっぽいっていうのを感じられると思います。
そういうエンタメ要素からいって、
この内容に触れることができるんじゃないかってことね。
2009年当時に、
加害者家族のことを主役にしたことを、
このエンターテイメントのチームが作ったっていうことについては、
当時も思ったし、今も思いますけど、
やっぱりテーマとして選んだのがすごいですよね。
踊る大捜査船の本編にも、
第9話で加害者側を保護するってエピソードがあるんですよ。
私当時小学生だったんですけど、
その頃に加害者の保護の必要性みたいなのを初めて知って、
加害者の保護を知ったきっかけが踊る大捜査船で、
何年か経って、誰も守ってくれないで、
加害者保護とかいうのを深く知って、
踊るには。
なるほどな。
だいぶ前からその必要性は社会問題として捉えていって、
本格的に描かされたってことなんでしょうね。おそらくね。
そこをやっぱり、このチームが作った意味だったのかなって思うんですよね。
例えば誰も知らないの、
小枝監督がもしお作りになったら、
多分カーチェイスのシーンはないと思うんですよ。
ないね。
やっぱり。
確かに。
それあるのがいいとかない方がいいとか、
あったら悪いとかじゃなくて、
それは監督とか制作チームのやっぱり手法っていうのがあって、
今、小学生の頃の山口さんがわーって思った踊る大捜査船の、
その手法で作った。
だからカーチェイス、かなり前半には出てくるんですけど、
その後この少女がとても傷つくことが続々と起こるんですよね。
信頼してた人に裏切られるとか。
その時も、わりと踊る大捜査船の文字の出方みたいなのと通じてて、
わりとなんていうのかな、漫画っぽいようなことが起きてくんだけど、
あるかもしれないなっていう、
だから踊るが好きな人が見てくれて、
中でやっぱりね、加害者の家族なんだから、
出てきて謝れよって言うんですよ、新聞記者が。
ちなみにこれが佐々木倉之介さんなんですけど、
まあ腹立つ。
まあ腹立つ。すごい演技なわけで当たり前やけど。
だからそういうやっぱり、社会ではそう言われてる。
でも、ほんまに?って。ほんまに言う?それっていうのをちゃんとやっぱり描いてたりとか。
言うんじゃないかな。
この後僕が紹介するところでもそういうマスコミが、
これ出てこいよとかあんねん。
私も南口さんが腹が立つっておっしゃったことは、
分からないでもないなって思うところもあったりして、
メディアの影響と社会問題
印象に残ってるセリフが2つあるんですけど、
その佐々木倉之介さんの記者のセリフで、
犯罪者の家族は迫害されて当然みたいなセリフと、
佐藤浩一さんが演じられてる刑事のセリフで、
主人公の彼女は容疑者の妹ということが一生ついて回って、
彼女もこの事件の被害者だっていうこと、
っていうような言葉があるんですけど、
この2つのセリフって、
なんか答えは出ないと思うんですけど、
私は両方に分かるところがあって、
この2つの言葉の意味っていうのを今も考えてるんですけど、
ひどい言葉でもあるし、分かる言葉でもある。
南口さんおっしゃったように、
出てきて謝れて、すごいひどいことだと思うんですけど、
でも実際自分が被害者の側に立ったら、
そう思うんじゃないかって思ったりとか、
踊るチームのエンターテイメントなんですけど、
すごく言葉一つ一つも考えさせられるっていうところでは、
おすすめしたいなって思ったところです。
それでは第2位です。
愛してるです。
愛してる 海洋は、
2007年に公団社から出版された前後編のコミックです。
下校後、10分ほど一人で母親を待っていた7歳の子どもが、
翌朝、死体で発見されるという事件が起こり、
11歳の少年が被疑者として報道されます。
残された家族、被害者ご遺族の
悲しみっていう言葉では言い表せないその状況と、
被疑者の方の家族の状況も描いている作品です。
愛してるの物語
いきなり愛してるって言ったから、
ちょっとお二人びっくりされたかもしれないんですけども。
そういう本なんですもんね。
そういう本なんです。
そうなんですよ。
私は本を読んだことないんですが。
マジですか。
おすすめポイントは。
おすすめポイントは、
ストーリーとしてどうかっていうのも説明したいんだけども、
僕毎回このエンタメの回って、
長々と話しすぎて、
南口さんに、
この辺で終わりますってバスって切られるじゃないですか。
そういうことがなかったとは言えないですね。
なので本当ならこうね、
番組構成上、
順になるほどって盛り上がっていく内容で話したいんですけど、
話し切れないで終わったら困るから、
一番ちょっと気になるというか、
ここだよなってとこから話していきますね。
ぜひお願いします。
これ、加害者家族というか両親と被害者の両親の葛藤とか、
どんなことが起きたのかって、
そもそも自分はいい母親だったのか、
いい父親だったのかとか、
いろんなことを織り混ぜて、
兄弟は自分も全然見てくれないくせにとかって、
兄弟は兄弟の葛藤があってとか、
っていう複雑な涙なしには読めない作品となっているんですけども、
じゃあ一番言いたいところからいきますよ。
審判の最終日に被害者の親から手紙が来るんですよ。
審判のとこにね、来る。
加害者の母親の顔の描き方が結構秀逸で、
やっぱ混乱と焦りとどうしたらいいだろうっていう顔とか、
とんでもなくひどく罵られてるんじゃないかとかやっぱり不安だし、
そう言われても自分もどうもできひんし、
自分は生きてていいんでしょうかとか、
前に手紙を出してるぐらいね、加害者の親はね。
どんな恨みをぶつけてこられるか、
生きてていいのかって思い悩んでる顔が描かれてて、
被害者の母親からの手紙の一行目に、
清高くんっていうのが被害にあってる子なんですけど、
困ってる清高を助けてくれたそうですね。ありがとう。
見て見ぬふりもできたでしょうに、
どれだけすくになったかわかりません。
家帰ってきた時に家鍵閉まってて、
でもトイレ行きたかったんね、この子は。
家の前で困ってる被害にあった小一の男の子に対して、
どうしたの困ってるのって声かけたんですよ、加害者の子がね。
その後、いろいろやりとりがあって事件に浮くんだけど、
声かけた時は普通に本当に困ってる子だろうから、
どうにかして助けてあげたいって言ったんです。
それを踏まえて、見て見ぬふりもできたでしょうに、
どれだけすくになったかわかりません。
そして近くの公園まで連れて行って、
トイレがあるからね、くれたそうですね。
来たあの公園が危険なことをあなた自身が一番よく知ってるから、
そこまでしてくれたのですね。
ありがとうって一読目から来るんです。
どんなに罵られるかとか、
恨みをぶつけてこられるかって思ってるところに、
ありがとうっていう手紙から来るっていうシーンがあって、
ここが一番やっぱり見どころ。
ちょっともう泣きそうになってます。
ヤバいです。ここ一番泣きどころかなと思うの。
そうですね。見どころです。
ここに至るまでにいっぱいいろんなことがあって、
この後の事件までも問題だし、事件後もこうやって審判のところもやるし、
その後ちょっとまた手紙のやり取りしていくんですよ。
母親同士がね。
許されることじゃないと思うんだけどっていうことで、
自分がやっぱり悪かったなと思いますみたいなことを言うと、
果たして本当にそれは母親の問題なんだろうかっていうことを、
被害者の母も加害者の母も思い出して、
その後来た被害者の方の母からの手紙で、
私は思うのですと。
あなたと私は加害者の母、被害者の母です。
でも、嘆き悲しむ母という同じ姿を鏡に映してるのではないかと考えてますみたいなことが来て、
加害者の母からね。
加害者側のお母さんがずっと悩んでたんだけど、
そんな清高ちゃんのママなのに、
自分の子が殺したその母親に対して、
この人が私の気持ちを一番理解してくれているなんてって泣き崩れるんですね。
っていうところがあって、
これなんだろうな。
代名自体が愛しているなんですけど、
その次に副代が海洋じゃないですか。
許してもらうというか、そういうイメージですよね。
海洋って。
僕この作品で初めて海洋ってそういう意味なんだって知りましたし。
私も。
でしょ。
ご海洋くださいっていうことの使い方ってこの本で知ったと思います。
知りますよね。
なのでちょっと申し訳ないなって謝る時とかにも、
メールとか手紙とかにね。
ご海洋くださいってこれで僕初めて知ったんですけど、
そういうふうに使うんだっていうのを。
子供の意味としてはそれで知ったんだけど、
自分みたいに子供に対する愛情だとか家族愛だとか、
どうしても許してもらえないものを真摯に謝罪して、
許してもらうってどういうことなのかとか、
っていうことを一生懸命やってる作品。
今の話につながるシーンで、シーンというかお話で、
この被害者のお母さんもそのたった10分を何千回何万回と後悔し続けることになるわけですよね。
それがランチしてて、子供を待たした鬼母やみたいなこと書かれて、
私が悪かったって、そんなことないんですよ。
いろんなことあるだって別に、そんなことそのお母さんが悪いはずないんだけれども、
中身は読んでいただきたいんですけど、
加害者の方のお母さんもいろいろあるけど、
あの日っていう一生後悔してもしきれない日っていうのが明らかになるんですよね。
今までどんなに頑張って愛して慈しんで大切に育ててきても、
その瞬間のことで私はこんなにも出来損ないだと、
責め立てられるということに打ちひしがれていく。
だけどそんなこと自分が一番分かってる。
あの日のことを後悔してるのは絶対自分なんだけど、
あれからはって言われるみたいなところもすごく描かれてるんですよね。
こういうことでもありそう。
あるね。事件の日も本当なら5時間目とかもっと遅く帰ってくる曜日だったから、
今日は大丈夫だろうと思って、
お母さん帰ってきたよね。
ランチして帰ってきたら、あれもうカバンがあるから、
今日いつもより早い日だったのとか、別にわざと遅らしたとかでも全くなく、
普段ならもっと遅いからゆっくり行った。
たまたまその日にそういう事件があってっていうのがあって、
これの犯罪学的な話でちょっと含めると、
罪の意識の問題っていうのはいろんな人を苦しめていくんですよね。
よく犯罪する側に罪の意識が足りないから反省がないんだとか、
こういう事件を起こすんだっていうような叩き方の方に使うけど、
ただ罪の意識っていうのは見方を変えると結構鬱の原因にもなったりとか、
いろんな人が自分が悪かった。
例えば巻き込まれた方も、
あの時あんなとこ歩いたら自分が悪かったんだとか、
あとは自視された家族の方が自分を責めるんですよ。
もっと話聞いてあげれたんじゃないかとか、
罪の意識っていろんな角度でいろんな人にいろんなことを含ませるし、
例えば寝坊してる子供に早く学校行きなさいって急かして、
飛び出した瞬間車に引かれたとかしたら、
別に遅刻ぐらいいいじゃんと。
なんで早く行けって言ってしまったんだろうっていうのは自分を責めますよね。
これがやっぱ罪の意識って結構犯罪やる方に使われがちだけど、
この罪の意識が結構いろんな人に特に被害者遺族にも重くのしかかってくるので、
罪の意識っていう言葉を中心に語るのはいろんな人も傷ついていくから、
やめた方がいいなって考えさせる作品なんですよ。
なんでその視点ではここの被害者のこのお姉ちゃんがね。
そう、最後にうざいとか。
そう、喧嘩したのが最後なんですよね。
最後の言葉、私なんてうざいって言った言葉が最後なんだよって言って。
いなくなっちゃえばいいって思ったって言って責めるんですよね自分を。
これはね、本当にそれがね、もう読んでほしい。
出てくる人出てくる人がやっぱり他人事じゃないっていうか、
例えば僕出てくる人で火災調査官の人も結構好きなんですけど、
そうですね。
担当の火災調査官が同僚からいつもより気合い入ってますねって言われた時に返したセリフが、
自分は安心したいのかもしれないと。
で、これ原因を究明して事件の経緯を明らかにして、
で、解析してって、ほら、うちとは違うんだなってことで、
自分はできてる親とか自分の家族は大丈夫っていうのを、
どっか安心を得たいだけなのかもしれない。
私も親だからと。
っていう、親なら誰でも感じる不安とか、
安心を得たいって思ってしまってるシーンとか。
そういうこともなんかいろんな出てくる人出てくる人の他人事じゃない。
いつもかは自分に起きるかもしれないとか、
こういうことが複雑に絡まってる作品でとてもおすすめなんですよね。
ちなみに続編として愛してる絆っていうのがまた前後編で、
2010年に出版されています。
で、こちらはこの報道された犯人だった少年の18歳年下の弟さんを主人公に、
加害者家族のその後の人生が描かれていて、
こちらも犯罪の被害っていうのにくるめてもいいんじゃないかなと思うんですけど、
おすすめですので、ぜひ前後編×2セット。
2セットね。
4冊。
ややこしいけど前後編って2冊前後編がまず開業があって、
それの最後の話が第10話が開業なんですけど、
そこがまず事件から6年後を描いてるんですよね。
ここで初めてなんか自分のやったことの重さとかっていうのを少年が向き合うってところがあって、
やっぱり公正や反省っての時間とともに、
人が成長して分かってくるものもあるんだろうなってことを教えてくれる話だし、
さらに今南口さんが言ってくれたさらにもっとあと、
もうまた次のある問題が出てくるっていうので、
シーセットその名を暴け!
含めて両方合わせて読んでもらいたい作品ですね。
それではいよいよ第1位、
シーセットその名を暴け!です。
シーセットその名を暴け!は、
映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発した2人の女性記者による解雇録をもとに映画化した社会派ドラマです。
2022年に公開されました。
ニューヨーク・タイムズ氏の記者の2人は、
大物映画プロデューサーのワインスタインが数十年にわたって続けてきた性的暴行について取材を始め、
ワインスタインがこれまで何度も記事をもみ消してきたことを知ります。
被害女性の多くは事断に応じており、証言すれば訴えられるという恐怖や、
当時のトラウマによって声を上げられずにいました。
問題の本質が業界の隠蔽体質にあると気づいた記者たちは取材対象から拒否され、
ワインスタイン側からの妨害を受けながらも真実を追い求めて放送するという映画です。
これ社会問題になって大変注目された映画なんですけど、
じゃあ南口さんのおすすめポイントいきましょうか。
今回もおすすめポイント3点ご用意して。
さすがですね。これ3点ってこだわりあるんですか?
話すと長くなるんで一言で答えると、
法科大学院で裁判員の皆さんに事件を説明するときは、
3つに絞って、その3つの枝の中でそれぞれ3つに広げていく。
基本的に人に何かを話すときは、要点は必ず3点以内に絞りなさい。
そういう技術?
法廷技術みたいな。説明、分かりやすい説明として習ったので。
3章構成にするってフランスの論文みたいね。
そんなかっこいいこと返されても私も返しにくいんですけど、フランスの論文を。
それ以上書く人は出来ひん人らしい。
必ず3つに、大項目にしていけば必ず3つ以内に整理できるはずだっていう。
サザエさんも3話構成だもんね。
そういうことですよね。
そういうことなの?
耳で聞いてて分かりやすいのってその範囲みたいな感じで習ったので、今も何かをお話しするときは3点。
か不足なく伝えるには3つだと。
3つに整理するように努力してます。
勉強になります。
はい。
じゃあすいません話止めて1点目いきましょうか。
ちなみにこれ映画をぜひお勧めするんですけど、書籍もとても丁寧に書かれている。
書籍の方はみんなも知ってる女優さんたちの名前も実名も当然出て書かれてますので、両方合わせてお勧めをします。
まずお勧めポイント1点目は、これは被害、そして被害者が発見される物語なんですね。
今山口さんが作品紹介で言ってくださったように、ワインスタインがハラスメントしているっていう話はみんな知ってたようなんですよ。
なるほど。
あの人はそういうことをするっていうのは多くの人が知ってたんだけれども、それは被害として認識されていなくて、役を得るために体を預けるということはあるんじゃないのとか。
業界的にはあるだろうとか。
本の中でかなり丁寧に書かれてるんですけど、被害を言い出せない人というのは一般的には弱き立場の人だと考えられていて、
ハリウッド女優というのは弱き立場の人ではない。
社会的に成功している人のシンボルみたいなものですもんね。
地位もお金だって立場だってある。弱き立場じゃないから、その人たちが言わずにいるってことは、それは被害ではない。
とかワインスタインがしたこと自体が、つまりコミュニケーションの延長線上のことであって、性犯罪じゃないんじゃないのとか、いろんな角度ですよね。
いう人も出てくるよね。
ずっとそれで来てた。
これってハリウッドだけの話じゃないですよね。今の日本で考えても、
芸能界であったり映画界の方たちのいろいろな訴えを聞けば、とりわけ性被害の分野において、
私たちは多分被害を見ないふりをしたり、誰かが言い出したら、それをちっちゃなこととして、そんな騒ぐほどのことじゃないよとか、っていうふうに私たちは取り扱ってきている、ずっと。
その中でいろいろな苦労がある中、語る方はつらいし怖いし、語られる方は語らす前と必死になるし、
その中でこれは犯罪なんだ、被害なんだっていうことを明らかにしていく。被害者が発見される物語だっていうところが、まず1点目。
被害の描き方
今の観点から言うとさらにグルーミングとかもあったでしょうしね。
あったと思いますね。
大物プロデューサーのっていうね。
そうです。そのおかげで役を得たのではないかとか、っていうところ。
だから私たちが全部の被害を分かっているわけではないし、今、とりわけやっぱり性被害のところで言ってしまいがちなことだとか、考えてしまいがちなとこ。
芸能界なんだからって思ったことが全くないかと言われるとね、自分だって。そういう世界なんじゃないかなっていう気持ちがあったかもしれないなって思うと、すごく本当に自分が恥ずかしいというか、思う。
被害者の発見っていう点。1点目。
2点目は、被害ということの描き方がすごく考えられているんですね。
これどういうことかというと、犯罪にまつわる映画っていう場合に、どうしても犯罪をどうにか描かないと映画にならないじゃないですか。
そうですね。
この時に、とりわけ性被害っていうのは、どういう描き方をするかによって、本当に二次被害になったり、見ている人たちの過去の思いを呼び覚ましてしまって苦しめてしまったりする可能性が。
もちろん性被害だけじゃないけれども、とりわけそこを気をつけないといけない。
PTSDですね。
犯罪の一つで、過去には映画の中で性被害を受けている女性の姿が、そのヌード画像みたいな感じで取り上げられたりだとか、女優の体当たり演技みたいに言われたりとか、
でもその被害の場面なんだけど、なんかこう面白くというか、セクシーなものとして取り上げられてしまうっていうようなことがあった。
で、それってとても傷つくことなので、そしたら全部抽象的にしたらいいかって言われると、なんかあんま抽象的になると訳わからなくなるじゃないですか、やっぱり。
それをどう描くかが、実際どう描いてるかぜひ映画を見ていただきたいんですけど。
訳わからなくなるのは、この映画を見ている方がってことね。
そう。全部抽象的で、何が行われているかわからないんだけど被害がありましたって言葉だけで説明されても、例えば。
なんかちょっと映画見ている方としては、そうなん?ってなるじゃないですか。
だけどこの映画は、その犯罪被害を描く手法としてすごいなと思ったんですよ。
ヌードみたいな形で扱われることはないであろう形で、だけど被害があったってことはものすごい鮮明にわかるような作り方をされてて、
これはなかなか犯罪被害を描く際の描き方っていうところですごいなって。
これはもうほんと映画をぜひ見ていただきたいところです。
これが2点目。
1点目はなので映画でも本でも、とりわけ1点目の被害者の発見のところは本の方がわかりやすいかもしれない。
とても長くいろんなこと描かれているので。
2点目の被害の描き方は、ぜひ映画を見ていただきたい。
3点目、最後にやっぱり前回も今回もですけれど、被害の話をするというのはとても苦しいことであるわけなんだけれども、この映画は作品もですけど、最後に勝つわけですね。
Me Too運動と勇気
これはみんなのエンパワーメントの物語なんですよ。
もちろん被害からの回復ってこれが回復だとか、これが理想だとかは一言では言えないから、
この映画の形が、というかこのストーリーが一番いいとか、そういう意味じゃないんですよ。
これはMe Tooの…
そうです、きっかけになってる。
この本が出たというか、この報道があったことでMe Tooが世界に広がった。
だからもちろんいろんな方がいらっしゃるし、この本の中でも映画の中でも、
例えば、私25年この時を待ってたって取材が来た時に言うんだけど、そこまで言ったんだけどやっぱり話せない。
って言うんですよね。みんなやっぱり話せないっていう中、これは一人二人で話し始めても話せないし潰されるから何十人も集めよう。
最終的に80人ぐらい実際の事件の中では訴え出るわけなんですね。
それは急に80人になるわけじゃないから、当然。
一人また一人と自分よりも過去に起きたことは変えられないんだけど、
未来に傷つく誰かを傷つけずに済むかもしれない。そのためのこの第一歩なのよっていうことで語る人が増え、
さらに新聞記者、この記者の人たち女性なんですけど、男性夫も全面協力というか、
女性が一人で結婚もせず子供も産まず戦ってるっていうような、戦わなければならないっていう時代もたくさんあるし、
まだってそういうことはあるけど、この映画ではやっぱり家族で戦える。
で、夫が妻を支えて、妻がバリバリ仕事して、
共に戦いましょうっていうことをやっていて、なんかMeToo運動が世界に広がったことを見ていても、
戦う時って最初は孤独だし、辛いし、逃げれるなら逃げたいなって思うけど、
諦めちゃいけないって思えるし、その被害に遭ったご本人が苦しんでいるときに、
そうじゃない私に何かできることがあるのかもしれないっていうことを思わせてくれて、
すごい本当に自分も元気をもらって終われるんですよね。
やっぱり良かった戦ってって、やっぱり戦って勝てることがあるよって思える、
元気もらって終わる映画なので、おすすめしたいと思います。
これね、僕どこで見たか今思い出しましたよ。海外に行く時の飛行機で見たんで、
そうですか。
で、だいたいこれから帰る時じゃなくて、行く時ね。
なんかこう元気にやる気になって向かって行きたいんですよ。
戦いみたいなもんで、いろんなものをね。これから学会報告だぞとか、調査するぞとかって時に、
元気になって行きたい時に、何か良いもの見たなって思った記憶を思い出しました。
飛行機で見ましたね。
分かります。やっぱり戦うって必要なことなんだよねっていう。
それは簡単じゃないよねっていうのも描かれてる。
だけど、誰かを一人にしちゃいけないし、みんなで戦えば戦っていけることもあるっていうところが、
このテーマで語るのは結構辛いなっていう中で、ぜひ最後に取り上げたいなと思ったところでした。
私はいつもながらまだ見たことのない映画なので、最後勝つっていうところにすごくちょっと興味を持ちましたので、
ぜひ見てみたいなって思いました。
さて、いつもならエンディングですが、今日は大事なお知らせがあります。
何でしょう。
私たち刑事司法未来では、今クラウドファンディングを実施しています。
これ大事なお知らせですね。
大事。私たちのこの詰みな話はですね、刑事司法未来という法人でやってるんですよね。
そうですよ。
そこの母体法人でクラウドファンディングをやっています。
ということはどういうことかはきっと皆さんご理解をいただいていると思います。
そうなんです。刑事司法未来っていう団体でいろんな草の根運動になっていけばいいなってことをやっている中の一つがこの詰みな話の番組なんですけども、
そもそもここでは主にメインに二つやっていまして、刑事司法未来はメタバースの模擬裁判、模擬法庭っていうのをやっているっていうのがまず柱の一つで。
作ったんですよね。
そうです。これなかなかすごいんで、ぜひ皆さんちょっと見てみてほしいんですけど。
一回見てほしい。メタバース上の模擬法庭。
参加もしてほしいですね。どこにいても誰でも参加できるっていう模擬法庭ができたらいいな。
しかもメタバース上でっていうので取り組んでいるっていうのがこれが一つ。
もう一つはこの番組ですね。詰みな話が柱ですね。
さらにですよ、この番組を続けていくためには皆さんのご支援も必要なので、ぜひこのクラウドファンディングを注目していただいて、できればご支援いただければありがたいなと思っています。
ですので、詰みな話をいつも聞いてくださっている皆様に関心を持っていただけるかなと思うリターンも設定しています。
何があるんでしょう。
まず1点目、特別収録音声を今のところ5種類ぐらい準備できたらいいなって思っています。
すでに1個取りましたね。ランダムに届きます。
が、それぞれ普段よりはもう少し身近な話というか、自分の話をね。
グッズ制作の提案
丸山さんに例の話をしてもらうのもいいのかなとか思ったりしています。
それが1点目。2点目はついに初めてグッズを作ろうかということになりました。
まずは1つ目にステッカーですよね。
皆様に見ていただいているアートワークのステッカーを作ろうと思っています。
いつもお便りもらった時に送っているやつですよね。
そんな精度はないですね。皆様を混乱させるようなこと言わないでください。
初めて作ろうか。
もらってないよ私って思われるもんね。
そう。送ってません。
初めて作ろうって言ってます。
2つ目にクリアファイル。これちょっとデザインはまだ未定ですが作ります。
3つ目にしおり。
ブックマークね。
ブックマークを作るので、この3つをセットにしていただける方だったりお一つだったりとか、ぜひ見ていただきたいと思います。
ファンミーティングの計画
今度の理事会で僕、南口さんの起き上がりこぼしを提案してもいいですか?
いらない。誰も入りはらへんから。本当にいらないから。
何度押されても起き上がってくる南口さんの強いなやっぱり。
絶対ステッカーの方がいい。
そうですか。
3つ目にファンミーティングをしようと思うんですが、これファンミーティングっていう表現が私もうほんまにいいんかなって思うんですけど。
自信持ちましょうよ。
いいかな。
結構ね、南口さんに会った時に、わー南口さんだって喜んでるのも見るし。
あと、山口さんのファンも結構いるんですよね。
なんかね、ありがたくてね。ほんまにありがたいんですけど、ファンミーティングって自分で言うのがめっちゃ恥ずかしいんですよね。
自信持っていきましょう。
なんですけど、とにかくやります。
で、やっぱり私たちこのポッドキャストなので、いろんなところで聞いてくださっているので、ウェブでミーティングをできればなって思っています。
遠方の方もいらっしゃいますから。
旅費とかね、お時間とか取られてしまうので、そうじゃなくって、どこからでもご参加いただけるようにミーティングを予定しています。
ファンミーティングはリアルタイムでやっていけるから、その場でもらった質問とかにもその場で答えていくとかできたらいいですね。
そうですね、そういう感じのやり方もちょっと考えたいですね。
AIまるちゃん教授とか置いて、ボットで答えていきますかね。
皆様ちゃんと本人に答えさせますので、私が責任を持ってAIじゃない生身の丸山さんにちゃんと来ていただくようにしたいと思います。
ということですので、ぜひ皆さんクラウドファンディングへのご協力をよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さて、この番組では感想や質問、リクエストなどをお待ちしております。番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。
Xではカタカナでハッシュタグ罪な話をつけてポストしてください。
毎月第3火曜日の夜9時30分からXのスペースで罪な話で裏話を開催しています。
ポッドキャストで話しきれなかった内容やスペースに参加してくださった皆さんの質問にお答えしています。
こちらのご参加もお待ちしております。
また、私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも犯罪学や刑事政策について発信しています。
刑事司法未来で検索してみてください。
ではまたお会いしましょう。お相手は丸山康博と
山口由紀と
南口文でした。
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