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2024-05-28 11:27

88 コメント | 科学者の政治への関与について

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科学者の政治への関与の是非をめぐるはじめさんのコメントに応答します。

#声交論 #オッペンハイマー #科学と政治

サマリー

私の配信に対するはじめさんのリアクションにコメントしました。私は、はじめさんと同じ意見で、科学者は社会的、政治的なことに関与すべきだと考えています。

はじめさんへのコメント
はじめさんが始めました新しい番組、Dear LekTik!という番組で、私の配信に対するリアクションをいただきましたので、それに対するコメントを話そうかなというふうに思います。
はじめさんの「科学者の職分|関与と責任」というタイトルの配信ですけれども、ここでですね、私がオッペンハイマーの物語に対する感想を述べたことに対して、お考えを述べられています。
いろいろなことをおっしゃっているんですけれども、私が一番はじめさんが言いたいことはここかなというふうに思ったところをまず引用させていただきます。
「やっぱり関与しないという選択をしてほしくないんですよね。関与はすべきなんだ。関与はすべき。じゃないと始まらない。だけど関与すると責任が問われる。だから責任を問われたくないから関与しないという選択の方がむしろ今の時代、支配的になっているような気がして、それが実は社会にとっても政治にとってもマイナスを生んでいるんじゃないかっていうね」という部分です。
科学者が社会的なこと、政治的なことに関与すべきだと。その関与によって責任が生じる、責任を問われるということもあるかもしれないけれども、でも関与すべきだというこういう意見ですが。
この意見は、科学者は科学のことだけに関わればいい。科学者の職分は科学なんだということで、政治に関与することを良くないことと考える、そういう考えに対する反論として言われているんだと思いますけれども。
では私の考えはどうかと言いますと、結論的にははじめさんと同じです。科学者は社会的、政治的なことに関与すべきだと。そうする必要があるときはですね、そうすべきだというふうに私も思っています。
特に原爆開発、核兵器開発のようなですね、新しい技術が生まれ、それについて科学者、技術者以外はあまりよく分かっていないという場合には、特に積極的に関わっていくべきだろうなというふうに思うんです。
ですので、そういった関与を行ったオッペンハイマーについてはですね、私は、そのやり方はいろいろ問題があったかもしれませんけれども、
でもその意図とですね、それからそれを貫いたという、そういうところはですね、やっぱり見習うべきところがあるなというふうに思っているんです。
ただオッペンハイマーに関してはですね、これ原爆を開発し完成させるまでとですね、それから原爆を日本に対して使用して戦後ですね、さらに核兵器開発が進められる、そういう状況、つまり戦中と戦後ではですね、
かなり行動パターンが異なります。
戦時中から様々な政治的活動を行っていた科学者たちはいました。
特にシカゴ大学で研究を進めていた科学者たちはですね、今日から見ても非常に素晴らしい考え方を持ち、またそれを文章にまとめ、上層部に伝えるというですね、そういうことをやっていました。
これは本当に一つのモデルケースとしてですね、学生たちにぜひ知ってもらいたい内容ですので、授業でも詳しく扱っています。
それに対してオッペンハイマーはロスアラモス研究所で、そういった社会的な議論をしようとしていた科学者たちを抑える立場、抑えるような行動を行っていまして、
これはですね、そういう科学者の職分というでしょうか、それは科学的なこと、技術的なことに限られるという、そういう考え方に近いものを持っていたのではないかと思うんです。
ただ、オッペンハイマーが社会的なことに全く興味がないというわけでもなくて、彼の家族ですね、弟とか、あるいは奥さんとかは、共産党関係のですね、そういう社会運動に関わっていましたので、
様々な社会的なですね、運動をしている人たちとのつながりもあったわけです。ただ、オッペンハイマーはそういうものに積極的に関わろうとはしていなかったんですね。
ただ、そういう関係があったということが戦後、聴聞会でいろいろと問題にされるわけです。
そのオッペンハイマーもですね、戦後になりますと一変しまして、政府の原子力関係の委員会などで積極的に発言をするようになっていきます。
特に水爆開発に対する反対というものがよく知られていますよね。
ということで、そういった科学者のですね、関与というものをですね、私はすべきではないとは全く思っていないということです。
ただ、はじめさんがですね、心配している、責任を問われたくないために関与したくないという、そういう人が増えているのではないかという心配については、私も同じように思うところがあります。
例えばですね、日本の例で言いますと、やはり日本学術会議の問題が大きいだろうと思います。
この政府の機関は、科学者が国に対してですね、様々な勧告を行える、そういう機関として作られたもので、科学者が社会的なこと、政治的なことに関与をするということを前提として作られた機関ですが、
そして作られた初期の頃は、盛んにそういう勧告も出されましたが、しかし、だんだんと政府に反対するような、そういう意見が多くなってくると、政府は学術会議をですね、軽んじるというんでしょうか、そういう感じになり、
自分たちに都合のいい審議会等々を作りまして、それで政策を進めていくという形になっています。
で、とうとうですね、日本学術会議も国の機関ではない、そういう意味では権威もですね、今までよりも低くなるような、そういう科学者の団体にしようという動きもあるわけです。
特に社会的な発言をしていた学者がですね、学術会議の会員に推薦されたときに、任命されなかったという、いわゆる任命拒否問題というものが、いまだに解決していませんけれども、
そういったことがですね、科学者をますます政治的なもの、社会的なものから遠ざけてしまうことになると、ちょっと良くないなというふうに思っているところもあります。
そして、この学術会議のこともですね、私は授業で取り上げたりしています。
特に軍事研究を日本の科学者はしないという、そういう声明が学術会議から出されていますが、そのことに対してどう考えるかというようなことも学生に議論させたりしているんですね。
ということで、あんまりはじめさんとの意見の相違がなさそうなので、議論をどうやって続けたらいいかよく分かりませんが、とりあえず私の応答ということで、ここで終わりにしたいと思います。
11:27

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