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こんにちは。今日は音楽リスナー向けの話題をちょっとしてみたいかなと思います。 前回、レコードがまた売れ始めているよという話をしたんですが、
レコードやハイレゾといったもの、ハイレゾは今サブスクとかでも利用できますけれども、聞くことができますけれども、こういったものは本当に音がいいのかということをお話ししてみたいと思います。
私自身も実は結構レコードを買ったり集めたりとかしていたことがあるんですけれども、今でもちょっと買っているんですけれども、
元々のきっかけは、レコードでしかリリースがない音源がありまして、それを探してて出会った中古レコード屋さんの店主にいろいろ教えてもらってからだったんですね。
会社は主にクラシック音楽を扱っているんですけれど、個人としては50、60年代のジャズとか、あるいは70年代のロックとかも好きで、そういうものをよく聞いてたりするんですが、
こういうものをレコードで聞いたものとCDとではかなり音が違うということに気づいたんですよね。
気づいたというか、そのレコード屋さんの店主に教えてもらったんですけれども、CDは大体80年代ぐらいに出てきて、90年代、2000年代ぐらいまでの間に、ジャズの世界ですと皆さん結構ご存知と思いますが、
ブルーノートというレーベルがすごい人気で、ブルーノートの名録音を昔録音したエンジニアがリマスターした24ビットリマスターという形で、いろいろなリマスターものがたくさん高音質をうたって出てきたんですよね。
それらと比べて、昔のレコードを聴き比べてみると、明らかに音が違うんですよね。
考えてみればすごい当たり前の話なんですけれども、もともと録音したテープというのはもう40年50年ぐらい昔のものなんですよね。
そんな昔のものだと、もう電気的に劣化が始まってしまっているというか、もう劣化しちゃっているんですよね。
それを後からいろいろデジタル化して、いろいろ音を良くしようとしても、音が悪いものは、元以上には良くはなるはずはないので、
やっぱり録音当初、録音当初に一番近いリリースされた、オリジナル盤とレコードコレクターの世界で言われるんですけど、それがやはり本当の良いとしたアーティストが良いとした音に近いということで良いとされていますし、実際聞いてみると本当に音が良いです。
CDでは聞き取れなかった音とかが入っていたりして、そういう意味では良いという、レコードは音が良いというのは本当だと思います。
ただ現在、新しくアーティストがレコードなどをリリースしている場合、これが音が良いかというと、一概に良いとは言えない部分があるんですよね。
というのは、レコーディング自体はもう今だいたいデジタルでやっているので、デジタルでやったものを再度アナログに戻す、アナログレコードにするという工程を得るので、
あまりそこで音質が良くなるとか、CDと比べてすごく見違えて音が良くなるということはあまり期待できないかなというふうには思っています。
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ただここがちょっと面白い点なんですけれども、アナログ媒体というのはやはりアナログなので、電気的には実はデジタルに比べると音質劣化があるんですよね。
その劣化というのが、劣化イコール悪いことではないんですよね。
結構レコーディングの世界では当たり前で使われているんですけど、サチュレーションと呼ばれてまして、これはどういうことかというと、
わざと音を歪ませる。歪ませるといっても、例えばギターアンプみたいなそういうものではなくて、
昔の古いミキサーだとか、そのミキサーの部品を抜き出したチャンネルストリップというものがあるんですけれど、こういったものを通すことで、
昔の70年代だとか60年代とかに録音した機材に近いような音を出せるというのが、
それがもしアーティストの目指す音楽性に合っているなら、その方が音が良いということはあり得る話なんですよね。
例えばビートルズリスペクトしているバンドとかが、ビートルズの使っていた機材に近いようなものを出せるチャンネルストリップだとか、
そういうものを使うことで、そういう狙ったような、今からするとちょっと音質は良くないんだけれども、
でも音楽的に合っているみたいなものを出すということは、アナログ媒体を使うことで起こることではあるんですよね。
よくCDは22kHzぐらいまでしか収録されないけれども、レコードはそれ以上も高い周波数をレコーディングできるということが言われたりするんですけれど、
実のところそれをちゃんと聞き取れる人というのはそんなにいないんじゃないかなというふうに思っています。
それよりはさっき言ったように、アナログ機材を使うことによる音質の変化、その変化が好ましいというふうに感じる人が多いというのが、
多分アナログでレコーディングする、今でもテープ録音したりする、こだわっているようなアーティストもいるので、そういうところなのかなと思います。
それを裏付けるように、いわゆるDAWソフト、録音ソフトなんかでも、プラグインという形で昔のアビーロードで使っていたミキサー卓の音を再現できますよとか、
せっかくのデジタル録音なのに、どちらかというと音質を歪ませるというか、収録した音を変えてしまうような方向のプラグインが、昔の機器をシミュレートしましたとか、
そういう製品がたくさん出ているんですよね。そういうところからも、新しいデジタル機材ではなく、アナログの昔の音に対して、それを再現して良い音だというふうに感じる人がいっぱいいるのかなと思っています。
これが面白いことに、ロックとかジャズとかではそういうのがあるんですけど、クラシックではほぼないんですよね。
クラシックだと生音に近ければ近いほど良いわけで、そこで例えば機材による音質の変化とかあるのがあまり良くないというふうに多分皆さん認識しているからなのかなと思っています。
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じゃあハイレゾの方はどうなのかという話なんですけれども、ハイレゾというのは、俗に、CDのサンプリング周波数が44.1kHzなんですが、
これ以上の48kHzとか192kHzなどで録ったものをハイレゾと言ったりしますが、これらとCDクオリティのものと聞き比べてみて、音質の変化を感じることができる人はいたとしてもどちらがどれだけすごい良いかというのはかなり定量的には判断できないとは思うんですよね。
ただ間違いなく言えるのはMP3よりは絶対良いだろうなというのは確実なところかなと思います。
実を言うとハイレゾというのは、私が月刊アスキーにいたもう20年近く前になるんですかね、そのぐらいのところから一生懸命流行らそうと頑張っていたんですよね。
デジタルレコーディングでもハイレゾで収録というのは当たり前だったんですよね。
収録するとして編集するまではハイレゾなんですけれども、それでCDにミックスする、2ミックスと言われますが、ステレオの左右チャンネルにまとめることなんですけれども、その段階でCDクオリティにするというそういうやり方をしていたんですよね。
多分音質的に一番中途半端なのが90年代半ばぐらいのいわゆるハードディスクレコーディングが始まった頃の音源かなというふうに思っています。
この頃はまだデジタルの機材の方がそれほど性能が良くなかったみたいで、あとADATというのが昔ありまして、これがどういうものかというとデジタルレコーディングするにしてもハードディスク容量というのはまだまだ少なかった時代なので、それならばこれまで通りテープでデジタル録音、これは80年代CDが始まるぐらいからあったものなんですけれど、それをVHSテープでやろうという規格があったんですね。
これが割と安めでデジタル録音ができるというので結構人気を博したんですけれども、結局今は使われなくなってしまってADATという規格のみが残っている状態になっています。
この頃の時代のものが音質的にはちょっとデジタル録音なのに良くなくて、しかも再生機器も意外とテープの管理が雑だともう再生できないとか、どこにテープがあるかわからないとかそういうことが起こったりしているみたいで、
昔のMDみたいな感じですかね。なかなかちょっと厳しいというか、管理的な問題で将来問題になるんじゃないかなと思っています。
話がちょっと逸れちゃいましたけれど、ハイレゾという意味で言うと、物理媒体でハイレゾを売るというのはほぼ失敗に終わったんですね。
スーパーオーディオCDとDVDオーディオという2つの規格があって、これがいろいろ頑張ってたわけですけれども、
ポピュラー分野で言うとどうもあまり売れている様子はなかったようですね。
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今はそれとは別にブルーレイオーディオというのもあるんですけれど、これを買っているという人はあまり周りで見たことはないですね。
ただ、クラシック分野においては、実はSACDってスーパーオーディオCDまだ生きていて、何がいいかというと、
5.1チャンネルで再生すると、クラシックが求めるような音場の感じ、オーディオ用語で言う定位がすごくきれいに聞こえるということで、一部では愛好されていて、今でも結構根強くSACDのリリースというのは続いています。
そういうわけで、ハイレゾというのは形を変えて、なんだかんだ生き残っていくんじゃないかなというふうに思っています。