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おはようございます。いちです。 この podcast は僕が毎週お送りしているニュースデータ
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改めましていちです。2022年の1月20日にこの podcast を録音しております。
共通テストが無事終わり、長崎に帰ってまいりました。 日本時間の1月15日、南太平洋の豚河で超大規模な海底火山噴火がありました。
日本にも津波警報が出され、共通テスト2日目を中止する試験会場も出ました。 衛星画像から、噴煙の高さは20km と青草圏に達しており、噴煙の半径は260km にわたるようです。
日本に当てはめると東京から大阪までが噴煙に入っていることになります。
噴火によって豚河周辺の海底ケーブルが切断されたため、当初は被害の状況が正確にはわかりませんでした。
現在では状況がわかり始めているとともに国際支援が始められています。 1日も早い復帰を祈りいたしております。
今回のエピソードでは地球の火山活動とそれが我々の文化に与えた影響をご紹介していきます。
今回もどうぞ最後までお聞きになってください。
皆さんは地球というと土の塊を思い浮かべるでしょうか? それとも水の惑星というイメージでしょうか?
地球は大雑把に言うと、とろとろの金属の雫なんですね。 宇宙ステーションの映像で水玉が宙にぷかぷか浮いているのをご覧になったことも
終わりだと思うんですけれども、その水玉を高温の溶けた鉄だと思っていただければ、大体宇宙に浮かぶ地球のイメージと一致します。
地球の場合は表面が冷えて固まっていて、その上に薄く海水がコーティングされているんですね。 さらにその周りを空気がふわっと包んでいるイメージです。
僕の中では地球はシュークリームなんですね。 シュークリームというのは中身、カスタードクリームがトロッと入っているじゃないですか。
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それが地球のコアにある溶けた鉄。 表面の皮の部分が近くという地面の部分ですね。
なので薄皮1枚で丸くなっていて、中身はトロトロ。 その周り、例えばエクレアを想像していただきたいんですけれども、
その周りは、このチョコレートでコーティングされている。 地球の場合は7割ぐらいが海でコーティングされていて、その周りを空気をふわっとまとっている。
それが宇宙に浮かぶ地球のイメージです。 というふうにですね、ふわふわのシュークリームをイメージしていただくと、皮が揺れたり、時々皮が破れて、中身のクリームが吹き出したりというのもありそうだと思いませんかね。
地球にはまだ表面が冷えて固まっていない時代がありました。 その時代を「メイオーダイ」と言います。
英語では「ハデスの時代」 ヘイティアン・イオンというふうに呼ぶんですけれども、
ハデスの時代。 ハデスというのは名付の神ですね。ギリシャ神話の名付の神です。
地球誕生から40億年前までの、5億年前後の期間がメイオーダイにあたると考えられています。
この時代に徐々に地球表面が冷えていって、地殻と海が出来上がって、最初の生命が誕生したと考えられています。
なぜメイオーダイの間に地殻ができたと言えるのかというと、実はこの時代の岩石がほとんど見つかっていないからなんですね。
めちゃくちゃ探したんだけども出てこないから、岩石なかったんだろうな、地球の表面溶けてたんだろうなということです。
またアポロ計画による月の研究から約40億年前から約38億年前にかけて、大量の巨大な隕石が月に降り注いでいることがわかっています。
月に降り注いだということは、隣のより大きな地球にも降り注いだはずです。
地球規模の惑星だと表面が冷えるのは約1億年と見積もられているのですが、この隕石によって地球がメイオーダイを抜け出すのに余計な時間がかかったとも考えられています。
地球最初の生命がこの重爆撃の後に生まれたのか、それともこの重爆撃を生き抜いたのかはまだわかっていません。
なぜ火山は爆発するのか、なぜ地震が起こるのかという問いは正しくなくて、むしろなぜ地震の起こらない地域や時代があるのかを問うべきだったのかもしれません。
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地球は揺れて当たり前、吹き出して当たり前というわけなんですね。我々はシュークリームの上に住んでいるからなんです。
さて話は一気に現代に戻ります。 僕は近畿育ちなんですけれども、東京の寿司結構好きだったんですね。
めったに食べることがなかったという事情もあるんですけれども、もう一つ理由があります。 東京の寿司、まあ東京に限らず関東の寿司
砂利にですね、笹西機を使ってたんですね。 過去系なのはこれ1990年代前半ぐらいまでだったからなんですけれども、
この笹西機、ジャポニカ米としては珍しくサラッとした食感で、まあお寿司によく合っていたように思います。
現在ではですね、東京の寿司屋さんでも関西と同じくこのこしひかり系の米を使うようなので、もうね笹西機使っているお店ほとんどないんじゃないかなと思います。
ちょっと残念です。 特にね、東京の寿司屋さんはあの
マグロだったりとか、マカミでちょっと脂身の多い
ネタに笹西機のこう、あっさりした砂利という組み合わせ、良かったんですけれども、僕個人の好みではあったんですけれども、今はね
もうないかなと思います。 今はね、僕も長崎に引っ越して5年経つんですけれども、もうすっかりね
長崎のお魚、もちろんマグロもね、取れるんですけれども白身のお魚がもうめちゃくちゃ美味しくて、今は白身のお魚
で、そうするとあのこしひかり系のもっちりした砂利もいいなというふうには思ってきてるんですけれども、ちょっと懐かしくは思います。
笹西機が捨たれていた理由として挙げられるのが1993年の霊華です。 この霊華によって平成の米騒動と言われるほどの米不足が起こります。
特に霊外に弱い笹西機は大打撃を受けて、和食の関西館と相まって復活することはありませんでした。
1993年の霊華は1991年のフィリピンのピナティボ火山の噴火が原因ではないかと言われています。
このピナティボ火山なんですけれども、当時はピナツボ火山という風に新聞とかでは書かれていました。
噴火によってピナティボ火山の標高は1745メートルから1486メートルまで低くなり、
差し渡し2.5kmのカルデラが残りました。 山というのはこもり盛り上がった場所なんですが、カルデラは逆で凹んだ部分ですね。
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差し渡し2.5kmの凹みが残ったものすごい爆発ですね。 火山灰は上空40kmまで吹き上がり、火山から西へ向かって500km先まで灰が降りました。
ピナティボ火山の噴火は20世紀最大の噴火で、この噴火によって地球の気温がおよそ0.5℃下がりました。
このような巨大噴火を起こす火山をスーパーボルケーノと呼びます。 またスーパーボルケーノの噴火を日本語で破局噴火と呼びます。
破局噴火は作家石黒明が考え出した言葉で、マスコミ報道でも使われています。 ピナティボ火山の破局噴火がササニシキ生産に大打撃を与えてしまったことになります。
ササニシキの寿司、また食べたいなぁとちょっと今思いました。
2015年マンチェスタ大学のアルバート・ジールストラ教授らが世界で最も危険な火山トップ10を発表しました。
このリストは100年以内に破局噴火を起こす可能性があるスーパーボルケーノを列挙したものです。
ただこのリストトンが入ってなかったんですよ。なので専門家といえど予想は難しいということなのかもしれません。
ただ日本からは麻生山と伊予島がランクインしています。 伊予島、これ東京都の伊予島の方ですね。現在海上自衛隊が管理しており
自衛隊員以外に居住するものはおりません。 一方麻生山が噴火した場合は熊本長崎に甚大な被害をもたらすことが予想されています。
まあ非善非悟ですね。昔の名前でいう火の国なんですけれどもまさにあの火の国ですね。 最悪の場合700万人が瞬殺されるとも予想されています。
どんだけの規模なんでしょうかね。 日本で最後に破局噴火があったのは今から7300年前縄文時代です。
多少は現在の鹿児島県沖で 機械赤穂屋噴火と呼ばれています。あるいは機械カルデラ噴火というふうに呼ばれています。
火山灰は30センチメートル以上堆積したと考えられ 森林は完全に破壊されました。その結果南九州の縄文人は絶滅した可能性が非常に高いです。
縄文文化ですから森がなければいけていけないわけですね。 いやー30センチの
ちょっと考えられないですよね。 この噴火の後に機械カルデラという地形ができています。
機械というのは鬼の世界と書いて機械です。 機械カルデラは大半が海の中にあるんですけれども
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札間、伊予島のように一部陸地も残っています。 この札間、伊予島なんですけども火山だけあって温泉もふんだんに出ているそうなんですね。
僕島大好き、温泉大好きなので一度訪問してみようと思っています。 過去の火山噴火や地震の痕跡を調べ上げていく学問に地震考古学という分野があります。
決まった定義はまだないようなんですけれども特にホモサピエンセの影響を考慮するところが一般の地震学との違いかもしれません。
歴史上有名なのは紀元79年8月24日のベスビオ噴火です。 この日ポンペイを含む古代ローマ帝国のいくつかの都市がわずか1日で破壊されました。
ベスビオさんはその後も432年、1631年、1822年、1906年、1944年と噴火を繰り返しています。
日本の富士山も負けてはいません。古墳時代の紀元482年、奈良時代の781年、平安時代の800年頃、802年、864年、937年、999年、1015年、1033年、1083年、
室町時代に入って1435年、1511年、江戸時代の1707年、1854年と噴火を繰り返しています。
特に1707年の噴火は「鳳栄大噴火」と名付けられ、詳しく調べられています。 この時の噴煙の高さは20kmと推定されており、現在の東京都と神奈川県のほぼ全域
埼玉県南部、暴走半島南西側に火山灰が2cm以上堆積したと考えられています。
現代の鉄道は火山灰0.5cmつまり5mmの堆積で停止するそうなんですね。もし現代に噴火が起こればその被害ひょっとしたら江戸時代以上かもしれません。
地震候補学を通して学べることの一つは、とりわけ日本ではですね、いつ破局噴火があってもおかしくないということでしょう。
一方それがいつなのかという予想は非常に困難です。 東京大学地震研究所の中田雪也は2015年の創設論文
「火山爆発指数VEIから見た噴火の規則性」の中で、火山噴火にある程度の規則性を認めるものの人間の生活スケールの中で予測することの困難さを指摘しています。
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同論文では日本では18世紀半ば以降VEI5の噴火が20世紀半ば以降VEI4の噴火が発生しておらず、近い将来この規模の噴火が日本で発生する可能性が高いと結んでいます。
VEIというのは火山爆発指数のことで火山爆発の規模を表す数字です。VEIが1増えるごとに噴出物の量が10倍になります。
豚河の海底火山噴火はVEIが5または6。1991年のピナティボ火山がVEI6でした。富士山の鳳栄大噴火でVEI5。
亜蘇カルデラ、機械カルデラはVEI7と見積もられています。VEI7はある地域の文明が終わるレベルです。
アメリカのイエローストーン国立公園は220万年前にVEI8という想像を絶する噴火を起こしています。しかも現在再噴火の可能性が指摘されています。
再噴火した場合、北米が明王台に戻り、地球全体が氷河時代に入る可能性がナショナルジオグラフィック史によって指摘されています。
ここまで来ると意味がわかりません。イエローストーンのレベルになるともう対策どころではないのですが、富士山の噴火のレベル、VEI5ぐらいに関しては対策をしておくべきではないかなと僕は思います。
もちろん個人でできることは限られているのですが、例えば災害対策を実施してきた、約束する政治家に投票する、地学研究をサポートするなども選択肢になるかもしれません。
もちろんこのポッドキャストをお知り合いに勧めていただくのも選択肢に入るかなと個人的には思っています。入るかなとか入れていただけると嬉しいです。
こちらの内容は僕が毎週お送りしているニュースレター、SteamNewsの第62号に掲載されています。よろしかったら、ニュースレターの方もメールでお届けしていますのでご登録いただければと思います。
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ニュースレターの方では他におすすめ書籍、おすすめテッドトークなんかもご紹介しています。
おすすめ書籍の方は先ほど名前を挙げさせていただいた石黒明の「使徒日本」。
「使徒」というのは「死ぬ都」と書いて「使徒」ですね。「使徒日本」という本をね、紹介させていただいているんですけれども、これめちゃくちゃ面白いですし、めちゃくちゃリアリティがあるし、これちょっとね、日本人なら、日本に住む人なら読んでおいて損はないんじゃないかなと思います。
個人的には主人公のね、準教授の先生が出てくるんですけれども、授業で脱線が多いというのが書かれていて、すごく共感を覚えた本でした。
おすすめテッドトークの方では、実際にはご紹介したのはテッドトークではなくて、テデックストークなんですけれども、
バン・シゲルさんの「紙でできた避難所」というトークをご紹介しています。こちらはですね、
日本って災害が多くて避難所に避難する機会が結構あると思うんですけれども、そこでダンボールで仕切りを作り、ヘイベットを作り、家具を作りということで、このダンボールで作ることで普段は畳んでおいておけるし、
その場で組み立てることで即座に避難所としてね、快適に使えるようになる。快適まではいかないにしても、何もないよりはよほど良いという状況を作ることができるというアイデアで、
これはハイチ、ルワンダなんかの地震災害の多い国でも輸出され、使われているものです。
こんな風にね、日本初のアイデアが世界を少しずつ救っていくというところも共有したくてご紹介させていただきました。
バンシゲルさん、このニュースレターの中でご紹介したのはTEDx東京のトークだったんですけれども、
バンシゲルさんご出身が神戸で、TEDx神戸でもトークをされています。僕自身もTEDx神戸のスピーカーなので、彼とはTEDx神戸主催のパーティーで何度かお会いをさせていただいています。
神戸で家具を作るというのは、明治に日本に来た欧米人が日本の家が、きっと神でできているってびっくりしたってよく聞きますけれども、
現代のニュアンスで考えると、そんな安っぽい家に住んでいるのって馬鹿にされたって思いがちかもしれないんですけれども、逆に考えてみると、
紙質が当時のヨーロッパ、アメリカってあまり良くなかったんですよね。明治時代ですから、今から100何十年か前ですけれども。
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日本の紙っていうのは家に使えるほどクオリティが高かったっていう驚きもあったと思うんですね。
なぜ日本人が木と紙で家を作っていたのかっていうと、やはり地震が多かったから、
今風に言うとラピッドモデリングですよね。非常に高速に家を建てられるわけですよね。
石を組み上げるとかではないので、もちろん今、例えば僕、遺跡調査とか行って、ちょっとここに小屋が欲しいなっていうと、現地の人たちがわかったわかったって言って、
そこら辺の石とモルタル、まあセメントですね、石とモルタルでパパッと作っちゃうので、木と紙だから早いかっていうと、そうでもないかもしれないんですけれども、
それでも非常に高速に高級的な家を、高級的に言い過ぎか、住める家を、まあ30年ぐらい持つ家を作ってしまって、
で、まあ地震が来たら、まあ壊れちゃうんだけども、またすぐ建て直すっていうね、発想は、これは日本独自というか、日本から世界に発信していくべき内容じゃないかなと思いました。
いや、僕ひょっとしたらものすごく浅いこと言ってるかもしれません。あの専門の方聞いていらっしゃったら、あのすみません。
えーと、なんかコメントいただければちょっと認識を改めたいと思うんですが、まあそんな分野も、そんな見方もあるかなとちょっと思ってます。
で、僕今長崎に住んでいるんですね。長崎比較的地震の少ない地域だと言われてるんですけれども、それでもまあ火山の上に立っています。
1991年運営不減だけが火災流を起こしています。1993年にも火災流を起こしています。
僕はあの車の免許を九州で取った関係もあって、1993年の火災流の直後に
運営のそばをですね、車で通過してるんですね。もうあの時の光景というのは目に焼き付いています。
本来ね、街があったり森があったはずの場所が、もう見渡す限り鏡のような平地になっているんです。
これどういうことかというと一瞬のうちに、えぇ、さらちになっちゃったということなんですね。
これでVEI3ですから、富士山、麻生山、機械カルデラ、噴火したらどうなるんだろうというのはもう想像を超えています。
対策しろというのはまあ無理な話だとは思うんですけれども、ここ日本で住む以上
地学に興味を持って、地学を少し勉強するというのは大事なことなんじゃないかなと思います。
今回も最後まで聞いてくださってありがとうございました。また次のポッドキャストでお目にかかれればと思います。
いちでした。
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