ノアの方舟に関する調査と技術
いちです。おはようございます。
今回のエピソードでは、ノアの方舟についてお届けします。
このポッドキャストは、僕が毎週お送りしているニュースレター、STEAMニュースの音声版です。
STEAMニュースでは、科学,技術,工学,アート,数学に関する話題をお届けしています。
STEAMニュースは、スティームボート乗り組みのご協力でお送りしています。
改めまして、いちです。このエピソードは、2024年3月20日に収録しています。
このエピソードでは、STEAMニュース第172号から、ノアの方舟についてお届けします。
そうなんです。ノアの方舟が、このエピソードのテーマなんです。
神に命じられて、人類存続のために作られたという伝説を持つノアの方舟。
昔から遺跡調査の対象になってきました。
これは、ノアの方舟が実在するのではないかと言われ続けているからなんですね。
調査結果の方は、まだまだ疑問が残ります。
ただし、ノアの方舟がインスパイアした技術は、本当に人類存続の鍵になるかもしれません。
1971年に、アメリカのアポロ15号で月面着陸を果たした宇宙飛行士、ジェームズ・アーウィンは、地球帰還後に突如、ノアの方舟を探す旅に出ます。
彼が目指したのは、トルコ東部のアララトサン。
アララトサンの地名は、旧約聖書創世記に書かれた同名の山にちなむもので、創世記では大洪水の後、この山の上にノアの方舟がとどまったことになっています。
アーウィンは事故で調査を断念したものの、アララトサンの調査は別チームによって何度も繰り返されています。
むしろ、アーウィンのチームは数ある調査隊の一つでした。
中には、ノアの方舟の残骸を発見したと主張する探検隊もいますし、
アララトサンの山頂に人間活動の証拠があったとする調査隊もいます。
実際のところ、どんな報告があるのかというのは、ナショナルジオグラフィックの日本語記事を検索していただくと、
結構最近、新しい記事が投稿されていたりとかもしますので、興味深いかなと思います。
これは現在進行形で調査報告が届いているものです。
見た感じ、あまり信用できないかなというのが、僕個人の率直な感想です。
さて、こんな風に宇宙飛行士さえも魅了するノアの方舟とは一体どんなものだったんでしょうか。
創世記によると、神は人々の堕落を見て、 地上を洪水で滅ぼすことにしたそうなんです。
その時、正しい人であったノアに 箱舟の建築を命じます。
ノアは妻と息子家族、息子夫婦たちですね、そしてすべての動物の継がいを箱舟に乗せました。
地上のすべての動物を、雄、雌、ペアで箱舟に乗せたんです。
お魚は洪水を生き残るだろうということで、 箱舟には乗せなかったようなんですね。
その後、大洪水が起こり、地上の生物は滅びました。
やがて水が引き、ノアは家族と動物たちと共に 箱舟を出ました。
まあ、というお話なんですね。
ただし、アララト山周辺に洪水の証拠がないこと、 大洪水に関する神話が世界各地に見られることから、
創世紀の記述は実際にあったこととは言えない、 つまりは作り話とするのが一般的な見方です。
ノアの箱舟は地上のあらゆる動物の継がいを乗せました。
理由はもちろん、すべての動物を大洪水から守るためです。
実は現代版ノアの箱舟と呼べるプロジェクトが ノルウェーで進行中です。
ただし、乗せるのは動物ではなく植物。
名前をスバールバル世界種子貯蔵庫というふうに言います。
創世紀の大洪水はお話だったかもしれませんが、 生物種の絶滅は起こり得る危機です。
特に農作物の種の絶滅は人類絶滅へ直結するため、 何としてでも防がねばなりません。
スバールバル世界種子貯蔵庫は、 このために設計・運用されている種子の保存庫です。
スバールバル世界種子貯蔵庫は450万種の種子を収容でき、 1種類につきおよそ500個の種子を保管します。
種子は-18℃から-20℃にまで冷却されます。
スバールバル世界種子貯蔵庫
貯蔵庫は標高130mにあるため、 地球温暖化による海面上昇にも当面は耐えられます。
また、冷却装置が故障した場合、 最初の数週間は-3℃以下を維持し、
続く200年間は標点以下、0℃以下を維持できる見込みです。
なんだか頼もしいですね。
世界には他にも種子貯蔵庫があり、 その数は1750と言われていますが、
いくつかはすでに失われています。
スバルバル世界種子貯蔵庫は全世界のバックアップ、 つまり最後の取り出になることが期待されています。
このスバルバル貯蔵庫の近くには、 北極圏ワールドアーカイブと名付けられたデータ保全設備もあります。
こちらは電子データ出資、植物の種ではなく、 デジタルデータの保存設備です。
データを1000年間保存することを目的にしています。
デジタルデータの保存場所として、 出資貯蔵庫近くが選ばれた理由ですが、
それが近く的に安定した場所であること、 地震とか火山噴火とかがないと予想される場所であることはもちろんなのですが、
他に条約で軍事目的に使用できない土地であることも挙げられます。
条約といえば、このアポロ15号も着陸した月面。
北極圏ワールドアーカイブと月の彫刻
月面は宇宙条約によって軍事利用が禁じられています。
ただし月面は大気がなく地磁気、 地球の場合はS極とN極というふうに磁石になっているので地磁気という磁気があるのですが、
月面にはないので大気もない、地磁気もないということで、どういうことかというと、
太陽からの風を何も防いでくれないわけですね。
吹き曝し、これは宇宙船、コズミックレーンの吹き曝しということになりまして、
月面はデジタルデータの保存には適していないのです。
デジタルデータが書き換えられちゃう、 ノイズまみれになってしまうということが起こるのです。
それでもですね、アート作品を永久に保存する場所としては、月面は悪くはないんです。
実際、アポロ巡音の宇宙飛行士ジェームズ・アーヴィンと同僚デイビッド・スコットは、
月面にポール・ヘイドンクというアーティストが作った、純色した宇宙飛行士、フォールン・アストロノートという彫刻を置いてきました。
これは宇宙開発の中で亡くなった宇宙飛行士たちに捧げる彫刻だったんですね。
ネイルでお送りしているニュースレター、スティームニュースの方には、
この純色した宇宙飛行士、フォールン・アストロノートの写真を載せていますし、
これはNASAからパブリックドメインで公開されている写真がありますので、
例えばウィキペディアとかでフォールン・アストロノートというふうに検索していただくと、
どんな彫刻だったのかというのが見ることができます。
この彫刻を月面に置いたジェームズ・アーヴィン宇宙飛行士、
これはもちろん冒頭でご紹介したノアの箱舟を探しに行った宇宙飛行士ですね。
アーヴィンは後に創世紀の石、ジェネシスロックと呼ばれることになる月の石を発見し、地球に持ち帰っているんです。
その月の石の発見の体験がものすごく神秘的だったというふうにアーヴィンは後に語っていますし、
確かにNASAに更新記録アーヴィンの声が残されているんですが、非常に興奮していて、
見つけたぞというような当時の驚きが伝わってきています。
月には石は落ちてはいたそうなのですが、
事前にこういう石を拾ってこいと言われていた、まさにドンピシャの石がちょうどテーブル上の岩の上に置かれているように見えた。
しかもその石が、今写真で見ると白い石なんですが、緑色に光っているように見えたそうなんですね。
まさに神に導かれるようにして、その月の石を見つけ、持ち上げ、宇宙船に持ち帰り、地球へ持ち帰ったということで非常に神秘的な体験をしたというふうにアーヴィンは言っています。
これがアポロ15号の船外活動2回目の時、そして彫刻を置いたのが船外活動3回目の時だったわけですから、
アーヴィンが月面に彫刻を置いた時は、すでにノアの箱舟に思いを馳せていたかもしれません。
ここで終われば美しい話で終わるのかなと思うのですが、スティームFMはちゃんと深掘りもします。
アポロ15号に関しては実は一つのミステリーがあります。というかですね、実はこれかなり不明予な実験でもあるんですね。
ひょっとしたらアーヴィンが、宇宙飛行士アーヴィンがノアの箱舟を探しに出たもう一つの理由になったかもしれない事件がありました。
それがアポロ15号郵便物事件。
アポロ15号の郵便物事件
郵便物というのは僕がちょっと違約したもので、英語圏ではアポロ15ポスタルカバーズインシデント、ポスタルカバーズ事件、郵便カバーという文でしょうかね。
ちょっとカバーの訳が分からなくて、ひょっとしたら日本語圏でも関係者の方はカバーで通じるのかもしれないのですが、
あえて郵便物と言ってみました。詳しい方いらっしゃったらぜひコメントメールいただければと思うのですが、こういった事件がありましたと。
アポロ15号郵便物事件。これはNASAのスキャンダルにもなりました。その後の評判も落としています。
どんな事件だったかというとですね、こんな内容なんですね。
アポロ15号に登場した3名の宇宙飛行士、船長デイビッド・スコット、宇宙飛行士アルフレッド・ウォーデン、そして宇宙飛行士ジェームズ・アーウィンの3名なんですが、
後、船長デイビッド・スコットがですね、とある取引をしていたんですね。
彼は、ある郵便物、これを秘密裏に宇宙船に持ち込んでいました。
この郵便物というのは、切手を張られた封筒でかつ、化芯を押されたものなんですね。
これをカバーと呼ぶんですが、特別に珍しいカバーというのは、コレクターがいて、場合によっては高値で取引されたりしているそうです。
特別なカバーってどういうのがあるかというと、記念切手ですね。
記念切手が発売された日の消し印が押されたものであるとか、航空便、エアメールとかですかね、航空便の飛行機が墜落しましたと、その飛行機から回収された郵便物なんかは非常に希少価値が高くて、収集家が高値で買い取るということがあるそうなんです。
アポロ15号の飛行士たち、これは主にスコット船長が中心になって行ったそうなのですが、アポロ記念切手の張られた封筒に打ち上げ当日ですね。
これは1971年7月26日なんですが、打ち上げ当日の朝に、ケネディ宇宙センター内の郵便局で消し印を押してもらって、その消し印が押された郵便物カバーを宇宙服の中に隠して月へ行ったんです。
ここからまだ続きがあるんですね。このカバーを、さらにこのスコット船長は月面で取り出して、追加の記念切手を張ったそうなんです。
だから月面に切手シートも持って行ってたんですね。これはもちろん記念切手ですね。
切手を張り直して、アポロ15を地球に帰還します。帰還したのは8月7日。パラシュートで帰還して、海に落ちて、それをアメリカ海軍の軍艦に収容されるわけですね。
収容したのは、教習洋陸艦USS沖縄だったんですが、ここの未使用の切手の部分に、このUSS沖縄の艦内郵便局で再び、今度は8月7日の消し印を押してもらうんです。
なので打ち上げ当日のケネディ宇宙センターでの消し印と、それから地球帰還日の8月7日の消し印が両方押されたカバーが出来上がったわけです。
これはちょっと欲しいかもしれませんよね。
この企みがNASAにバレてしまうんです。
最初のコレクターに送ったところ、コレクターの知り合いが売りに出してしまって、人儲けしようと思ったんでしょうね。
カバーや記念切手の話題
それでバレたそうです。
もちろんこの3人は、ただでこういうことをやったわけではなくて、1人7千ドルずつの報酬を受け取る約束だったそうです。
この7千ドル受け取ったかどうかというのは、未だ分かっていないのですが、この3人が宇宙を飛ぶことは二度とありませんでした。
アポロ15号宇宙飛行士の一人だったアーウィンが、NASAを退職して、ノアの箱舟を探す旅に出た理由の一つは、この事件だったかもしれません。
というわけで、ノアの箱舟、スバルバル世界趣旨貯蔵庫、そしてアポロ15号の話題についてお届けをしてきたのですが、
このエピソードを収録しているのが、2024年3月20日、水曜日になります。
この金曜日から、僕たちはエジプト調査に行ってまいります。
また現地での様子なんかも、ニュースレター、そしてこのSteamFMでお伝えをできればと思っていますので、そちらも楽しみにしていただければと思います。
エジプトに行くのは2年ぶりなのですが、エジプト調査だと4年ぶりか5年ぶりぐらいになるので、
ノウハウを忘れていて、これ持っていかなきゃいけないんだっけとか、どんな格好で行けばいいんだっけとか、
昔の写真とか見て、いろいろ思い出しながら、今準備をしているところです。
こういったノウハウも、もしご興味あれば、また共有していきたいと思いますので、ぜひメッセージいただければ嬉しいです。
Twitterで、あとかなやにメンションいただければ、できるだけ拾えますので、できるだけじゃないです。100%拾えますので、ぜひコメントください。
というわけで、今回も最後まで聞いてくださってありがとうございました。イチでした。
ご視聴ありがとうございました。
チャンネル登録よろしくお願いします。