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2024-07-19 28:26

なぜか機械を壊す人【第189号音声版】

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サマリー

物理学者ボルフガング・パウリの苦悩と冗談に関するエピソードを通じて、なぜか機械を壊す人について考察しています。ノーベル賞物理学者のウォルフ・ガング・パウリについてお話します。

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いちです。おはようございます。
今回のエピソードでは、なぜか機械を壊す人についてお届けします。
このポッドキャストは、僕が毎週お送りしているニュースレター、
スティームニュースの音声版です。
スティームニュースでは、科学,技術,工学,アート,数学に関する話題をお届けしています。
スティームニュースは、スティームボートの取り組みのご協力でお送りしています。
改めまして、いちです。このエピソードは、2024年7月18日に収録しています。
ボルフガング・パウリの苦悩
このエピソードでは、スティームニュース第189号から、なぜか機械を壊す人、
ノーベル賞物理学者、ボルフガング・パウリの苦悩についてお届けをしていきます。
このエピソードでは、物理学者の間で有名な冗談、パウリ効果、パウリエフェクトについてお話をしていきます。
今、冗談というふうにお話をしたのですが、冗談では済まされない現象もあったそうなんです。
実際ですね、これはシンクロニシティというタイトルの本なんですが、
気真面目にですね、パウリ効果を考察した書籍もあるぐらいなんです。
パウリ効果の権限となったノーベル賞物理学者、ボルフガング・パウリは、
結構な不器用さんで、実験機器をよく壊したそうなんです。
パウリが自分で機器を壊しただけならよかったんですが、どうもパウリがそばにいると、
他の人の実験機器が勝手に壊れるらしいんです。
それでいつしか人々は、パウリの近くの機械が勝手に壊れることを、
パウリ効果というふうに呼ぶようになったんです。
ここまでは笑い事で済む話なのですが、
なんとパウリ自身がですね、壊れていってしまうというようなこともありました。
そんなパウリ効果、実際にはどんなものだったんでしょうか。
皆さんの周りで、なぜかこの人が触ると機械が壊れるという人物いらっしゃらないでしょうか。
僕は学生時代に同級生で、その人物がそばにいると、何もしていないのにパソコンが落ちる、ワークステーションが落ちるという人物がいました。
僕たちはですね、毒電波が出ているなんていうふうに揶揄していたんですが、
もちろんそれは偶然で、多分偶然で、その人何も悪いことはないのですが、たまたま運が悪かったということだと思うんですね。
歴史上最も有名な、なぜか機械を壊す人というのが、先ほどからご紹介しているスイス出身の物理学者、ボルフガングパウリです。
彼の機械破壊能力は筋金入りで、パウリが部屋にいるだけで何もしていないのに他人の実験装置が壊れたそうなんです。
こうなるとパウリの呪いというふうに言いたくなりますよね。
パウリ自身もパウリ効果というふうに言われることを面白がっていたそうなんです。
そんなパウリ効果、どんなことがあったかというと、ウィキペディア日本語版にうまくまとまっていますので、そこから引用してみたいと思います。
物理学者バルター・ハイトラーの講義を聞いていたパウリは、その内容に不満を持ち、講義が終わると勢いよく円壇に駆け寄った。
パウリがハイトラーの座っていた長い椅子の反対側に座り詰め寄ると、ハイトラーの椅子の背が壊れた。
その場にいたジョージ・ガモフが思わずパウリ効果だと叫んだ。
このジョージ・ガモフも物理学者で、実は冗談好きな学者さんだったので、これはガモフの仕込みじゃないかという噂も当時からありました。
パウリは学問的にはかなり、相当実直な方で、説明に曖昧なところがあると感慨に怒ったそうなんですね。
こういった物理学の講義を聞いていても、自分が納得いかなければ起こったということなんだと思います。
次のエピソードを行ってみましょう。
月頂の研究所で、実験中に原因不明の爆発事故が起こった。
研究員は早速パウリを疑ったが、当日パウリは出張で不在だった。
しかし後に、パウリはその日別の場所へと列車で移動中で、爆発が起こった時間ちょうどゲッティンゲン駅に停車中だったことが明らかになった。
これ、後で気づいた人びっくりですよね。
お前、おったんかい!という感じですよね。
これは、パウリ効果を伝えるエピソードの中では最も有名なお話です。
次のエピソード行きましょう。
ある日、パウリはハンブルクの天文台の見学に誘われた。
はじめは望遠鏡は効果だからと断ったが、周囲の説得により同行することにした。
案の定、パウリがドーム内に入ると大きな音がして望遠鏡の蓋が落ち、粉々になった。
これは蓋でよかったんじゃないかなと思います。
レンズとか鏡とかが落ちて粉々になるともう取り返しがつかないですから、これは蓋でよかったんじゃないかなと思います。
最後のエピソード。
パウリ効果のエピソード
ある歓迎会において主催者がパウリ効果を実現させようと、
パウリが部屋に入った時にシャンデリアが落ちるという仕掛けをあらかじめ仕込んでおいた。
しかしパウリが来た時にシャンデリアが落ちることはなかった。
その仕掛け自体が壊れて作動しなくなったのである。
これも何かちょっと出来過ぎな気はしますね。シャンデリア落ちてきたら危ないですからね。そんな仕掛けをしたのかという気にはなりますが。
ただ、昔ソニー製品にはソニータイマーが入っているなんていう都市伝説があって、
それがある年ぐらいからですね、ソニータイマー自体がソニータイマーで壊れてるんじゃないかみたいな噂が流れたりしたこともありましたから、
そのパウリ効果を実現させようとした仕掛けがパウリ効果で壊れたという言い分はなくはないのかなと思います。
これね、こじつけなんですが、こじつけだらけのファラオの呪いという都市伝説に比べると、まだパウリ効果の方が多少、多少も言い過ぎかな。
ほんのわずか因果関係あるのかもしれないなという気にはなってきます。どんなふうにお感じになりますでしょうか。
そんなパウリですが、一言で言えば、創熟の天才ということになります。
彼はですね、1900年生まれなので、1921年と言いますから、21歳の時です。
アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論を解説する共感書、相対性理論を書いています。
これ、実はですね、僕も持っています。一般相対性理論が発表されて、わずか5年で教科書にまとめ上げたんですね。
この才能は並大抵のものではなく、党のアルベルト・アインシュタインも大絶賛したそうです。
1925年、パウリは25歳にして、量子力学の分野で、金字塔ともいえる行跡、これはパウリの排他原理という行跡なんですが、これを25歳で残しています。
1927年、数学における特別な体系、資源数というね、これはちょっと難解な数学なんですが、
これ、忘れられていた数学なんですね。これを再発見しています。
これはパウリ行列というキーワードで調べてもらうと、パウリの発見について読むことができます。
1930年には、物理学者リーゼ・マイトナーへの手紙の中で、新たな素粒子を予言しています。
これは後にニュートリノというふうに名前が付けられています。
こんなふうにパウリは若くして、物理学の地平線を押し広げていきました。
そんなパウリが晩年、頭を悩ませていたのが、微細構造定数という物理定数の意味でした。
物理定数は、物理学の実験によって求まる数値なんですが、これに何か意味があるのではないかということをずっと悩んでいたんですね。
物理構造定数は、記号αで書くのですが、α分の1がおよそ137になるんですね。
パウリはずっと、それがなぜ137なんだろうというのを考えていたそうです。
微細構造定数というのは、宇宙の構造を調べるときに出てくる定数で、電子が光子を吸収したり放出したりする確率と関係があります。
ただ、それがなぜ137という数字と関係あるのかは謎のままで、いまだに理由はわかっていません。
ノーベル賞物理学者リチャード・ファインマンは、こんなふうに言っています。
こいつは全くもって物理学における重大な謎の一つだ。
人間の理解が及ばないところから現れた魔法の数だ。
これはファインマンも頭を悩ませた数字だったようですね。
パウリ効果については面白がっていたパウリですが、完璧主義者だった彼は学問に対しては非常に厳しい態度をとることでも知られていました。
そんなパウリの私生活ですが、30歳でキャバレーのダンサーと一度結婚しているものの1年も持ちませんでした。
これはですね、文献によっては女優志望の女性、トレーニング中の女性というふうに書かれていたり、またね文献によってはコールガールというふうに書かれていることもあります。
彼はまた離婚後ですね、精神的不調に悩まされました。
そんな壊れたパウリなんですが、近くに住む心理学者カール・グスタフ・ユングの診察、そして後の共同研究によって徐々に自分を取り戻していきます。
離婚の4年後には生涯の妻となるフランカ・パートランとの再婚も果たしています。
ユングへ系統していったパウリは物理学だけでなく心理学へものめり込むようになります。
特に関心を持ったのは意味のある偶然の一致を意味するシンクロニシティ、共持性という概念でした。
パウリがシンクロニシティに興味を持ったのは、自分の名を冠されたパウリ効果の影響もあったかもしれません。
ただし、シンクロニシティという概念そのものは学術的に広く認められたものではありません。
また、シンクロニシティは超常現象と結びつけられるなど、オカルトでも多用されるため、科学者が口にする場合には非常に慎重になる概念です。
物理学の良心とも呼ばれたパウリがシンクロニシティの研究にハマっていったことは、僕には興味深く感じられます。
パウリの人生について
物理学仲間、物理学者仲間はにがにがしく思っていたと僕は思うんですが、
ユングはユングなりの解釈でパウリがシンクロニシティ研究にハマっていた理由を説明していました。
ユングは理論物理学者のように思考を重んじる人は、うちに激しい感情を秘めているし、
実験物理学者のように感覚を研ぎ澄ませている人は、心に鋭い直感を求めているというふうに解釈したんですね。
なのでユングの解釈では、パウリは心のうちに感情と直感を強く隠し持っていたんじゃないかというふうに想像したわけです。
パウリは残念なことに水臓癌を患い、水素中立肥のロートクロイツ病院137号室で亡くなりました。
彼は宇宙の微細構造定数と同じ部屋番号を大変気に入っていたそうなんですが、
それが偶然だったのか、シンクロニシティだったのか、それとも密かに彼が選んだものだったのかは、今となっては分かりません。
パウリが亡くなった年は58歳でした。
このエピソードでは、なぜか機械を壊す人、ノーベル賞物理学者ウォルフ・ガング・パウリについてお話をしてみました。
僕自身は、大学生の頃に物理学、そして偶然にも心理学を学んで、その両方にパウリが出てくるんですね。
一般相対性理論を勉強するのに、パウリが21歳の時に書いた相対性理論という本。
僕もちょうど21歳か22歳ぐらいだったんですが、すごく難解な本でした。
そもそも使われている数学が難解だというのにショックを受けて、出版年を見て、これパウリ21歳やんというのでまたショックを受けて、ということがあったんですが。
非常に緻密な教科書で、無駄もなくて、究極の教科書の一つだなという感じが受けました。
その後、ユング自身もかなり難解なノートを残しているので、その弟子たちの解説書ですね。
例えば、日本人で言えば、お亡くなりになった河合駿先生ですね。
彼もユングから聞いたこと、おそらくパウリについても書いています。
本人の名前は出していないんですが、読む人が読めばパウリのことだと分かるような書き方をしていたりします。
それから、直接パウリに関しての記述はなかったと思うんですが、同じくユングの弟子のマギアという方の教科書も読んでいきました。
パウリその人のことは書いていないですが、パウリを想像させるような人物についての描写がありますし、
ユングとパウリの往復書間についても残されていて、読むことができます。
僕も読んでいったんですが、そうするとすごく興味深い発見があります。
一般相対性理論の教科書を書いた人物がこんな風に悩んだのかというのが、とても面白くて。
それから、内田麻里香さんの本のタイトルが、再出版なんですかね。
タイトルが変わってしまって、今は電子版で、面白すぎる天才科学者たち、世界を変えた偉人たちの生き様という、講談社から出ている本で、
パウリについての章が一章遡られています。
これ、元のタイトルは、恋する天才科学者たちだったと思うんですが、恋というタイトルが外れて、面白すぎる天才科学者たちに変わっています。
このパウリのコーナーを読むと、これがまた面白いです。
離婚の話、再婚の話も、かなり詳しく調べて書いてあって、パウリ、そういう側面があったんだということも、この本から知ることができます。
この3冊、相対論の教科書は、万人にお勧めするものではないですが、河合俳夫先生の、「ユング心理学入門」という本、
そして、この面白すぎる天才科学者たちのパウリのコーナー、パウリ以外も全ての章が面白いので、お勧めしたいと思います。
こんなのね、口頭で言われても分からないようになっちゃいますよね。
概要欄にニュースレター、Steamニュースへのリンクを貼っておりますので、よろしければSteamニュース、無料でお読みいただけますので、メールアドレスをご登録いただいて、そこから書籍へのリンクをたどっていただければと思います。
本当ね、パウリの人生って、本人は大変だったと思うんですが、第三者から見ているとすごく面白いです。
最後にですね、少しだけ余談というか、今週何があったのかというのをお話しさせていただきたいなと思うんですが、本当に余談です。
夏休みの話と後藤列島
今ね、このエピソード収録しているのが7月の半ばなんですが、8月、9月、10月はもう夏じゃないんですが、
夏休みを取る目処が全く立たないので、もう先週ですね、早めの夏休みを取らせていただきました。
いや、これもかなり無理やりだったんですが、金土日ですね、取らせていただきました。
長崎の後藤列島に行ってきました。
僕、長崎に住んでいるので、船で行ってきたんですが、日本の他の地域からだと、福岡から飛行機が近いかなと思います。
今ね、海外めちゃくちゃ高いじゃないですか、円が安くなって。
でも、日本国内にこんなきれいなビーチがあって、もちろん日本語も通じますし、お魚が日本一美味しいです。これは断言します。
それからですね、お酒も美味しいです。
日本酒は少ないんですが、後藤の陣、後藤陣というのと、それから芋と麦の焼酎も作っていて、カクテルを作ってくれるバーなんかもあったりして、本当に美味しいです。
それから後藤牛という牛肉、そして後藤のお米、これもすごく美味しいので、ぜひ夏休み後藤列島を考えてみてください。
というわけで、最後まで聞いてくださってありがとうございました。steamfm1でした。
ああああああ アーチェリースカー
アーチェリースカー
28:26

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