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はい、始まりました。アートテラー・とにのそろそろ美術の話を。この番組は、私アートテラー・とにがアートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
本日は、写地図画家の塩谷亮さんをお迎えして、トークをしていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
僕は、ホキ美術館で大分お仕事させていただいているんですけども、なので、写地図画家に出ていただきたかったんですけど、誰に最初声をかけるかすごい悩みまして。
よろしくお願いします。
その中でも、この番組史上初の画家のゲストでもあり、ということで改めて塩谷さんよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
塩谷さんも結構よくテレビに出ているじゃないですか。番組は言えないですけど。
言うこと決められるんですよねって言ってましたよね。
これを言わなきゃいけないみたいな。
言えないワードが多いですね。専門的な言葉が言えないっていうのかもしれないですね。
この番組は全くないので、言いたいことをいっぱい喋っていただくから。
一時間ぐらいもダラダラと喋っていけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
そして、写実画家っていう、写実絵画とか言いますけど、この言葉どういう定義がありますかっていうのを、塩谷さんに聞くのもなんですけども。
どう思ってますか?塩谷さん。
今の日本で、写実絵画というと、写真のようにそっくりに描かれたものっていうのがすごいわかりやすい定義だと思うんですけれど。
でも実は結構、美術史的に見てみると、写実主義っていう時代があって、つまりクールベって描画家がいるじゃないですか。
クールベってロマン主義みたいな主義に対して、自分はもう愛のままの理想化しない自分の身の前のそのままを描くみたいなことを始めたわけですよね。
で、なんか巨大な葬式を描いちゃったりとかして。
オルガンの。
多分あれは当時の人からしたら、こんなものは絵になる題材じゃないと言われたわけなんだけれど。
自分が今生きている自分がリアルだと感じるものを脚色なしに描くんだっていうのが写実なんだと。
神話画とかじゃないし、宗教画でもないしとかですね。
だから、もし美術史的な定義で言えば、写実というと本来はそういうリアリティのあるものか。
ドキュメンタリーみたいなことですかね。映画の何かっていうと。
とか、例えば野田博士先生がよく言うような、冗長的であるものは描かないとか。
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過長画みたいなことですかね。
要するにこの客観的にものを見てとことん映すというよりは、本当に主観でものを見ないみたいな考え方ですよね。
であれば、例えば日本画の描き方でも別に構わないとですね。ニュアンスだけで言うというか。
別に。
油絵に限らずってことですね。
関係なく、素材は関係ないわけですよね。
写実、絵画って言葉は結構だから、今やっぱり最初の話に戻っちゃうかもしれないですけど、
結構だから僕は美術館さんの仕事をしている時に、そこでよく気づいたというか。
やっぱりどうも僕ら一般の人は、褒め言葉のように写真っぽいって使っちゃいますよね。
である時、写実の皆さん、画家の皆さんを集めて、あのホキトークって飴トークみたいなパロディーやって、
写実、画家あるある何ですかって聞いた一発目は、写真みたいって言われるとちょっと切ないみたいな。
写真みたく別に描きたいわけじゃないみたいなことは言ってて、あくまでスタイルですもんねそれはっていう。
それはだから、確かに芸人さんに対して漫才見終わった後に、
ちゃんと振りがあって、ポケット突っ込みがあってよかったですねって言われたような感じで。
いやそれはもうまず前提条件だから、そこで僕らこういうことやってるんだよっていうとこなので、
写真っぽいって確かに何の褒め言葉でもないんだなっていう。
こっちは多分行為で言ってるんだけど、やっぱ言われること多いですか?
もちろん言われますね。
やっぱりどうなんですか?気持ち的には。
僕個人としては非常に苦しい思いです。
これから気を付けて言われたら。
でも結構最近の若い写実系の画家の中では、写真って言われても十分それでも嬉しいと。
もともとの動機がやっぱり上手く描きたかったから、
全然それも褒め言葉ですよという若い世代の人たち結構いますね。
ちょっと第7世代じゃないけど、写実家以外もちょっと違う世代に来てる。
僕なんか古臭い方なので、写真と比較されて語られること自体が、そういうつもりでもともと描いたわけじゃないかな。
例えば人物画を描いたときに褒め言葉として、褒め言葉でなかったらあれですけど、
本当にそこに人がいるみたいですねっていうのは褒め言葉です。
まあそれは一つの。
人生きてるように感じられますねとか、質感というか、呼吸が感じられるようですねみたいなのは言われたら別に。
もちろん嫌ではないです。
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いろいろ感想をいただく方にね、思うのはおこがましいわけで。
いやいやそんなことないです。
見てもらって感想を言ってもらえると、それはそれなんですけれど、
さっきのクールベの話からすると、
例えば北京美術館というよりかは、日本人の射術画家で多いと思うのが、
どちらかというと、自分の内面の方に行くタイプの画家っていうんですかね。
例えば、ある画家は本当に祈りのような気持ちで風景を見て描いているっていう人もいるし、
神は最後に宿るみたいな気持ちで描いているとか。
意外とクールベの射術とは全然違う、それこそ情緒的な射術というんですかね。
それはすごい日本人の射術の特色のような気がするんですよね。
僕もちょっと思ったのが、射術道というのかな。
茶道とか花道、書道みたいな感じで、
結構そういう射術道の画家さん結構いるなって感じが、
僕の中では個人的に思っていて、
アーティストなんだけど、物資さんに近い感じというか、
祈るように彫って、仏像が生まれているみたいな感覚の人も結構いらっしゃるなと思ったのが、
ちょうど数年前にスペインの射術絵画のMEMEという美術館とのコラボ展があって、
いっぱい行った時に、スペインの射術絵画、僕の感想ですけど、
やっぱり日本の射術絵画で見ていると引き込まれる感じがする。
スペインの射術絵画は来るんですよね。
飛び出してくるというか、生徒と同の違いみたいなのは見る側としては感じたんですけど、
プレイヤーとしてはどういう感じですか?
まさに僕はスペインの美術館に行って、
本当に並列するようにというより、
ワンフロアは日本人の射術画家、
その上の階にスペイン人の、もしくは世界中の射術画家という感じだったんですよね。
本当にあの時にすごく特色が見えたという感じがあって、
例えば日本で、それこそ情緒的でない、
リアリズムをやりたいと言っている人の絵ですら、
スペイン人の絵と比較するとすごく情緒的に見えたというぐらいに、
モチーフに対する意識が全然違うんだなと思いましたね。
それを見た時にどうなりたいと思った?
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それともスペイン側に自分もなってみたいのか、
それともやっぱり日本人として日本のこの日本的射術を極めてみたいのか、
塩谷さん的にはどっち?
僕はもちろん日本人ができる絵画というのをもっと突き詰めなきゃなと思いました。
もうあっち側に行くんじゃなくて?
もちろんですね。僕はそう思いましたね。
そうすると変わったことってあるんですか?
スペインの洗礼を受けたというか、
洗礼っていうのは良いかもしれないですけど、
そこからやっぱり楽は変わりました?
急速に変わるのではないと思うんですけど、
でも今思えばこの1,2年は、
日本人の美意識というのを実感することが多いというんですかね。
それを絵になんとなく込めたい、みたいなことは今まで以上にあるかもしれない。
日本的射術絵画の、今情緒的というのもありましたけど、
他に良さというか、世界の射術には出せない、
ここが日本の良さだよって思うところってご覧いただいていますか?
例えばなんか面白いなと思ったのは、
日本だと風景画っていうジャンルがあるじゃないですか。
向こうで本当に風景だけを描いている作家って本当に少なかったんですよね。
特に射術の中では。
何人かもちろんいたんですけど、
絶対そこにアレゴリーっていうか、
具意みたいなのが必ず入っていて、
やっぱり日本人が描く風景があって、
本当にさっきの神を感じるみたいなね、
祈りを感じながら描くみたいな、
そういう難しいな。
まず作家が景色に出会って、
自分が景色に出会えたっていう喜びがあるじゃないですか。
まずそこがスタートなんですよね。
それをなんとか表現していきたいときに、
自分が自然を肯定しながら描いていくっていう感じなんですよね。
どっちかっていうと、
例えば風景、いい風景だなと思って、
日本人の人はその風景をなんとか表現したいっていう、
そっちに近づいていく感じがするけど、
海外の風景があって、
昔からだと思うんですけど、
描いてる折れすごいか、六感というか、
自然のこれをなんとか素材にして作品にしてるっていう、
お寿司みたいなことというか、
刺身というか、
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美味しい魚をなんとか引き出して、
刺身にしようという文化と、
煮込んで料理にしようみたいな文化の、
でも味としてはそっちの方が美味しい。
わかんないですけど、
淡白じゃないじゃないですか。
パン地のある味なんだけど、
料理の素材のやり方も違うのと似てるのかなと、
今ちょっとうっすらちょっと、
その例えばわかるかも。
本当ですか?よかったよかった。
俳句の文化に近いのかもしれないですね。
引き算して引き算して、
でもそぎ落としてちゃんと本質を描きたいとか、
表現したいのか、
海外の人だっていいものを見てるはずなんですけど、
そこにいろんな修飾語をつけて、
こうでこうでこうでこうで素晴らしい風景なんですって、
見せるのかの違いのような気がするんですよね。
で、なると、
そこでちょっと僕の中の疑問なんですけど、
別に善か善がないと思うんですけど、
引き算していくというか、
なんかこうしていくと、
個性ってその分なくなっちゃう気がするんです。
要するに加速していくと、
自分なりのフレーズとか、
自分なりの色とか出せる。
でもやっぱ写実って、
それをこうなんとか表現しようってすればするほど、
たぶん自分っていうのは消えていくと思うんですよ。
その中でも、
やっぱ個性って出すものなんですか?
個性を出すことが美徳なのか、
個性を消す方が美徳というか、
広大さん的にはどっちですか?
対象物を描くにあたって、
それに近づけるんであれば。
なかなか難しいと思われる。
本質的な問題ですよね。
なんか僕は、
自分のなんか表現したいとか、
個性的な人と違うのをね、
一目で分かる自分でだっていうのを描きたいっていう思いは、
もちろん多少はあったと思うんですよ。
やっぱりいろんな中で発表してきてるので。
だけど、
写実やってる以上、
それは前に出したくないっていうのはずっとあるんですよね。
一番上には。
ちょっと例え話っていうか、
本当の話なんですけど、
ある画像で、
写実学科の3人展をやってたんですよ。
それを見に来た、
ある応募書の方が、
その方はあまり写実のことをよく思ってない。
その方が見に来たときに、
最後一周してみて出るときに、
あれ、これ個展じゃなかったの?
という。
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通列のやつだから、
多分もう用意してきたパワーワンでしょうね。
もうそれを言うつもりで来た感じがしますよね。
それを言って帰ってったらしいですけど、
僕が考える個性って、
パッと見て誰さんとわかる。
もう同じようなモチーフ描いてるから、
もうそれは個性じゃないとかいうことじゃなくて、
例えば、
僕はクラシックのことよくわからないけど、
クラシック音楽で識者によって全然違うわけですよね。
音楽好きな人はそれをこそ男とも聞くと思うし、
よくジャズはみんな同じような感じで聞こえるとか言うけど、
ジャズ好きな人からしたら全然違うんだよというような、
そういう絵でも、
大味な見方じゃなくて、
例えばその3人が、
もし同じモチーフを描いて、
例えばもう極端な話、
リンゴを3人描いて、
もう僕は全然違うリンゴが3つ生まれると思うんですよ。
モチーフも一緒だっけ、
構図も一緒として、文字も一緒だよね。
そういうことです。
別に俺はリンゴ2個描こうとか、
そういうことじゃないし、背景の色を変えてとか、
そういうことじゃなくても、
これが不思議と、
全然違う3つのリンゴが生まれるんですよ。
僕はそこを楽しむのが、
作詞・絵画の面白さだと思う方なんですよね。
そこが個性だなと思ってて、
それこそ何の装飾もなくなった、
最後に残ったの、
その微妙な違いが個性で、
そこが楽しいかなと思っています。
そこまでいくと、より楽しくなるってことですね。
1個だけ見る。
落語もそうですもんね。
同じ演目やってるけど、
演者によって全然違うじゃないですか。
でも、大きく違うかって言ったら、
違うわけじゃないですもんね。
その微妙なニュアンスが。
なるほど。
その微妙なニュアンスが、
塩谷さん自身は、
自分でこういうところが他の人と違うな、
ここが自分の中の武器だなとか、
思うところってあったりするんですか?
意識してないで気づいたら、
個性でできてるものなんですか?
僕の絵がそういう、
どういう評価を得てるかわからないんですけど、
ただ、この間、
画集なんか出してみて、
自分の絵を振り返ってみると、
通してみた時に、
自分の匂いみたいなものっていうのが、
出てたのかなって思ったりして、
自分の絵のこと、
あんまりわからなくて、
人にはよく、
塩谷さんは人物描いても生物描いても、
風景でも、
塩谷さんの絵ってわかるよねなんて。
確かに。
いや、わかります。
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塩谷さんの空気感なんでしょうね。
僕も思うのは確かに。
温度というか。
そういう感覚で実はすごく嬉しくて、
自分がやりたい本質だったりするのかなと。
確かに。
さすがに僕も補給美術館は、
まあかなり長いから、
ブラインドでも当てれる自信はあると思います。
トニーさんはね。
逆に外したらもうクビですよ。
でも確かに塩谷さんは温度とか優しい。
だからこの声だけしか今まだ届いてないけど、
塩谷さん限らずだけど、
写実の画家の皆さんって、
他の中小画とか他の日本画さんと違って、
その人となりと作品合ってません?
合ってますよね。
この人の雰囲気とこの絵っていうのが、
真逆のパターン見たことない。
普段なんか尖ってるけど、
絵はすげえ優しいみたいなことは、
あんまりない気がしてて、
なんかちょっと変わったこと考えてるなって人の絵は、
やっぱりちょっと変わっとく気感があるし。
これ初日は僕は特に一番感じるんですけど、
どうですか?塩谷さん。
そうだと思いますよ。
もう人のまま絵に出てると思いますね。
だからやっぱり、あんまり性格が良くないと絵も良くない。
この人、写実の。
いや、それはどうかな。
まあ別に名前出さなくてもいいと思うんですけど。
そういうパターンで言うと、
例えば塩谷さんもクラスというか、
いっぱい絵描いてきて、いっぱいいろんなの見るわけじゃん。
そうすると、あいつ最近変わってきたなっていうのは絵から感じたりするんですか?
例えばそれこそ忙しくなってきて、
ちょっと手抜いちゃうとか、それは人間だからあるわけじゃないですか。
疲れてるな、あいつと。
そういうのは絵に出てるもんですか?
表現がよく荒れるっていうかたするけど、
それはもう一瞬でわかるじゃないですか、一目で。
それと疲れてるは別かもしれないですけど、
長年見てきた、ある確立した世界に帰ってきた人が、
え、こういう方向性でやり始めたっていうのはすごいびっくりするし、
後で会って話してみたいと思いますよね、作家と。
写実って大きく作風変えていくタイプの表現じゃないじゃないですか。
急に手ほどみを加えることもないし。
自分のことに関して言うと、
特に振り返ってみると感情の起伏が出てるんですよ。
自分でもわかるんですね、こうなったなみたいな。
すごい細かい話ですけどね。
ここで千尋さんの作品についてってことなんですけど、
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どのようなモチーフの作品を描かれていますか?
僕は知ってるけど、全員を代表して。
よく描くモチーフというか。
人物画が多いですね。
どうしても美術雑誌なんかで紹介してもらうと、
女性が特徴とか多いので、そこでよく載るので、
人物を描く画家と結構思われています。
画家ではないかもしれないですね。
僕はどっちかっていうと、大学中ぐらいから
人物画家とか生物画家って言われたくなくて、
やっぱり何だって描けるよっていうのは言いたかったわけですよ。
だから人物も生物の風景もバランスよく描いていきたいんですけど、
ただなかなか人物は風景は結構大変なんですよね。
取材行くのもそうだけども、
単純にものすごい手がかかるんですよ。
そうなんですか?風景が一番。
一枚一枚描いてるっていう世界なので、
人物画の軽く2倍は時間かかっちゃうので、
同じサイズである?
同じサイズで。
そうですか。
では人物だったら、
人を描いてその後ろが背景みたいな意識で描けるところはあるんだけど、
風景って全部抜くところがないんですよ。
確かに。
空間全部描いていかなきゃいけない。
でもそれでも例えば木を描いて、
大木を描いて作品とかやると、
やっぱり一般の人はそこばっか見て、
手入れた空とかも全部ホント描いてるのに、
そこ褒めないですもんね。
真ん中の木だけみんな褒めちゃうけど、
全部描いてるんですもんね、当たり前ですけど。
でもそれは人物画もそうですもんね。
背景が手抜いて、
あいさーって抜けるかって言ったらそんなことないし。
もちろんね、そうなんですよ。
もちろん人物画の背景って結構難しいので、
余白という意識じゃダメなんですよね。
それは空間として位置を持たさなきゃいけないので、
人物と同じぐらいの気合で描かないといけないんですよ。
つるっとした壁も相当頑張らなきゃいけないんですけど。
あんまそこ褒めてくれる人いないですね。
誰も褒めないですからね。
俺それ覚えたから結構内覧会とか行ったら、
そこ褒めるように。
普通な。
でもそこを見るようにしたりしてます。
でもあれですよね、
人物で言うと、
以前お聞きしたんですけど、
モデルさんは塩谷さん本人が選んでるわけじゃないですからね。
それは断言できないですから。
そういう時もあるんですよね。
もちろんあるんですよ。
ただ最近、
要するに一番最初に描いてたのは家族だったんですけれど、
その後、結婚して妻を描くようになって、
それも期間が長かったんですよ。
その妻を描いたというか、
24:01
妻というかモデルを借りながら女性像を描いてたんですけれど、
もうちょっとよく言うと人間を描いてたんですけれど、
そのイメージが塩谷の絵のイメージとして、
その妻の姿が固定されちゃった感じがあったので、
これから新しいモデルさんを選ぶという時に、
慎重にならないといけなくて、
という時に、
モデル選びって難しいんですよ。
いいなと思ったモデルさんに声をかけて、
モデルをお願いするわけにそれだけじゃないんですよね。
モデル事務所から探すと、
カタログがあるわけないんですよ。
モデル図鑑。
美術モデル事務所が何箇所か日本にあって、
そこからお願いする人もいるんですけれど、
僕の場合は、
どこかの画家に描かれているモデルを描く気がしないので。
なるほど。
人手のついた女は。
これは難しい問題ですよ。
昔のチチキという人をみんなで描いたみたいな世界が面白いんだけど、
僕は誰にも描かれていない人を描いてきたので、
どうやって声をかけるんですか?
やっぱり知り合いの知り合いみたいなところから最初行くんですけれど、
でもなんていうのかな、
結構ここが僕が自分の絵になるなと思って、
いきなりは声をかけないです。
例えば妻に相談するんですね。
誰々さんって絵にならないかなって言うと、
妻が判断してくれて、
彼女は綺麗かもしれないけれど、
正体による作品として合わないというか、
そういう判断をしてくれるんですね。
僕がいいなと思った人はだいたいダメが出るので、
最近は妻が、
選んでくれてます?
かなり前から目越しつけて、ゆっくり声をかけてくれて、
何年後にあの子は良くなる?
ちょうど少女を描いたことがあるんですけれど、
今描けばいいじゃないかと、
ちょうど少女モデルを探してたんですけど、
まだあの子は、
可愛いという絵にはなるけれど、
あと3年くらい経つと、
新モデルになるんじゃないかと。
プロ野球のスカウトくらいの目利きになってますよね。
それでようやく3年越しに声をかけて、
家に来てもらったりとか。
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男性描くことはあんまりないんですか?
男性もありますよ。
少年階でも?
そうです。
これはイタリア留学していた時の、
アパートの親さんの息子なんですけど、
その時は最初何歳?
12歳で初めて出会った時が。
日本大好きな少年だったから、
僕にも夏に行って、
南イタリアの海で泳いだりしてたんですけど。
その後また描くことになったんですよね。
とにかくこの上々しい12歳の少年を絶対にしたいと思って、
イタリアで1枚描いてきて、
帰国してからずっとメールでやり取りをしてたんですよ。
5年後ぐらいに初めて、
写真が添付されてきて、
最近の自分の写真と彼女と一緒にいる写真が送られてきて、
もう衝撃でした。
つまり17歳になってたんだけれど、
え?この色気?みたいな。
少年がこんなになっちゃうのか?みたいなことで。
思春期から大人へと変わるみたいな感じなんですけど。
そんな変わるんですね、5年で。
びっくりしました。
どうやって描いたんですか?
イタリアに行きました。
もうこれ描きたいと思って。今描かなきゃ。
いろいろ口実をつけて、
イタリアに旅行が出会って、
泊まっているホテルみたいなところに来てもらって、
本当に水球か何かやってて、
インから出してて、Tシャツ越しに向きとかしてて、
すぐさま上脱いでないといけない。
そこだけは危ないですけど、
大丈夫、信頼関係があるわけですよね。
窓際の光のところに立ってもらったら、
そこにラビレ像がいたんですよ。
ゴーゴーシーみたいな空間が生まれちゃって、
アパートの部屋までが、
ドアの装飾までが神殿のように見えてきて、
もともと立ったはずなのに、
そこのためにあるかのように見えたわけですか?
そうなんです。
これはやっぱり描くぞ!って思って、
17歳の下根君というのを描いたんですけど、
今下根君は何歳になっているんですか?
その後ですね、2017年、
いやいや、17年に戻したから、
16年に日本に今度来てくれて、
絵にしたんですよね、155年。
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その時に20歳ですから、
あれからもう4年、24歳か。
まだ若々しいですね。
24歳ですね。
もしかしたら下根君はこんなに長くキャリアをやっていると、
下根君も中年になっていくので、
中年の下根君になるパターンもあるわけですね。
もちろん。
僕はもう下根君にさよければ、
こっちがじいちゃん、
あっちがおっちゃんになるまでずっと描いてきたんです。
そういう関係性っていいですね。
例えば下根君と同じです。
例えば奥さんもそうですけど、
もう頭の中にある程度、
この人はこんな感じになっていて、
特に奥さんなんて毎日あっているわけじゃないですか。
モデルやってって今言うと、
昔よりは簡単に描けちゃうものなんです。
それとも毎回新鮮にそのモデルさんって、
描く時に変わるものなんですか?
確かに、ここまでずっと描いてくると、
新鮮さを感じなくなる時もあるので、
そこはなんとかライトというか、
光を意識してちょっと演出したりとかして、
ちょっと今までにない雰囲気でさなみたいなことを、
かなり作ってあげることで、
また創作力が上がるっていうか。
そのライティングとかを作るって、
意外とそういうところってあんまり僕は気にせないです。
見る側は。
モデルさんがいて、そこにいて描いてるんだなぐらいに、
勝手に思い込んでいるわけですけど、
ライティングって相当こだわるものなんですか?
描く前にといって。
光でかなり絵のテーマが変わるものなんですよ。
例えば、一番よく描くのは斜めから斜行といって、
レンブラントライトとかね。
非常に立体感も出しやすい、空間も出しやすいみたいな光があるんですけど、
すっきり空間は見えるんだけど、
そればっかりやっていってるっていうところなので、
例えば、モデルさんの後ろから光が当てると逆光なんですけど、
やっぱり逆光はムーディーで、
顔の形なんか暗くて潰れるけれども、
光自体にテーマが出てくるんですよね。
どうか真上から光が当てたら、またそれは何か暗示的な感じもしてくるし、
その光で絵の内容がガラッと変わるので。
モデルさん、まず奥さんが選んできたとして、
じゃあこの人描こうってなってから、
照明を決める前に、他にも決めることがある。
例えば衣装とか。
衣装も大事ですね。
大事ですかね。
もちろんです。
難しい。
それはどうやって言う順番で決めていくんですか?
まずモデルは最初に決まるわけですよね。
そうですね。
一番最初に。
そこからどういうプロセスを経て、
絵ができてくるんですか?
まずモデルさんが来る前にエスキースというのをやるんですよ。
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つまりクロッキー調に簡単なラフスケッチみたいなことをするんですよ。
最初の段階で。
モデルがいないんで、
想像でなんとなく画面の左側に人が来て、
後ろは暗くしてとか、
右上は軽い方が構成がいいなとか、
その時に後ろが暗いんだから白っぽい服にしておこうかなとか、
そういうぐらいのざっくりしたことは考えておいて、
モデルさんに何着かの服を持ってきてもらって、
そこで選ぶとか、
もともとこちらで服を用意しておくこともありますけども、
服は結構大事ですよね。
モデルさんに服を持ってきてもらって、
壊滅的にこいつセンスないなとかあったりするんですか?
どの服も違うよみたいな、
変なワンポイント入ってるなとか、
そういう時はないんですか?
大体今まで大丈夫なの?
僕の合集とか見せておいて、
テイストがね、
例えば文字でちょっと素材感のいい感じの人とかね、
柄がバーっとあるやつとか、
派手なやつじゃないとか、
それはでも服は障害さんぐらいになると、
例えばレースとか、
シルクは難しいからやめてねとかは、
どんな感じでも描けるものなんですか?
それともこれ一番難しいよっていう、
服のあれってあるんですか?
素材って。
なんでもいけるものなんですか?
描けないものはないですけど、
大変だなこれ。
ちょっと苦しいなってなりますね。
シーケルはどういうもの?
柄が細かいとか?
柄とかは頑張れば描けるんです。
難しいのは、
テローンとした、
あんまりシワの出ない服。
あれはヌメーっとしたんですよ。
頑張ってもっとですか?
頑張ってもっというかね。
なんて言うんですかね。
要は多分多くの人が思っているような、
すっきりしてるものの方が簡単そうにみんな思うんですよね。
教室の生徒さんなんかも、
細かいもの難しいからって言って、
すごくシワの出ない服とか布とか選ぶんだけど、
実はそのシワの出ない布の方が難しいんですよ。
とっかかりがないから。
シワを描いてそっちでなんとか。
例えば、シワの山と谷があることで、
中の体の構造が見えてくるんですよ。
人の骨格を描いてるとか筋肉を描いてることになるんだけど、
人の骨格層を隠してあげるような、
テローンとした分厚い厚手の服とかだと、
もう本当にボテーッとしたオバキューみたいになっちゃう。
なるほどなるほど。
そういうところもやっぱり、
36:00
いろいろとこだわってるけど当然ですけど、
大変なんですね。
こういう場所だからっていう、
番組ですから、
なかなかあんまり言いたくなかったりはなくていいですけど、
他にもこういうとこ実は頑張ってる?
みんなスルーしちゃってるけど、
例えば今の服もそうですし、
さっき出た影というか、
壁の背景もそうですけど、
意外とこういうとこ頑張ってるんだけど、
みんな気づいてくれないなって思う場所ってありますか?
顔とかだと、
結構僕はこの言葉で使っちゃうというか、
一般の人もだけど、
髪の毛込める価値じゃないですか。
髪の毛も当然難しいと思うんですけど、
他にも体の造形で難しいとこってあるんですか?
人体でいうと?
僕あんまり描かないんですけど、
やっぱりヌードの背中が難しいです。
背中が難しいんですか?
やっぱりさっきと同じで、
突っかかりがないんですよね。
だから、
例えば、
ダンスやってる方なんかだと結構、
肩の骨格がいい感じで出たりして、
そういうのを突っかかりにしたいんだけど、
あんまり筋肉質の良い人は絵にならないのかなと思ったりとか、
そこら辺で。
突っかかりっていうと、
描く時っていつもどこから描きますか?
人体図モデルで描くと。
目とか鼻とか色々あるじゃないですか。
例えば上半身の絵とかだと。
上半身の絵だと。
顔ですね。
顔からまず描いて。
全体に手は入ってくるんですけれど、
顔がまず常に全体よりも一歩リードしてる感じで進んでいかないと。
顔が例えば、
50%くらいまで描いて、
そうすると、
周りがまだ30%くらいだったら、
周りを50%まで引き上げていくんですよ。
全体が50%になったら、
今度顔を75%まで上げていくと。
常に顔優先で、
どこまでカラーとか背景を見せていくかっていうのを考える感じ。
ちなみに、
これ写実の方は皆さん多分あれだと思いますけど、
完成どこで自分の中で終わりって思ってますか?
みんな結構ギリギリまで描いてた人たちが多いじゃないですか。
なんならまだ完成してないじゃないですか。
20歳に飾ってあるのにっていう感じで。
塩谷さん的フィニッシュ、
100ってとこで。
何か言いたくないんですけど、
締め切り。
締め切りされなかったらやっぱり描いてる。
これが怖いところで、
やっぱり延々とやっちゃうんですよね。
気になっちゃって、きれいになっちゃって。
だからもうこれ以上手入れられませんと、
収まっちゃったから手が入れられませんということで、
もう諦めがつくっていう。
共生終了してもらった方がいいんですね。
一層のことみたいな。
だけど、
美術館とか行って自分の過去の絵見て、
本当にここやればもっとこうよくなるのにって、
39:02
もうあちこち気になるんだけど、
それ手入れ出したら切れないですから。
もうあれはあの時精一杯やった、
若き頃の絵として、
今描いてる絵が一番、
最高級作品にするんだっていう気持ちで、
描くしかないっていうところで。
ダヴィンチェにとってのモナイザみたいに、
締め切りとは関係なしに、
自分でずっと描き続けてる絵とかあったんですか?
あると言いたいところなんですけど、
家には1枚目がないっていう状態ですね。
1年でどれくらい描いてるんですか?
今年々減ってて、
今10枚描けないぐらいですかね。
でも月1本、2月あたり1個描けてるぐらいですか?
それは描いてますね。
飽きないんですか?
飽きないです。
描いてる最中に、
ちょっと休憩じゃないけど、
もうちょっとコンツメすぎたなとかっていうのはないですか?
もう結構のめり込んじゃうタイプですか?
それはもう飽きないですよ。
ろくに趣味もないので。
ずっとやってるって言われたら、
やってられるタイプなんですか?
そうそう、ずっといくらでも。
前お話しした時に、
1日何時間描いてるかの話になった時に、
オンラインイベントの時に。
その時にびっくりしたんですけど、
多くの茶実の人はたぶん、
1日中10時間以上描いてると思います。
すごいですけど、それが普通なんですね。
普通だと思いますね。
なんか僕が、若手なんで、
日本画家の方たちに話聞いた時には、
作業やってる時が単調だから、
ずっとNetflix見ながらやるとか、
ラジオ聴きながらやるとか、
単調作業と思ってるから、
そこをモチベーション上げてるって言うんですけど、
塩谷さんはどうですか?
やってる最中に何かずっと塗ってる?
もちろん集中してるんでしょうけど、
音楽聴きながらやるかなとか、
テレビ見ながらやるとか、
僕の場合は、
要するに、
すごく頭を使う時ってのが当然あるわけです。
ずっとじゃないんですよ。
どうしても茶実なので、
ある程度機械的に描かなきゃいけない部分もあるんですよ。
そういう時は音楽を流した方が圧倒的にいいです。
シーンとした部屋で、
自分の筆のカサカサって音だけが聞こえてると、
嫌になるんですよ。
それはさすがに嫌になる。
だけど、
例えば絵の構想を練ってる時とか、
イスキリスっていって、
どんな絵を描くか考えてる時、
音楽は耳障りなので、
なるほど。
ちなみに音楽はどういう時ですか?
42:00
集中してる時。
これをラジオで言う時が来るんですか。
ぜひよろしくお願いいたします。
さすが音楽の趣味がヤバイ。
音楽の趣味がヤバイですね。
ヤバくもないですけど、
よくクラシックとか聴かれてるみたいなこと言われるんですけど、
僕は歌謡曲大好きで、
演歌とか聴いちゃうんですね。
演歌なんですか?
それも昔からですか?
昔から。
僕11で、
ずっと五羽舞美と中島由紀夫をめちゃくちゃ聴いてたんですよ。
11でしょ、1で。
バンドとかにも行かず。
バンドとかって何って感じだったんですか?
だって世代的にはボーイとかですよね。
そうか。
ボーイとかには行かずな。
何だろう。
これはちょっと古いんですけど、
シンガーソングライターっていうのが好きで、
自分の世界を自分で曲にしてね、
自分で歌っちゃうっていう人が好きなんですよね。
男性でもいいんですか?
男性も好きですけど、
特に女性のボーカルが好きで、
常年ある系ですよね、今の2人で。
常年ある系。
あと声質。
そういうことでは、若手で、
シーナって若手ってほどでもないですけど、
シーナ林子さんとかはどうなんですか?
僕好みで。
あんまりよく分かりません。
紅白高瀬でしか聴かない。
ずっと中1からの中島由紀夫さんとかを聴いてるんですか?
今も。
昨日も。
じゃあちょっとせっかくミスターさんもいるから、
中島由紀さんの曲で一番好きな曲は何なんですか?
それ難しい質問ですね。
ちょっと待ってください。
それはあらかじめ言っておいてもらわないと。
あらかじめどこでも。
中島由紀の曲聞こうなんで誰が思う?
これは難しいな。
ループで聴いてるんですか?
アルバムとか入れて、
MP3とかで聴いてるんですか?
絶対にアルバムで。
アルバムっていうのは東大学で作られてるので、
ベストアルバムとかは絶対NGです。
あとCDは仕方ないにしても、
できれば僕は80年代とか70年代の音源はレコードで聴きます。
もうLPで聴きたいな。
それをかけてるんですか?
レコードをします。
今日これを頑張るぞって時にかけてるやつじゃない?
そのLPで。
頑張るぞって言うか、さっき言ったように
半場作業の時にかかるんで、
どっちかというと耳はあっちにいってるんですね。
曲ですか?
ファイトですか?
お変化だし。
難しいな。
45:01
ベストが多すぎちゃって。
そんなに大好きなんですね。
コンサートとか夜会とか行かれてました?
夜会はチケット取れなかったので、
コンサートツアーは簡単に取れるのでよく行ってました。
あんまりそのイメージなかったですね。
今までそんなに言ってなかったんですね。
言ってしまう?
でも言った方が、もしかしたら対談とかあるんじゃないですか?
スイッチとかLHKで見えますよ。
かっこいいですね。
塩谷さんと中島みゆきさんの。
かっこいい。
そうなんですね。
だいぶ脱線してしまいましたけど。
写実ならではの技法ってありますか?
テクニック的な面でこういうところが
よく使うよっていう。
結構よく写実やってる人は
ヨーロッパの古典的な油絵の技法に詳しい人が多くて。
それで古典技法知らないと写実やれないみたいに思われがちなんですけど。
実は全然そんなことなくて。
中部から出した絵の具をしっかりパレットで色を合わせて
パルールを合わせるっていうんですけど。
正しい色と明暗の絵の具をパレットで作って
外れないようにピタッとキャンパスに貼り付けていくように持っていけば
完璧な写実絵画として成立するんですよ。
理屈的には簡単にはやってるなと思うけど
それは誰でもできるわけじゃないですよ。
もちろんそうなんですけど。
技法っていうのはそれほど大事じゃないですよね。
その技法さえちゃんと学んじゃえば
ちゃんと教えればできるものなんですね。
例えば僕がいろいろと教わって
ちゃんと言われた通りやれば
一通りのことができるようになるものなんですね。
写実としてですか?
それは技法じゃなくてデッサンとして。
それも含めて。
パルールっていうのはデッサンの問題なので
油絵だからとか関係ないんですよ。
デッサンをしっかりしていれば
油絵なんか簡単に扱えるもの。
他の写実ならではの技法ってある?
写実でしか見ない技法ってあるんですか?
例えばぼかしが一つじゃないですかね。
輪郭線の部分のことですね。
あとは体の、例えば顔だったら
柔らかなグラデーションとかも
油絵ならではのぼかしなんですよね。
昔はテンペラっていう水彩絵の具のようなもので
描いてた時代はぼかせなくて
みんなその写実的にリアルに描けなくて
48:00
苦労したんですよ。
油絵が開発されて、乾きが遅いですから
その間に納得いくまでぼかせることで
わーっとリアルな空間ができるようになったので
それは一番、写実と技法という意味では
あんな絵ならではの技法ですよね。
技法じゃなくて、あれはどうですか?
この巣、例えばしおたんさんが
描か始めてから今の間に
すごいいい感じの絵の具できたなとか
すごい発明品的な画材できたなとかってあるんですか?
そうでもないです。それはもう昔から
画材はそんなに変わらずですか?
僕がひょうぎさんの絵を描いてる中でね。
これができたことによって
より描きやすくなったなとか
こういうこともできるようになったぜみたいな
そういう発明品とかってあるんですか?
発明ってことじゃないんですけど
絵描きってみんな毎日実験してるので
例えばさっき言った
油絵の伸びがどうしてもよくないのは何でだろうと思って
下地の吸収性が強すぎるからか
油の調合が悪いからなのかなと
やっぱりこれを工夫するんですよ。
そうするうちに
自分ならではのオリジナルの技法が生まれてくるんですけど
結構料理人っぽいですね
料理人っぽいと思いますよ
その見つけたすごい技法とかあるとするじゃないですか
それは教えないんですか?
僕はもう雑誌とかで全部書いちゃってますね
秘伝のレシピを出す
秘伝ってことじゃなくて
やってれば誰でもそこに行き着くかなと思うんだけれど
よく僕は雑誌で何でも書いちゃうので
地方の美大生とかが
メールで連絡が来るとかあって
全く見ず知らずのほうが
僕は基本的に学生から連絡があったら丁寧に答えるタイプなんですけど
でも雑誌に出てた翔谷さんの技法
絵の具の調合と同じ筆を使って描いてみましたが
どうしても同じように描けません
それはなぜでしょうか?
って言われて
その時はさすがにいろいろ言っちゃいましたね
美大生だからちょっとはっきり言うけれど
そこは自分で工夫して遠回りも大事なんですよみたいな話も
なんでもクックパッドぐらいの感じで言われてますよ
同じようなレシピで作ったものが作れませんみたいに言われても
そしたら次の返信が逆切れ気味に
やっぱり翔谷さんも秘密主義なんですねって言われて
ちょっとイラッとしますねそれは
それで僕はもうちょっとあまりこうやって
自分の時間を割いて丁寧に返事するのをやめようと
そいつのせいですよ
丁寧な子もいたんでしょうって言ったらねこれまで
翔谷さんもう一個だけいい問題聞いていいですか?
そういうことを例えばやっていくと
こうしたら楽だなとかっていうのを見つけたりするじゃないですか
51:01
それは使っていく方なんです
レシピでいうと時短レシピ的なものを
なんかこう時短してると楽仕上がってみたいな
やっぱりこうちゃんと煮込んだ方が美味しいものができてみたいに
思われがちですけど
絵に関しては例えば楽って言い方ちょっと変かもしれないですけど
こうした方がちょっと簡単にできるようになってやったら
それはやってった方がいいんですか?
差実に関して言うとというより
僕の表現に関して言うと
実はそういうふうに思う時が十何年前にあったんですね
っていうのが留学行く前くらいかな
やっぱり僕の絵はその頃すごく安かったっていうのもあるんだけど
結構いっぱい依頼が多くて
それに応えようとすると
要するに途中のこの一層を抜いても
仕上がりには変わらないなと思うことが結構あったんですよ
別に一個飛ばしても十分描けるようになってきたし
何枚かそれでちょっと早く描けたから
それこそ年間15枚くらい描けた
やってみて数年後に振り返ってみたら
その時代の絵だけやっぱりすごく浅く見えたんですよ
一層ないだけで一手間抜いただけでどうですか?
それ表層に現れてないんですよ
だけど絶対に深みというものが足りなかったんですよ
奥がないみたいな
奥がなかったんです
やっぱりそれに気づいちゃって
やっぱりこの無駄と思われる仕事をあえて挟まないと
無駄と理解してるんだけどそれをあえて挟むことで
やっぱりそれが厚み
油絵具って厚みになるんですよね
平面とは言ってるけど
重ねてるんで3Dなんですよ実は
立体なわけですね
だからやっぱりその大事なこの下地なんですね
そうなのやっぱり大事なんですね
じゃあ最後だけこれの質問ということで
絵を描く喜びモチベーションってどこに感じていますか?
モチベーションの部分
描いたのに写真ぽいって言っちゃう人があるけども
こういうことでやっぱりやっててよかったなと思う時って
やっぱりやっててよかったなっていうのはどういう時ですか?
うーん…意外とあれですか
例えば人に褒められるよりも
出来上がった時にやっぱ自分が一番びっくりするパターン
そんなものが出来たんだみたいな
僕は自分がびっくりしたくて描いてる感じで
本当に色々感想言ってくださってありがたいんですけれど
僕が結局発表して古典化なんかで
いかにやりてるかどうかっていうのをしか考えてなくて
だから描いてる時も集中して楽しいし
出来上がった時もやっぱり
今の年の自分はこれが出来たみたいなベスト
54:02
要するにもうベストを更新し続けてる感じですか?
そうだったらいいんですけど
その時はそういうつもりで精一杯やってますよ
だけどもう数年…いや翌年ぐらいにもう振り返ると
あーもっと描けるのにって思っちゃうので
あんなに描けてるのにって僕から見たら思うけど
まだ満足できない?
もちろんです全然
恥ずかしくなっちゃって昔の作品が
美術館で全国巡回してるの
あんまり嬉しいわけじゃないんですよね
納得いってればあるんですよ
もちろんもちろん
でもあの絵が今回選ばれちゃったなっていうのは正直
そういうのは感傷者の方
今だから今日これを聞いたことによって
見方もいろんな味があるんだなとかもわかったと思うんで
今後ちょっとこういうとこ見てほしいみたいな
最後感傷者というのはリスナーさんに一言いただければと思うんですけど
こういうところ?
僕の絵はさっきのね
こんな頑張ったのに見てもらえなくて悲しいとかっていうのは全然なくて
別にコメントもらいたくてやったわけじゃなくて
結局そのなんていうのかな
技術を見てもらいたいわけでもなんでもないんですよ
なので僕の作品が年間何回かのグループ展にポツポツと1枚ずつ出してるわけですけれども
でも長い目で見た時にちゃんとその
塩谷っていう作家がどういう風に変わっていってるっていうのをね
長い目で見てもらえるとありがたいですね
やっぱりさっきの作家と絵はほんと一心同体みたいなところがあるんで
自分の心理心境が全部投影されてると思うんで
なんていうかなこう
作品の変遷っていうのを見てもらえると結構楽しめるんじゃないかと思ってるんですけれど
小木美術館もありますしね
新作がどんどん出ますので
注目してこれからも見ていっていただけたらなという風に思います
ということであっという間でしたけれども
次回は塩谷さんのご経歴を交えつつ
さらに作品についての話を続けていきたいと思います
ご視聴ありがとうございました