1. そろそろ美術の話を...
  2. #042 人間って何だ?と悩ませ..
2021-11-06 57:19

#042 人間って何だ?と悩ませたい。美術作家 菅実花の想い

美術作家の菅実花さんをゲストに、作品や制作についてお聞きしました。

https://sorosoro-art.vercel.app/ep/042 番組の感想は、#そろそろ美術の話を でお願いいたします。

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Guest Profile

菅実花(かん みか)

  • 1988年横浜市生まれ、2021年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。主に19世紀以降のフィクションで描かれる人工的身体や人工生命をリファレンスにして、今日のヒューマノイドロボットや高度生殖医療などの技術的進歩によって変遷しつつある新たな身体観や生殖の在り方を描き、「人間とは何か」を問う。
  • 主な展覧会に「黄金町バザール2017」(横浜)、個展「The Silent Woman」(文京区立森鷗外記念館、東京、2018)、個展「The Ghost in the Doll」(原爆の図丸木美術館、埼玉、2019)、個展「shiseido art egg 菅 実花 展 仮想の嘘か|かそうのうそか」(資生堂ギャラリー、2021)など。出版・連載に共著『〈妊婦〉アート論 』(青弓社、2018)、小説『本心』作・平野啓一郎(北海道・東京・中日・西日本新聞朝刊、2019-2020)の挿絵を担当。VOCA展2020奨励賞受賞。

Show Notes

資生堂アートギャラリーでの個展の話題

美術系のテレビ番組

若いころの影響

明治の日本画

東京藝術大学 先端芸術表現科について

新聞連載の挿絵の話題

意識する・尊敬する作家

00:00
♪~
アートテラートニーのそろそろ美術の話を
この番組は私アートテラートニーがアートに関わる方をゲストにお迎えして
トークを繰り広げるポッドキャスト番組です
今回は前回に引き続き現代美術作家カンミカさんをお迎えして
美術についての話をしていきたいと思います
♪~
はい、ということで前半ありがとうございました
こちらこそありがとうございました
いやー、あのー、ね、初めましてじゃないですか、ほとんど
こんなに楽しく喋っていただけるとは
なんかちょっと、ほら、クールなイメージがあるじゃないですか
文章とか読んでもめちゃめちゃ頭いいから
いやいやいやいや
何、トニーみたいな、ひらがなで
みたいな扱いかな
全然そんなことないです
もう、基本バカなので
一生懸命頑張って文章とか書いてるんですよ
いやいやいや、楽しいイメージ、ほら、あとほら
作品がさ、やっぱ笑顔じゃないじゃない、当然だけど
それはあるから
真顔?
真顔だもんね
笑顔を見せないじゃないですか、作品では
そうですね、うんうんうん
確かに、それはありますね
笑顔のラブドールってあるんですか?
ありますね、既製品で笑顔のものあるけど
なんか、そんなに売れてなさそう
そうだよね、怖いもんね
うん、多分怖いんだと思います
でも、なんか第2弾としてそういう今度ね
あ、表情を変えたいっていうのは
もうずっとメーカーさんにお願いしていて
いろいろテストしては見てくれてるっぽいんですけど
ちょっとその進捗が来ない
あ、そうなんですね
はい
いやだから、そうそう、ちょっと笑顔ね
この番組はラジオなので
うんうん
かんさんの笑顔が見えてないですけれども
だいぶ笑ってくださってるので
すごくやりやすく
ありがとうございます
後半もどうぞよろしくお願いします
はい、よろしくお願いします
で、ちょっと前半で途中になってしまったんですけどね
今、仮想のウソかが始まっております
はい
気づいた方もいらっしゃるかもしれないですけど
仮想のウソかは逆から読んでも仮想のウソか
これはもう最初から決めてたんですか、このタイトル
いや、もうギリギリです
タイトル早く決めてくださいね、みたいなのが来てから
もうひねり出したみたいな感じですね
でも、これまさにっていうタイトルだったじゃないですか
じゃあ最初からじゃなかったんですか
じゃなかったです
私は結構タイトルは引用でつけることが多くて
さっきの「あなたを離さない」とか
「私を離さないで」を前提にしてひっくり返していくみたいなことだったり
「ラブドールは大地の夢を見るか」っていう2015年作ったのも
なんだっけ、アンドロイドは電気羊の夢を見るかを入れ替えるというか
変えて意味を持たせるみたいな
その一つの文章の単独の意味だけじゃなくて
何を前提としているかっていうのを入れることで
03:02
もうちょっと複雑な意味を持たせるっていうことをずっとやってきたんですけど
今回は実は19世紀の文心とかドッペルゲンガーとかを扱っている文学作品をかなり参考にしてたので
どれか一つって決められなかったんです
なるほど
その一つを引用しちゃうとそれのことを言ってるっていうことになっちゃうし
多分その本自体もあんまり読んだことがない人が多そうだなって思って
元ネタがわかんない
そうですそうです
そうするとあんまり伝わらないだろうなっていうので
何から取ろうかなどうしようかなって思ってたところで
鏡をすごく今回たくさんモチーフで出しているので
文章自体も鏡みたいになったら面白いなっていうのが浮かんで
文が鏡になるってどういうことだろうと思ったら
真ん中でひっくり返ることを思いついて
ずっと解文をいっぱい作ってました
へー
じゃあ他にもいくつかあるんですか
ありますあります
今覚えてるのあります?
『ウソかマコトかと細かそう』を
おーすごい自分で考えたの?
自分で考えてます
でもなんか『ウソかマコトかと細かそう』を最初タイトルにしようと思って
これすごいいいじゃんと思ってつけてよくよく考えたら
これは鑑賞者の本音であって
これをタイトルにしたら
なんかだよねーみたいなぐらいで終わるんじゃないかと思って
作家が言うなよみたいな細かそう
『ウソかマコト』まではいいよけどね
細かそうって
途中で放棄しちゃうじゃないですか
どっちが本物偽物とかこれは競争なのか実像なのかとか
細かいって思われる
しかもそのタイトルは言ってない人の感想だよね
足を運んでなくて
この電脳界『ウソかマコトか細かそう』
行くのやめようみたいな感じだもんね
そう、なんかすごい上手く作れたけどやめようって思って
解文としてのレベルは高いからね
そうなんですよ
ここで今ちょっとそれが出てきました
そういう感じのものをいっぱい作って
その中から一つ選んだっていう感じですね
今の収録だと始まって5日目ぐらいになるんですか?
どうですか?一般の方からの感想だったり関係者からの感想を聞いて
うーんと
反響的な部分で言うと
やっぱりその万華鏡の中に入ったみたいとか
自分もバーチャルなんじゃないかみたいな
自分の実態を疑うとか
そういう感想もいただきますし
シンプルに気持ち悪いっていうのもいただきますし
褒め言葉として言ってもらえますか?
褒め言葉としてもうその感覚が気持ち悪い感じ
やっぱりこっちに足つかない感じがするとか
あとはどうだったかな
人形と人間とそっくりで見分けがつかないっていう人と
全然似てないねっていう人といます
バレバレじゃんみたいなことを言う人もいますね
それに関してはどういうふうに思ってほしいの?
06:01
できればバレてほしくない?
もうバレてたらしょうがないな
人によって差があるのが面白いって受け取ってます
なるほどね
全く見分けられない人もいるし
パッと見て全部わかるよっていう人もいるっていうこと自体がすごいなって思って
人間の認識ってこんなにも違うんだみたいなことを面白がってますね
作家としての、例えば画家だったら
気持ちいい絵というか見て感動してほしいとか
工芸だったらすごいと思ってほしいとか
いろいろとあるじゃないですかモチベーション的な
アンサーは今のところ、作品を発表する時に何を思って
想定してる?観客の
こういう感じになってほしいな
人間とは何かっていうところを考えすぎて
グダグダになってほしいと思ってます
うわーわかんないみたいな
人間ってなんだーってなってほしい
えーそうなんだ
そうすると狙い通りな感じなんだ
そうですね、みんなが感覚がわからなくなってるっていう話を聞くと
ちょっとは上手くいったかなって思ってます
ちょっとSっ気がありますねそしたら
感傷者に求めるハードルはすごい高いと思います
でも実際そこまで、あそこで崩れ合うとはしなかったけど
さっき前半で言ったように精神世界に入っちゃったけど
凍り心地の悪さみたいなのを感じたっていうのは狙い通りというか
何も考えずに見て気持ちいい展覧会では絶対ないと思っているので
なんか引っかかって気持ち悪くて
本物とか嘘とか虚構とかもそうだし
見てるものが全てが嘘なんじゃないかみたいな
やっぱりマトリックスというか
そういう感じの感覚になってほしいと思ってたので
それは自分が例えば映画とか見たり文学作品を読む時も
そういう方に惹かれるんですか?小説としても
多分そうだと思います
そういうものが面白いと思っている気がする
多分
だからそういうことなんだろうねきっとね
そういうのが好きなんでしょうね
その小説とか映画とかと同じような感覚を
自分は美術で表現したいっていうようなモチベーションだと思います
でも作家さんが狙う通りに
みんなが「うわあ人間とはなんだ」って悩んでる人が
属出したとするじゃん理想としてね
今度もっとでっかい展覧会やって
その人たちを救ってあげたいなあはないですか?
ないですね
悩むだけ悩んでほしい
泥たち一致だな
神様みたいな感じ
いやだってそれってすごく哲学的な問いだと思うんですよ
それこそアリストテレスとかからずっと続いてて
いかに生きるべきかじゃなくて
そもそも人間ってなんだみたいなところって絶対解決できないことで
09:01
たぶんこの先もずっと悩み続けると思うんですよ人類は
だからそのスパンでみんな悩んでいてほしいって思ってる
はあなるほどね
でもその方が人にとっていいんだ悩んでる方
そうですね悩まなくなったら面白くないじゃないですか
答えが出ちゃったら
ていうのでもっともっと悩んでほしい
やっぱりエース系があるんですかね
そうね悩め悩めみたいな感じ
わかんなくなってほしいと思ってます
でも自分はどうなん? 寛さん自身は
作品作ってる制作以外では結構やっぱり人生とは何かとか
人間とは何かって常に考えるタイプですか?
いやあんまりたぶん考えてないんですよ
おいおいおい
そこは楽観的に
作品作る時はでも散々考えますよねそのことについて
なんで人形を撮った写真が人間ぽく見えて
それを人間って判断してるのはどっから来てるんだろうみたいな
ことはすっごい考えました
で答えは出なかったです自分では
で答え出なくて終わりですか?
で答え出なかったから
じゃあ絵に描いたらどうなんだろうと思って
それで今回絵に描いてるんですよ
あった?油彩?
いやアクリルなんです
7年ぶりに絵を描いて
7年ぶりに絵描くなよって感じなんですけど
それはそこからの問いなの?
そうですそうです
写真に撮って見分けがつかなくて
でも明らかに写真だと人形撮ったって事実があるじゃないですか
でも絵だったら一回見てイメージに変換されて手で出てきてるから
その元が人形だったのか人間だったのかって
判別つかないんじゃないかって思って
そうか俺勝手に2点くらい飾ってあった
2点です
もう自画像かと思い込んでたの
本当ですか?
もうなんか特にそこは悩まない人間だから
だけど今聞いて確かにそうか
片方は人形を描いた絵です
人形描いてるかどうかもそうだよね確かに
そうやって考え始めると
昔の写真がなかった時代の肖像画とか
絶対違うじゃないですか本人じゃないじゃんって思い始めて
でもそれを本人らしきものとして歴史的に扱ってるわけで
全然不確かなのにそんなことでいいのかなって思い始める
確かに考えたことなかったけどね
真珠の耳飾りの少女が本当に少女じゃなくて
絵で描き変わってたりとか
それこそ作り物の人形を見て描いたとか
イメージだけで描いたとか
色々可能性を考えられるわけで
なんかこう実在したかどうかとは無関係になるんですよね絵だと
確かに
その判断とか思い込みみたいなものが気になって
なんか分かんないから描こうみたいな感じで
それこそ前半で言ってたけど
12:00
日本画を学んでた時は日本画で描こうじゃなかった
日本画の画材が難しすぎてですね
手に負えないんですよ
日本画だったんですよね
日本画だったんです
日本画だったから真剣に日本画描いて
これ自分では無理だと思いました
そうなんだ
なんだろう
素材との対話がうまくいかない
相性が悪かったですすごく
じゃあそこをちょっと今日掘り下げていきたいなと思うんですけど
もともと美術の道に行こうと思った時はいつぐらい目覚めたの?
子供の頃から絵を描くのは好きで
でもあれでした美の巨人たちとかテレビ番組で美術のやつが
2,3個あったと思うんですけど
それをよく見ていて
美の巨人たち日曜美術館
あと名球美術館とか
名球美術館とかな
クイズ番組のやつじゃなくて
あんまり覚えてないんですけど
でも子供の時は好きだったのそういう番組を
そう見るのが好きで
画家の絵とか作品もそうだし
人生というかそれが描かれたエピソードとかも
結構番組で紹介されたりして面白いなって思って
中学生の時に一人で美術館に行くようになったんですね
早いねそれは
でもその時は絵じゃなくて
すごい印象残ってるのはアニシュ・カプーアの
お椀型の作品だったんですよ
お椀的な作品かな
タイトル忘れちゃったんですけど
お椀って黒いやつ?
青っぽい黒いやつです
それがすっごい不思議だなと思って
でも自分がそういうのを作りたいとは思ってなかったんですけど
見るのはそういう現代のものとか
森村康正さんの本を結構読んだりしてました
でも自分がそういう作品を作ろうといかないんですよ
その時点では
面白いものがあって絵を描くのが好きみたいなバラバラ
高校生ぐらいで明治時代の日本画が面白いってことに気が付くんですよ
すごい早い
すごい変なルートをたどるんですけど
明治時代の日本画か
日本画です
昭和初期とかですね
横山大官とか清相とかあったんだ
あと私が好きだったのは上村松原とか菊池啓月とか
京都系の人たちがすごいいいなと思って
京都に行かないんですけど
名古屋だからどっちも選べるもんね
東京画壇も京都も
京都は入試の形態が
センター試験の割合が高くて
無理だみたいな
勉強のそこで諦めてたりするんですけど
東京の方に行きたい
高校の時に日本画に興味を持ってたから
自然に学科としては日本画を選んだ
油彩とかでもなく
あとは受験の形態で
15:01
芸大の日本画専攻に行きたい
京都じゃないっていうのでまず選ぶんですけど
他の専攻の入試の合格者作品を見ても
何がいいのかあんまりよく分からなかったんです
なんでこれをいいって言ってるのかが分からない
だけど日本画の合格者作品は
間違いなくいいって分かったんですよ
自分でも納得できそうだね
納得できるし
これを目指せばいいんだって思ったら
できそうって思ったんですよね
そこから先は長いんですけど
分かりやすく上手い絵を描けば受かる
っていうことが分かったから
これに向けて努力しようって言われたって感じでしたね
高校何年の時に?
高校2年くらいですね
早いねそこでもう決めたんだね
そう考えると結構ブレなかったんだ
美術以外の道っていうのは
ずっと美術は好きっていう感じでした
ただ美術の中のジャンルはやっぱりつまみ食いというか
これも面白いあれも面白いって思いながら
じゃあ自分は入試の形態で結構選んだみたいなところはありましたね
でもそれで入ってみると前半でもそういう話あったけど
日本画以外のことも当然興味があって
気づいたら先端を選ぶ
そうですね油絵か先端かに移ったら
そういういろんなことできるんじゃないかってアドバイスをもらって
先端入ってからずっと指導教官になっていただいた
もう退官されてしまったんですけど
伊藤俊晴先生っていう方の授業がすごく好きだったので
この方だったらアドバイスをずっともらいたい
他の先生は結構納得いかないこと言われたりとかいっぱいあったんですよ
全然そんなんじゃないんだけどみたいなのがいっぱいあったけど
この人だったら信頼できそうみたいな
この人に言われることは受け入れられるなと
聞けるって思ってそれで先端の方を選んだっていう感じです
そうかこれ前半後半途中の時にプロデューサーさんに言われたんだけど
当たり前のように先端って言ってたけど
よく考えたらそういうね一般的には先端美術
先端芸術表現です
これ出来てるのも新しいよね
でも20年くらいもう経ちました
そうなんだこれちなみに芸大以外にはあるんですか
芸大以外に先端芸術表現専攻っていう専攻はないです
芸大でしか聞かない言葉よね先端って
秋田と広島一律に現代表現とか
秋田なんだったかなアート&なんとかみたいな
似たようなことをやってる専攻はあります
これはちなみにざっくり言うとどういうことなんですか
現代アートやるってことですか
先端芸術表現
現代アートです一言で言うと本当にコンテンポラリーアート現代アートの専攻です
何やってもいいんですか
例えば先端芸術表現に入りました
でも僕の表現は日本画だがこれが僕のとっても先端だっていう人もいたりするんですか
18:04
技法というかジャンル的で言う
既存の日本画の域を出ないものとか既存の油絵の域を出ないものは言われないですね
それはその専攻に行ってくださいっていうことになる
言われるんだ
はい言われますそれは
それは先生はどういうのかそれは先端じゃないみたいな
なんか一番最初に入試の段階で伝統的な油絵みたいなものでポートフォリオを組んできた人は
うちの専攻はこういうものを指導できないよっていう言い方をしてますねだいたい
っていうことは逆に先生は何でもできる人があるの?
でもそれぞれ得意な分野がいろいろあってやっぱりアートプロジェクト系だったりとか立体作品とか
デジタルメディアを使うとか写真とかそれぞれありますね特色というか
スーパーだけど例えばこう自分なりにこういうものを考えましたって言ったとして
やっぱり美術って現代アートとか特にそうだけどそれもうやってるじゃんみたいなことって評価されないじゃないですか
はい評価されないです
自分なりに調べても限界があるじゃない特に学生は
なんか考えて持ってきた時に先生がいやもうそれどっか例えばドイツでどっかでもう出てるからとかそういう言い方とかされたりするんですか
ありますねなんか70年代の誰々がこういう作品作ってたけど君見てる?みたいな感じの指摘はあります
それは言葉じゃないねそれはみたいな
なんか既存の作品と何が違うのっていう感じで聞かれる
でもそう考えると他の学科よりも言葉というかコミュニケーション力高くないとちょっと難しいかもしれないよね
そうですね結構プレゼンが重要だったりとか入試の段階でポートフォリオが求められるんですよ
だからこれ学部1年の一番最初の入試ですよの段階であなたは作家として何をしてきましたかみたいな問われ方をするんですよ
高校生の子たちに向かって
なにそれと思って怖いじゃないですかそんなの
私だから一応大学4年間やってるその積み上げで院士のポートフォリオを作ったけどこんな無理じゃないって思ってました
もし自分が高校の時に受けようと思ったら絶対受かんないやと思いました
でもそれなのさっきの話で日本が選んだ時には先行基準がある程度わかるから日本が選んだんだけど先端ってもう先行基準も何ももはやいろんなことがわかる気がするけど
いやまあ現代アートの作品を作ってるってことです
であればいいの
へー
ちなみに先端入って周りの人とかってどういう人が多いんですか
大学院からだったのでその半数は持ち上がりでそのまま先端の中でやってきた人なんですけど半数は外から来てるので
例えば別の大学の建築専攻出身ですとか工芸やってましたとか結構いろんな人がいましたね写真やってましたとか
21:04
割と私は外部から来た人と仲良くなったかななのでそれぞれの工芸のテクニックを使ってでも全然工芸じゃないものを作るとか
商業写真みたいなのを勉強してきた人のテクニックを使ってすごいクオリティの高いアート写真を作るみたいなそういう人が多かったです
なんか勝手なイメージだけど変な人が多いのかなって思うイメージがあると思う外部からどうですか実際中の人からしてそうでもないようなのか
変な人か
ちょっと発想ぶっ飛んでるな
頭いい人が多いなと思います
あーなるほどそっかやっぱ考えてる
あと文章を書けないといけないので学部の卒成はないんですけど作品だけでいいんですけど修了政策は論文が必須なんですよ
終了論文とセットで絶対出さなきゃいけなくてそれってファインアートの学科だとないんですよね
ないよね作品だけだけでいいんだもんね
だから修士の段階で
建築だけか
建築もあるかもしれない
芸大で言うと建築は論文だけどぐらいの話だもんね
そうですそうですだから作品作るんだけど論文も書かなきゃいけなくてその両方をやるという前提できてるのである程度頭がいいなって思いますねみんな
それこそさやっぱり今回の展覧会もそうだけどやっぱりかなさんテキスト書くじゃないですか
これって俺前からちょっと疑問というかその方に聞きたいなと思うんだけどテキストってどこまで書いてます自分らに
どこまで書くの要するに100書いちゃったらつまんないじゃないけど少し余白も考えて
でも書こうと思えばいくらでも書けるじゃんどうしてるのかなっていうのはすごい気になる
私の場合は作品そのものについてっていうのはあんまり書かないようにしていてこのように受け取ってほしいみたいなこととかも書かないんですけど
リファレンスについてはすごい書きます80とか90ぐらい割合として
リファレンスってのは
例えば今回だったら19世紀にこういうテクノロジーがありましたみたいな紹介とかそのフェッパーズゴーストの機構はこうなっていますとか
それはこのように使われていましたみたいな話とかあと万華鏡はいついつできたものでとか
鏡の発明はいついつだからこういう風になってるんですとかそういう話はすっごい書くんですけど
じゃあこの作品をこのように受け取ってくださいは書かないっていう分け方があります
でも学部自体というかそれは先生にはそういうことにはできないのかな
その時はやっぱり先生に紹介する時とか論文とかはこの作品はこうでこうでこうでこうでっていう説明はやっぱり学生自体が必要だと思うんですよ
いやでもこのように見てくださいっていう書き方はしなかったですね私は
じゃあこういう風にしたくてもいい
私はなんか結構ずっとリファレンスそのこういう小説があってこういうテーマだから自分はこうしているそれをこのように変換したとかそういう書き方をして
24:07
だからこう見てくださいのその一番最後を書かないっていう風にしてましたね
そういう作風というか作家の人って例えば全然別の作家でもう完成の人もいるじゃないの完成だけの人みたいな
そういうのには憧れたりするものなんですかそれともそれはそれでもう別
別って感じですその人はその人なりのリアリティがあってやってることだから自分には全然わかんないけどその作品を否定する理由もないしすごくいいなって自分にはないものだなっていう風に見てるっていう感じです
でも完成自分の作品の中でも完成もゼロなわけないじゃないですか当然
フィーディングみたいなところもあります
それはやっぱりこうこの前回で言うと服を選ぶのとかもこれだったら色合い合うなとかそこは最終的にはロジカルで作品作ってるけどやっぱ完成も必要になってくるなってのもある
なんか最初のひらめきその例えば一番最初のラブドールと妊婦さんっていうのがパンってぶつかるみたいなとこは全然ロジックじゃないんですよ
そっかそっか
それはもう本当にひらめきとしか言いようがないものだしなんかあとは一番最後完成させる時これでこの写真作品はオッケーですプリントできます展示できますっていうオッケーを出すのも完成ですね
あーなるほどね
なんか理由があっていちいちチェックしてこれができてるからオッケーみたいなことはなくてパッと見てうんよしオッケーみたいなそこフィーディングです
それを例えばこの番組は継続な番組だからそんなこと聞かないですけど美術手帳さんとかちゃんとした美術の人とかこの作品はどういうことなんですかって聞いた時に完成でしたら答えづらいじゃない
はい
そういう時はそれ用に用意するの用意するというかなんか
まあ私の説明の仕方はやっぱそのリファレンスというか歴史的にこういうものがあったからこのようにしていますっていうような答え方をすることが多いですかね
でもだから仕事柄というか言いづらいよね完成です全部とか
言いづらいですね
あなたの作品だと言いづらいよね
多分これがどんどん積み重なっていくじゃん今後
はい
ものすごい頭いい人だよねやっぱそういう
いやいやいや
あと社会問題とかジェンダーとか
あーそうですね
いろんなものにだからなんかそのうちねワイドショーのコメンテーターとかが来るのかなあたりが気づいて
なんか私は結構現代の社会問題には疎いというかそれをストレートに使えないんですよ
っていうのはなんか例えばセンターの他の方とかだと当事者にインタビューしに行って作品を作るみたいな人とかも結構いたりするんですけど
私それができなくて怖いんですよ
なんか人と関わるとなんかどんなに頑張っても絶対誰か傷つけてしまうって思って
27:02
その人がからこういうふうにしてほしいみたいな依頼が来ない限り自分から取材させてくださいって言えない
怖いから
そうなんだ
っていう感じです
なので協力してくれる方メーカーさんとかだったらまだ仕事としてとかこっちもお金お支払いしてとかっていう関係性ができるんですけど
個人でちょっとお話聞かせてくださいはもうできないです
巻き込めないんだ
怖くて
へー
じゃあやっぱりいよいよだからこのモデルさんとの仕事が多くなっちゃうよね
まあ楽ですよねすごくね
そういう意味ですから
はい
ビジネスパートナー
ビジネスパートナーでもうなんか何でも許してくれるしそういう意味では
そうだねそりゃそうですね
どんなシチュエーションでもいいって言ってくれるからこういう顔撮られたくないですとかいうのもないし
NGもないからね
NGないんですよ自分がOKなら
自分がOK
さっきチラッと聞いたけどだって愚痴もこぼす間だったんですよ
そうですそうです
辛い時にね話を聞いてもらう間
そうだよね
でも今後インタビューじゃないけど誰かを特定のモデルでっていうのもやってみたいじゃないけど想定はある?やっぱりそれも無理かなって感じ
多分お金と時間があればできるんですよねそういう誰か別のモデルでとか現状だと不可能なのでやってみたいと思うんですけど
でもねそれをちょっと聞こうと思ってた別件かもしれないけど言っても自分が作品モデルさんもいるけどかんさん自身じゃない
これ意地悪で聞いてるわけじゃなくてかんさん綺麗だから成立してると思うんだけどそうじゃない人だったら成立しないアートな部分もあるのかなと
ちょっと男から見た時にね男性の目線で言ってるのもあるのかもしれないけどルッキズムとかややこしいことになりたくないんだけど
そういうことを今言いたいんじゃなくてかんさん自身が自分を俯瞰してみた時にモデルとしてかんみかはどういう風に見てるの?
ダメですすごいクオリティが低くてもうイライラしてます自分に対して
これ多分俺だけじゃなく世の中のイメージかもしれないけど自分に自信がある人がこういうことをやってるように見える気がするんだよ自分を作品にしてるって
俺だって自分出たくないからどっちかというとかんはねだからそう思われてると思うのと
はいはいなんかナルシストなんじゃないかみたいなことは聞かれるんですけど私なるべく自分出したくないんですよこう見えて
なんでここにたどり着いてしまったんだろうみたいな後悔をめちゃめちゃしてます
家計2で出てるからねしかもプログラマーが
自分としては人形を撮ってる人形単独で撮ってる写真とかは自分だと思ってないんですよ
なのであの人から見ると家計2で出てるんですけど私的には1/2で出てるから
すごいナルシストその人形も私の顔だって思ってる人はすごいナルシストだなって思ってると思うんですけど
30:04
私は全然そんなことなくてなるべくなら自分自身を出さずに人形だけで済ませたいと思ってます
でもとはいえ自分の写真作品撮る中でモデル感美感の良いところもあるわけでしょ
これだからないですないです
なんかNGな角度がいっぱいあるんですよ全然よく映らない角度が
それは人形も一緒なんです
上からとか下からとか結構変な顔に映る角度がいっぱいあって
人形の角度がすごい制限されているのは完全に私の顔立ちのせい
そういう風に思っちゃうんだでも自分でやればやるほど
もうそれしか考えられないですもん
他のヘッドをつけるとうまくいく角度が
片取りで作ったやつはうまくいかないのは完全に私の骨格のせいっていう
じゃあでも逆にもうここだったらベストじゃないけどここはいけるっていう角度は
ものもありますすっごい狭いですけど
じゃあでもそれこそ今後仕事でポートホリオじゃない撮られるときもあるじゃないですか
もうすごい指示厳しくなりますよここからですから私はみたいな
確かにこの角度から撮らないでくださいみたいな
俺ね雑誌の取材とか結構あるけど
俺は男だからすごい適当に撮られるとこあるから
さっき撮りまわすみたいな感じであるけど
今後きっとあると思うのインタビューとか
この角度NGですみたいな
全部さインタビューだと途中何回か出てくるじゃんカットが
だいたいそのなんかねチャットシャーボン読むと
全部同じ角度だよ
カンさん
たぶんこの辺からみたいな指定でね
でもこれイメージ多分世の中全員が全然ないと思うけど
多分そういうイメージ持ってる人はいったと思うよ
いやもう本当に嫌です嫌ですやめたいですこの制作を
自分を出したくないんですよ
だからそういう意味で言うと巻き込むか分かんないけど
理想としては誰かまずプロのモデルさんと
その人の肩取りした
そうそれができれば本当は良かったんですけど
お金がとにかくかかりすぎるし
モデルさんも雇って
肖像権の問題もあるし
モデルさんとのスケジュールを合わせなきゃいけないってのもあって
人形と人間一緒に撮ると
それこそワンショット撮るのに5時間ぐらいかかるんですよ
うわそうなんだ
なので11枚撮るのに1ヶ月以上かかっていて
拘束時間がめちゃめちゃ長いんです
しかも11枚簡単とはさすがに思ってないけど
言っても場所は一緒じゃないですか
だから外ロケしてとかやったらよりかかるけど
ここ場所は決まっててもそれだけかかるんだ
そうです
なので例えば1枚さっきの立ってるやつとかを撮ろうってなったら
シチュエーションを考えて衣装を用意して
人形のポーズをして立たせて
その後自分のメイクとかをして
シャッター切り始めてからが5時間です
33:01
ちなみにその時は誰かいらっしゃるの?
誰もいないです
一人でやるの?
一人でやってます
うわー
でもこれ誰かアシスタントがいても長さは変わらないんですよ
そうか
うん
そこの変化はなくて
その一人のモデルさんを1枚の写真を撮るために5時間以上拘束することになり
しかも体型とか顔とか変えないでください
そうだね
ということを長期的に約束してもらわなきゃいけなくなって
毎回そのお金を払い続けるということを考えると
ああもう無理じゃないっていう
自分がやるしかない
消去法なんだ自分がやってるっていうのは
ただそれをやったおかげでセルフポートレートってなんだみたいな疑問に行き渡ったので
やっぱり自分にそっくりな人形を撮った写真ってセルフポートレートなのか?みたいな
でも他の人から見ると見分けがつかない場合セルフポートレートに見えるわけじゃないですか
それってどういうことだろうみたいなのはやっぱり疑問として浮かんできたので
結果的になんかそのより深い問いまでいけたっていうのはあるんですけど
自分としては自分の姿を出したいわけじゃないので
なんかすごい嫌です
いやそうだよねでもそっかけないもんねここに
本当は私は映りたくないんですけど
映りたくないってかけないんですよ
じゃあやらないでみたいなことになるので
なんなのって思われるから
それはもう外には出せない話なんですけど
まあ言っちゃったけど
今聞いちゃったけど
でも悩んでるんだねそこの部分
悩んでますね
どうやったら自分を映さずにこの話ができるんだろうって考えて
無理っていう感じでやってます
でもそれこそさ思いつきで言ってて
こいつ思いつきだなと思われると思うけど
今ほらディープフェイクとかもあるじゃないですか
だからもう今度はリアルじゃなくて
ネット上とかでもできちゃうわけだよ自分の顔に
そういうのは興味持たないんですか
なんか面白そうだなって思って調べてはいるんですけど
プログラミングができないので
そこもまた一人でやるとなる
読みこもせられなくて
こういうモデルから生成したいみたいなことを考えたんですけど
これどっから勉強すればいいかなみたいな感じになって
でもやっぱり興味は持つんだよ
興味は持ちました
なので映像で上にトラッキングして書き換えるみたいなやつも
実はやったことなかったんですけど
なんかできそうだなと思って
実は10月に入ってから勉強し始めて
10月って手の中に何月ですかだって10月ですよね
10月19日からだったんですけど
反入1週間前くらいから勉強し始めて
CGをやり始めました
すごいねバタバタだったんだね
よくやったなって感じなんですけど
よくやったよね
そうです
それはでもできそうって思ったんですよ
プログラミングじゃなくて
Photoshopの延長線上でできそうって思って
Photoshopはずっと使ってきてるし
レタッチも得意なので
36:01
なんかそれはいけそうってのだったんですけど
間に合ったんだね
間に合いましたね
コードで2週間くるくるやった人とは思えないからさ
無理みたいな
どうやっても絡まるなみたいな
上から映ってもダメだなみたいな
その人だったら多分無理だよ
時間のかけ方がおかしいですよね
2週間もコードつまんでた人が
1週間でやっちゃうみたいな
Wi-Fi思いつかなかった人が
こっちはできたんだ
すごいなそれ
えーーー
でもなんかいろんな話聞けんの
ちょっと面白いんですけど
ちょっと話変わるところですけど
新聞連載の差し得を
うんうん
それはどういう感じで来たんですか
ちなみに平野圭一郎さんのタイトルは
本市新聞連載しておりましたけども
そうですね
これは最初に平野さんが
多分私のことを認識したのが
ラブドールのマタニティフォトの作品
2016年の多分1月なんですよ
ネットで話題になっているのを
あ、違う4月だ
インタビュー記事を読んでくださって
面白いねみたいなのを
Twitterに書いてくださって
すごいこっちは
有名な方が拾ってくれたら嬉しい
みたいな感じで
平野圭一郎さんに面白いねって
言ってもらえたのがめちゃめちゃ嬉しい
それだけで終わったんですそこは
2018年かなに
秘書の方からメールがいきなり届いて
次の新聞連載の写真絵の画家を探しているんですけど
興味ありますかみたいな
でもさ、その時はだって画家じゃん
もともと日本画やってたのは聞いたからわかるけど
あの時は写真の人って思っちゃうよね
実はその秘書の方が
私が芸大入って
2009年とかかな
芸祭って言って毎年芸大の夏に
一般公開するお祭りみたいなのがあって
おみこしとか作るやつね
おみこしパレードしたりするやつで
学部生とかが軽く展示をするみたいな
校舎を使って展覧会をやるみたいなのがあって
誰でも来れるような感じになっているんですけど
そこで当時大学生だった女の子が
昔メールをくれたんですよ
作品すごい好きですみたいな
それは日本画だったんです
まだ先端行く前の
そうです日本画を描いていて
で、なんとなくぼんやり
芸祭で展示してたら
女子大生の女の子がメールくれるんだ嬉しいみたいな
感じで思ったのが2009年とか10年とかだったんですね
で、たまたまその子が平野さんの秘書になってたんですよ
そうなんだ
だからその子にとっては日本画の人なんだ
そうだからなんか描けるし面白いよねみたいな感じで
39:02
ずっと見ててくれて
それがこういう写真の作品になったけど
でも実は絵が描けるよねって知ってるんですよ
すごいねつながるね
で、どんな手法でもいいので
私絵できませんかみたいな感じで依頼をくださいました
その時はどうだったの?
もう絵はしばらく描いてないわけじゃないですか
描いてないですね
でも憧れの平野思いもあるわけじゃないですか
これはもうやりたい
やりたいって思って
この本心のプロットも聞かせてくださったんですけど
すごい面白いし
なんか自分にできることだったらやりたいですっていうことで
最初はイラストでやろうと思ったんですよ
でもなんかそれってイラストレーターさんに頼んだ方が絶対確実だし
ブランクがあるから自分でも
あんまり上手に描けないかもしれないってことを思って
イラストの作法も知らないので結構難しいなって思って
ちょっとこう現代アート的な考え方で
どのような手法で作られているかまで含めてやっていいんだったら
コラージュでやりますって答えて
サンプルいくつかお送りしたらこれでいきましょうみたいな感じになったので
基本的に元ネタありの写真を印刷して
それを切って組み合わせたものを写真に撮ったものを
画像としてお送りするっていう
これって新聞連載って毎日連載だったの?
毎日です
ってことは毎日書かないといけないわけじゃないですか
318回書きました
これどういうペースで来るんですか?
だって1日1枚ずつ来るわけじゃない?
ある程度1週間分とかで来る?
本文は10日分ずつくらいくださって
私は5日分ずつくらい新聞社に送ってました
もう毎日それは?
いや5日分送ったらちょっと休みというか
次また5日後に締め切りが来るみたいな感じなんですけど
休日はなかったです
大変だねそれは本当に
でも誰よりも先に連載読める喜びもある
しかもその先に送っていただいた10日分が
次の時に変わってたりとか変更点が出てきたりとかして
作家の思考が読めるというか
こうする展開が始まってたのに変えたぞみたいなのが見えるんですよ
それがすごい楽しくて
ひろまさん本人はあまり見せたくない部分かもしれないんですけど
いろんな可能性がある小説が
一つのルートに定まっていくみたいなのが見えて
すごい楽しかったです
僕もどちらかというと本好きで本読む方だけど
そんな経験ないもんね
作家さんが変わってくるところなんて見れないから
42:02
それはもうそこにいないとできない
面白かったです
やりながら318作品を作った中で
作品が自分の中でも変わっていったのは
その初期の時よりも大変ですか?
ありますあります
どんどんデジタルになりました
最初は紙に印刷して手でカットして
写真に撮るってやってたんですけど
最初のうちに貼ってたのがまず貼らなくなって
貼るってことは紙が一番最後なんですよね
紙に貼ってペラペラできる
額に入れて飾れるようなものが最終だったんですけど
写真の中で完結にしたので
これ自体は持ち上げるとパラパラって
撮れちゃうような
写真の中にしかないイメージ
っていう風にまず変わって
その後で撮った画像を写真の中にしかない
コラージュのイメージを
デジタルで色を変えたりとか
小説本文に合わせて服の色を変えるとか
猫に首輪をつけるとかはレタッチで書き足してたんですよ
それの割合がどんどん増えていって
最終的に紙に印刷せずに
デジタル上で切り抜いて配置するみたいなところに行きました
ちなみにその出来上がったこの318点は
どこかで僕らが見られる可能性はあるのか?
新聞で連載が終わっちゃったわけだから
ネットに全部上がってます
インスタグラムにあるかな?
かんさんのインスタをチェックすれば今言ったのが見れるからね
全部見れます
むしろそこにしか存在しないんだもんね今
今のところは
初期のやつは撮ってあるの?
ありますあります
ちゃんとノリでくっついてるのがあります
それは作風としても自分の進化というか
作家としてプラスになったなって思います?
レタッチ上手くなりましたね普通に
デジタルで書き換えていけるじゃんみたいな感じで
7年ぶりに絵を描いたって言いつつも
そういう仕事はずっとしてたので
アナログ絵の具めんどくさいなみたいな
デジタルの方が早いなみたいな感じではありましたよね
絵の具使うとね
でもそう考えるとやっぱ仮想の素描での絵は貴重なんだね
そのめんどくささも経験したのに久々に描いてる
もうなんか手が汚れるわみたいな
そうか
感じでした
平野さんとはお会いしたりはしたんですか?
1回だけかな?あれ2回あったかな?
こっちからミーティングお願いしますって
かわされることが多くてあんまりお会いできなかったんですよ
あれこれってもう本にはなってるんだもんね
そうです単行本が出てでも冊子は一切入ってないです
だからそこが悲しいよね冊子
最初からそういうお話でいただいてたのでいいんですけど
まあ寂しいは寂しいですよね
45:01
だからそれは今までどの新聞小説もそうだからそういうもんだろうけど
でもまさかって感じだよね冊子絵の話が来るとは
本当に最初は自分できないんじゃないかと思って
毎日絵を描くって無理じゃないみたいな感じで最初思いました
これが2019年か2020年8月までやってたってことだもんね
そうですそうです
ちょうどコロナ禍でもやってた
そうですそうです
なので他の人より先に引きこもりになったみたいな感じです
後がついてきたのか時代が
後がついてきました
自分は2019年9月からもう外に出れなくて忙しすぎて
このスタジオで作ってたんですけど
家とスタジオの往復しかしてなかったんですよ
もう出かける時間が本当になさすぎて
たまに大学のゼミに休学してたんですよ遊びに行って
これからみんなでご飯食べようみたいな2019年まだコロナになる前の時に
お店入ってメール見たらちょっと不備が見つかったので
確認していただけますかみたいな感じで
つまりその明日の締め切りまでにこの枚数を直してくださいみたいなのが来て
帰りますみたいな今来たばっかりだけど帰りますっていうのを何回かやりました
うわー大変だでも乗り切ったんだねそれは
ただ最後はこれ2020年4月から私は芸大の博士課程に復帰していて
博士論文書きながらやってたんですよ
うわー大変
死ぬかと思いましたそれは
死ぬかだよね
それもでも無事に論文書くの
終わりましたなんとかギリギリで滑り込んで
ちょっとプライベートの話に組み込んじゃうかもしれないけど
でもそういう生活だとインプットがないじゃないですか
でも何かその意図的に何かインプットすることとかってあるんですか
インプットすること
あーなんか作業しながら映画とか流して
そのリファレンスになりそうなものをなんか別の作業しながら見るみたいな感じのことで
論文中は補ってました
基本何もない時はどうするんですか
外遊びに行こうとかもないんですか
どっか旅行行こうとか
本読むことばっかりですかね
それは昔からそうなの
多分昔からそうですあんまり外に出てない気がするそもそもが
インドアなんだねどっちかというと
でもやっぱコロナで新聞連載中はとにかく
自分がダメになったらものすごく迷惑かけるっていうことを思ってたので
とにかく気をつけなきゃいけないって思ってたし
あと資生堂始まるまでもそうだったんですけど
自分一人で全部作業してるから自分が止まったらやっぱり展覧会がスタートしないっていうので
48:00
めちゃくちゃ気をつけて買い物も全部ネット通販みたいな
スーパーぐらいはたまに行ったりしたんですけど
スタジオもアシスタントも全く呼ばず誰も入れてなくて
とにかく一人で孤独でやるみたいな感じに徹底しすぎて
そうですね出かけるのも怖かったです電車が怖いって思って
コロナの時は特に
2ヶ月以上電車乗ってなかったです
でもちょっとわかるのはもう本当に一人で全部やってるから
コロナの3月4月の時は美術館仕事からどうしてもいかない時は
全部自転車で移動してたから
そうなんですね
池袋の北の方に住んでるけど品川とか上野も
え〜結構遠くないですか自転車
ママチャリみたいな
呼ぶのは皆さん勝手だけどみたいな感じで
こっちとしてはさぁみたいな感じで自転車で移動してたよね
あの時期はね
そうなんですね
知ってた知ってた
え〜でもじゃあ本とか映画以外はないんですかね
美術館とかは?
美術館もまあまあ見ますね
でもあんまり他の人の美術の動向
美術から美術っていう発想の仕方はあんまりしてないかもしれないです
なんか同じじゃんってなっちゃうじゃないですか
例えばこういうのが今流行ってるなとか
こういう動向だなとかっていうのはチェックしたりはしないですか
あんまり気にしていなくて実は
なんか見ても真似できないし
なんかコンプレックスなるだけだから
自分にやれることをやろうみたいな感じです
じゃあ答えづらかったら答えなかったらいいんだけど
意識するというか尊敬するとかいうアーティストって言われたら誰って答えるんですか
あ〜えっと一番好きなのは
ダダイスムのハンマヘッヒ
ちょっとマイナーな作家ですけど
1910年代に活躍してたコラージュの作家で
女性です
名前だけ聞くと
すごい面白くて
なんかあの図録でしか見たことなかったんですけど
ドイツまで行ったのに美術館が閉まってたんですよ
ほんと最悪と思ったんですけど
本物が見れなくてほんと残念だったんですけど
図録でそれこそ学部3年生の時とかに見て
なんか衝撃を受けて
この人すごいわかるわみたいな感じだったんです
やってることが全部わかるって思って
友達になりたいと思ったんですよ
喋りたいこの人何者だろうって思ったら
もうすでに亡くなっているドイツ人だって
へ〜
これなんだろうみたいなそっから結構現代美術っていう
共感しちゃったんだ
ハンナヘッヒ
ハンナヘッヒって方ですね
ちょっと覚え…調べますちゃんと
ちょっとマイナーな作家ではあるんですけど
あとはなんだろうな
シンディ・シャーマンとかベタですけど
ああ〜なるほど
面白いなと思って見てるかな
51:00
でもやっぱり女性作家が多い?どっちか
気がついたら女性作家ばっかりになってました
なんか面白いと思う人
あんまり気にしてないんですけど
なんか今回の作品もだけど
それからマタイニの作品もそうだけど
やっぱり女性性みたいな部分は若干
男性女性で言ったら感情性性じゃないですか
やっぱり女性アーティストとしてって
自覚しながらやる時はあるのか
でも気づいたら結果作品が女性によってるなっていう
なんかなんだろう
多分自分が女性であるってことが
あまりに当たり前すぎて
飲み会で結婚どうする?妊娠出産どうする?
みたいな話になるってのもあまりに当たり前すぎて
そのまんま作品にしてるみたいな感じです
なんか外から見てアーティストとしての戦略が
みたいなのは全く考えてないです
そうか、自分を普通に突き詰めてたら
なんか自分の気になる問いというか
人間ってなんだみたいな問いの中に
子供を産むってなんだみたいなことも
一緒にくっついてるから
なんかそれがそのまんま出てきてるっていう気がします
なるほどね
じゃあちょっとちなみになんですけど
これからの将来こんなことやってみたい
作家さんだから言えないこともいっぱいあると思うけど
隠したいこともいっぱいあると思うけど
なんかやってみたいこととか漠然と言えることありますか?
なんか実はあんまりはっきりとした
こうなりたいとかないんですよ
作品をもっと突き詰めていきたいとか
表現としてもっとこうしたいみたいなことは
細かくたくさんあるんですけど
作家としてこのように活躍したいみたいなビジョンは
実は全然なくて
これまでもそうなんですけど
この場所で展示したいですみたいなのを
自分からガツガツ行くと
大抵うまくいかないんですよね
そうなんだ
で、わりと受け身に待ってると
すごいあんまり考えてなかった方面からお話いただいて
じゃあだったら自分こういうことできますって返す方が
うまくいく?
あんまり自分からここでやりたいなーみたいなことを
考えないようにしてるんですよね
でも全然わかります。僕もそのタイプなんだ
待ってる方がうまくいく?
受け身というか
何か来たものを打ち返す方がうまくいくんですよ
なのであんまり
何々の美術館でこういうのをやりたいですみたいなのは
もう考えないという感じですね
ただ、友人と話してるんですけど
2人でラジオがやりたいっていう
そうなの?
そう、友人と2人でラジオをやりたいっていう
それが結構なんか
おばあさんになってもいいから
何十年後でもいいからラジオをやりたいっていう
ラジオをやりたいのがあるの?
そう、なんかあるんですよ
その友人もアーティストのパターンなの?
54:00
いや、アーティストではないです
研究者の人なんですけど
どういうラジオをやりたいですか?
ゆるゆる2人で喋るやつ
(笑)
じゃあもうこういうの楽しいんだ、喋るの
楽しいです
その子とはもうなんか
15分喋ろって言って
Zoomとかつけると
1夜開けてます
じゃあ言わなきゃいけない、15分とか
どうせそんなんだから
そうなんですよ
でもなんか明日用事があるからって言いつつ
でもね、みたいな感じで引き止めてお互いに
まだ喋り取れないみたいな
でさーみたいな感じで繋がって
朝日が昇ってきたね、みたいな
このまま徹夜で仕事行こうかな
それはもうアートの話じゃなく、本当にもう
アートも話すし
映画とか小説とか
人形の話も話すし
私が結構リファレンスとして使っているものは
その子も大体見てるので
そういう話をしてますね、ずっと
すごいね、15分の話がでも1夜できるって言ったら
相当なトーク力
気が向いたらでいいですけど
この番組のスピンオフでやればいい
え、いいんですか?
そろそろ美術の話を
完全にそろそろ美術の話をですよ
1夜多分美術の話出ないですよ
じゃあ生配信的なやつでね
深夜生配信のスピンオフもやったら面白い
本当ですか?すごいぜひやりたいです
そんなことを言った人いないなかったから
これはぜひぜひなんとか
人生の夢みたいな感じで
ラジオをいつかやりたい
叶える方向に進めたいと思います
ありがとうございます
色々とお話をいただきましたけど
その他最後これだけ言っておきたいことはありますか?
これだけ?
展覧会をぜひ生で見ていただきたいなって思ってます
せっかくまだ開催中だと思うので
そうなんですよ、資生堂ギャラリーですからね
もしかしたらかんさん自身がいる時もあるんですか?
いる時もあります
でもあんまり表に出てきてないかも
裏で事務作業をしていることがとても多いです
運が良ければお会いできるはず
スタッフさんにいますかって聞いたら出てくるかもしれないです
それはぜひぜひ皆さん寄ってみてください
本当にまだまだ話したいんですけど
このまま行くと1夜開けることが分かってしまったので
なんとか終わりにしたいなという風に思いましたが
またぜひご出演お待ちしておりますので
ありがとうございました
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57:03
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none
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