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我々は言語を用いて、今現在起こっていることだけでなく、過去に起こったこと、あるいはこれから先未来に起こるであろうことも述べることができますよね。
それって言語の持つ大きな特徴の一つなんではないかなと思います。
というのも、動物だって何か言語のようなものを使うことはございますけど、あれは今ここっていうのを離れられないというふうに考えられています。
つまり、今身に危険が迫っているとか、今何か苦痛を感じている不満があるとか、今嬉しいということを表現というかね、言語のようなもので表すことはできるんですが、
一旦その、今ここっていうのを離れたこととなると、動物はどうすることもできないと。一方、人間の言語は時間的にも空間的にもそういった制約がありませんよね。
過去のことだって、未来のことだって、今ここで起こっていないことだって、もっと言うと想像上のことだって、何だって話すことができます。それは言語の我々に与えてくれたね、特権っていうふうに言えるんではないかなと思います。
今日のトークは、そういったものの中で、時勢というものを扱っていこうと考えているシガ15です。今日もシガ15のツボをやっていこうと思います。
時勢。これは専門的な用語ですね。カタカナだと点数と言われるものです。
まあでも、中学とか高校の英語でも出てきたんではないかなと思いますね。英語だと過去形とか現在形、現在官僚なんかもここに含まれるかもしれません。あるいは未来形などとも言ったりしますよね。
時勢っていうのは、基本的にはその話している時点、発話時などと言われたりしますけど、この発話時を基準として、つまり過去か現在か未来か、そういった発話時に対して、いつその事態が起こったのかっていうのを表すのが時勢っていうことになっています。
かなり狭い意味での時勢は、動詞の変化ということができます。つまり英語の未来形っていうのは、狭い意味では時勢に入らないでしょうね。つまりwillとかbe going toっていうものは動詞の変化ではないからです。
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そういうふうに考えると、日本語の時勢っていうのは、話すとかで考えると、話すと話したっていう、この2つの変化形を持っているということになりますよね。
つまり日本語の時勢は、話す話したという現在と過去の2つの区別があるということになります。これは言語によっては当然、未来現在過去と3つの対立がある場合もあれば、過去にもっと細かい区別を設けて、さっきの過去か昨日の過去なのか大昔なのかっていうのを、いちいち動詞の変化で表すものもあります。
ただ、今僕は現在と過去みたいな言い方をしましたけど、あるいは皆さんも現在形過去形が日本語にあるみたいに思われているかもしれませんが、日本語学とかではですね、日本語の時勢は非過去と過去というふうに言います。
現在と言わずに非過去と言うんですね。過去ではないということです。というのも日本語の話すみたいなこの辞書に載っている形ですね。これは確かに現在っぽいんですけど、よくよく考えてみれば、明日話すわみたいに未来のことでも平気で使いますよね。
むしろ未来のことを表すことの方が、なんとなくね多いんじゃないかっていう気もしないでもないですね。明日行くとかいう時も行くっていう形が未来を表しています。
この非過去形が現在のことを表すのは、まあ習慣的な意味が多いんではないですかね。彼は英語を流暢に話すみたいに割と恒常的な字体について使われると思います。
今まさに話すっていうことを言うんだったら、話しているっていうふうにまた別個の形を使いますよね。
そういうわけで日本語の時勢は現在過去というよりは非過去過去というのが、まあしっくりくる言い方ではないかなと思うし、実際多くの研究がそのように述べています。
じゃあ話すが非過去で、話したが過去だ、おしまいっていうわけでもないんですね。
ここがねなかなか面白いところであるし、日本語母語話者は全然気にしていないことだと思います。
例えば東京に行った時、眼鏡を買いますといった場合、この文の意味自体は日本語母語話者であったら簡単に理解できると思います。
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東京に行った時、眼鏡を買います。
ここで東京に行ったっていうふうに、行ったという過去形が使われていますが、この発言をした時まだ東京には行っていませんよね。
東京に行った時、眼鏡を買います。
つまりこの行ったっていうのは形は過去形になってますけど、実際は過去を表しているわけではなく、
これはどうなっているかというと、ここで動詞が2つ出てきていて、行くと買うというのが出てきていて、
行った時の行ったは、買うよりも先に起こったっていうことを表してるんですね。
つまり買うという動作よりも行くという動作が先行しているということです。
これは別の例を考えてみるとよくわかって、東京に行く時、眼鏡を買いますといった場合、
ここでは行くという動作の前に買うという動作が行われることを表してますよね。
ちょっと頭がごっちゃなってきますけど、
ここでは何が言いたいかというと、文中の行く・行ったみたいな非過去形・過去形の点数っていうのは、
一番最後の動詞の点数に支配されているっていうことなんですね。
ちょっと堅苦しい言い方ですけど、東京に行った時、眼鏡を買います。
動詞の形自体は行ったという過去形になってますけど、
その本当の点数っていうのは、最後の動詞の買いますっていう非過去形に依存しているということなんですね。
なので文中の非過去形・過去形が表しているのは、最後の動詞に対する出来事の順番しか表してないということになります。
こういうのはよく数直線みたいなのを書いて、
Aの出来事が起こってからBが起こるのか、Bが起こってからAが起こるのかみたいに図式で表すとよくわかるんですけど、
例えば英語みたいな言語の時制・点数にはこういった特徴はありませんよね。
過去の時代だったら、出てくる動詞をすべて過去形に変えるわけですけど、
日本語の場合は、最後の動詞との相対的な時間関係によって、
途中に出てくる動詞の形が決まってくるということになってます。
だからさっきの文とよく似た例で考えると、
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東京に行く時、眼鏡を買ったといった場合、
当然これは過去の時代ですけど、東京に行く時という行くという非過去形が使われています。
これはなぜかというと、眼鏡を買うという動作より、後に東京に行くという動作が来るからですね。
だから東京に行く時、眼鏡を買ったといったら、その眼鏡を買った場所は東京ではありませんよね。
なんか頭こんがらがってきますけど、結構ね、言葉だけで説明するのは難しいものでございました。
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回のトークでお会いいたしましょう。ごきげんよう。