1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-09-27 09:09

#365 ラ行と “L” と “R” のちがいってなに? from Radiotalk

閉鎖を作るってのはちがうかな〜、「瞬時に接触する」が正しいかも。

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00:00
始まりました、志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
日本語には L と R の区別がありませんよね。
まあそのために、英語みたいな L と R の区別があるような言語を学習する際に、結構苦労しますよね。
自分が発音するっていう面でも苦労するし、聞き取るときも、今どっちだったんだろうとかね、なってしまいます。
こういう L とか R みたいな、日本語で言うラ行ですね。
この音のことを伝統的に流れる音と書いて、流音と言います。
どうだろうな、世界の言語を見回したときに、流音が2つある、つまり L と R の区別のある言語の方が多いのか、
あるいは日本語みたいに、流音が1つしかない言語の方が多いのか、ちょっとわかりませんけど、
まあ今日はね、この流音っていうのを1つテーマにお話ししていこうと思います。
日本語のラ行の音をローマ字で表すとしたら、普通 R で書きますよね。
まあ L で書くこともないことはないのかな。でも普通は R で、ローマ字でね、書くわけなんですけど。
でも、これは寛容的なものっていうかね、必ずしもその日本語のラ行の音が、英語の R に対応しているわけではないんですね。
日本語のラ行と英語の L と R と、まあそれぞれ違うシーンだと考えた方がいいと思います。
そもそもこのシーンというのは、普通はね、3つの観点から定義されるものなんですね。
その3つっていうのが、1つは無声音か有声音か。
2つ目は、調音位置といって、口のどこを使って発音しているか。
3つ目は、調音方法といって、どういった方法でね、シーンを発音しているかという3つの観点から定義されます。
この点については、関連トークがあるので、ぜひ聞いていただけたらと思います。
で、日本語のラ行と英語の L と R っていうのは、すべて有声音である。
これはどういうことかというと、声帯の震えを伴う音という点では共通しています。
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2つ目の観点の調音位置という点でも共通しているんですね。
すべて歯茎音といって、まあ歯茎音といってもいいんですけど、歯茎を使って発音する音です。
ただ、それぞれ調音方法が違うので、別個のシーンということになっているんですね。
まず日本語のラ行から考えていきますけど、日本語のラ行は歯茎音と言われる音で、
これは舌と歯茎で瞬間的な閉鎖を作る音なんですね。
で、その閉鎖というのがかなり短い間に起こるものです。
この口の中で閉鎖を作るという点では、歯茎音と言われる音とかなり近いんですね。
なので、ダディドゥデドという音と日本語のラリルレロというのはかなり近くて、
ダディドゥデドの口の中の閉鎖を短くすればラリルレロということになります。
逆にラリルレロの閉鎖が長くなると、歯茎音という別の音になるんですね。
一方、英語のエルという音は、これは側面接近音と言われる音で、
これは口の中に閉鎖を作らない音となっています。
ただ、舌先が歯茎にくっついたまんま、その下の両脇から空気が出ていくような音となっています。
なので、エルという音は持続性のあるシーンということができますね。
このように継続的に発音することができます。
さっき言った日本語のラ行というのは、歯茎音と言われて、
瞬間的に口の中で閉鎖を作るので、持続性はないということになっています。
最後に、英語のアールの音ですが、これは接近音と言われる音で、
口の中で舌が上あごにくっつくということはないんですね。
この点で日本語のラ行やエルとは違うんですね。
舌先がどこにもくっつかないまんま、舌が歯茎に近づくだけで、つまり接近するだけの音となっています。
アーみたいな音ですね。
なので、英語でエルとアールの区別がよくわからない人は、
エルというのは舌先が歯茎にくっつく音、ラという音で、
アールというのは舌が上あごのどこにもくっつかない、ラみたいな音になると。
そういったふうに考えていただけたらと思います。
以上お話ししたように、日本語のラ行は歯茎音、
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英語のエルは側面接近音、アールは接近音ということで、
それぞれ調音方法が異なる別個の音なんですね。
ただ英語の中にも、日本語のラリルレロみたいな弾き音が聞こえることがあります。
それはチェックイットアウトがチェケラになったり、ゲットアップがゲラップに聞こえたりするようなものですね。
つまり、つづりの上でTで書くような音が、日本語のラリルレロに聞こえるわけなんですね。
これはどういうことかっていうと、英語のTの音は母音で挟まれた場合、
母音っていうのは有声音なので、Tの音が有声音化してしまって、Dの音になってしまうと。
さっきお話ししたように、Dで書かれるような破裂音は、舌と歯茎の接着時間が短ければ、
はじき音と言われるラリルレロの音になるので、早い発音というかカジュアルな発音になるとチェキラーとかゲラップみたいになるんですね。
ただこれはTで書かれるような破裂音のバリエーションの一つで、異音と言われるんですけど、
音声としては英語にもはじき音は起こることがあり得るんですけど、音素としては英語にはじき音はないんですね。
この音声と音素の違いっていうのは、言語学において非常に大事なものなんですけど、
時間の関係上そこには触れられないかなといった感じでございます。
というわけで、今回のトークは流音と言われるシーンについてお話しいたしました。
今回英語を例にとりましたけど、Rで書かれるようなシーンがどんな音を具体的に表しているかっていうのは、言語によって結構違うんですよね。
Lは大抵側面接近音なんですけど、Rの場合は英語みたいに接近音でラーみたいな音のこともあれば、
日本語のラ行みたいにはじき音のこともあるし、あるいは震え音と言われるラーみたいな巻き舌みたいな音のこともあれば、
フランス語みたいにハーみたいにうがいみたいな音のシーンのこともあります。
だからまあ一口に流音と言ってもその内実は様々であるということです。
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今回のトークはLINEのオープンチャット シガ15のツボでの会話が元となっているので、
もし興味のある方はオープンチャットも参加していただけたらと思います。
09:03
ではまた次回お会いいたしましょう。
お相手はシガ15でした。
09:09

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