1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #123 歌舞伎十八番『外郎売』..
2020-07-01 11:07

#123 歌舞伎十八番『外郎売』と音声学:前編 from Radiotalk

アワヤ咽、サタラナ舌に、カ牙サ歯音。ハマの二つは唇の軽重。

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。 さて、今回はお便りをいただいたので、それに対する返答ということでやっていきたいと思います。
こちら、匿名の方です。最近知ってファンになりました。そして岡山出身が同じで嬉しいです。 質問です。私は遠い昔、大学の授業で習った
『外郎売』が最近になって面白く興味が湧いてきていまして、 その中にあるサタラナ・シタ・カゲ・サシオンについて教えていただけませんか?
ということです。はい、ありがとうございます。 こちら同居の方ということでね。
で、『外郎売』 ちょっとね、僕自身不勉強だもんで知らなかったんですが、調べてみるとなかなか面白かったですね。
で、これご存知ない方に向けて言っておくとですね、 『外郎売』っていうのは歌舞伎の、歌舞伎18番の一つということで
1718年、これは共奉3年にあたるようですけどに、 まあ、初演されたものということのようです。
で、僕は全然その歌舞伎とかね、そういうのは疎いんですが、
まあ、今日ではその、『外郎売』って言うと、
アナウンサーとか声優、俳優の方が研修で暗唱したり、 発声練習とか、あるいは滑舌の講座っていうんですか、
そういうのに使われているそうです。 でね、その内容とか歴史的な背景とかはちょっと今回は触れずにですね、
該当の箇所だけ、 フォーカスしていきたいと思います。
で、質問の中にあったのはですね、
えっと、 サタラナシタと
カゲサシオンというとこなんですが、 もうちょっと前後があってですね、
アワヤノド、サタラナシタにカゲサシオン、 ハマノフタツハクチビルノキョウジュウ、
ということのようです。 まあ、これ読み方は複数あるみたいですが、
まあ、これ音だけ聞いてもなんかピンとこないと思うので、 そのテキストの方を概要欄に貼っつけておこうと思います。
で、これは何を言ってるかというと、 言語学の一分野であるその言語音を研究する音声学について言ってるんですね。
で、その音声学の話を今日しようと思うんですが、 どうだろうな、12分で足るかどうかわからないので、
もしかしたら前編後編に分けるかもしれません。
では、このういろうりに入る前に、 音声学っていうのがどういうもんかっていうのをね、
ちょっとお話ししようと思います。 音声学ではですね、基本的に死因と母音というふうに
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分けて考えるんですよね。 死因と母音って皆さん聞いたことあると思いますし、
なんとなくイメージがついているとは思います。 母音っていうのは I, U, A, O にあたるもので、
死因っていうのはなんだ、そのアルファベットだと K とか S とかなんだとかで書くものだっていうイメージはあると思うんですけど、
これはね、死因っていうのはどう定義されるかというと、
肺からの空気で人間、発音というか発声しているので、 その肺からの空気を、
主に口の中ですね、で、何らかの疎外を作って 発音するものを
死因と言います。逆に母音の方は割と否定的に定義されることも多くてですね。
例えば、疎外を作ることなく
発音するものを母音と言ったりします。
で、今回のこのういろうりの一節っていうんですか、は、 死因について解説というか、
つらつらと言っているところになります。 で、死因っていうのは
基本的に3つの観点で特徴づけられます。 本当は4つって言った方がいいんですけど、3つですね。
1つは有声か無声か、この声というのは声という字を書きます。 が、
つまり有声か無声っていうのはつまり、 声帯が震えているかいないかということです。
まあわかりやすいのは、かとがの区別とか、さとざの区別みたいなものです。 まあすーとずーっていうのが比べやすいですかね。
s で書くようなサっていう音はスーって、これ声帯が震えることなくスーと、
まあ持続的に 発音することができますよね。
一方これの 有声音の場合、z で書くようなものはずーという音になります。
ずーという音だと声帯が震えているということになって、 このさとざの違いっていうのは
声帯が震えているかいないかの違いということになります。 日本語だと声音と濁音の違いみたいに考えても大まか
いいとは思うんですが、はとばはちょっと別なんですけどね。 まあかとがとかさとざとかたとだっていうのはこれは
無声音と有声音の違いということになります。 なので真音特徴づけるまず一つ目の観点は
有声音か無声音かということになります。 二つ目はこれは調音位置です。
つまり口のどこの部分を使って発音しているかということになります。 例えばパピプペポとマミムメモって全然違う音なんですが、
この2つに共通しているのはどちらも唇を使って発音しているということになります。 あるいはタチツテトとナニヌネノというのも
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これは歯茎音と言うか歯茎音と言われるものなんですが、 全然違う音ですけど調音位置は
全く一緒ということになります。 最後3つ目の観点は調音方法です。
これはどうしようかな、いちいち全部言っているとまあ 慣れてしまうというか退屈になっちゃうかもしれませんけど一番
メジャーというかわかりやすいのは破裂音というもので、 一度口の中というかどこかしらで閉鎖を作ってそれを爆発させるような発音の仕方です。
パピプペポとかカキクケコこれが日本語だと破裂音にあたります。 今のは全部無声音でしたけど有声音だったらまあバビブベボガギグゲゴこれは有声の
破裂音ということになります。 あとは先ほど言ったサーとザーっていうのは
摩擦音と言われるもので完全な閉鎖を作らずに 空気が抜けていくような摩擦が起こるようなものを摩擦音と言います。
摩擦音によく似ているのはサチツツツ音みたいなサーみたいな音は ツーかなツーがわかりやすいかツーっていうのはこれは破殺音と言われるもので破裂した後
摩擦が起こるみたいな。なので一旦 破裂音と同じように口の中で閉鎖が起こるんですがその後摩擦が起こるみたいな
発音の仕方を破殺音と言います。 あとはヤユヨとか
ワーとかみたいなのは かなり母音に近いんですよね。これって半母音とか言われることもあります。
こういうのは摩擦音ほど 閉鎖が厳しくないというか
そういうのを接近音と言ったりします。ヤユヨとかワーみたいなものは接近音と言われるものです。
これ絶対時間足んないですね。すみません。ちょっと前編の方は音声学の基礎知識ということでご勘弁ください。
ということで今申し上げた通りですね。心音というのは3つの観点で特徴を付けられます。例えば
パピプペポのPという音をどういうふうに言うかというとこれは無声 両親破裂音というふうに言います。
無声は声帯が震えないので無声。両親というのは両方の唇と書いて両親です。
これは調音位置を表します。 破裂音なので破裂音と。パピプペポはそういうことです。
立ちつつてとというのはこれは無声 歯茎 破裂音ということになります。
これは調音位置が歯茎なので歯茎音と言われるということですね。 他にもいっぱい調音位置と調音方法とあるんですけど大まかにちょっとこういうことになっています。
最初の方をちょろっと言ったんですけど本当は4つの観点があると言いました。 それは最後のは微音かどうかということなんですね。
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微音というのは鼻の音と書いて微音です。 つまりマミムメモとかナニヌネノっていうのは
これはね 肺からの空気が
鼻の方に抜けている音でこれは微音と言われるものです。 ということでもう一回まとめておきますね。
心音というのは有声か無声か 調音位置がどこか
そしてどういう調音方法で発音しているかこの3つであるいはもう一つ足してですね 肺からの空気が鼻に抜けるかどうかという3つないし
4つの観点で特徴付けられるということです。 これが今現代言語学において共通認識となっている考え方です。
この芯に限らずですけど母音の方もそうですけどこういう発音についてもっと詳しく 勉強したいという方がいらっしゃったらぜひね国際音声記号
通称IPAと言われるものですがこれをぜひ勉強してください。 これは国際的に
決められた発音の記号なんですけど これがわかれば世界中どんな言語でも理論上は発音できることになっています。
今言ったようにその調音方法と調音位置で芯の方が表になっていて左側が無声音右側が有声音というふうに綺麗に表になっているんですよね。
例えば英語の字典とかで発音記号を書いてたりしますよね。ああいうのがずらっと並んでるんですよ。
その記号を押したら発音してくれるというサイトがあるのでその url を貼っておくので興味がある方ちょっと勉強してみてください。
理論的にどういう発音したらいいかっていうのがわかっているとその外国語学習にも大変役立つと思います。
というわけでウイロウリの方には全然たどり着きませんでした。というわけで後編でお会いしましょう。
では続けてお聞きください。
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