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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
さて、今回のトークはですね、言語の音を学ぼう、母音編ということでね、母音の話をやっていこうと思います。
前回は子音の話をしたんですよね。そちら聞いていない方いらっしゃったら、これ聞き終わった後でそちらも聞いていただけたらと思います。
前回の続きと言えば続きですけど、今回のトークは今回のトークで一応独立した、完結した内容となっているので、
そのまま聞いていただけたらと思います。思いますが、ただ前回と同様、IPAっていう言語の音をまとめた表があるんですね。
IPAって日本語で国際音声記号と言われるものなんですけど、詳細欄にリンクを貼ってあるので、
そちらページにジャンプしていただいて、おそらく国際音声記号っていう表が出てくると思うので、今回のトークもそちらを見ながら聞いていただけたらと思います。
前回の子音はどういった話をしたかというと、子音は3つの観点から特徴を付けられるという話をしたんですね。
詳しくは前回を聞いていただきたいんですけど、今回の母音もですね、やはり3つの観点で特徴を付けられるんですね。
個人的にはね、母音の方が難しいなっていう感じがするんですよね。
というのもですね、母音って結構ね否定的に定義されることが多いんですよ。
子音の方は空気の流れが阻害されるような音っていうような定義のされることが多くて、
一方母音の方はね、それ以外みたいな、子音以外の音、空気の阻害がないような音みたいな定義のされ方があるんですよね。
あとね、子音の方はね、例えば両親音って言われたら両唇使うんだなとか、
はぐき音と言われたらはぐきを使うんだなとかよくわかるんですけど、母音の方は今言ったように空気の流れを阻害するようなものではないので、
口の中でチューブラリンなんですよね。そういうこともあって、かなり説明もしづらいし、あるいは外国語を学習するときは習得しづらいところだし、
さらに言うとその母語の鉛みたいなのが出やすいのはこの母音のためであると思いますね。
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というわけで先ほど申し上げました通り、母音も3つの観点から定義付けられます。
1つは口の開きが狭いか広いか、2つ目は舌の位置が前か後ろか、最後の観点は唇を丸めるか丸めないか、この3つの観点で特徴付けられます。
ここでIPAの表を見ていただきたいんですけど、母音というのがありますよね。
上から順番に狭・半狭・半広・広となっていて、横の方を見ると前舌・中舌・後ろ舌というふうになっています。
アルファベットで言うとiとyが並んでいるみたいなのがありますよね。これは、下に書いているわ、左側が唇を丸めない音、右側が丸める音という対になっております。
例えばiという母音は日本語にもありますけど、これは口の開きは狭い母音なので狭母音というふうに言います。
下の位置は前なので前舌母音、そして3つ目の観点、唇はどうかというと丸めてないので非延伸母音というふうになります。
なのでiという母音は非延伸前舌狭母音みたいな言い方がよくされるんですね。
あるいは日本語のuという母音はですね、 口の開きで言うとiと同じ狭母音なんですけど、これは前舌ではなく後ろ舌母音というふうになっているんですね。
でね、この表はね、左側を向いている人間の断面図をイメージしていただくとわかると思います。これはシーンの方も一緒だったんですけど、
左側の方が唇に近いというかね、口の出口側だということです。 で、uという母音は口の奥の方、後ろ舌母音ということになっているんですが、
実はね、日本語のuって面白くて、何が面白いかというと、特にね、東日本の発音だと唇を丸めないはずなんですよね、uっていうのは。
これは世界の言語を見回したときに結構珍しくて、 普通はuっていう母音があったら唇を丸めてuっていう発音になるんですよね。
なので日本語のuという発音は、非延伸、後ろ舌、狭母音ということになります。
ちなみにお隣の韓国朝鮮語は、唇を丸めるuっていうのと、丸めないuっていうね、二つの区別がございます。
他の日本語の母音を考えてみると、aっていうのは、iに比べるとちょっと口の開きが大きいということになりますね。
で、oというのは、uに比べると口の開きがやや大きく、さらに唇を丸める延伸母音というものです。oですね。
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そして、aという母音は、広母音ということになってますね。
このようにですね、日本語に限らずですけど、母音というものは、口の開きが狭いか広いか、下の位置が前か後ろか、
唇を丸めてるか否か、この3つの観点から特徴を付けられるということです。
日本語の母音は5つなので、i、u、aをそれに当てはめてね、外国語も発音しがちなんですよね。
それがいわゆるナマリというものになってしまっているわけなんですけど、
例えば、英語の食べるっていうのはeatですよね。
代名詞のそれっていうのはeatなんですけど、これはね、多くの日本人が誤解しているのは、
食べるの方はeat延ばして、それの方は短くeat言えばeatと思っているかもしれないんですけど、
実はね、微妙に違って、このIPAの表で言うと、食べるの方は、
非延伸全舌狭母音のeatという音なんですね。eat。
一方、代名詞のそれのeatっていうのは、そのね、隣というか近所に、eとaの間に大文字のiみたいなのがありますよね。
その発音なんですよね。なのでそれのeatはやや中舌寄りということになります。
つまりeatとateは、母音の長さが違うんじゃなくて音色そのものが違うんですよね。
この2つは日本語母語話者は区別する必要がないので、つまりどっちのiを使っても意味に違いは出てこないんですよね。
だからそれを聞き分ける能力もある意味でないんですけど、ただこれは訓練すれば身につくものですから、
今回みたいな場合だと英語では2つ区別されるので、こういった表を使ってですね、
代名詞のeatはやや中舌なんだなということがわかるので、そういうふうにね、このIPAの表を使っていただけたらと思います。
今までの話をまとめますと、母音は3つの観点から特徴づけられます。
これも繰り返しになりますけど、口の開きが狭いか広いか、舌が前か後ろか、唇を丸めるか否か。
これがわかっていればですね、一応世界中のどんな言語の母音でも発音できるということになっております。
それとちょっと言い忘れてたんですけど、関連トークがありまして、シャープ134と135でやはりこの母音の話をしています。
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確かね、英語の綴りと発音が何で違うのかということと関連づけて話しているはずなので、ぜひそちらも併せて聞いていただけたらと思います。
前回のシーンの時も言ったんですけど、この国際音声記号というかIPAの表っていうのは本当に外国語学習には便利なもので、
ぜひスクショするかファイル保存するかしておくといいんじゃないかなと思いますね。
そしてこのIPAの記号の発音をしてくれるサイトがありますので、そちらのリンクも併せて貼っておくので、発音練習したいぞという方がいたらそちらも見てみてください。
というわけで前回と今回と続けてですね、言語学の一分野である音声学のお話をいたしました。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。