1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2021-11-29 09:11

#392 使役文と北海道の「さる・らさる」 from Radiotalk

冒頭、「食べる」と言いつつ「飲む」の例をあげてますね。

関連トーク
「北海道方言の「このペン書かさんない」って?」前後編
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始まりました。志賀十五の壺です。 今日のトークテーマは、「使役」というものをテーマに取り上げたいと思います。
使役。 日本語だと、「せる・させる」っていうのが
動詞の未然形につくっていう風に普通考えられますね。 行くに対して行かせる。
食べるに対して食べさせる。 まあこういうのが使役と言われるものです。
動詞の形がこういうふうに変わるわけですけど、 なんというかね、文の構文っていうか構造自体も
変わって、
よく言われるのはね、登場人物が一人増えるっていうことになるんですね。 つまり、
彼が行く に対して
私は彼を行かせるっていうふうに 一人登場人物が増えると。
登場人物って言い方をすると人に限りそうなもんですけど、 まあ人以外のものも
含んで、食べるっていうのは普通 登場人物というかね、出てくる名詞は2つなんですね。
彼が薬を飲む。 これを
飲ませるにすると、 私は彼に薬を飲ませるっていうふうに。
登場人物が3人というかね、出てくる名詞が3つになるということになります。 まあ使役の定義って割とそういうふうにされることが多いですね。
1つ名詞を追加するっていうのが 使役であるということですね。
英語の場合も一緒かなと思いますね。 英語の使役と日本語の使役って結構違いますけど、
日本語の場合はね、今言ったように動詞の未然形にセルさせるっていうのがつくわけですけど、 英語の場合は
メイクとかあとはレッドとかね、こういう使役動詞というものを使って、 その後目的語が来て
動詞の原形っていうかね、が来るっていうことになってますね。 ただ見た目はかなり異なるんですけど、
使役としてやっていること自体は日本語も英語も同じですね。 彼が泣くだと he cries とかですけど、
私は彼を泣かせるとかだと I make him cry っていうふうに、
やっぱりここでも登場人物が1人増えているということになってますね。 今お話ししたように使役構文には何かその動作を促すような
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ものと その行為を実際に行うものの
2人の登場人物が出てくるということになります。 私は彼を行かせるだったら、私っていうのが働きかけて行くという動作を
実際にするのは彼だということですね。 この使役っていうのは 一種の多動詞化ということもできるかもしれません。
つまり行くという これは 自動詞なわけですけど、これを 行かせるというふうに変えると、
私が彼を行かせるというふうに 主語も目的語も出ることができますよね。
なので 一種の多動詞化であると。 ただ私が彼を行かせるといった場合、この彼っていうのは
をがくっつくこともあれば 私が彼に行かせるというふうに にがつくこともありますよね。
彼を行かせる 彼に行かせる この使い分けって何なのかは 僕自身あまり しっくりきていないのですが、
一説によると 彼を行かせるの方がより 強い使役というか 強制的に行かせるという感じで、
彼に行かせるだと 英語で言うletを使うような ある程度行く行かないというのは 彼が決めることができるような 使役というのがあるんですね。
僕はあまり そうかもしれないけど 母語話者なだけに ちょっとピンときていないんですね。
この行かせるというのは 行くという自動詞が 行かせるという一種の多動詞になっているわけですけど、
日本語の場合は この使役というのは そもそも多動詞であるものにも つくことができますよね。
さっきの例で言うと 彼に薬を飲ませる みたいなものですね。
薬を飲むというもともとの多動詞に せるというのがついて 彼に薬を飲ませると こうなっているわけですよね。
で 面白いのは 日本語は 二重おかく制約とかね いうものがあって
おっていうものは 2つ出てこられないんですね。 なので 薬を飲むっていうふうに
すでにおがつく 目的語がある場合は
彼を薬を飲ませるとは言えずに こっちの人の方は 彼にって言うしかないんですね。
さっき言った 自動詞の行くみたいな場合は もともと多動詞ではないので 目的語がないと
そういうことになると 彼を行かせる 彼に行かせると そういう使い分けが出てくるっていうことになっているんですね。
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この二重おかく制約っていうかね 2つおがつく名詞が出てこないっていうのは かなり強くて
皆さん普段何気なく使っている日本語ですけど 2つおが出てくるような文は
多分口にしたことないんじゃないかなと思います。 こういうふうに詞役っていうのは
登場人物を一人追加するっていうような そういう構文ということができます。
その中身を見ると 目的語をどういうふうにマークするかとか
あるいはその詞役の強制力みたいなね そういった点でバリエーションがあったりするんですけど
根本的には登場人物が一人追加されるということです。 これは逆のパターンもあるんですね。
つまり登場人物を一人減らすような そういった構文もあります。
これでわかりやすいのは北海道方言のさるらさるっていうものですね。 北海道出身の方はよく使っていると思うんですね。
で標準語にさるらさるにあたるね しっくりくる表現がなくて
なんか困っちゃうみたいなこともあると思うんですけど これはどういうものかというと
詞役とは逆で何か動作を行う人が 削除される構文ということができます。
だからまあ一種の自動詞化っていうこともできると思うんですね。 このペン欠かさんないみたいな言い方をするんですけど
欠かさらないっていうことですね でこの意味するところは
このペンは使えないっていうかね書くことができないっていう意味なんですけど この欠かさらないっていう言い方には
私はとかね誰々がっていうのは登場することができないんですね こういうさるとからさるっていうのを使った表現を逆詞役とか
自発ということがあります 自然とそうなっちゃうということをですね
食べらさるとか言うと ついつい食べちゃうみたいな意味になるんですね
でさっき言ったように誰がっていうその動作をする人は この表現の中に現れることはできないので
まあ一種の無責任構文っていうかなこれあの対はないですよ ついついそうなっちゃうとか
自然とそうなっちゃうでそこに意識的に何かをする人っていうのは存在しないっていう 表現なんですね
これもなかなか面白い表現ではないかと思います というわけで今回のトークは詩役と言われるものについてお話しいたしました
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また次回のトークでお会いいたしましょう お相手はシンガー15でした
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