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志賀十五の壺です。
日本語には品詞と言われるものがあります。
日本語に限った話ではないですかね。
品詞っていうのは、単語をグループ分けしたものっていうことができます。
代表的なのは名詞とか動詞とか形容詞とか、こういったものですね。
どんな言語にどんな品詞があるかっていうのは、
まあ様々なんですよね。
しかも、研究者によってその言語の中でどういう品詞を認めるかっていうのは、
これもまた様々なんですね。
例えば、我々は中学校の国語で、名詞と動詞、形容詞、
もう一つ、形容動詞っていうのも習いましたよね。
これはきれいだみたいにだで終わるもので、
何か名詞を修飾するときはきれいな人みたいになっていうのが出てくるものです。
まあこういった記憶がある方にとっては、
日本語には形容動詞という品詞があると、
まあそういうふうに考えると思うんですけど、
そう認めない人もいます。
形容動詞を形容詞の一種だと考える人も多くいるんですね。
実際、非日本語母語話者に、つまり外国人に日本語を教えるときは、
きれいだみたいなのは形容動詞と言わずに、形容詞の一種として扱っているんですね。
まあこれはどうやって分析するかっていうのももちろん関わってますけど、
日本語教育みたいな場だと、やっぱり話すことがね一番優先されるというか、
まあ手っ取り早く学びやすいように学ぶのが一番だっていうことで、
まあいろんな工夫がなされているんですね。
まあこういうふうに一つの言語の中でもどういった品種を認めるかっていうのは様々なわけなんですけど、
一応ね、どんな言語にも名詞と動詞の区別はあると言われています。
これもどうなんでしょうね?本当かな?
形容詞っていう品種は言語によっては名詞っぽいものと、あるいは動詞っぽいものとあって、
まあさらにそれが進むとね、形容詞は名詞の一部だ、あるいは動詞の一部だっていうような分析ができるような言語もあるようです。
ただ名詞と動詞の区別はどんな言語でもあるということになっています。
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では、皆さんにとって名詞や動詞っていうのはどうやって定義できるものでしょうか?
僕がね予想するのはね、名詞っていうのは物の名前で、動詞っていうのは動作を表すみたいなね、
そういうふうに答える人が多いんじゃないかなと思います。
ただ言語学にとって、この品種っていうのはね、意味から定義しないんですね。
やっぱり形から定義するっていうのがまず品種分類で一番優先されるべきことで、
意味からやっちゃうとニッチもサッチもいかなくなるっていうかな。
例えば愛っていうのは名詞ですけど、決して物の名前ではないですよね。
だからまあそもそも愛の定義ってなんだっていうのが難しいですけど、
それを意味から定義して何らかの品種、名詞なら名詞に分類するっていうのは非常に難しいということになっています。
ではどうするかというと、さっき言ったようにまず形から定義するんですね。
日本語の場合は動詞から考えるのが簡単かなと思います。
端的に言えば無断で終わるものですね。
最も基本的な形が無断で終わるっていうもので、
読む、書く、食べる、飲む、聞く、話す、全部無断で終わっていると。
それに加えて、たーで終わるような活用というか過去形みたいなものがあると。
これも聞いた話したみたいに形を変えることができるっていうのが動詞ですね。
他にもいろんな定義があると思います。
一方名詞の方は動詞に比べると形だけで定義するのはちょっと難しいかもしれませんね。
無断で終わるみたいなものはないので、形容詞だったらね、いいで終わるでおしまいなんですけど、
名詞の場合はどういうふうに考えるかっていうと、
それが現れる位置みたいなのを考えてみるとうまくいくかもしれません。
例えばがーとかおーとかでーとかにーとか、こういう助詞、
特に格助詞がつくものが名詞って考えることもできるかもしれませんし、
あるいはしりとりで使うことができるのが名詞っていう、
なんだかよくわかんないけど一応そういう言い方もできるかもしれません。
しりとりのルールってんーがついたらダメっていうのと、
同じの2回使ったらダメっていうのは皆さんご存知だと思うんですけど、
試しに食べるとか読むとか、こういうのをしりとりで使ったら、
どんな小さい子どもでも反論してくると思うんですよね。
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だから品詞っていうものがよくわかってないように思える子どもでも、
その感覚としてね、名詞と動詞の区別はついてるんじゃないかなとなんとなく思います。
当然これは日本語における動詞や名詞の定義なわけなので、
英語だったらやっぱりなんだろうな、動詞がわかりやすいかな。
その基本形となるものがあって、過去形過去分詞形があって、
あるいは三人称単数現在のsがついてみたいな形が変わるのが動詞で、
名詞はどうするんだろうな、漢詞がつくとかかな、あとかざとかがつくとか、
あるいは物によっては複数形があるとか、前置詞の後に出てくるとか、
こういうふうに形やそれが現れる位置で品詞っていうのは定義されます。
意味からは定義しないんですね。
意味から品詞を定義してしまうと、読書みたいな単語の扱いに困ってしまうんですよね。
この読書っていうのは意味としては何か動作を表しているので、かなり動詞的なんですけど、
さらに読書するっていうふうにするをつけてしまえばこれは動詞扱いになるんですけど、
読書単体だと読書がとか読書をっていうふうに各助詞がつくことができるので、
当然名詞っていうことになります。
なのでやっぱりね動作を表すのが動詞とはちょっと安易に言えないんですよね。
なので名詞の中には典型的なっていうか普通一般的に考えられるような物の名前としての名詞として、
物名詞っていうのがまずあります。
それに加えて読書とか旅行とか勉強とか選択みたいな意味としてはかなり動詞っぽい、
でも品詞としては名詞だっていう出来事名詞っていうね、
この物名詞と出来事名詞っていう2つを認めることができます。
今言ったように意味的に違いがあるわけですけど、
まあその表れ方っていうかな使われ方もやっぱり違って、
出来事名詞の方は何か出来事を表すので、
3時間の読書とか3時間の勉強っていうふうに時間を表すものと一緒に出てこれるんですね。
ただ物を表す3時間の本とか3時間の洗剤とかね、こういうのは言えませんよね。
こういった物名詞と出来事名詞の違いは、
場所を表す時にも表れて、物名詞の時は机の上にスプーンがあるみたいに、
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机の上にっていうにが出てくるんですね。
ただ出来事名詞の場合は、
学校で試験があるみたいにでっていうものが使われるんですね。
この場所を表すにとでの違いっていうのは、
日本語母語話者ほとんど意識してないというかね、全く意識してないと思いますけど、
物名詞の場所を表す時はに、
出来事名詞の場所を表す時はでっていうふうにこういう使い分けになってるんですね。
これ面白いですよね。多分皆さん知らなかったんじゃないでしょうか。
というわけで今回のトークはここまでということで、また次回のトークでお会いいたしましょう。
お相手はシガー15でした。