1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #314 必聴!あなたの知らない..
2021-05-31 09:33

#314 必聴!あなたの知らない日本語の発音のしくみ from Radiotalk

関連トーク
「アメトーーク〇〇芸人」を言語学する
https://radiotalk.jp/talk/291865

参考文献
『方言の日本地図-ことばの旅』 (真田信治、講談社+α新書)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育 #富山
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こんにちは、志賀十五です。 皆さん元気で過ごしていらっしゃいますでしょうか。
今日も志賀十五の壺、やっていこうと思います。 今回のトークはですね、ぜひ富山県民の方に聞いてほしいトークとなっております。
なので、富山県民以外の方は、もう聞かなくて大丈夫ですっていうわけではないんですが、
まあその理由は後ほどわかるということで。 テーマはですね、日本語の発音、特にアクセントについてですね。
この日本語のアクセントについてのトークは、過去にもお話ししているものがあるので、まあ関連トークにあげておこうと思います。
母語っていうのは往々にして、母語話者は意識して使っているものではないので、
どういう仕組みで言語が成り立っているかっていうのは、
まあ普通わかんないんですよね。 その中でもアクセントっていうのは、
特にわかんないんじゃないかなと思いますね。 このアクセントの理屈を説明しろと言われて説明できる人間は、
まあ日本語母語話者の中の 1%もいないんじゃないですかねと思います。
まあそれを自力でこの理屈にたどり着くっていうのは、 まあ相当センスがいいっていうかね、鋭い人でないと無理ではないかなと思います。
このアクセントと言われるのは、 巷ではイントネーションと言われているものですね。
ただ言語学ではアクセントというものです。 つまりアメとアメの違いですね。
イントネーションってなぜか言われてますね。 まあそれはそれとして、
こういった日本語のアクセントには大きく3つのルールがあります。
ルール1。 仮名一文字につき音の高いか低いの値が決められています。
まあこれ一文字っていうのは、まあ便宜上こう言ってるだけで、 専門的にはもうらとかはくとか言われるものです。
まあだいたい、仮名一文字に相当するとお考えください。 それぞれの仮名に高いか低いの値が決められています。
これがまず一つ目ですね。 ルール2。一文字目と二文字目の音の高さは違わなければならないというものです。
つまり高い高いとか低い低いっていう連続は、 一文字目と二文字目ではありえなくて、
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例えば 雨だと低い高いだし、雨だと高い低いと、こういったパターンになっています。
ルール3。 一度低いアクセントが出てくると、
もう高いアクセントは出てこられないというものです。 まあこれは一単語の中に限ったもので、これは逆に言うと、
一度低いアクセントが出てきて、 また上がる音が出てくると、それは2つの単語から成り立っているということです。
ちょっと分かりづらいかもしれないので、具体的な例を考えるとですね、 例えば
狼男といった場合は、これは一単語としてみなされるんですね。
音の面で一単語になっているということです。 先ほど挙げたルール1つ目、一文字につき高い低いが決められているし、
一文字目と二文字目の音の高さも違います。 狼男といった場合は、オオという風に低い高いのパターンになっています。
ただ、狼男といった場合は、これは アクセントの面から言うと二単語ということになりますね。
狼といった場合、オオとなっているので、 高い低いのパターンになっているんですね。
男で、音で、ここで低い高いのパターンになっているので、 つまり低いアクセントが出て、高いアクセントが出ているということなので、
こういった現象は一単語の中ではありえません。 すなわち、狼男といった場合は二単語であって、
狼男というと、これは一度下がって上がるというパターンはないので、 一単語ということになります。
今までのことをまとめると、 ルール一つ目は、
一文字につき音の高い低いが決められている。 二つ目のルールは、一文字目と二文字目の音の高さが違わなければいけない。
ルール三つ目は、 一単語の中では一度低いアクセントが出てくると、もう上がることはないというものです。
今申し上げましたルールに基づいて、もうちょっと具体的に考えてみると、
例えば、箸っていう単語について、 ご飯を食べるときのあれは、箸ですよね。
これはどうなっているかというと、高い低いのパターンになっています。
一方、人が渡る、あの川にかかっているやつは、箸ですよね。
こちらは低い高いのパターンになっているということで、 単語が区別されるということですよね。
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ただ、 紙の端っことかのあれも、箸と言うんですよね。
なので、川にかかっているやつと紙の端っこ、両方箸で区別つかないじゃないかとなりそうなんですが、
こういったものはですね、後ろに何かつけてやると、 その違いがはっきりします。
いわゆる格助詞とかいうものですね。 がとかつけるとわかります。
すなわち、川にかかっているあれは、箸が壊れたとかなので、 箸が低い高い低いのパターンになっていますよね。
一方、端っこの方は、 箸が破れたみたいに、箸がなので低い高い高いのパターンなので、
こういうふうに助詞をつけることによって、 アクセントの違いが明らかになることもあります。
これは、一文字の単語でも一緒で、 火というと、太陽の意味とファイヤーの意味がありますけど、
太陽の方は、火が照っているというふうに、 火がとなるので、低い高いなんですね。
一方、ファイヤーの方は、火がついたなので、 高い低いのパターンになっています。
このことから、太陽の火とファイヤーの火は、 違う単語であるっていうのがわかるんですね。
で、今ずっとお話ししているのは、いわゆる共通語のアクセントの話で、 当然方言が異なれば、アクセントのルールも異なります。
例えば、共通語で、低い高いのパターンが、 京都方言では、高い低いのパターンになることが あります。
今言った、橋というのは、京都では 橋とか、犬が犬になったりします。
ここからです。お待たせいたしました。富山県民の皆様。
富山県では、この東京型と京都型が、 ちょうどミックスしたように見えるんですね。
例えば、歌、池、色、こういったものは東京式なんですけど、 橋、犬、夏とか、こういったものは京都式になっています。
富山ってやっぱ、東京と京都の中間ぐらいだから、 ほどよく混ざってんだなぁと思われるかもしれませんが、
実はそうではなくて、これはですね、 母音が、
いと、うで終わるときだけ京都式になっているんですね。 橋、犬、夏、雪っていう風に。
一方、母音がそれ以外だから、 あ、え、おの時は、
歌、池、色っていう風に東京式になっているそうです。 これ面白いですよね。
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富山方言は、富山方言で独自のアクセントの仕組みがあるということです。 これね、僕全然知らなかったので、ぜひ富山県民の方、お便りいただけたらと思います。
というわけで、今日のトークは日本語のアクセントについてのお話でした。 関連トークもよろしかったら聞いてみてください。
ではまた次回お会いいたしましょう。ごきげんよう。
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