1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #451 wepu って何語?え、日本..
2022-06-14 10:23

#451 wepu って何語?え、日本語!? from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/425873

[オリジナルいろは歌]
おとるふゆのしろきをうみ あやまち けさよりゑひ せはほこそねぬめれ わならて いつくにかゐむ えもたへす
踊る冬の白きを憂み 誤ち 今朝より酔ひ 瀬は帆こそ寝ぬめれ 我ならで いづくにか居む えも耐へず

(「踊る」、ほんとは「をとる」なんだよね…)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:05
始まりました、志賀十五の壺。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
エチケット爺さんです。
今回のエピソードタイトルにある通り、
wepu これって日本語なんですね。
wepu ただ、日本語は日本語でも、
現代日本語ではなく、
上代日本語と言われる、
昔の日本語の単語なんですね。
現代語だと、酔う、酔っぱらうの酔うに対応するというか、
酔うっていう単語のご先祖にあたる発音なんですね。
wepu 上代日本語っていうのは、
時代で言うと、
万葉仮名で書かれていた時代の日本語で、
我々が古文として習う平安時代の日本語よりも、
さらに一段階前の日本語ということになります。
その頃の日本語では、酔うっていうのを
wepu と発音していたと考えられているんですね。
いかにもね、これ日本語らしくないっていう感じがするかもしれませんけど、
まず we っていう発音ですよね。
この we っていう発音は、
現代日本語では wave とか、
なんかそういうね、外来語にしか出てこない発音のような気がするんですが、
当時の日本語では和行の発音って、
もうちょっとしっかりしてて、
現代日本語の和行って言うと、
実質的には和っていうのしか残っていません。
あるいはおっていうのも表記上は、
その助詞のおっていうかね、和音のおっていうのが和行として残ってますが、
発音としては o じゃなくて o ですよね。
普通の o と変わりません。
人によっては o って発音する人もいるかもしれないですけど、
和行の o つまり o っていうのは、
現代日本語ではあ行の ai ue o の o に吸収されてしまっていると。
和行の発音には和と o 以外にも、
we と ue というのもありました。
それぞれ仮名があって、
説明としてはね、どうやって言うのがいいのかというとね、
ルーの、ひらがなのルーのこう、空洞があるバージョンっていうんですかね。
皆さん見たことあると思います。
これが we。和行の we。
03:02
同じくひらがなのルーの下に波を打っているようなあれ。
あれが we です。
この和行の we, ue が、
それぞれやはりあ行の e と a に吸収されてしまったので、
歴史的仮名使いでは使用されていた文字なんですけど、
発音の区別がないので、
まあ仮名としても廃止されてしまったんですね。
時々人名で使っていらっしゃる方がいらっしゃると思います。
ただその場合でも、
we とか ue っていう発音ではなく、
単に e, a と読むと思います。
で、今言ったのが wep の we の部分ですけど、
p っていうのは、
これは現代語でふうにあたる音です。
そもそも現代語の ha-hi-fu-fe-fo の発音は、
pa-pi-pu-pe-po っていう、
両唇を使う破裂音だったと考えられています。
まあこのあたりについては、
関連トークがあるので、
ぜひ聞いていただきたいんですが、
この pa-pi-pu-pe-po の発音が、
両唇を使う摩擦音に変化しました。
fa-fi-fu-fe-fo。
そして現代日本語では、
正門っていう喉の奥の方を使う、
ha-hi-fu-fe-fo っていう摩擦音に変化しています。
ただ現代語でも、
fu の発音だけは、
両唇を使う摩擦音です。
なので、もともと上代日本語で、
wep という発音だったものは、
現代語では f に相当するような発音なんですけど、
この ha-gyo のシーンは、
さらに別の音変化があって、
ha-gyo-ten-ko っていう、
ha-gyo のシーンは、
語頭以外だと、
つまり単語の途中とかに出てくると、
和行の音に変わるっていう、
音変化があったんですよね。
これは歴史的金遣いのルールとして、
あはれ と書いて、
あわれ と読むみたいなものです。
ということは、
f っていうのは、
えう という発音になります。
この えう っていう、
母音の連続が、
現代語の よう に変化していったんですね。
まったく同じ現象が、
ちょう にも当てはまります。
ちょう っていうのは、
バタフライのちょうですけど、
あれはもともと、
てぷ という発音で、
歴史的金遣いでも、
てふ と書きますよね。
この てぷ が てう になって、
06:02
えう という母音連続が、
よう に変わって、
ちょう になったんですね。
なので、
うえぷ から よう になるのは、
だんだん発音が簡単になってるっていう風に、
ざっくりと言うことができるかもしれません。
うえ っていう、
くちびるを使う和行が、
え っていう母音だけになって、
実はこれは、
いえ っていう発音だったっていう説もあるんですけど、
ひとまず、
くちびるを使わない音になって、
うえぷ の ぷ の発音は、
ふ っていう、
くちびるをくっつけない摩擦音になり、
さらに う っていう、
摩擦すら起こさない発音になりました。
で、
それぞれ母音だけとなって、
え う、
で、さらに母音の連続を、
よう っていうね、
発音に変化させていったと。
まあ、こういった音変化であったということなんですね。
まあ、今話したことは、
イロハウタにも出てくるもので、
イロハニホヘトから始まるものですけど、
この最後の部分が、
まあ、現代語だと、
えひもせす、
っていう風に読むと思いますが、
これは、
よいもせず、
ですね。
まあ、イロハニホヘトも本当は、
いろはにおいど、
って言ったほうがいいんですけど、
この、
えひもせすの、
の、
えへの音が、
うえ、
だったということです。
まあ、イロハウタのすごいところって、
みなさんご存じの通り、
かのを、
1回ずつしか使わず、
なんていうんですかね、
こういうの、
かぶそくなく使い、
かつ、
意味の通る、
文になってるっていうことですよね。
まあ、こういうのをパングラムっていうらしいんですけど、
ちょっとね、
僕もこういうのを作ってみたくなって、
やってみたんですよ。
しかも、
古文バージョンなので、
今日の話で出てきた、
ウィーとかウェーみたいなカナも入れて、
かつ、
文法も、
古文の文法で、
新しいイロハウタを作ってみました。
発音を、
現代語風に読み上げてみると、
おどる冬のしろきをうみ、
あやまちけさよりよい、
わはほこそねぬめれ、
わならで、
いずくにかいん、
えもたえず。
まあ、概要欄に、
歴史的カナ使いで、
今のを、
貼っつけておくので、
たぶんカナかぶってないと思うんですけど、
まあ、確認してみていただけたらと思います。
で、意味もちゃんと通るようにしたつもりだし、
文法も、
09:00
たぶん間違ってないと思うんですけどね。
まあ、興味のある方は、
今の文をぜひ解読してみていただけたらと思います。
まあ、もしかしたら、
今のオリジナルイロハウタの解説みたいなのをね、
また別個にエピソードとってみてもいいかなと思ってます。
興味のある方は、
ぜひ自分で、
オリジナルイロハウタ、
あるいは、
現代の五重音で、
パングラムっていうのをやってみても、
おもしろいかもしれません。
というわけで、
今回のエピソードは、
webっていう日本語がかつてあったと。
これは現代日本語の用語に対応するもので、
まあ、発音の簡略化って言っていいですかね。
発音がどんどん変化していって、
webから用語になっていったと、
そういったお話をしました。
というわけで、今回はここまでということで、
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
よろしかったら番組フォロー、
あるいはツイッターとかもやってるので、
チェックしてみてください。
それではまたお会いしましょう。
お相手はシガ15でした。
またねー。
10:23

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