1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #658 おもしろ画像で言語学! ..
2024-06-08 10:03

#658 おもしろ画像で言語学! from Radiotalk

X▶︎https://x.com/sigajugo
Instagram▶︎https://bit.ly/3oxGTiK
LINEオープンチャット▶︎https://bit.ly/3rzB6eJ
オリジナルグッズ▶︎https://suzuri.jp/sigajugo
note▶︎https://note.com/sigajugo
おたより▶︎https://bit.ly/33brsWk
BGM・効果音: MusMus▶︎http://musmus.main.jp/

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

今回は、おもしろ画像から言語学というのを考えることができることもあるというお話をしています。サムネイルの画像がそういったものの一つになっています。

おもしろ画像と言語学
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。森 蔵時頃です。
今回は、おもしろ画像から言語学っていうのをね、考えることができることもあるというね、お話をしていこうと思います。
おもしろ画像はまあ昔からありますよね。
まあツイッターかなんかとかね、まあそういったもので、こうぶわっとこう広がったりするものもあるし、
まあツイッター以前からそういったものとかね、あったと思うんですけどね、大喜利的なものとかね、英語では
meme という言い方をするようですね。
なのでまあ日本国内、国外問わず、そういった面白画像というものはね、あるということでございますが、今回のサムネイルの画像がそういったものの一つになっています。
セラピストと旦那さんとの会話みたいな画像になっているようですね。
これね、英語じゃないとわからないそのギャグっていうかね、面白さということになっておりますが、
セラピストの方が、Your wife says you never buy her flowers. Is this true?って言って、
あなたの奥さんが、あなたが彼女に花を買ってあげたことがないと言ってますけど、本当ですか?みたいに聞いてるんですね。
で旦那が答えることには、To be honest, I never knew she sold flowers.と言って、
正直、 彼女がお花売ってるなんて知らなかったみたいに言ってるんですね。
これ日本語で考えても結構ね、どうしようもないとこなんですけど、これが笑えるかどうかは置いといてですね、
ここの肝になっているのは、You never buy her flowers ってとこですね。あなたが彼女に花を買ったことがない。
ここをどう解釈するかというところが、 面白さの鍵となっているところで、
これね過去のエピソードでもお話ししたことあるんですけど、面白さっていうのは、 意図したところとは別の解釈がされるとかね、
勘違いであるとか、 文字通りの意味に受け取られてしまうとかね、比喩で言ったつもりが比喩通りに受け取られなかったとか、
まあそういったところが面白みであると思うんですけど、ここは まあ堅苦しい言い方すれば文法的な解釈が異なるということです。
セラピストの側としては、You never buy her flowers ここの buy her flowers
her っていうのが 目的語で、flowers っていうのも目的語で、
二重目的語構文になっているということですね。 まあ学校英語的に言うと、
第四文型ですかね、一応第三文型に言い換えれば buy flowers for her みたいになるということですね。
一方旦那の方は、この her を目的語ではなくて、
まあ所有者、所有格あるいは属格、 いずれにせよ彼女のという意味で捉えたということです。
ですので、You never buy her flowers で一つの名詞句ということで、
そういうふうに解釈して、彼女のお花を 買ったことがないと。
なので、彼女がお花売っているなんて知らなかったと答えたということですね。
これは、her ではないと起こらないことですよね。 例えば、これが彼の場合だったら、
You never buy him flowers と、You never buy his flowers で、
him と his で、そのいわゆる目的格と所有格の形が違いますので、
こういった解釈の揺れっていうのは起こらないんですよね。
さっきも言ったように、これは英語でないと ある意味成立しないようなギャグになっているわけで、日本語にできないわけですが、
それでもね、ちょっとね、言語の本質に関わっているようなところはあるんですよね。 人間というのは常にこう、
タイダーなもので、 できるだけ形式っていうのは少ない方がいいんですよね。
単語数と言い換えてもいいですけど、 できるだけ少ない要素でやり取りした方が、
記憶の負担というのは減ると、言語の経済性と言い換えてもいいかもしれません。 それと同時に、
コミュニケーションっていうのをこう、 きちんと
成立させたい、すべての要求に応えたいっていうような 傾向っていうのもあるんですね。
ちゃんと伝えたいけど、できるだけ少ない要素の方がいい。 英語のcという代名詞は、cという形と、はという形しかないんですよね。
あとはずっていうのもありますけど、このはっていうのは 目的語の時の形でもあるし、前置詞の後にも出てくるし、
そして、所有の時にも出てくる形です。 こういうふうに形が少ない方が、確かに覚える
その要領っていうのが少なくて済むのでいいんですけど、 そうなると逆にコミュニケーションがうまくできないという弊害が出てくるわけですね。
だからさっき言った2つの傾向。 できるだけ少ない要素の方がいいというね、そういったものを好むという傾向と、
コミュニケーションを完璧にしたいという傾向のその狭間の、 狭間で、
前者の方が勝っちゃってるっていうかな。 コミュニケーションに支障が来たすぐらい、
まあ打声の方が上回っちゃってるっていうような状況ですね。 それだったらひーみたいに、ひーとひずとひむと形を
より多くね、備えていた方が確かに記憶の要領は増えるんですけど、 こういったコミュニケーションのズレというのは生じないので、
なんというかね、 要領を増やしてでも、数を増やしてでも、
コミュニケーションを完璧にしたいっていうような方が勝ってるというか、 まあひーの方はそういった状況になっているということです。
さて話は全然変わりまして、
今言ったように、この面白画像の面白いところは、 このはーっていうのが所有者の時と、
目的語というかね、間接目的語と言ってもいいかもしれませんけど、 彼女のっていうのと彼女にっていうのが同じ形になっているということなんですけど、
こういった言語がね、 バルカン言語連合の言語がそうだったなぁというのをね、ちょっと思い出しました。
バルカン言語連合っていうのは、バルカン半島の言語の集まりで、 系統関係にない言語なんですけど、
地理的にこう、近しいために似たような特徴を持ってくるということがあるんですね。 アルバニア語とかね、ギリシャ語、
ルーマニア語、ブルガリア語とかね、こういった言語が含まれるんですけど、
こういったね、バルカン言語連合の言語は、 続格と余格がね、同じ形になるっていうような共通の特徴があるんですね。
続格と余格が同じ形。 つまり、彼女のっていうのと彼女にっていうのが同じ形になるということです。
そうなると、 今回のね、サムネイルのこの面白画像は、
バルカン言語連合の言語でも、もしかしたら通用するんじゃないかという気がします。
面白画像と言語の解釈
何遍も言えてますけど、日本語だとこれは成立しないんですよね。 彼女のっていうのと、彼女にっていうのと、こののとにで、
違う助詞使うので、 訳せないんですけど、
バルカン言語連合の言語だと、 彼女のと彼女にと、この続格と余格が同じ形になるらしいので、
意外と、 そこら辺の言語では、
通用するような画像かもしれません。 というわけで、まぁ今回はね、結構話は散らかってるんですが、
一つのこの面白画像からも、言語学的にいろいろ考えることはできるといったお話でございました。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。 また次回のエピソードでお会い、い、もう一回、お会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。 お相手はシンガー15でした。
またねー
10:03

コメント

スクロール