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志賀十五の壺です。今日のテーマは、英語のつづりと発音について お話ししていこうと思います。
英語のつづりと発音は、なぜこういう イレギュラーになっているのでしょうか。
なぜ、つづりでこういう発音になるのだろうと 思うものがよくあると思います。
いわゆるローマ字読みではない ということです。
ミケと書いてマイクと読むとか、 まあそういうことですね。
僕も中学の時ね、友達が マイク
like cats だったかな。 まあそういう例文を和訳せよっていう問題があって、
で、ミケは猫が好きだ、みたいなね。 まあミケは猫なんだから猫好きなんだろうと
なりそうなんですけど、まあ正解は マイクは猫が好きだですよね。
っていうふうに、 なんていうかな、
単なるローマ字読みではいかないところが 英語の
一つ難しいところだと思うんですね。 しかし、英語の発音も昔は文字通り読んでたんですね。
マイクっていうのもミケみたいな発音だったわけです。 それが
大母音推移と言われるね、まあこれもすごい、 なんというかもう
壮大なねネーミングなんですけど、 まあ大母音推移という母音の変化があって、
それで、 特に英語の母音の発音が変わってしまったんですね。
ただ書き言葉の方は、 もうある程度定着してしまっていたので、
そのカッパ印刷っていうかね、 印刷技術ももう発達してて、
書き言葉として成立していたところがあったので、
つづりの方は変わらずに保守的なままで、 発音の方は大きな変化があったと。
まあそういったことで、つづりと発音の不一致が今生まれていて、 まあ日本語母語話者だけではないと思いますね。
いろんなところでいろんな人が苦労していると思います。 まあルールがないわけではないんですけど、
文字通り読まないっていうことは少し難しいところですよね。 この大母音推移っていう音変化は、
時代としてはね、1500年頃? 1400年から1600年ぐらいですかね、にかけて起こった変化で、
時期としては近代英語と言われる時期にね、起こった音変化となっております。 この大母音推移というものがどういうものかっていうのが、
今回のトークでわかっていただければ、 発音とね、つづりが何で違うのかっていうことが、
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少しは納得していただけるんではないかなと思います。 この大母音推移のお話をする前に、前提知識としてね、
母音の話をしておかないといけません。 母音の説明をするのに、よく
母音三角形っていうのが考えられるんですね。 まあ台形のこともあるんですけど、
まあ三角形で考えられて、 英語に限らず、言語学で母音っていうのはよく三角形で考えられます。
今回のサムネがそういうことになっているんですけど、 左上の頂点がイ、
右上の頂点がウ、 で一番下の頂点がアというふうに、このイとウとアっていうのが頂点の三角形がまず考えられます。
この三角形が表しているのは、三角形の左側は前じた母音と言われるもので、イっていうのはまさにそういった母音で、
右側ウっていうのは後ろじた母音と言われるものです。 なので左が前じた、右が後ろじた。
今度は上下はですね、上の方が狭母音、下の方が広母音というふうに言われます。
なのでイっていうのは、前じた狭母音ということになるんですね。
下が前の方にあって、かつ口の狭めが狭いような母音ということになります。
ウっていうのは、後ろじた狭母音。
アっていう母音は、あまり前じた後ろじたって言われることはないんですけど、広母音ということになります。
こういうイウアっていう母音が頂点となった三角形がよく考えられるんですね。
この3つの母音しかない言語もたくさんあります。アラビア語みたいな言語がそうです。
日本語の場合はイとアの間にエっていう母音があります。
前じた母音としてエっていうのがあって、後ろじた母音にはウとアの間にオという母音があります。
こういう語母音の体系ということになっているんですね。
ただ今回大母音推移を考えるときは、アとエの間にエみたいな母音を考えなくちゃいけないし、
アとオの間にオみたいな母音を考えなくてはいけません。
まあこれは物理的には連続体であるということですね。
日本語の場合は前じたはイエアっていう風に3つに分けているわけですけど、
今回大母音推移を考える際はイエアっていう風に4つに分けているということになります。
こういう風に言語の音、母音を含めですね。
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言語の音をどうやって区切るかっていうのは、言語によってそれぞれということなんですね。
その話はその話で面白いんですけど、
大母音推移というのはどういう現象かっていうのを一言で言ってしまえばですね、
母音が一つずつ狭母音になった、図で言うと三角形の中で一つずつ上にずれていったという現象です。
一番下のアっていう母音はエっていう母音になったし、エっていう母音はエになったし、エはイになったと、そういうことなんですね。
これは綴りを見てみるとわかって、例えば海のシーっていうのはエアっていう母音ですけどイーっていう発音になってますよね。
これはもともとセーっていう発音だったのが、さらにシーっていう発音にちょっと変わってしまってるんですけど、狭母音にずれているということです。
一方、深いっていう意味のディープっていうのはローマ字読みするとデープになりそうなんですけど、ディープになってますよね。
見るっていう単語もそうですよね。セーって読みそうだけど、現代語ではシーになってます。
これもエーっていう発音が一つ狭母音になってイーになっていると。
問題はもともとイーっていう発音だったものは、もうそれ以上高くなれないんですね。
なぜならイーっていうのが最も狭い母音なので、そうなるとどうしたかというと二重母音になったんですね。
だからタイムとかライクとかさっき出たマイクみたいなものはイーっていう発音が二重母音のアイに変わっています。
今お話ししたのは全部前じた母音の話でしたけど、後ろじた母音も一緒で、
月っていうのはローマ字読みするとモーンですけど、1個狭母音になってムーンになっているし、
ちょっと分かりづらいですけど今っていうナウっていうのは、もともとウーっていう発音だったのがアウっていう二重母音に変わっているんですね。
こういうふうに大母音推移っていうのは母音が1個ずつ狭くなって、それ以上狭くなりきれないイーやウーっていう発音は
二重母音のアイとかアウという発音になったんですね。
二重母音になったのはイーとかウーっていう狭母音だけではなくて、
例えばネイムとかね、名前のネイムとか小舟のボートとかね、こういうのも二重母音ですよね、現代英語では。
でこれは、1個狭母音になるんだったら、
もともとナーメみたいな発音だったものが1個上がるので、ネーメみたいな発音に一旦なったんですね、確かに。
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でその後二重母音でネイムになりました。
ボートの方もボートっていうそのオとアの間の発音みたいだったものが、現代英語ではボート、アウっていう二重母音になっているわけなんですね。
考えてみればこれは日本語と逆ですね。 例えば英語とか成績みたいに、
日本語の綴りの上ではね、エイって二重母音のものが長母音のエイに変わってますよね。
同じように王様とか、創造とか、綴りの上ではオウっていう二重母音のものが、
日本語ではオウっていう長母音に変わっているので、それの逆っていうかな。 英語では二重母音になっているということです。
まあこういう大掛かりな音変化、大母音推移というのがあったので、英語は綴りと発音がかなりかけ離れているということなんですね。
まあかなり駆け足でしたけど、今回のトークは以上ということにしたいと思います。 最後まで聞いてくださってありがとうございました。
お相手はシガ15でした。 ではまた。