1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-10-25 10:14

#197 文の中を漂う言葉 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:01
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
今回はまず、お便りと、それと差し入れもね、ありがたいことにいただきましたんで、
まずはね、お便り読み上げたいと思います。こちら、ラジオネームゆっこんコンスさんから。
こんにちは。いつも楽しく聞かせていただいております。はい、こちらこそね、いつもありがとうございます。
スポコンものですと、この音止まれという漫画がおすすめです。おことのお話です。ぜひ読んでみてくださいね、ということでね。
あの前回、前回、前回じゃねえか。
まあ最近、漫画の話をしたんですよ。
で、僕は割とスポコンが好きだってことで、柔道部物語とピンポンと、あとはスラムダンクとかね、そういった話をして、それを受けてのお便りということですね。
はい、ありがとうございます。
あ、でも前回だったっけ?
まあいいや、とりあえずそういうことがあったんですよ。
で、この、この音止まれがおことの話なんですね。
スポコンって言っても必ずしもね、その、いかにもスポーツってものだけじゃないですからね。
まあおことの話もそうでしょうけど、あとはまあ吹奏楽とかね、ちはやぶるとかもそうですよね。
だからまあ必ずしもスポーツだけじゃないってことですね。そういう熱い漫画っていうのはね。
機会があれば読んでみようと思います。どうもありがとうございます。
はい、まあこんな感じでね、感想のトーク、じゃねえか、感想のお便りとかもね、あのいただけたら非常に励みになりますしね。
嬉しいですので、ぜひぜひ皆さん送っていただけたらと思います。
さて、今日は何について話そうかなと思ったんですが、数量子っていうものをね、ちょっとテーマにしようかなと思います。
なんだよ数量子ってよーって感じですね。まあこれもね、まあ知らなくても生きていけるんですよ。
大抵僕のトークはそういうことになってますね。
ただまあ役に立つ立たないだけで、人が生きていかないようにするっていうのが僕のテーマの一つであります。
まあよくわかんないですけど、数量子っていうのは数量を表す言葉ということですね。まあそのままです。
まあ日本語だったらまあ1,2,3,4,5とかそういうことですね。
日本語の数量子は助数子というのがつくっていうのが一つ特徴的ではあるんですね。
1本、1枚、1人、1件、まあ何でもいいですけどこういうふうに単位がつくと。
この助数子っていうのはどういうふうに定められているかというとですね、そのものの形状とかサイズ感で決まっているということですね。
まあこれも面白いとこではありますね。薄っぺらいものだったら1枚と言って、長っぽそいものだったら1本と言うと。
03:09
その長っぽそいものをこうみじん切りとかにした一粒になったりね、まあそういうふうになると。
それをスプーンですくった人すくいというふうに、まあ形状によってもコロコロコロコロ助数子が変わると。
ああ面白いこれは日本語の特徴談と言いたいところですが、そういうものでもないんですね。
割と東アジア的な特徴なんですね、助数子って。なので日本語に限った話ではございません。
いずれにせよ数量子っていうのは面白いんですよ、こういう助数子がつくっていう点でね。
ただ他にも面白い点があって、それが今回のメインテーマの一つとなっているわけなんですが、
例えば英語の文で three men came みたいなのがあって、これを和訳しなさいみたいなのがあったとして、
3って3だな。
men の複数形、came, come の過去形ってことは、3人の男が来た。よし、この和訳は3人の男が来ました。
これです、みたいなね。まあ和訳だったら無難にそういうことしてしまいがちなんですが、
3人の男が来た。
まあ悪くはないんですけど、
男が3人来たとも言えますよね。他にもありますよ。
3冊の本を読んだ。
本を3冊読んだ。でも全然不自然ではない。むしろそっちの方が自然な気さえしちゃうみたいなね。
で、これね、英語の和訳とかでよく出てくるんですよ。こういう、
3人の男が来た。
3冊の本を読んだみたいに、英語の順番通り略すと。別に間違ってはないんですけど、
まあある程度英語の語順に引っ張られている面は、なきにしもあらずって感じですかね。
普通の会話だったらどうかな。
男が3人来た。
本を3冊読んだ。
まあこっちの方がなんとなくよく使う気がしますね。わざわざ3人の男とか3冊の本。
3冊の本は変だなって感じですね。
これはどういうことかというと、数量子っていうのが移動しているってことですよね。
これって変と言えば変なんですよ。
まあ他の就職関係では当然そういうことはできないんですね。
例えば、赤い本を読んだ。OK。
本を赤い読んだ。もうむちゃくちゃですよね。
全然無理。
もらった本を読んだ。OK。
本をもらった読んだ。もうむちゃくちゃですよね。
日本語として成立していないってことなんですが、これが3冊のになるとありになっちゃうってことですね。
3冊の本を読んだ。OK。
本を3冊読んだ。いけてしまう。
なので数量子って動き回るってことなんですね。
これを専門的に数量子有理と言います。有理っていうのは遊んで離れると書いて有理です。
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なので数量子って色々動き回ることができるんですよね。
これって言われないと気づかないんですよね。
そして言われたところでどうでもいい。と言えばどうでもいいんですよ。
これもたびたび言ってるんですが、母語話者っていうのは天才なのでどうでもいいんですよ。
文法とかルールとか知らなくてもしゃべれてしまうので。
ただこういう話を面白いと思ってくれる方がいる可能性があるのでこういう話をしているわけなんですね。
この数量子っていうのは何でもかんでも移動できるかというと、これ微妙にルールがあって、
名詞にがとかをとかついている場合は何にも問題なんですよ。
というのが、男3人が来た。OK。
男が3人来た。OK。みたいにこの3人の位置ががの前でも後でもいいんですよね。
これをの場合も一緒で、本3冊を読んだ。OK。
本を3冊読んだ。OK。みたいにこのがとをの場合はその前後どちらに現れてもいいんですが、
それ以外の場合は厳しいんですよね。
例えば、男は友人3人と来た。これOKなんですけど、男は友人と3人来た。これ厳しいんですよね。
なので、がとかを以外、つまり今のとみたいな場合は、との前にしか3人っていうのが現れないんですよ。
と以外でも、例えばでとかでも、店5軒で食べた。OK。
店で5軒食べた。これは無理なんですね。
なので、やっぱりがとをって特別で、わりとこの数量子有利っていうのが自由自在って感じなんですけど、
それ以外の場合は、例えばととかでとかの場合は、その前にしか数量子は移動できないってことになってます。
まあ、これも言われないと気づかないですよね。
でね、これどうかな。つまり3つパターンがあるってことですよね。
3冊の本を読んだ。本3冊を読んだ。本を3冊読んだ。
これに何か意味の違いがあるんですかね。
多分その研究はあるんですよ。どういう意味の違いがあるかって。
それでまあ、いろいろルールがあるはずなんですけど、ちょっとね、今僕が思いつく限りは、
違いあるかもしれないけど、ちょっと説明はできないって感じですね。
でね、この数量子有利って実は日本語だけじゃないみたいなんですね。
英語でもいけるようです。
これご存知の方がいらっしゃるかな。まあいると思うんですけど、
ボズ・スキャッグスっていう方の歌手のWe Are All Aloneっていう歌があるんですよ。
これ非常にいい歌で、文法も優しいんで、中学とか高校で歌ったことがあるとかね、
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そういう人いるかもしれませんけど、このWe Are All Aloneのこのallっていうのが、
このbe動詞の後に出てるってことですよね。
これって数量子有利といえば数量子有利なんですよ。
つまり移動してるってことなので数量子が。
all以外でも、例えばbothっていう両方みたいな意味がありますよね。
これもboth of us are workingとかだと、私たち2人とも働いてるってことですけど、
このbothっていうのがやっぱりbe動詞の後に出てきて、
we are both workingとかだと同じ意味を表すってことでね。
日本語に限らず英語でもなんで、いろんな言語でこの数量子って動きやすいんじゃないかなと思うんですね。
ちょっとね、他の言語は調べられてないんでわかんないんですけど、
多分よくあることなんじゃないかなと思います。
というわけで、今日は日本語を中心に数量子のお話をいたしました。
こんな話です。
じゃあまた次回お会いしましょう。
最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではまた次回。
ごきげんよう。
10:14

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