1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #692 キツイのに会社が辞めら..
2024-10-05 10:59

#692 キツイのに会社が辞められない…認知的不協和 from Radiotalk

主要参考文献
情報文化研究所 (山﨑紗紀子・宮代こずゑ・ 菊池由希子), 高橋 昌一郎 (監修) (2021)『情報を正しく選択するための認知バイアス事典 』東京: フォレスト出版.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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ラジオトーク宛てにギフトを頂いております。
hashさんとsukoyasumiさんからギフトを頂きました。
ありがとうございます。
この番組では、ラジオトークから送ることのできるギフト、そしてお便りを随時募集しております。
そしてお便りも頂いております。
kinasaさんからギフトと一緒に頂きました。
ありがとうございます。BGMです。
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。はじめ人間ゴンです。
kinasaさんのお便りです。
いつも楽しく聞かせて頂いてます。
感情は自分で選んでいる。同感です。
私が良かったじゃんと思った経験を一緒にした人が、つまりバカにされてるのよ、最低などと真逆の反応をすることがよくありますので。
ということで、kinasaさんどうもお便り。ありがとうございます。
こちらはですね、この間2つぐらい前ですかね、に配信した感情選択主義というタイトルのエピソードについてのお便りでございます。
どうもありがとうございます。
まあそのままですけどね、感情っていうのは自分が選択してて、
物事は本来的に悲しいとかね、楽しいとか、あるいはムカつくとかね、そういった性質を持っているわけではなくて、
自分でそういうのを選んでるんだっていうようなお話をしたんですよね。
ただまあ、言うはやすし清し、行うは形で利のっていう言葉にあるように、言うのは簡単なんですよね。
それが理想なのかもしれませんが、こっちのモチベーションというかテンションとしてね、そういう態度を目指して生きていきたいみたいなお話をしました。
前回も言いましたけどね、自分ができているわけではないです。
全ての物事にフラットに向き合えているかとかね、ムカつく出来事がないのかとか、そういう話になると全然だと思いますが、
そういうマインドっていうのをね、少しでも持って生きていけたらなと思います。
全く物事に左右されないのも、それはそれでどうなんだっていうのはありますしね。
なんか、透かして物事見てるっていうのも、それはそれで人生楽しめてない気がしますんでね。
まあ、いい塩梅で生きていけたらよろしいんじゃないでしょうか。
ただまあ、人間の思経の癖というかね、考え方感じ方の傾向っていうのは、いろんなものに影響されてますよね。
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当然それは、社会とか文化っていうね、自分らが生まれ育った環境によるものもあれば、
あるいは個人的な体験とか経験によって、いい意味でも悪い意味でも、いろんな物事についてね、何か先入観を持ってしまったりすると思います。
そういう考え方の癖みたいなのが、科学的に説明できる場合もあるんですよね。
僕がね、最近知ったのは、認知的不協和という、広い意味では認知バイアスと言われるもので、考え方の癖みたいなものですね。
これは言語学はあんま関係ないんですけど、この認知的不協和っていうのは、どういったものかというと、その名の通り不協和っていうかね、
自分の本音と自分の行動っていうのがマッチしてないと、自分の認知というか考え方が歪んでしまうっていうようなことがあるようです。
実際に行われた具体的な実験の話をすると、学生につまらない単純な作業をさせて、アルパイト代として報酬を渡したそうです。
ただその報酬が、1ドル渡されたグループと20ドル渡されたグループとに分けられたそうです。
20倍そこに差があるわけなんですね。
で、そのつまらない作業をさせた後に、別の参加者に今やってた作業が面白かったと伝えてくださいと指示したそうです。
本当はつまらない作業だったけど、面白かったと伝えてくださいと。
さらにその後に、今後の実験の改良のためにアンケートを取って、その課題の面白さっていうのを評価してもらったそうなんですね。
その結果がかなり面白くてですね、さっき言ったように1ドル報酬を与えられたグループと20ドル報酬を与えられたグループがいたわけですが、
それで、その単純な作業がね、退屈な作業が面白かったかどうか聞かれた時に、
普通だったら多く報酬をもらっている方がその課題に、何て言うんですかね、前向きな意見を出しそうなもんですよね。
面白かったと答えそうなものなんですが、実際は報酬が少なかった、1ドルしか報酬がもらえなかったグループの方がその課題、単純な退屈な作業を面白いと評価したそうです。
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20ドルのグループの方はそうでもなかったんですね。特に面白いとは感じていないという結果になったそうです。
今のがうまくまとめて話せたかどうかわかりませんが、これはどういうことかというとですね、
実際は退屈でつまらない作業で、本音はつまらないと思っているんですよね。
その後別の参加者に面白かったよっていうふうに伝えたわけです。
これは1ドルのグループも20ドルのグループも同じなわけですが、
そこに自分の本音と自分の行動に不協和が生じてるんですよね。
本音はつまらない、でも言動としては面白いと言っているということで、そこにちょっと乖離っていうのがあるわけなんですね。
20ドルの奉仕をもらった人は、自分は20ドルもの退金をもらっているから面白かったと言っているだけだっていうふうに、
ある意味帳消しができるんですね、その不協和。
面白かったと言っているのはお金のせいであって、自分は本当はつまらないと思っているっていうのが、ある意味お金によって解決されます。
一方1ドルしかもらってない方のグループは、その不協和を解消することができないんですよね。
本音はつまらないと思っている、言動では面白いと言わなきゃいけない。
そこの不協和を解消するために、本音の方が引きずられちゃうんですね。
自分は本音で本当に面白いと思ったから、面白いという言動をしたんだっていうふうにそっちに引きずられちゃって、
本当は退屈でつまらない作業であるはずなのに、行動の方に引きずられてしまうということです。
この実験はね、いろんな意味で試作的ですよね。
ある意味これは行動に思考が引きずられるっていうことでもあるので、
そういう意味でも参考になりますが、別の面から見るとかなり危険な側面もあって、
例えばブラック企業に勤めている人がなかなか辞められないっていうのも認知的不協和。
本音と行動の不一致によるものだっていうことができて、
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今言ったね、実験と同じようなことですけど、
仕事がつらいとか給料が少ないっていう、そういう本音っていうのがあるわけですが、
一方で行動としては仕事を続けてるんですよね。
本音は仕事をやりたくないと思っているのに、行動としては仕事を続けてる。
これもやっぱり本音の方が引きずられちゃって、仕事を続けている理由をそれに沿って本音っていうのを変えてしまうんですね。
自分は仕事が好きだから、面白いと思っているから仕事を続けてるんだっていう風に、
そういう本音の方を歪めることで、思考と行動の不協和っていうのを解消してしまうんですね。
なので、はたから見れば辞めればいいじゃんって思うことでも、
自分の中でそういうふうに歪めて理由付けすることで仕事を続けているっていうことがあるそうです。
我々は何となく自分の思考に基づいて行動してるっていう風に考えて行動みたいなね、そういう順序を考えてしまいますが、
その思考と行動に不協和があった場合、行動の方に思考が引きずられてしまうということもあるということで、
それは良いようにも使える気はするんですが、
ブラック企業の例みたいに取り返しのつかないことにもなりかねないという、そういったお話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローもお忘れなく。
お相手は深夜十五でした。
またねー。
10:59

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