1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #308 言語学とは何(ではない..
2021-05-17 08:56

#308 言語学とは何(ではない)か? from Radiotalk

ら抜き言葉のトーク
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:01
始まりました、志賀十五の壺。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
いつも聞いてくださっている方はご存知でしょうし、初めて聞く方は知らないでしょうけど、
この番組は言語学の番組となっております。
まあ言語学ラジオみたいなね、番組名の後にそういったことをつけたりしています。
というわけで、今日のトークはですね、大胆に大きく言語学とは何かっていうね、そういったお話をしようと思います。
まあこういうのは往々にしてよくあることですけど、〇〇とは何かっていうのを定義するのにですね、
逆に〇〇ではないものは何かっていうのを言ってしまった方が、かえってわかりやすいみたいなことがあるので、
今回のトークもですね、タイトルにあるように言語学とは何でないかっていうね、こういった視点で考えていこうと思います。
まあよくね、世間一般に誤解されているようなところがあると思うので、そういったところをね、中心にお話ししていこうと思います。
今日お話しするのは3つですね。3つ〇〇ではないっていうね、3つの否定で言語学っていうのを、
ある意味ネガティブに定義してみようっていうことをですね、1つは規範ではないっていうことですね、規範ではない。
2つ目判断しない。3つ目こじつけないっていうことでね、あんまり一貫性っていうのはないなと思うんですけど、1個ずつ見ていこうと思います。
まず1つ目はですね、言語学とは規範ではありません。こうしろああしろっていうふうになんか押し付けるような学問ではないんですね。
これはよく誤解されていることだと思うんですけど、言語学とかあるいは文法って言ったときにですね、
例えば日本語文法と言ったときに日本語文法というものがあらかじめあって、
でその日本語文法という規範というかね、ルールに日本語母語話者は従うべきだみたいな考えがあるとか、
でそういうことを言うのが言語学者だみたいなふうに思われているかもしれませんが、そんなことは全くないですね。
ほとんどの言語学者はそういうふうには考えてないと思います。
例えばら抜き言葉とかありますよね。食べれたっていうのをちゃんとらを入れて食べられたと言えみたいなね。
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そういう何々すべきだっていうような学問では全くございません。
むしろですね、ら抜き言葉みたいな一見ルールを逸脱しているようなものの中に研究に値するようなものがあるっていうのはよくあることなんですよね。
ら抜き言葉っていうのはまさにそういうもので、ら抜き言葉について話したトークも過去に撮っているので、
探してリンク貼っておこうと思うのでそちらも興味のある方聞いてみてください。
というわけで一つ目はですね、言語学とは規範ではないということです。
二つ目、言語学は判断しないっていうことですけど、
まあこれも一つ目の規範ではないとちょっと連続しているところはありますね。
例えば良い悪いみたいなものはないんですね。
こういった言い方よりもこういった表現の方がいいので、
こっちの表現使えとかね、あるいは美しい美しくないみたいなのも言語学は関わりません。
例えば美濁音っていうのが日本語にはあるとされていて、
聞いたことある方もいらっしゃるかもしれませんけど、
ガギグゲゴっていうこのガ行の発音をガギグゲゴっていう鼻に抜ける発音にした方がより美しいっていうふうに言われてるんですね。
でこの美濁音についてのトークも過去に撮っているので興味のある方聞いていただきたいんですけど、
言語学はそういった美濁音を美しいとかっていうことは決してないんですね。
言語に美しいも美しくないもないと考えていると思います。
あるいは美しい日本語とかね、
もっと言うと美しい大和言葉を使いましょうみたいなことが言われたりします。
この大和言葉についても確か関連トークがあるんですけど、
そういったことについても言語学は関心がないと思います。
もし美しい日本語っていうものがあるとしたらそれは気のせいですね。
美しいと思っているから美しいだけであって、
それは好きにしたらいいんですけど言語学はそういったことには関わらないと思いますね。
というわけで言語学ではないものというか言語学がやらないことの2つ目は判断しないということでした。
最後3つ目ですけど、言語学はこじつけないということですね。
これはこじつけないっていうのも雑な言い方ですけど、
これはね漢字の成り立ちとかでよくあることなんですね。
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もっと言うと金八先生がよく言ってるやつですね。
よく言ってるかどうかわかんないですけど、
人という字は人と人が支え合ってどうのこうのとか、
他にも探せばこういう漢字の成り立ちみたいなのをそれっぽく言ってるものが大量にあるし、
皆さんも聞いたことあると思うんですけど、
それもまた言語学ではないですね。
漢字を覚える暗記の手段としてそういうのは使ってもいいし、
あるいは教訓的な意味でそういうのを用いるのは全然構わないんですけど、
言語学とは全く関係ないですね。
あとはねこじつけてるので言うと、
日本語の名前っていうのと英語のネイムっていうのは非常に音が似てる。
だからもともと日本語と英語は共通の祖先に遡れるんだみたいなね、
そういった話もあったりするんですけど、
それもこじつけですね。言語学ではありません。
こういったことを大真面目に言って実際本になってたりするんですよね。
日本語とラテン語っていうのが共通の祖先に遡れるんだみたいな本が実際あったりするんですけど、
これは言語学ではありません。これはこじつけですね。
あるいはある言語をその文化や和社の民族性みたいなものと結びつけるのも結構難しいですけど、
こじつけであるものが多いんじゃないかなと思います。
なので語源とかね、その文化と結びつけて言語を論じる時っていうのは、
特に慎重にならないとただのこじつけになってしまうんですよね。
実際そういったものが巷にあふれているということですね。
というわけで今日のトークは言語学とは何かっていうのを、
言語学ではないものっていうのを見ることによって少しでもわかっていただけたらなというお話でした。
一つは言語学は規範ではないということ。
ルールを押し付けるようなものではないということですね。
二つ目は言語学は判断をしないということ。
いいも悪いも美しいも汚いもないということです。
三つ目は言語学はこじつけないということですね。
それらしい説明はあったりするんですけど、
特に漢字の成り立ちとか文化との相関とかね、
そういったものは注意が必要だというお話でした。
よろしかったら関連トークも聞いていただけたらと思います。
ではまた次回お会いいたしましょう。ごきげんよう。
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