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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
男塾塾長、枝島平八です。
今回のトークは、言語の多様性っていうことをね、テーマにお話ししていこうと思います。
言語っていうのは、世界で今7000とか8000ぐらい話されてると言われてるんですけど、
その中には、一つの共通の祖先に遡れるものもたくさんあるんですね。
この番組でも取り上げたことがあるのは、インドヨーロッパ語族とかですね。
これはその名が示す通りですね。
まずヨーロッパの言語が、ほとんどがね、含まれます。
英語をはじめとして、フランス語とかドイツ語とかイタリア語とか、
我々がぱっと思い浮かぶヨーロッパの言語はここに含まれます。
で、こういう語族っていうのは、何もインドヨーロッパ語族に限ったものではないんですね。
いっぱいあるんですけど、
その中で最も言語の数が多い語族は、ニジエルコンゴ語族と言われる言語の家族ですね。
これは強調しとかないといけないのは、言語の数であって、
その言語を話している話者の数ではないということですね。
で、ニジエルコンゴ語族っていうのはどこで話されてるかっていうと、
アフリカの下半分っていうかな、サハラ砂漠以南っていう言い方をするんですけど、
アフリカ大陸の南半分で話されてるような言語が含まれます。
具体的にはツワヒリ語なんかですね。
で、この語族に含まれる言語の数が1535らしいです。
これは僕がね、今参照しているのはエスノローグというサイトなんですけど、
これ非常に面白いサイトで、言語についていろんなことが学べるので、
よろしかったらね、概要欄のリンク飛んでいただけたらと思います。
一番言語の数が多い語族はニジエルコンゴ語族で、
2番目はオーストロネシア語族と言って、
これはインドネシアとかマレーシアとかフィリピンとか、
あるいはハワイとかニュージーランドとか、
こういう、ざっくり言えば太平洋の島々の言語の家族ということになります。
で、このオーストロネシア語族も1225というね、1000を超える言語が含まれています。
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3番目に来るのがトランスニューギニア語族、
4番目がシナチベット語族、これは中国語なんかが含まれるもの。
5番目にインドヨーロッパ語族が来るんですね。
インドヨーロッパ語族の次に来る6番目に言語の数が多い語族はアフロアジア語族と言って、
これはアラビア語とかヘブライ語なんかが含まれる語族です。
今言った6つの語族ですね。
ニジェルコン語、オーストロネシア、トランスニューギニア、シナチベット、インドヨーロッパ、アフロアジア、
この6つの語族で世界の言語の3分の2を占めるらしいんですね。
ちなみに日本語はどの語族にも属してません。
正当不明の言語ということになってます。
日本語もそうだし、アイヌ語も韓国朝鮮語もどっかの語族に属すっていうわけではないんですね。
で、話者数で言うともっと凄まじくて、
世界の全人口の6分の5が今挙げた6つの語族のいずれかの言語の話者ということなんですね。
日本語母語話者は1億人ぐらいいるから、かなり大きな例外ということになりますけど、そういうことになってます。
今日メインで取り上げたいのは、言語の数が3番目に多い語族、トランスニューギニア語族ですね。
これはパプアニューギニアで話されている言語の語族なんですけど、
これも強調しとかないといけないんですけど、
パプアニューギニアで、あの島ですね。
西半分はインドネシア領ですけど、行政的には。
あのパプアニューギニアという島で話されている全ての言語が、このトランスニューギニア言語に含まれるわけではないんですね。
あの島には何十という語族があるんですけど、そのうちの一つがトランスニューギニア語族ということなんですね。
パプアニューギニアというあの島は、世界で最も言語の多様性が観察される地域といっていいと思います。
その中の一つの語族がトランスニューギニア語族なんですけど、
そのトランスニューギニア語族も含めてですね、800以上の言語が話されていると言われています。
世界中の言語をひっくるめると8000ぐらいとか言われているから、
だいたい1割ぐらいがあの島で話されているということになるんですね。
それだけ多様性に富んでいるということです。
そんな中でも今回はオクサプミン語っていう言語の数の数え方をご紹介しようと思います。
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このオクサプミン語っていうのは、今までずっと話してきているトランスニューギニア語族に属す言語なんですけど、
数え方っていっぱいありますよね。
我々が慣れ親しんでいるのは実信法で、10まできたら位が変わるわけですけど、
12信法っていうのもあれば6実信法っていうのもあるし、
コンピューターは1と0しか使わない2信法というのを使っているわけですよね。
オクサプミン語っていうのは体の部位を数字に当てはめて数えていく言語なんですね。
我々日本語母語話者だって指を折っていったりして数を数えるわけなんですけど、
オクサプミン語は指だけじゃなくて、
まず親指から始まって反対側の親指に着地するっていう数え方をします。
ということは実信法なんだと思われたかもしれませんけど、そうではなくてですね、
右の親指から右腕を通って顔面を経由して反対側の腕を経由して親指に着地するっていう、
27信法って言えばいいのかな。
つまり親指から反対側の親指まで体を27分割してて、
具体的に言うと親指から人差し指、中指、薬指、小指、ここまではまあいいですよね。ここまでで5です。
次に手首、前腕、肘、上腕、肩、首の横、耳、目、で鼻まで来て、ここで真ん中です。
鼻が14番目です。で折り返して反対側の目、反対側の耳、反対側の首の横とこうだんだん今度は下っていってですね。
なんて言うんですか。逆再生的に下っていって最後親指で27。
こういう数え方をするんですね。 でこの数字っていうのが今言った体の部位と密接に関わっていて、
例えば8っていう数字は肘っていう単語と関わっていると、
で真ん中の14っていう数字は鼻と密接に関わってるっていう、まあそういう数え方のシステムなんですね。
これはなかなか面白いですよね。日本語だったらまあ片手で両手も使うか、
10ぐらいまでだったら指とその数字っていうのがある程度関わってると言えるかもしれないけど、
オクサプミン語の場合は密接度の比が半端じゃないっていうかな。
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22って言ったら反対側の手首と密接に関わってるってことなので、
ちょっとそういう数字的な感覚っていうかな、は日本語母語話者にはないものですよね。
指だけじゃなくてね、上半身を丸々使って数字を数えてるっていう、そういうオクサプミン語のお話でした。
本当はねもう一個別の言語の話もしようと思ってたんですけど、
時間がなくなっちゃったのでまた別の機会に譲りたいと思います。
というわけで今回のトークはパプアーニューギニアの言語、特にトランスニューギニア語族のオクサプミン語のお話でした。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。また次回のトークでお会いいたしましょう。
お相手はシンガ15でした。