1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #423 言語の「格」ってなあに..
2022-03-08 10:30

#423 言語の「格」ってなあに?? from Radiotalk

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「動作を行う人」ですね。

関連トーク
格助詞のトーク
https://radiotalk.jp/talk/368885

参考文献
『日本語のシンタクスと意味』 (寺村秀夫、くろしお出版)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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志賀十五の壺です。さて、今回のトークは、格っていうものについてお話ししようと思います。
格。結構ね、この番組は言語学についての番組なので、平気で格助詞とかね、そういう用語っていうかね、
専門的な言葉を使ってしまうことがあるんですけど、格。
日本語の場合は、名詞にくっついて、助詞として現れるものですね。格助詞と言われるもので、
がとか、をとか、にとか、でとか、えとか、といったものをですね。
で、こういったものは何をしているかというと、述語。述語は動詞であることが多いですけど、
その述語に対して、名詞がどういう関係を持っているかっていうのを表すのが格助詞ということになっています。
で、この格っていうのは形の問題で、まあこの話はおいおいやっていきますけど、
例えば、がっていうのは主格というふうによく言われますね。で、をっていうのは対格。
あとはにっていうのは予格みたいに言われることもあるんですけど、
まあこれは、なんていうかな、日本語の話だけするんだったら、
単純にが格、を格、に格っていうふうにね、そのものの名前で呼ぶこともあります。
で、今回もそういうふうにやろうかなと思います。
あんまりね、専門的な言い方しかって、まあしゃあないことはないんですけど、
まあ主格とか対格っていう言い方をしたほうが、他の言語と比べるときに便利っていうのはあるんですけど、
まあ今回もどうせ日本語の話が中心になると思うので、が格、を格、に格、あとはで格みたいな言い方で進めていこうと思います。
さっきも言ったように、その述語に対してその名詞がどういった関係を持っているかっていうのを表すのが格、あるいは格助詞のやっていることなんですけど、
まあその内実っていうかね、表している意味っていうのはよく見ると様々なんですよね。
例えば同じがで表していると言っても、俺が行くって言った時のがと、彼が知っているって言った時のこのが、形は両方同じが格というものが使われてますけど、
その表すところっていうのは微妙に違うんですね。
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確かにね、両方人間を表しているわけですけど、俺が行くっていうのは何かその動作を表す人を表してますよね。
で彼が知っているっていうのは、その知っている人、こういうのを経験者とか言ったりすることもあるんですけど、行くみたいなね、そういう動詞と違って何か具体的な動作をするわけではないですよね。
ただ同じが格で表されています。
まあただこのくらいの違いだったらね、大した違いはないと思われるかもしれませんけど、
例えばでっていうね、で格と言われるものは、で格がつく名詞っていうと、皆さんどうですかね、どういった名詞を思い浮かべますかね。
東京で開催されるみたいに場所を思い浮かべる方もいれば、
トンカチで粉々にしたみたいに道具を思い浮かべる人もいるかもしれません。
つまりで格っていうのは場所を表すこともあれば道具も表すこともあるんですね。
でも我々は、なんて言うんですかね、日本語を使っている中で、この2つがごっちゃになることはほとんどないんじゃないかと思います。
というのが、そのでの前に出てくる名詞が東京みたいにも場所ってわかってるし、トンカチみたいに道具ってわかってるので、
まあある意味でがあってもなくても場所か道具かっていうのはよくわかるわけですよね。
他にも2っていうのも結構多義的なんですね。2角。
これも東京に行くみたいに、そのなんて言うんですかね、動作の終着点、ゴールを表すこともあれば、
東京に建てられたみたいに動作が行われる場所を表すこともあります。
あるいは、彼に殴られたみたいに、これは動作集ですよね。何か動作をした人を表すこともあるんですね。
まあ特に受け身分の場合ですね、受動体の場合に彼に殴られたみたいに言った場合は、この2っていうのは普通動作集として解釈されます。
こういうふうに2角は場所も表すし、受動体では動作集を表すこともあるので、
特にね、作成動詞とか言われる何か作り出すような動詞の場合、動作集は2によって表せないんですね。
これはどういうことかっていうと、山口に殴られたって言った場合、これは山口っていう人が殴った、つまり山口イコール動作集っていうことですけど、
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これが殴るみたいな動詞の場合はいいんですけど、作成動詞で山口に建てられたといった場合、この山口は山口県とかそういう地名として解釈されると思います。
もしこの山口に建てられたっていうのを動作集を表したいんだったら、山口によって建てられた、こう言ってしまえばその山口が建てた人であるっていう解釈になるんですね。
なかなか面白いですよね。
場所も表せば、道具も表すで格っていうのがあったり、同じように場所を表せば、動作集も表すに格っていうものがあったりして、
本来だったらね、もっとそれぞれに別個の格助詞があってもいいんですけど、少ない格助詞で日本語は割とやりとりしているということです。
なんでそういうことが可能かというと、さっき言ったように名詞の意味である程度わかるからということですね。
ただ、その名詞が初耳の場合、全然知らない名詞の場合は曖昧性が生じることがあります。
東京で食べたっていうのと、箸で食べた。
まあこれ両方、東京も箸も知っている単語なので、それぞれ場所と道具を表しているっていうのはわかるんですけど、
ペッポポで食べたって言った場合、このペッポポっていうのは地名なのか?それとも何か食べるための道具なのかっていうのはわかんないんですね。
一応そういう曖昧性が生じ得るということですね。
こういうふうに各助詞がやってるっていうことは、述語、主に動詞のことが多いんじゃないかなと思うんですけど、
その述語に対する名詞の持っている関係を表しているということなんですね。
注意が必要なのは、和っていうのがありますよね。
日本語でもやたらめたら出てくる和。このトークの中でも出てきてるはずです。
和っていうのは各助詞ではないんですね。
あれは係助詞というもので、また別個の助詞のグループに属すものです。
というのも各助詞って普通、相互排他的っていうか、一緒には出てこないんですね。
東京にでとか、俺がをとか、できないわけなんですけど、和っていうのは各助詞と競技できるんですね。
東京では、彼には、みたいにね。
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注意が必要なのは、この和っていうのは、がとをとは一緒に出てこれないんですね。
他の助詞だったら、他の各助詞だったら、今言ったようにではとかにはって言えるんですけど、がは、おはとはなりません。
文語だったらね、石炭オーバー、早摘み、破鉄みたいにオーバーっていう風に一緒に出てくることはあるんですけど、
もう現代日本語では、がとおは和と一緒に出てきません。
和だけになってしまうんですね。
だから、俺は本を読んだって言った場合は、がっていうのが和で隠されてるし、本は俺が読んだって言った場合は、をっていうのが和で隠されてるっていうことなんですね。
なので、和っていうのは各助詞ではないっていうのをね、ちょっと強調しておこうと思います。
なんか変に知識があるだけに、和という各助詞がとか、ついつい言ってしまう人もいたりするんじゃないかなと思うので、
今日はね、それだけでも覚えていただけたらと思います。
というわけで、今日は日本語の各助詞のお話でした。
まあ、他の言語と比べてみても面白いと思うんですけど、ひとまず日本語のお話ってことでね。
では、また次回のトークでお会いいたしましょう。
お相手は、志賀十五でした。
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