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志賀十五の壺です。僕の偏見としてね、ディズニーアニメで育ったグループ、人たちと、ジブリアニメで育った人たちがね、いるんじゃないかなと思います。
で、大きくこの2つに分けられるんじゃないかなって、まあそういう偏見を持ってるんですよね。もちろん両方見たことある、あるいは見たことない人もいると思うんですけど、
まあどっちかに人間って分けられるんじゃないかなと思ってるんですよね。まあ日本人だったらっていうことですけど、そういう点で言えば僕は完全にジブリ派ですね。
ただ、ディズニー映画も見たことないわけではないし、むしろよく見てる方だと思います。有名どころは大抵抑えてるんじゃないかなと思うんですけど、
まあ子供の頃を振り返ればどちらかというとジブリの方がよく見てたんじゃないかなと思います。ジブリとピクサーってなんかよく似てるし違いがよくわかんないってね、思う方いらっしゃると思います。僕を含めね。
まあ大まかに言って歌うのがディズニーで、別に歌わないのがピクサーっていう解釈で多分いいんじゃないかなと思います。そんなディズニー映画、ディズニーアニメの中で僕が最も好きなのは、まあアラジンかなと思いますね。
見たことある方はご存知だと思うんですけど、笑いやり涙あり、コミカルでテンポもよくて、すごくいい映画だと僕自身思っていて、最近でもないかな、実写化もされましたよね。そちらも僕は見て、どちらも楽しめました。
で、そのアラジンはディズニーアニメなので歌うんですよね。で、いくつか歌が出てくるわけですけど、ホールニューワールドとかね。で、その中でランプの星、ランプの魔人のジーニーっていうキャラクターが登場したときに歌うフレンドライクミーっていう歌があるんですね。
日本語版だと山寺浩一さんが歌っています。 実写版だとね、ウィルスミスが歌ってるわけなんですけど、このフレンドライクミーのフレーズの中に、
You ain't never had a friend like me っていうのがあるんですね。 このフレーズって結構興味深くてですね。
これ否定が2回出てきてるんですね。 You の後の ain't っていうのは、これ not を含んだ否定だし、
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で、その直後に出てくる never っていうのも当然否定ということになっています。 いわゆる二重否定ということになっているわけですね。
というわけで今回のトークはこのフレンドライクミーのフレーズに出てくる 二重否定から話を始めていこうと思います。
このフレンドライクミーのフレーズの You ain't never had a friend like me っていうのは、僕みたいな友達いたことないだろうっていう感じなんですね。
確か日本語版もそんな歌詞になってたんじゃないかなと思います。 これの何が面白いかっていうと、否定が2回出てきているのに意味はそのまま否定であるっていうことですね。
どういうことかっていうと、 否定が2回続くってことは、否定の否定なので、
コインの裏の裏は表っていう感じで、肯定になるはずなんですよね。 日本語で考えてみると、僕みたいな友達いたことがないことはない。
つまりいたことがあるっていうことになりますよね。 教科書的な英語だと二重否定は肯定ということになっているんですけど、この You ain't never had a friend like me っていうのは、
そのまま否定ということになっているんですね。 こういうふうに見た目は2回否定が出てきているけど、意味はそのまま否定であるみたいなのは、
AAVEという英語の編集の特徴と言われています。 これはアフリカンアメリカンバーナキュラーイングリッシュの頭文字を取ったもので、
まあいわゆる黒人の人たちが話している英語ということになっています。 言語学では黒人英語っていう言い方はしないんじゃないかなと思います。
おそらくそのままAAVEという言い方をすると思います。 で、このAAVEにおいて、二重否定はそのまま否定を表すってことになってるんですね。
他にもAAVEには面白い特徴があって、 そもそもこの ain't っていうのが
あまりなじみがない、見たことがないっていう人もいらっしゃるかもしれません。 まあ洋学なんか聞いてると結構出てくるんじゃないかなと思います。
これも黒人の人たちが話すAAVEの特徴であると言われてるんですね。 これは何かっていうと
be 動詞プラス not あるいは完了の have プラス not の短縮形っていうことになってるんですね。
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まあ学校で習う英語だと are not とか is not っていうのは aren't とか isn't っていう形がありましたけど、
am not はないですよね。 AAVEにおいてはこういう be 動詞の形が何であれ
be 動詞プラス not は ain't あるいは 完了の have プラス not も ain't っていう形になるんですね。
でこのフレンドライクミーの中のフレーズの ain't は have プラス not ですね。いたことないだろうっていう
いわゆる現在完了を表しています。 でこの完了についても AAVE は面白い形を使っていて、
今言ったように教科書的な英語では have プラス過去分詞形っていうのが完了を表すわけなんですけど、
AVE においては 完了っていうのは done っていうのを使うんですね。
have プラス過去分詞形の代わりに done プラス過去分詞形が用いられるということなんですね。
今言ったように AVE っていうのは文法的に教科書的な英語と、
いわゆる標準的な英語と異なる特徴がたくさんあるし、 あるいは音声的にもね異なる特徴を持ってるんですね。
なので AVE っていうのは英語の編集ではあるんですけど、一つの別個の言語として分析がされます。
ただ、歴史を振り返ってみるとね、そういう一つの言語として見られていたっていうわけでもなくて、
やっぱりね標準的な英語ではないっていうことで劣った言語みたいな見方をされていた時代もありました。
AVE っていうのはさっき言ったように African American Vernacular English っていうことなんですけど、この vernacular っていうのは話し言葉のとか口語のっていうことなので、
まあ書かれることがないし、学校で教えられることがないような言語だったんですね。 どうしてもねそういう言語って
劣ったものと見られがちなんですよね。 日本語の中でももしかしたらそういう風潮は未だにあるかもしれません。
書き言葉っていうのはある意味規範的なちゃんとした言語っていう意識が強くて、 それとは異なるものは
劣った言語だっていう見方が、 あるいはちゃんとしてない言語っていう見方がねされるんですよね。
まあそういった話は過去にしているので、 関連トークも合わせて聞いていただけたらと思います。
今日お話しした AAVE に加えて、英語って様々な編集が見られますよね。 当然それは広い地域で話されているので、その土地土地でいろんな独自のね
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特徴を有しているということです。 まあそういう英語の中の違いっていうのを
学んでみるっていうのも一つ面白いところではないかなと思います。 というわけで今日のトークはアラジンで
出てくるフレンドライクミーっていう歌の一節から、 黒人の人が話している AAVE という英語の編集についてお話ししました。
また次回のトークでお会いいたしましょう。 お相手は志賀十五でした。