新作落語の楽しさ
シェアする落語の四家です。
たった今ですね、11月10日日曜日、神田連雀亭ワンコイン寄席行って参りました。
トップバッターが三遊亭金の助さん、初めてかな、多分初めてだと思うんですけど、
眼鏡外すと中村獅童に似ている、中村錦之助じゃない三遊亭金の助さん、
演目がですね『定年親父とミニ四駆』というですね、新作で、面白かったですね。
ミニ四駆っていうね、結構もう何十年とスタンダードになっている題材ですよね。
ここに定年を過ぎて暇になった男性を絡めて、いい感じの芸協っぽさというかね、
芸協っぽさというか、米丸師匠みたいな、穏やかな中にしっかり笑えるみたいなところがですね、ある。
味わいもあるし、題材はすごく目新しいし、爆笑できるところは爆笑できるみたいなところがあって、とても好感が持てました。
続いて、我らが立川寸志さんですね。
この後に春風亭昇輔さんが出てくるので、こういう時は書けるネタを選ぶのが難しいということで、
秋冬物の怪談という珍しいネタですということで、『おすわどん』。
もうこれはね、もともとも絶品でございますから、とにかくあの、何でしょうね、番頭でしたっけ、
火の中水の中って言っているところで、いきなりあの幽霊の正体を確かめてくれると言われて、暇をいただきたいみたいな、その切り替わるところですね。
あとそれから、幽霊の正体が見えて、侍がハッとなっているところ、あの辺に持っていくまでなんですよね。
そこに持っていくまでの、なんでしたっけ、襷十字に綾なして、でしたっけ、ああいうですね、この語りでこう、例えば侍がね、その戦いの準備をするみたいなところの、
ああいうところの地語りのリズムで、ずっとそのセリフまで持っていくあたりがね、僕は大好きなんですね。
寸志さんの技術の確かさを、こういう短い噺でもしっかり味わえて楽しかったです。
そしてですね、春風亭昇輔さん。この方の『ワンダーマジック』とか『コールドスリープ』とか、新作が僕は大好きなんですけども、
ワンコイン寄席の魅力
今回もすごいの来ちゃいましたね。『ミステリアス ルイ』という噺なんですが、もうまくらから絶好調でワンワン沸かせていたんですけども、
そこにですよ、これすごい噺ですね。ただ、面白い新作でよくある話なんですけど、本当にネタを割りたくないんですよね。
ただ、やっぱりものすごい才能だなって思うのは、噺の中に詰まっている情報量というか要素がいっぱいあるけど、それが全然混雑してない、非常にスムースにつながっていくんですね。
あげてみますよ、警察一日署長、相撲部、元相撲部、アイドル、レッスン、イベント、酔っ払い、刃物、これ全部入ってます。
こんなに一緒のものがいっぱい詰まっているのにそれが一連の話としてスーッと聴けてしまって、もう腹よじれるぐらいの爆笑、しかも高座にただ座布団に座っているだけじゃないアクション、これも僕はネタ割りません。
三遊亭白鳥師匠のような自由な発想、自由な所作、自由すぎる所作、これが非常に良かったですね。
ほのぼのと楽しい新作、しっかり古典落語の魅力技術を伝えてくれる古典、そして破天荒で現代的な新作、この3本揃って500円ってどうですか、奥さん。
いやもう本当にワンコイン寄席というのは一回500円なんですから、通ってみてこうやって面白いとんでもない回に巡り合うこともすごくよくあるんですよ。
昔の深夜寄席が500円だった頃にここで成金で大ブレイクしていたわけですけども、そういう熱みたいなものは今はワンコイン寄席にあるんじゃないかなと、もっと(客が)押しかけていいというふうに思います。
本当に3人3席ともとっても面白かったです。シェアする落語の四家でした。ではまた。