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はい、シェアする落語の四家です。
追悼のおしゃべりをします。
追悼のおしゃべりってのはね、どうなんだろう。
桂米丸師匠、亡くなられたとのことです。
99歳、数えで100歳、大往生でしょう。
素晴らしい人生だったと思います。
まあ、とにかくずっと売れっ子で、ずっと現役であり続けた人ですからね。
僕が落語好きになった原因のきっかけの
一人になった方だと思います。
立川談志、桂枝雀、桂米丸、この辺りはね、ずっと僕が小学生の頃ラジオでよく聞いてました。
宇宙戦争とかね、星新一のSFを落語に仕立てたやつ、面白かったですね。
で、そうやって子供の頃にラジオで聞いてた人を、末広亭の寄せで聞くっていうのがね、またね、
感慨ったらやりゃしないんですよ。
で、何がすごいって、その時にもう米丸師匠90歳過ぎてるわけです。
90歳過ぎて新作作ってるんですよ。
ドローンの、ドローンで出前が来るっていう話。
これね、僕は雷門音助さんの二ツ目昇進の時に末広亭見に行った時に、仲入り前が米丸師匠だったんですけど、
もうね、あの、正座はできなくてね、折り畳みの踏み台みたいのを椅子にして、
釈台立てて、その上にマイクを置いてやってらっしゃいました。
でもね、しっかり聞こえてくるし、何しろ作ってるんですよ。
なんかこう、人間の可能性っていうのは無限なんだなっていう。
90歳過ぎてもまだ創作に取り組むんだなって聞いた話なんですけど、その90歳過ぎて新作作って2つ目に聞かせてダメ出しさせてたらしいんですよね。
何だろうなこの人はというふうに思います。
ちょっと凄すぎて、その人間の可能性の凄さを知らされすぎて、なんかもう悔しいですよね。
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僕はもう還暦前にすでにへばっているというのに、90歳過ぎてなおも新作を作り続けた。
そしてね、おしゃれなんですよ。着物もさることながら、立ちで漫談やることもあって。
服のスーツのセンスがおしゃれでね、男が90歳過ぎてもこんなにおしゃれになれるんだなっていうようなふうに思いました。
コロナあたりからですかね、寄席は寄席というか、引退された、引退状態でどこか施設に入られて老人ホームみたいなところなんでしょうか。
そこで他の方々、特に女の方々からも大人気だったって、そりゃそうでしょう。おしゃれだし、めちゃめちゃ売れてた人だし。
米丸さん、米丸さんですごかったんじゃないですか。いやーすごいですね。もうそれこそもう還暦近かった昇太師匠に向かって「若い人はいい」って言ってた人ですからね。
そんなことが言えるのは米丸師匠くらいだったと思いますけど。僕ね、ひとつちょっと引っかかってることがあって、これラジオで聞いた記憶があるんですけど、米丸師匠の新作でね、
旅館に泊まったら、泊まって寝たら壺の夢を見て、起きて襖を開けたらそこに壺があったという夢を見たという夢を見たっていう入れ子状態になっている話を聞いた覚えがあるんですよ。
で、これがすごい落語らしくて好きだったんですけど、サゲがね、すごい気の利いたサゲがあって、何にも解決しないでぶん投げるっていうとっても落語らしいサゲがあって、それを覚えてるんですけど、検索しても出てこないんですよね。
いっぱい新作作ったんで、全部はネット上には載ってないというふうには思いますけど、この新作について壺の夢っていう話かな。何かご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただければなというふうに思います。
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あのね、不思議なんだけど、サゲが粋なんですよ。誰かね、引きついてくんないかな。
まあでもね、大往生であることに間違いないし、いきなり亡くなりになったわけではなくて、こういう日がいつか来るであろうということはお齢から考えて、さすがにね、みんな想像していたことだと思います。
本来なら残された側のショックは軽いはずなんですけど、でも寂しさは募るというあたりが、その人の存在の大きさなんだろうなというふうには思います。
桂米丸師匠、僕を落語好きにしてくれてありがとうございました。
というわけで、シェアする落語の四家でした。ではまた。