落語会の概要
はい、シェアする落語の四家です。8月31日、深川東京モダン館で圓橘の会を楽しんだ後、ちょっと時間を潰してから、
東西線で門前仲町から飯田橋、飯田橋から有楽町線で、西武線に乗り換えて、
駅前のゆめりあホールでですね、第5回談吉さんとカモさんの落語会、行ってまいりました。
前々から行きたかった会だったんですけども、だいたい平日開催で大泉学園ということで、なかなか足が運べなかったんですが、今回土曜日ということで初めて行ってまいりました。
開口一番は、立川笑王丸さん。僕は今一番推している前座さんの一人、立川談笑師匠のお弟子さんですね。
ネタは『松竹梅』。うん、今回も良かったです。
松竹梅「なったなった、蛇になった」という噺ですが「なったなった、蛇になった」で松竹梅の3人がですね、そんなに3人を分けない。
一連のギャグとして見せていくあたりがですね、すごく良かったですね。そこまたオリジナルのですね「マハラジャになられた」みたいなですね、くすぐりを入れてくるあたりもたまらない。
とっても良かったです。あの開口一番の時間にピタッと縮めていたのも良かった。
その後ですね、談吉さんとナツノカモ先生を2人現れてトークということになったんですが、ナツノカモ先生皆さんご存知だと思いますが、一応ご紹介しておくと、もともと立川春吾という名前で、立川談春師匠のお弟子さんでした。
で、ご自身で落語家を廃業されて、落語作家、あと劇団主催で、時々着物を着て自分でも落語をやるという、まあそういう方になられています。
春吾時代からね、すごい人気があってテレビとかも出てたんですが、まあいろいろあって今に至るということですね。
談吉さんから見ると、同じ立川流の兄弟子っていうかね、先輩にあたるのかな。
兄弟子ではないですけども、そんな間柄です。で、この2人が出てきてですね、結構長い時間立ちのまんまでトークをやってまして、
まあこっからしても、なんかその雰囲気がですね、イリュージョンな雰囲気が漂ってるんですよね。
面白いんですけど、面白いんですけど大丈夫かなっていう、心配感も出てきたりするみたいなところですね。
で、ただやっぱり、こういうイリュージョンなノリについて行けるお客さんが集まっているということで、僕も含めてみんな楽しんでたというふうに思います。
ちなみに談吉さんこの日ですね、昼間はなんと新宿末広亭で立川流一門会、余一会ですね。
で、トリが立川志らく師匠で、志らく師匠がランジャタイを膝に呼んだんですけど、ランジャタイ今なんか一人ね、なんか引っかかっちゃって出れなくて、
国崎君だけが、なんかかぶり物して落語みたいなのやったらしい、行ってないからわかんないですけど、まあやったわけですね。
ナツノカモ先生の新作
で、それでランジャタイのお客さんが、まあ結構末広亭を埋めていたところで、イリュージョン満載の『ゴメス』という噺をかけて、これがランジャタイファンに刺さったというような報告がですね、
ツイッターでいろんな方が報告していて、僕としてはしめしめというような感じでございます。ランジャタイも僕大好きです。
で、そんな話もしつつ、夏休みの思い出の話もしつつ、得意なスポーツの話もしつつ、ちなみに談吉さんの得意なスポーツが「やってたらマラソン」だそうです。
やってないのかよというですね、そういうような話をですね、トークでやりまして。その後1席目、1席ずつなんですけども、談吉さんが『とり』、ひらがなで『とり』、これ談吉さんご自身がおっしゃってましたけど人情噺です。
で、確かに人情噺なんですが、このイリュージョン風味の効いた人情噺の新作ですね。ある中年男性とある少年との心の交流を描いた人情噺なんですが、
シーンの大半が空の上で展開するというですね、そういうストーリーで、この2人の会話だけなんですけども、イリュージョン的な面白さがあり爆笑しつつ、やっぱりちょっとね、しみじみもさせるというところで、幅広い層に受けそうな作品になっていたかというふうに思います。
まあね、イリュージョン的に尖がっているといえば『ゴメス』のほうがよっぽど尖がっているわけで、このあたりが談吉さんの幅の広さが最近感じられるところではあります。仲入りを挟んでナツノカモ先生が『最後の夢』という自作の新作。これはね、イリュージョンでしたね。
こちらもですね、2人の会話なんですよ。バカそうな高校生、ちょっとヤンキーっぽい高校生の先輩と後輩の会話がショートコントというかショート落語、小噺ってほど短くはないんでね。ショート落語の連作集みたいな感じで続いていくんですが、まあすごかったですね。
うん。なんというのかな、やっぱ意識をかき乱される感じがもうとてつもなく良かったですね。
何だろうな、だから細かい、細かいというか小さなエピソードというか小さなユニットの積み重ねでもって、一個一個が面白いのがどんどんどんどん積み重なってくるというところの凄さがありますね。
まあ要は基本的には先輩が後輩には何か話しろって言って後輩が話をし出すというところなんですが、じゃあ「俺、死の話をしていいですか」っていうですね。いきなり哲学的なんですよ。
でそれもね、暗くならずに引きずり込んでいくような話をするんですよね。ただそれが全部バカっぽいヤンキー口調で展開されるというですね。
これはね、傑作だと思います。何が凄いってやっぱりこれ漫才でもできないし、2人しか出てこないから漫才できそうですけど漫才ではできないし、コントでもできない。
まああえて言うと、小劇場の芝居なら役者2人立てて、できなくはないかなと思うけど、やっぱり落語でやった方が面白いということで、そういう意味でこんな落語は今までないんですが、
でもやっぱり落語になってるっていうところがですね、ナツノカモ先生の凄いところだなというふうに僕は思いました。で、終わった後に「夏祭り」ということで大抽選会がありまして、お開きというところですね。
この2人がね、イリュージョンをぶっつけ合うととても面白い、もうここでしか聴けないものが聴けるっていうところとですね、あともう一つは大泉学園そんなに遠くない。これがわかったのが今回収穫でしたね。
またね、平日開催だとなかなかいけないような気もしますが、お時間がある方はですね、ぜひ一度ご興味あれば足を運びになってみてはいかがでしょうか。
ナツノカモ先生の作品は落語、新作落語は今もう立川流だけではなくていろんな落語家さんが手がけるようになっていて非常に面白いことになっています。
カモ先生もですね、落語だけではなくて様々な活動をしているんで、一度ちょっとだけ検索してみたりすると面白いんじゃないかなというふうに思います。ということでシェアする落語の四家でした。ではまた。