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2025-01-28 29:46

西山女流三冠と棋士編入試験

将棋の西山女流三冠と、棋士編入試験についてお話しました!


西山朋佳(wiki)

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サマリー

西山女流三冠が棋士編入試験を受験した過程とその重要性が語られています。特に、彼女が直面した将棋界の制度の違いや、棋士になるための挑戦が注目されています。西山さんの試験における苦悩や、試験結果に対する思いが述べられています。また、彼女の将棋の魅力や試験対局の様子、そして今後の再挑戦の可能性についても焦点が当てられています。

西山女流三冠の挑戦
みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、将棋の西山女流三冠と棋士編入試験についてお話ししたいと思います。
前回、特集、歌詞が気になる歌というエピソードを配信した際に、
みなさんの歌詞が気になる歌もよかったら教えてくださいね、とゆるく募集をしたところ、
思ったよりも多くのお便りコメントで、歌詞が気になる歌についてやご感想をいただきまして、
いやー、めちゃくちゃ嬉しいです。みなさん、ありがとうございます。
近いうちに、この歌詞が気になる歌へのお便りを中心にしたお便り会を配信したいなと思っております。
ただ、つい4回前にお便り会をやったばかりなので、もうちょっと間を空けた方がいいかなという気もしてまして、
何が言いたいかというと、まだまだみなさんの歌詞が気になる歌、絶賛募集中ですので、
Xのコメントや概要欄のお便りフォームからどしどし送っていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
今回、本編では西山女流参観、フルネームを西山ともかさんという一人の将棋挿し、女流騎士の方についてお話ししていきたいと思っています。
以前にもセミラジオで将棋をテーマにお話しした回がありまして、それは2022年4月17日配信のセミラジオ第37回、面白すぎる将棋騎士と評価値ディストピアというエピソードになります。
ちょうど最近こちらのエピソードにXでコメントをいただきましたので、本編の前にご紹介させていただきます。
こちらはヤーヴィさんからXのコメントでいただきました。
好きで繰り返し聞いてるかい。
騎士の方の様々な伝説をセミアムさん独特の語り口で話されています。
今の時代webなどで調べたら色々と出てくる話かもしれませんが、耳から入った話というのはまさに伝説を語り継がれた感があってすごくいいです。
とのコメントをいただきました。
ヤーヴィさんありがとうございます。
こちらのエピソードは主に僕が以前将棋の実況中継を見ている中で将棋騎士の方が雑談的にお話しされていた内容についてまとめてご紹介させていただいたものですね。
騎士って天才肌が多くて行動や話が面白い人がとても多いんですが、
特にこの回で長めの尺でご紹介させていただいた佐藤天彦九段は別次元の面白さ存在感を放っている方で、
将棋騎士の中でというよりシンプルに人としてものすごく興味深いんですよね。
ヤーヴィさんにもそのあたりを興味深く聞いていただけたということでとてもうれしいです。
将棋界も動きが激しいので、こういう瞬間的に面白い局面というのは無数にあると思うんですけど、
どんどん流れていってはしまうので、見る将棋ファンとして将棋界をウォッチしてきた中で印象に残っているところをご紹介することができたのは改めて良かったなって思います。
ヤーヴィさんは確か以前Xのタイムラインで将棋ゲームのキャプチャーをアップされてたと思うんですが、
もともと将棋にご興味がある中でこちらのエピソードも繰り返し聞いていただけたのかなと思います。
ちなみに佐藤天彦くだんは最近こうやん一問チャンネルというyoutubeチャンネルを立ち上げて、
師匠や弟弟子妹弟子の皆さんと楽しそうにワイワイ配信されてますね。
こちらのチャンネル僕もyoutubeのブックマークに入れてちょくちょくチェックしてます。
ヤーヴィさんもし未研でしたらこちらのこうやん一問チャンネルもチェックしてみてくださいね。
というところでヤーヴィさんコメントありがとうございました。
それではそろそろ本編に行きたいと思います。
今回は一人の女性が一人の将棋指しがこの半年間自分の人生をかけて戦っていたということについてお話ししたいと思います。
先日1月22日の水曜日ある将棋の対局がありました。
この対局はインターネットの動画サービスあべまTVの将棋チャンネルで一部始終が実況中継されまして、
僕はほぼ1日中自宅のpcで仕事をしながら横目で見てました。
最終盤は目が離せなくて食い入るように画面を見てましたね。
この対局を行ったのは女流棋士の西山智子女流三冠と政木勘太四段という棋士でした。
対局の結果から言うと勝者となったのは政木四段でした。
とても良い対局でした。
あべまの中継はプロ棋士の方が解説をされていて非常に接戦であること。
西山さんも政木さんもどちらもいって間違えたら一気に形勢が傾くギリギリのところで均衡が保たれているということをお話しされていて、
お互いの存在をぶつけ合う名局だったと思います。
この対局は西山さんにとって人生の中で大きな意味を持つ一局でした。
というのはこの1月22日の対局は西山さんが昨年9月から挑戦していた棋士編入試験5番勝負の最終局だったんですね。
この棋士編入試験5番勝負は編入試験の挑戦権を得た西山さんが5人の試験官と対局を行い、3勝した時点で棋士になる資格を得られるというものでした。
第1局から最終局までの勝敗の流れを言うと、西山さんから見て、第1局高橋雄二郎予断戦は勝ち、第2局山川大輝予断戦は負け、第3局上野裕俊予断戦は負け、
第4局宮島健太予断戦は勝ちで、2勝2敗で迎えた最終局だったわけです。
正義予断との最終局に勝てば棋士となる資格を得られる。西山さんにとってはそういう一局でした。
ここまでお話ししてきてどういうことだろうと思われている方も少なくないんじゃないかと思います。
最初に女流棋士の西山智子女流参観と言いました。
すでに女流棋士である西山さんが棋士になるための試験に挑戦してるってどういうことなのかと思いますよね。
これが将棋界の非常にややこしいところなんですが、将棋界では棋士と女流棋士というのは違う制度であり違う枠組みなんですよ。
お隣の囲碁ではまた事情が違いまして、囲碁だと女流棋士といった場合、シンプルに女性の囲碁の棋士のことで男性棋士も女性棋士も男女混合で棋戦に参加します。
女性のみが参加できる囲碁の女流棋戦というのも存在するんですが、囲碁の棋士というのは制度や枠組みとしては基本的に一つしかなくて、その一つの枠組みの中で男性棋士と女性棋士が戦っているわけです。
囲碁の女流棋士が単に性別のことを指しているのに対して、将棋の女流棋士というのは棋士とは違う制度、枠組みなわけです。
ややこしいんですが、ここが話の前提になるので、まず今回西山さんが目指していた将棋の棋士という制度についてざっくりご紹介させていただきます。
将棋の棋士というのは基本的には将棋を指して対局料をもらって政権を立てる職業なわけですが、
制度と挑戦の歴史
例えば全国に無数にいる将棋が強い腕に覚えのある子が棋士になるためにはどうすればいいのかというと、一定の条件を満たして将棋界というところに入るんですね。
この将棋界は一番下の6級から一番上の3段までランクがあって、規定の成績を収めることで将級や将団をすることができます。
そして年2回、それぞれ半年をかけて行われる3段リーグで上位の成績を収めた2名が4段将団、つまりプロ棋士になれるわけなんです。
プロ棋士というのは基本的には1年間に4人しか誕生しないということになります。
非常に狭き門なんですよね。
プロ棋士を目指す人たちが篠木を削るこの将棋界の3段リーグは地獄の3段リーグと呼ばれています。
実は西山さんはこの地獄の3段リーグで上位の成績を収めて、あと一歩で棋士になれるというところまで迫った人でした。
2020年3月7日は3段リーグの最終日で、この日西山さんは午前と午後の対局に2連勝してリーグ成績を14勝4敗の高成績で終えました。
ただこの日の3段リーグの全対局が終わった時点で同じく14勝4敗の成績となった人が他に2人いたんです。
そして前期リーグまでの成績順位の差で同じ勝率を記録したその2人は4段小段プロ棋士となり、西山さんは棋士になれなかったんです。
ちなみに将棋界で3段まで小段した女性はこれまでに西山さんを含めて3人しかいません。
3段リーグを突破して棋士になった女性はまだいません。
それがなぜかということは僕にはわからないですし言えないんですが、
一つ言えるのは将棋界がある時期まで積極的に女性に門戸を開いてきた業界ではなかったということは言えると思います。
将棋界の3段リーグで14勝を上げつつ西山さんは棋士になれなかったわけなんですが、
3段リーグで14勝を上げるということはものすごく難易度が高いことで、
あの藤沢七冠ですらプロ棋士になった時の3段リーグでは13勝5敗でした。
ちなみに藤井くんがプロ入りを決めたその3段リーグの最終局の相手が西山さんでした。
西山さんと藤井くんは同じ時期に3段リーグにいたんですね。
奨励会には満26歳の誕生日を迎える3段リーグ終了までに4段に商談できなかったものは大会となるという年齢制限がありまして、
西山さんはこの年齢制限を前にした2021年4月奨励会を大会されました。
西山さんは2010年中学2年生の時に奨励会に入会してますから10年以上在籍していたことになります。
その後西山さんはそれまで自分が3段リーグを戦って目指していた棋士ではなくて女流棋士に転向することを決意されました。
さっきも言ったんですが、棋士と女流棋士は違う制度であり枠組みになります。
女流棋士になるためにはいくつか条件があるんですが、
研修会という将棋連盟の育成機関で既定の成績を収めたり、
研修会に入っていなくても女流の公式戦で優秀な成績を収めることで女流棋士になる資格を得ることができます。
それと奨励会を大会した人を女流棋士として受け入れる編入制度もあり、西山さんの場合はこのパターンに該当します。
棋士にそれぞれ棋戦やタイトル戦があるように女流棋士にも独自の棋戦やタイトル戦があります。
棋士だと名人戦や竜王戦などのタイトルはよく報道されているのでご存知の方も多いんじゃないかと思います。
女流棋士のタイトル戦だと女王とか女流名人というのがあります。
棋士がタイトルを目指して棋士同士で日々対局を続けるように女流棋士も基本的には女流棋士同士で日々対局を行っています。
そんな女流棋士の中で頭2つ以上抜けている人が2人いて、それが西山女流3館とやはり奨励会の三段リーグに在籍していた福間香菜女流5館です。
女流棋士にはその頂点となるタイトル戦が8つあるんですが、今は西山さんと福間さんの2人でそのタイトルを分け合っているような状態なんですね。
ここにしばらく前に奨励会を大会されて女流棋士に転向を決めた中七海女流3段も加わり、女流棋士界の勢力争いが激しさを増しているという状況になっています。
奨励会で地獄の三段リーグを戦ってきた人たちが女流棋士として結果を出すという構図になっているわけです。
女流棋士のトップである西山さんや福間さんは公式戦での棋士との対局で高い勝率を上げています。
そして勝負士というのは、より強い相手と戦えるステージに上がりたいと願う習性があるようです。
まず公式戦で高い勝率を上げた福間さんにチャンスが訪れました。
公式戦で7割以上の勝率を上げた福間さんは、棋士編入試験の資格を得ることができたんです。
さっきから言っているこの棋士編入試験というのは何なのかということなんですが、
もともとは奨励会の三段リーグを規定の年齢以内に突破しないとなれないプロ棋士という制度について、
もっと門戸を開くべきではないかというところからスタートした制度になります。
棋士が参加する公式戦で優秀な成績を収めたアマチュアや女流棋士は、
その棋士になるための棋士編入試験を受験する資格を得ることができます。
この棋士編入試験が制度化されてから、これまでに3人のアマチュアがプロ入りを決めています。
編入試験は、棋士になりたての親余談5名との5番勝負を行い、3勝すれば合格、3敗した時点で不合格となります。
2022年、この編入試験に福間、金、女流5冠が挑戦されたんですが、結果としては3連敗、不合格となりました。
この時の福間さんも、今回の西山さんも、女流のタイトルホルダーとして、他の対局が重なる中で並行して編入試験を行うことになりました。
西山さんの棋士編入試験の挑戦
過去に編入試験を突破した人たちも、それぞれ大変なことはあったと思うんですが、少なくとも将棋の対局に関しては編入試験だけに集中できたと思います。
それに対して、結果として編入試験に不合格となった福間さんと西山さんは、かなり過密な対局スケジュールの中で試験対局に臨まざるを得ませんでした。
そのことが編入試験の結果に与えた影響はあったんじゃないかなと思います。
ここまでが棋士と女流棋士、棋士編入試験という制度についてのざっくりとしたご説明になります。
話を西山さんに戻そうと思います。
そもそも、なんで僕が西山さんについてお話ししているのか前提を言ってませんでした。
理由としては、僕が西山さんのファンだからです。
西山さんの指す将棋がとても魅力的なんですよね。
西山さんの指す将棋は、よく豪快とか豪安と言われます。
西山さんが将棋界三段リーグに在籍していた頃、将棋界を唸らせた一手がありまして、
それは自分の大事な大駒である筆者をただで取らせる代わりに、自分の競馬を敵陣になり込むという、肉を切らせて骨を断つというようなすさまじい一手でした。
この手を見たプロ棋士の鈴木九段は、西山さんの得意とする戦法である振弊者に絡めて、振弊者側が指したここ2、3年で最強の一手と褒めたたえたそうです。
そういう他の人が思いつかないようなすさまじい手が飛び出すのが西山将棋なんですよね。
素人目にも凄さがわかるような豪快な手をバンバンさせてくれる西山さんの将棋ってすごく見ていて面白いんですよ。
だからプロになってほしいなとずっと思ってました。
ぼうぎんくんという将棋ニュースのまとめサイトがありまして、僕はよく見てるんですが、西山さんが将棋界の三段リーグに所属していた頃は、西山さんが今何勝何敗だみたいな記事があると必ず見てましたし、
西山さんが14勝4敗でプロ棋士になれなかった時はなんでだよって思いました。
なので去年西山さんが棋士編入試験を受けるということが報じられた時すごく嬉しかったですしワクワクしましたね。
西山さんが編入試験に合格すれば女性初の棋士となるということでそういう切り口の報道も多かったですし、試験の結果に注目も集まっていたと思います。
ちなみに西山さんが編入試験で対局した5人の試験官は、初戦の高橋4段を除いて全員が西山さんと三段リーグで対局したことがあった元ライバルたちでもあったんです。
試験官を務めた5人の棋士も複雑な思いはあったと思います。自分が試験官じゃなかったら西山さんを応援したかったっていう気持ちはそれぞれにあったんじゃないでしょうか。
しかも西山さんにとっては人生を懸けた戦いですが、試験官それぞれにとっては勝っても特にメリットがない対局なんですよね。
ただ将棋界には相手にとって重要な一局には全力を尽くせという哲学がありまして、自分にとってメリットがない対局でも決して手を抜くな、むしろだからこそ全力を尽くせという考え方、勝負哲学があるんですよね。
試験結果と西山さんの今後
無情に思えるかもしれないんですが、そういう勝負に対して徹底した純粋な世界だからこそ西山さんはそこを目指そうと思ったんでしょうし、5人の試験官たちはその覚悟を見せてくれたと思います。
最終局、西山さんも正義四段も持ち時間を使い切って1分将棋に入りまして、僕は中継を食い入るように見てたんですが、雰囲気であ、西山さん投了するっていうのがわかりました。
一点つき1分以内に刺さないと負けてしまうのに、西山さんは残り時間がわずかになっても刺す雰囲気がなかったんですよね。で、残り10秒くらいで投了されてました。
西山さんは対局後に正義四段と完走戦を行ったんですが、笑顔交じりに話をしてたのが印象的でした。
というのは、2020年の三段リーグで14勝4敗で棋士になれなかった時の西山さんは報道に使われた写真しか僕は見てませんが、呆然とした納得がいかない表情をしてるように見えたんですよね。
それってきっと自分の力ではどうにもならないことによって、棋士になれなかったからじゃないかと思うんです。
その時同じく14勝4敗で順位が上だった2人がプロ棋士になったんですけど、その日の対局でそのライバルのうちどちらかが負けて13勝とかになっていれば西山さんが代わりに棋士になれてたんですよね。
でもそれって自分の力ではどうにもならないことで、でも今回の棋士編入試験では極論西山さんと試験間5人だけで戦いが完結するわけです。
もちろん、お膳立てやサポートをする多くの方々がいらっしゃったわけですけど、他人の対局によって編入試験の合格不合格が決まるわけではないんですよね。
2020年の三段リーグの時とはそこが違ったんだろうなって思います。もちろんご本人の中で人前では出さない悔しい思いはあると思うんですが、現状の自分の力は出し切れた。
やれるだけのことをやって今回はこういう結果が出た。だから2020年の三段リーグの時より結果を受け入れることができたんじゃないかなってそんな風に僕には見えました。
編入試験の最終局の後、西山さんが記者会見を行ったんですが、負けてしまった対局の直後ではあったんですが一言一言丁寧に受け答えされていて、それもとても感銘を受けました。
記者会見で今後西山さんがもう一度編入試験の資格を得た時、再挑戦する意思はありますかということを質問されて、ずっと今回の編入試験のことだけを考えてきたのでこれからじっくり考えてみたいと思いますという風にお話しされていました。
そうこれから西山さんがまた公式戦でカシボシをあげて編入試験の資格を得た時再度挑戦するということも制度上可能なわけです。
そうなるかもしれないし、ならないかもしれませんが、それも含めて今後も西山将棋のファンとして観測を続けていきたいなと思っています。
セミラジオではお便りを募集しています。
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今回は将棋の西山助流三冠と記者編入試験についてお話しさせていただきました。ご視聴ありがとうございました。
29:46

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