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  2. バッタ大発生!蝗害特集
2023-05-30 35:03

バッタ大発生!蝗害特集

バッタが大発生する現象「蝗害」についてお話しました!


・旧約聖書にも登場!「神の罰」と呼ばれたバッタ

・長さ500km、数百億匹の群れ!

・明治期の北海道でも蝗害が発生

・ロッキートビバッタ、謎の消滅

・呪術廻戦にも登場する蝗GUY


蝗害(wiki)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9D%97%E5%AE%B3

中国蝗災史(wiki)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%9D%97%E7%81%BD%E5%8F%B2


ロッキートビバッタ(wiki)

https://onl.sc/KC8XJ8v

ロシア上空を飛び交うバッタの群れ(YouTube:閲覧注意)

https://www.youtube.com/watch?v=IcFW2abCl4M


バッタの群れの動画・幼虫大行進含む(YouTube:閲覧注意)

https://www.youtube.com/watch?v=6bx5JUGVahk

バッタを倒しにアフリカへ(前野ウルド浩太郎)

https://amzn.asia/d/6MPkUWQ


孤独なバッタが群れるとき(前野ウルド浩太郎) https://amzn.asia/d/f5QOmLf

バッタの大発生の謎と生態(田中誠二)

https://amzn.asia/d/bzAAE3z


蒼茫の大地、滅ぶ(西村寿行)

https://amzn.asia/d/6TbLT3L


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みなさん、こんにちは。 自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、バッタが大発生する現象、蝗害についてお話ししたいと思います。
今回はバッタの大発生、いわゆる蝗害がテーマなんですが、こちら、いつもセミラジオを聞いてくださっている
タメヤケサオさんからいただいたテーマのリクエストをきっかけに特集させていただくことになりました。
タメヤケサオさんがツイッターのハッシュタグセミラジオで送っていただいたリクエストのツイートを読み上げさせていただきますね。
最近ハマっているラジオ、サブカル好きは気に入ると思う。 蝗害を扱ってほしい。
蝗変異とか意味不明すぎる。ということで、こちらのタメヤケサオさんのツイートで、セミラジオ始まって以来の初のテーマリクエストをいただきました。
タメヤケサオさん、リクエストありがとうございます。
バッタの大発生については、直近で言うと2020年にもアフリカで発生していまして、すごく大きな被害をもたらすということは知っていたんですが、
それ以上の詳しいことは知らなかったんですね。
今回セミラジオのテーマとして扱うということで、いろいろと調べてみたんですが、
いやー、調べれば調べるほど、バッタというのがとてつもない能力を持った生き物だということがわかってきまして、
バッタの生態や大発生について、いろんなエピソードがある中で、特に印象深かったところをピックアップしてご紹介できればと思います。
まず、バッタの大発生、蝗害はどういうふうに起こるのか、
蝗害が発生するとどんな影響があるのかについてお話ししたいと思います。
ちなみに蝗害の蝗は、虫に皇帝の蝗と書きます。
バッタやイナゴにもこの蝗という漢字は使われていて、
これは漢字の発祥地である中国で、バッタの大発生にいかに対処するかで、
時の皇帝の命運が決まったということから、その蝗という字がバッタに当てられるようになったとも言われています。
大発生を起こすバッタはいろんな種類がいるんですが、
特に被害が大きく、そのためよく研究されている種類が2ついまして、
それは、サバクトビバッタとトノサマバッタというバッタです。
サバクトビバッタは、アフリカ西部からサハラ沙漠、アラビア半島、
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東南アジアの乾燥地帯にかけて、幅広く分布しています。
もう一種のトノサマバッタは、日本にも分布している一般種で、
北海道から沖縄まで全国に広く生息しています。
日本国外では、ユーラシア大陸の全域とアフリカに至るまで非常に広範囲に生息しています。
この2種類のうち、主にアフリカで大発生して甚大な被害をもたらすのが、
サバクトビバッタという種類です。
このサバクトビバッタ、どんなふうに大発生するかなんですが、
このバッタは、環境に応じて姿を変える変身能力を持っています。
もともとバッタは、周りの環境に応じて体の色を変える能力がありまして、
周りが乾燥して茶色っぽければ、体の色を茶色に、
草や緑が多ければ、緑っぽくなりやすいという傾向があるんですね。
トカギの仲間のカメレオンなんかは、その体色変化を瞬時に行うんですけど、
バッタの体色変化はもっと緩やかで、脱皮を行うことで体の色を変化させていきます。
で、住んでいる環境の背景色に合わせて体の色を変えるというのは、
わかりやすいですし、他の生き物もやってるんですが、
バッタはそれとは別に、相変異という特殊な変身をします。
サバクトビバッタは生息密度が低い環境では、
孤独層と呼ばれるモードで生活していることが多くて、
体の色は緑や茶色などで、交尾以外では他の個体を避けようとする傾向があります。
しかしサバクトビバッタにはもう一つのモードがあります。
これが群生層と呼ばれるモードで、
バッタの生息密度が高い環境で、お互いに刺激を与え合うことで姿が変化していくんですね。
群生層のバッタの体の色は、毒々しい黒と黄色のマダラ模様になり、
羽も長く伸びて、長距離を移動できるようになります。
このモードになると、なんと1日に100キロも移動できるんですね。
で、孤独層の時と違って、群れで行動することを好むようになります。
サバクトビバッタの大発生、公害の際に巨大な群れを作るのは、この群生層の方になります。
このバッタの大発生は、毎年必ず発生するというものではないんですが、
ひとたび条件が整えば発生するものでして、
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大昔から我々人類に恐怖を与え、あらゆる作物、植物を食い尽くし、
甚大な被害を与えてきました。
バッタは英語でローカストと呼ばれてるんですが、
これは元々ラテン語のヤケノハラという意味の単語が由来なんだそうです。
バッタの大群が来た後は、土地がヤケノハラのようになってしまうことから、そう呼ばれたんですね。
バッタの大発生については旧約聖書にも記載がありまして、
古代ヘブライ人は、砂漠飛びバッタの羽の独特な模様は、ヘブライ語で神の罰と書いてあるというふうに考えていたんだそうです。
神の罰、穏やかじゃない感じがありますよね。
実際その異名に名前まけしていないほど、このバッタの大群というのはものすごいものなんですよね。
このバッタがどれくらいの群れを作るかなんですけど、
大きい群れになると500kmほど数百億匹の群れを作るという話なんですよ。
一つのバッタの群れのサイズが500kmにも及ぶということなんですけども、
東京がすっぽり収まるくらいのサイズになるということなんですよね。
重さで言えば10万トンを超える物量のそのサイズの群れが空を覆うわけです。
この群れが一生懸命耕した畑に群がって、あらゆるものを食い尽くしていくわけですから、たまらないですよね。
しかもそのバッタのビジュアルが怖いんですよ。
普段は見かけないドス黒い姿をしたバッタの大群が空を覆っているわけなんですよね。
もともとはこの群生層のバッタと孤独層のバッタは別々の種類のバッタと考えられていたそうなんです。
それはそうですよね。見た目が全く違うバッタがいたらそう考えるのが自然だと思います。
1921年にロシアの研究者のウバロフ卿が孤独層のバッタと群生層のバッタは
もともとは同じ種類のバッタであるということを突き止めてから一気に研究が加速していったという流れがあったりします。
バッタの大発生はyoutubeでもいろんな動画を見ることができるんですが、僕が見た中で最高にインパクトがあったのは
ロシアの上空を覆い尽くすバッタの生虫の動画と、群れでアフリカの地面を更新するバッタの幼虫の動画です。
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どちらも結構ショッキングな動画なんですが、概要欄にリンクを貼っておきますので、もしご興味があれば見てみてください。
バッタの大量発生、郊外の凄まじさの一端を感じられるんじゃないかと思います。
群生層の幼虫って軍隊みたいに同じ方向に向かってひたすら歩くんですよ。
まだ飛べないんですけど、その時点でかなりホラーというか、すでに相当怖いんですよね。
で、これまでにバッタの大発生は全世界で周期的に発生してきたわけなんですが、直近で言うと2020年に東アフリカで郊外が発生しています。
この郊外による被害はケニアでは過去70年間で最悪のレベルで、2400平方キロメートルに及ぶ巨大な群れも存在したそうです。
群生層のバッタは成虫になってしまうと、1日で100キロメートルも移動してしまうので、対処することが非常に難しいので、
今現在は飛べない幼虫の時点で駆除することが基本戦略とされています。
どうするかというと、幼虫の群れを発見次第殺虫剤を撒いて駆除しているわけです。
殺虫剤は他の生き物や人への影響もあるので、これについては非常に難しい問題だと思っています。
あとは昆虫死状菌メタリジウムという、バッタに対して特定的に効果のある菌類を使って駆除するという方法も取られています。
これは殺虫剤に比べて環境への影響が少ないんですが、速攻性がないという弱点があります。
聞くのに2週間くらいかかるみたいなんですね。
このメタリジウムというバイオ農薬は、国立公園などの自然保護区では殺虫剤を使ってはいけないという決まりがあるということで、
国立公園内で発生した幼虫の群れや、まだ若い幼虫の群れに使うようです。
公害にどう対処するかは長い研究の歴史があって、今現在も研究が進められている分野です。
公害の被害をなるべく減らすために、新しいテクノロジーであるドローンや調査システムによる効率的な発見・駆除の方法が検討されているようです。
2013年にはマダガスカルでトノサマバッタによる公害が発生しました。
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この時の大発生では、なんと国土の50%がバッタに食い荒らされ、10億匹を超える群れが多数存在し猛威を振るったそうです。
現地では、バッタ以外何も見えない、振り向くと至る所にバッタがいる、と言った方もいたようです。
お隣の中国でも、有史以来何度もトノサマバッタによる公害が発生していまして、
2005年には中国最南端の海南省がバッタの群れの襲撃を受けました。
この時の群れは、1平方メートルあたり350匹から500匹もの密度になったそうです。
中国では歴史上繰り返し、トノサマバッタによる公害の被害を受けてきたわけなんですが、
このトノサマバッタというのは、日本でも普通に生息している種類ではあるんですよね。
ただ山岳地帯が多く、平地が少ない日本では、バッタが高密度で生息するという環境が整えにくくて、
そのためほとんどのトノサマバッタは孤独層として生息していて、
群生層の大群が発生することは珍しくなっています。
また、日本に生息しバッタに寄生するカビなどの天敵の存在もバッタの大量発生を抑えていると言われています。
ただ、歴史上何度か日本でも公害は発生していまして、
1880年、明治13年には北海道で大規模なトノサマバッタの群れが発生しました。
トノサマバッタの群れは普通に生えている作物や植物だけでなく、
障子紙やかやぶきの屋根など植物性のありとあらゆるものを食い尽くし、
甚大な被害が発生したそうです。
この時は駆除したトノサマバッタだけで360億匹を超えたということで、
凄まじいの一言につきますよね。
この時バッタの大発生の収束を願って建てられたバッタ塚という史跡が今も札幌市に残っています。
また2007年には開港直前の関西国際空港2基空港島でトノサマバッタが大量発生し、
4000万匹近い大群が確認されたそうです。
この時関西国際空港では殺虫剤散布による傍聚を行いました。
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4000万匹近くいたバッタを殺虫剤で100万匹近くにまで減らしたそうで、
残ったバッタも天敵のカビに感染して数を減らし、大発生は収束に向かったそうです。
この関西国際空港での大発生は天敵のいない孤立した島であること、
群生しやすい埋め立てされた平地であることによるものと考えられています。
2011年には沖縄の宮古列島に位置する下地島でサトウキビの食害が発生しました。
沖縄県の病害虫防御技術センターは調査の結果、サトウキビを食害している害虫はトノサマバッタであるという結論を出し、
その発生源が下地島空港の滑走路近辺であることを突き止めました。
大型送風散布器を使った薬剤散布によるバッタの駆除が行われました。
日本でも比較的近年にバッタの大発生は起きているということで、決して遠い国の出来事ではないんですね。
今回資料としていろんなバッタの本を興味深く読んだんですけども、
バッタ研究者の前野ウルド・甲太郎さんという方の書かれた
バッタを倒しにアフリカへと孤独なバッタが群れるときという本がすごく参考になりました。
このバッタを倒しにアフリカへはバッタのコスプレをした前野さんの写真が表紙になっていて、
かなりインパクトのある表紙なのでご存知の方も多いんじゃないかと思うんですけども、
この方は砂漠飛びバッタの現地調査のために西アフリカのモーリタニアという国に行って、
現地の方と協力しながら過酷な砂漠地帯で調査を行われたバッタ研究の最前線で活躍されている方です。
前野さんは日常的にバッタに触っていた影響でバッタアレルギーになってしまい、
バッタに触られるとひどいジンマシンが出るようになってしまったそうで、皮膚の上をバッタが歩くと歩いたところが全部ジンマシンが出るようになってしまったそうなんですね。
バッタ研究者としてすごく大変な状況だと思うんですけども、
バッタに触らなければならないときはビニール手袋をつけることで対策されているそうです。
前野さんのミドルネームであるウルドはモーリタニアで誰々への子孫という意味の由緒ある名前で、
前野さんのバッタ研究への熱心な態度に心を動かされた現地のバッタ研究所の所長さんが授けてくれたミドルネームなんだそうです。
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バッタを倒しにアフリカへは主に現地での前野さんの調査の様子や内容についてをユーモアたっぷりに書いていて、
それでいて研究者としての教授も十分に伝わってくるとても素敵な本でした。
特に僕が好きなのは毒バッタについてのエピソードです。
この毒バッタは今までお話ししてきた砂漠飛びバッタとは違う種類のバッタで、
アフリカの砂漠地域に生息して毒の植物を主食とすることでその毒を取り込み、
天敵に襲われるとお腹にある毒栓から毒の泡を吹き出して身を守るという生き物です。
前野さんは砂漠飛びバッタの群れになかなか遭遇できなかった時に視点を変えてこの毒バッタの研究をしてみようと思い立つんですね。
それで現地で採取を試みるんですが、助手と一緒に20分ほど歩き回ってようやく2匹しか採取ができませんでした。
これじゃあ効率悪すぎるということで、どうしたかというと現地の子供を使って毒バッタを集めることを思いつくんですね。
で、現地のお金で100ウギヤ、日本円にすると約35円をバッタ1匹に対して支払うというお触れを出すんですよ。
そうすると前野さんが想像した以上の勢いで子供たちが毒バッタを集めてきてくれるんですが、その勢いが想像を超えていて、
バッタをめぐって子供同士の争いが勃発したり、前野さんが乗っている車にバッタ捕まえてきたから早く買い取って、という感じで子供が群がってきて荷台に乗り込んだり、
なぜか石を投げてきたり、群衆心理というかちょっとした暴動みたいになっちゃうんですね。
前野さんはとりあえず子供たちが持ってきてくれた毒バッタについて謝礼を支払うんですけど、子供たちが力任せにバッタを握りしめて持ってきたものですから、
ぐったりしているバッタも多くて、結局まともに毒バッタの研究をすることはできなかったようです。
孤独なバッタが群れる時の方はモーリタニアでの調査に旅立つ前の砂漠飛びバッタについて行った研究所での調査について詳しく書かれていまして、
こちらはより専門的な内容に踏み込んではいるんですが、とても興味深い内容になっています。
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また前野さんが所属していた研究室のリーダーである田中誠二さんという方がいまして、この方はバッタの大発生の謎と生態という本を出していて、
こちらはバッタの孤独層、群生層の写真も豊富に収録されていて、あらゆる側面からバッタの大発生についてや
体色変化の詳しいプロセスについても取り上げられています。
で、砂漠飛びバッタでは大発生は患抜の後の大雨によって発生すると言われていまして、
なぜかというと、砂漠飛びバッタの住んでいる砂漠地帯は雨が降る時期と降らない時期のコントラストがかなり激しいんですよね。
で、数年に一度発生する大患抜、雨が一切降らない期間が続くとほとんどの生き物が影響を受けて数を減らします。
バッタも減るんですが、バッタの天敵も激減するんですね。
つまりバッタの天敵となる生き物が全滅した地域が至るところに発生するんですよ。
そこで大雨が降ると植物が一気に増えて、生き残ったバッタは植物をモリモリ食べて育ち増えます。
そして生息密度が一定以上になると群生層に変身していろんな場所に飛んで分散します。
そしてまた天敵がおらず食べる植物が豊富にあるエリアを見つけてモリモリ食べてまた増えます。
この繰り返しで巨大な群れへと膨れ上がっていくんですね。
大発生するバッタは、そして大発生と大移動を繰り返して生息地域を広げてきました。
1988年にはアフリカで発生したサバクトビバッタの群れが大西洋を超えて、カリブ海の島々や南アメリカ大陸の海岸で発見されました。
サバクトビバッタはアメリカ大陸には生息していません。
そしてアフリカ大陸とアメリカ大陸の間には陸地は存在していないので、実に4,000km以上も飛んで移動したことになります。
バッタが休まずに4,000kmを飛ぶことは不可能と考えられていて、じゃあどうしたのかなんですが、
おそらく海の上で力尽きた仲間の死骸の上で休息しながら、一部の群れがたどり着いたと考えられています。
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仲間の死骸の上で休息するというシチュエーションもすごいですし、桁外れの距離ですよね。
サバクトビバッタとキンエンナバッタが南北アメリカ大陸に生息しているんですが、
これらの種類は遠い昔にアフリカから海を越えてアメリカ大陸に渡った者の子孫と考えられています。
実際に比較的近年にもアフリカのバッタがアメリカ大陸まで渡ったわけですから、それも頷けますよね。
ガラパゴス諸島にはハルメヌス族という飛べないバッタのグループが生息しているんですが、
これらのバッタもかつてアフリカから飛び立ってガラパゴスに住み着いたバッタの子孫と考えられています。
鳥なんかもそうなんですが、生き物にとって飛ぶということはコストがかかる行為のようで、必要がなければ飛ぶことをやめてしまう生き物が多いんですよね。
ニュージーランドの飛べない鳥であるキイウィなんかも率先は飛べたんですが、点滴もおらず特に飛ぶ必要がなかったので、翼を耐火させて飛べない鳥になったようです。
ガラパゴスの飛べないバッタも点滴がおらず飛ぶ必然性があまりなかったので飛べなくなったんでしょうね。
あとですね、北アメリカ大陸には昔ロッキートビバッタというバッタがいまして、これもものすごく巨大な群れを作ることで知られていました。
昔といってもそこまで太古の大昔ではなく、1875年にもロッキートビバッタが大発生したことが記録されています。
この年の群れの規模は凄まじくて、大きさにして50万平方キロメートル、日本の国土全体の1.3倍以上のサイズの群れが観測されたそうです。
この時の群れはアルバート大群として史上最大の動物の群れとしてギネスに登録されているそうです。
ただこのロッキートビバッタなんですが、その後30年も経たないうちになぜか絶滅してしまいました。
なぜなのかははっきりしたことはわかっていません。
僕は絶滅した動物にすごく興味がありまして、絶滅動物について書かれた本を読むのが大好きなんですけども、
このロッキートビバッタって取り上げられている本を読んだことがないんですよね。
今回、公害について調べるまでロッキートビバッタのことを知らなかったですね。
どうしてロッキートビバッタがそういう絶滅動物の本に取り上げられないかなんですけど、どうして絶滅してしまったのかよくわからないからだと思うんですよね。
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例えば北アメリカにいたリョコオオバトという鳩がいまして、これは50億羽もいたそうなんですが、肉が微妙だったということで人間に狩り尽くされて絶滅してしまったんですよ。
悲しいことなんですけど、リョコオオバトの話っていうのはある意味筋書きとしてはわかりやすいと思うんですよね。
ただ、ロッキートビバッタはどれだけ人間が狩ったとしても狩り尽くせるという生き物ではないので、これと言って原因が見当たらないのになぜかいなくなってしまったということで、人間から見て筋書きだった説明ができないので、そういう本には書きづらいんでしょうね。
ロッキートビバッタの絶滅については諸説あるんですが、どうして絶滅したのかよくわかっていないというのが現状のようです。
バッタの大発生、公害はその凄まじさからいろんなフィクションの題材として扱われてきました。
新しいものだと、週刊少年ジャンプに掲載されていて、アニメにもなった呪術回戦という漫画に公害をモチーフにしたキャラクターが登場します。
このキャラクターは公害の公、つまり虫変の公に英語のGUYで公害という割とコミカルな感じのキャラクターです。
これは公害に対する人間の恐怖から生まれた呪霊で、主人公であるイタドリユージ君と戦いました。
単行本で言うと10巻に登場しますね。現実でも恐ろしい食欲を持つバッタなんですが、呪術回戦の公害は人間を喰らう恐ろしい化け物として登場します。
ただ、なぜか自分を頭がいいと思い込んでいて、主人公に賢いやつはあまり自分のことを賢いって言わんぞと突っ込まれて、そうなの?とショックを受けたりしていました。
なんだか憎めないキャラということで隠れた人気キャラのようです。それが呪術回戦の公害ですね。
あとですね、直球で公害を扱った作品だと「双望の大地滅ぶ」というパニックサスペンス小説があります。
これは西村樹孔さんという作家さんが書かれた作品で、単行本は1978年に刊行されました。
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この作品についてはネタバレありきでお話しさせていただければと思うんですけども、この作品は大陸から飛来したバッタの大群が海を越えて日本の東北に襲来し、
東北地域の作物が壊滅し、日本を揺るがす大災害に発展していくというものです。
序盤ではバッタの群れの進路を変えようとして戦闘機部隊を出撃させるんですが、バッタがエンジンに入って次々と墜落してしまうというシーンもありました。
中盤以降もバッタは物語上で猛威を振るうんですが、どちらかというと災害に対して人間がどういう行動をするか。
もしこういう災害が起きたらこういうふうに展開するんじゃないかという人間ドラマ、政治ドラマに重点が置かれていました。
日本随一の国争地帯である東北がバッタの群れで甚大な被害を被るんですが、それに対して中央政府は手を差し伸べるより先に首都圏の食料を確保するために
東北から備蓄米を持ち出そうとするんですね。それに対して東北の首長は東北地方警備隊を組織して首都圏への備蓄米の持ち出しを阻止しようとします。
その対立は物語の後半では東北地方の日本からの独立、欧州国の成立にまで発展していくという壮大なスケールの物語です。
すごく面白く読みましたね。 そして熊嵐という小説も少しだけ郊外について触れています。
この作品は三軽別ヒグマ事件という実際にあった事件をモデルにした小説で、吉村明という作家さんによって書かれ、1977年に刊行されたものです。
この作品の冒頭で北海道の開拓民の人たちが六千座場という土地に移り住むことになったきっかけが、以前住んでいた場所が郊外によって食い荒らされてしまったことでした。
ということで、バッタの大発生、郊外にまつわるエピソードについてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
今回いろいろ調べてみて、500キロにも及ぶ巨大な群れとか、アフリカからアメリカまで空を飛んで渡ってしまうとか、生き物としてのスペックが高すぎて、バッタやばいなと思いました。
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日本の昆虫図鑑に普通に乗っている殿様バッタが、とてつもない力を秘めた昆虫だということも知れて、恐ろしいながらすごく興味深かったです。
日本では外国に比べれば、郊外によってそこまで甚大な被害が出ているわけではないんですが、近年にも発生例はあるわけですし、世界に目を向ければ周期的に大発生は起きているので、今後もいろいろとウォッチしていきたいなと思っています。
セメラジオ初のリクエスト回ということでいかがだったでしょうか? 郊外をリクエストしてくださったタメヤケサオさんにも楽しんでいただける内容になっていればいいんですけども
ちなみに有名な話ではありますが、仮面ライダーはバッタをモチーフにした改造人間ということで、仮面ライダー1号2号はバッタモチーフなんですよね
仮面ライダーV3はトンボ、それも赤トンボがモチーフということで、キャラクターによって違うみたいなんですけども
砂漠飛びバッタの軍製層は黒地に黄色いマダラで独特しい感じの見た目なんですけども、僕が子供の頃に見ていた昭和ライダーの仮面ライダーブラックがこの砂漠飛びバッタの軍製層とちょっと似てるんですよね
今回その砂漠飛びバッタの軍製層と仮面ライダーブラックを見比べてみて似てるなって思ってました
セミラジオではお便りを募集しています
概要欄のフォームやツイッターのハッシュタグセミラジオでご感想いただけると嬉しいです
今日はバッタの大発生、公害についてお話しさせていただきました
ご視聴ありがとうございました
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