せみやまが初代ウルトラマンを全話観たので、それについて色々とお話しています!
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サマリー
初代ウルトラマンは1966年から1967年に放送された特撮テレビドラマで、宇宙からやってきたウルトラマンが地球の平和を守るために科学特捜隊と闘う内容です。各エピソードには魅力や印象的なシーンがあり、視聴者に新たな発見をもたらしています。 各エピソードでは様々な怪獣が登場し、特にタタラ島のレッドキングやネスコからの怪獣ジラースが重要な役割を果たします。また、ブルトンやジャーミラーなど個性豊かな怪獣との戦いを通じて、ウルトラマンとの対決が描かれています。 エピソードには、大阪を舞台にした前後編や怪獣ダダとの対決、雪の精霊ウウの物語など多様なストーリーが展開されます。最終話では宇宙恐竜ゼットンとの壮絶な戦いと、ウルトラマンの帰還が描かれています。このエピソードでは、特撮の古典的名作である初代ウルトラマンの影響や魅力について語られています。
ウルトラマンの概要
みなさん、こんにちは。
自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今回は、特撮作品の古典的名作、初代ウルトラマンについてお話ししたいと思います。
先日、スーファミのトルネコの大冒険という、僕がこよなく愛するゲームの実況配信をYouTubeライブでやりまして、
19時からスタートして、順調にいけば大体3時間くらいで終わるかな、という想定だったんですが、
目標である地下30階まで到達して、奇妙な箱を無事地上に持ち帰った時には、開始から4時間が経過していました。
リアタイで見てくださっていたリスナーのヤマチキさんに、
トトロのエンディングもさっき終わりましたよ、と教えていただきまして、
そこで初めて同じ日に、金曜ロードショーでトトロが放送されていたことを知るっていう、そんなくだりもありました。
挑戦失敗した場合は、翌日のリトライも考えてたんですが、
なんとか無事に一発でクリアできたということで、本当に良かったです。
リアタイで見てくださった皆さん、アーカイブを見てくださった皆さん、本当にありがとうございます。
そんな僕がトルネコの化身として不思議のダンジョンをさまよった4時間前後の記録が、
セミラジオのYouTubeチャンネルでアーカイブとして残ってますので、
概要欄にURL貼っておきますので、未見の方はよかったらチェックしてみてくださいね。
そんなトルネコに関連して、お便りを1ついただいてますので、ご紹介したいと思います。
こちらメールフォームで、ちゃんやまさんからいただけました。読み上げますね。
先日はお便りのご紹介ありがとうございました。
ご連絡が遅くなりましたが、毎回楽しく拝聴させていただいてます。
セミラマさん、マラソン挑戦とのことで、同じくマラソンランナーとして勝手ながら応援しております。
もう数年フルマラソンには参加していませんが。
またトルネコ配信も楽しみにしています。
私もトルネコ2と3をプレイしており、特に3のハード仕様が記憶に残っています。
精液の巻物を鎌切りに切り刻まれたり、仲間にしたばかりのモンスターがすぐに焦点してやり直したり、
仲間にした後に帰還しないと正式に仲間加入しないのです。とても楽しかったです。
今後も配信楽しみにしています。長文失礼いたしました。
とのお便りをいただきました。
ちゃんやわさんありがとうございます。
ちゃんやわさんも走る方だったんですね。
もう数年フルマラソンには参加されてないということで、
最近はフルより短いハーフマラソンとかその辺りのレースをメインにされてるんですかね。
いやー応援ありがとうございます。
僕が参加予定の11月の富山マラソンもあと2ヶ月くらいに迫ってきてますので、
ちゃんと走れるよう体力つけていこうと思います。
トルネコ配信も楽しみにしていますということで、
こちらのお便りは配信の前に送っていただいてたんですよね。
配信の方にも理あたりできていただいてありがとうございました。
で、ちゃんやわさんはトルネコの不思議のダンジョン3部作の中でも2と3をプレイされてたんですね。
僕は2、3はほぼ未プレイなんですが、
トルネコ3部作の中でも3はすごく難易度が高いみたいですね。
トルネコに対してものすごい長距離から攻撃してくる敵とかがいるみたいで、
3は他作品にはないモンスターを仲間にするという要素もあるんですが、
これも一度仲間にしても無事に連れ帰ってあげないと正式に加入しないということで、
僕は3に関してはネットでちょっと概要を読んだくらいの知識しかないんですが、
1、2とは一戦を確する難易度のようです。
チャンヤマさんは以前も他のゲームの見るのが難しいエンディングの条件についてお便りで書いてくださってたと思うんですが、
そういうやりごたえのあるゲームがお好きなんですね。
ヘビーゲーマーな印象がありますね。
というところでチャンヤマさんお便りありがとうございました。
それではそろそろ本編に行きたいと思います。
今回は特撮作品の古典的名作初代ウルトラマンについてお話ししていきたいんですけども、
なぜこのタイミングでウルトラマンなのかなんですが、
たまたまこのタイミングで僕が初代ウルトラマンを全話見終わったからなんですよね。
ウルトラマンは1話が約25分の番組で全部で39話あるんですけど、
この度ついに全エピソードを見終わることができました。
ついにというのはアマゾンプライムビデオの履歴を見ると、
第1話を見たのが2018年の6月ということで、実に6年越しで全39話を見たことになります。
ウルトラマンってもちろん時系列は話の順番になってるんですが、
基本的に1話完結、それぞれのエピソードが独立していて、
なのでちょっと視聴に間が空きがちというところがあるんですけど、
まさか6年もかけてしまうとは、自分でもびっくりしています。
古典的名作ということで、まあいつでも見れるしなという油断があったかもしれません。
僕は子供の頃から特撮作品は好きなんですが、
どちらかというとゴジラやガメラなどの怪獣同士が戦うシリーズが特に好きで、
子供時代に地元のツタヤでウルトラマンのVHSを借りようと思えば借りられたんですが、
ゴジラやガメラを優先してしまったので、実は子供時代にはウルトラマンシリーズって全然見てなかったんですよ。
ただ手元にウルトラマン大図典という講談社がウルトラマン誕生25周年を記念して、
1991年に出版したハードカバーの大きい本があるんですが、
この本がすごくて、初代ウルトラマンからウルトラマン80まで、いわゆる昭和ウルトラマンの全作品についての詳細な解説と、
それぞれのエピソードに登場した怪獣の詳細データがフルカラーの写真付きで掲載されてるんですよ。
僕は少年時代にこの本を愛読することで、ウルトラマンの映像は一切見たことがないけど、
ウルトラマンの怪獣の見た目や名前は知っているという状態になってたんですよね。
なので、ここ最近つぶらやプロダクションがやっている動画サブスクサービスつぶらやイマジネーションに登録して、
初代ウルトラマンのいろんなエピソードを見たんですけど、
ああ、この怪獣ってこういう立ち位置だったんだ、とか、この怪獣が出る回ってこういう話だったんだ、みたいな新鮮な発見がいくつもあって、
毎回ワクワクしながら初代ウルトラマンのエピソードを見てました。
今回はそんな初代ウルトラマンのエピソードについてお話ししたいんですが、
一つ一つ詳細にお話ししていくと何時間あっても足りないので、
今回は雑談、よもやま話的にお話ししていければと思っております。
初代ウルトラマンや関連作品についてネタバレありでお話ししていきますので、ご注意いただければと思います。
各エピソードについてお話しする前に、そもそもウルトラマンとは?というところを少しだけ触れておこうかと思います。
作品としてのウルトラマンは1966年7月17日から1967年4月9日までTBS系列で全39話が放送された特撮テレビドラマです。
1967年は何回か前にセミラジオでご紹介した大巨獣ガッパ、宇宙大怪獣ギララが公開された年でもあり、日本は怪獣ブームの真っ只中にありました。
その怪獣ブームの牽引役であり代表作でもあったのがこのウルトラマンだったわけですね。
設定というかキャラクターとしてのウルトラマンはどんな存在なのかなんですが、地球から300万光年離れた宇宙の彼方にある架空の星雲であるM78星雲光の国というところからやってきた巨大な宇宙人なんですね。
1光年離れてるというだけで相当遠いんですけど300万光年も離れてたんですね。
遠路はるばるということなんですけども、ウルトラマンは何のために地球に来たかというと、彼は光の国の戦士であり、宇宙の平和を守るために戦う宇宙警備隊員の一員なんですよ。
で、凶暴な怪獣ベムラーを誤想中にベムラーに逃げられてしまって、そのベムラーを追いかけて地球にやってきたわけなんです。
で、ウルトラマンが属する宇宙警備隊とは別に我々人類が自分たちで立ち上げた防衛組織というのもありまして、
作品中に科学特捜隊という組織が登場します。科学特捜隊は警察や自衛隊などでは対処しきれない怪事件や怪獣との戦闘を任務とする組織なんですね。
初代ウルトラマンの第1話では、この科学特捜隊のメンバーであるハヤタ隊員がパトロール中に怪獣ベムラーとベムラーを追ってやってきたウルトラマンと遭遇します。
そして不幸なことにウルトラマンとハヤタ隊員が乗っていた戦闘機は衝突事故を起こしてしまい、ハヤタは命を落とすんですが、それを申し訳なく思ったウルトラマンが自らの命をハヤタ隊員と分け合うことで一心同体になるんですよ。
普段は科学特捜隊の隊員ハヤタとして、そしてここぞという時にはウルトラマンに変身して怪獣と戦うことができるようになるんです。
科学特捜隊はハヤタのほか、頼りがいのある隊長村松、お調子者で発明が得意な井出隊員、射撃が得意な嵐隊員、後1転の富士隊員など個性的なメンバーが揃っていて、
この科学特捜隊とウルトラマンが力を合わせて地球で悪さをする怪獣や宇宙人と戦っていくというのが特撮ドラマとしてのウルトラマンの基本的な流れになります。
科学特捜隊は怪獣や宇宙人に対していろんな戦闘機や戦闘車両、それらに積まれたミサイルやいろんな兵器で戦うことになります。
井出隊員が各エピソードで発明する新兵器なんかもうまく効果を発揮したりしなかったりして各界のスパイスとして効いてるんですよね。
そして我らがウルトラマンなんですが、彼はその圧倒的な巨体から繰り出されるパンチ、チョップ、飛び膝蹴り、投げ技などの対術、そして十字に組んだ腕から発射する必殺技、スペシウム光線をはじめいろんな特殊能力を使って地球の平和のために怪獣や宇宙人と戦うことになります。
ただ彼には弱点があって故郷から遠く離れた地球の環境ではウルトラマンは連続3分間しか戦うことができないんですよ。
3分が近くなると胸についているカラータイマーという球体が点滅しつつ警戒音を発して3分経ってしまうとエネルギーが尽きて戦闘不能になってしまうんですよね。
ウルトラマンが設定上あまりにも強いので物語にスリルを与えるためにこのカラータイマーによる時間制限という要素が設けられたんじゃないかなと思います。
ここまでがウルトラマンという作品、そしてキャラクターとしてのウルトラマンのざっくりとした概要になります。
書物との出会い
ここからは前39話のエピソードの中で個人的にすごく印象に残ったくだりをさみだれにお話ししていきたいと思います。
まずは第8話、怪獣無法地帯というエピソードなんですが、こちらは火山の影響で無人となった架空の島、タタラ島を舞台にレッドキング、チャンドラー、マグラー、ピグモン、スフランという5種類の怪獣が登場する非常に豪華な回なんですよ。
初代ウルトラマンの特撮というのは時代的にはCGなどは使えなかったので、ビルを壊すシーンだったらミニチュアのビルをセットを組んで1から作ってますし、怪獣の着ぐるみについても1体ごとに相当なお金をかけて作ってますから、
そういう意味でも怪獣が5体一気に登場というのはすごいことなんですよね。
まあ以前制作した怪獣の着ぐるみをアレンジして再利用したり、そういうコストカットはあの手この手でやったりしてるんですけども。
で、タタラ島は無人島になっていた間に怪獣が占拠する弱肉強食の世界に変貌してまして、この島を調査に来た科学特捜隊はレッドキングとチャンドラーという怪獣が戦う様子を目撃します。
チャンドラーはコウモリのような羽を持つ怪獣で、レッドキングは直立二足歩行するゴジラ体系のパワー系正統派怪獣ですね。
レッドキングは力でチャンドラーを圧倒して、タタラ島の生態系の頂点に立っていることを感じさせました。
タタラ島の怪獣の中には人間とさほど変わらないサイズの幽光珍獣ピグモンというのもいまして、これはゴツゴツした岩のような皮膚を持ったちょっと可愛らしいデザインの怪獣です。
ピグモンは枕言葉の通り人間に対して友好的で、タタラ島に調査に来て怪我をしてしまった先発隊のメンバーに食べ物を届けてくれたりもしてたんですが、レッドキングが投げた岩石の流れ玉に当たって命を落としてしまい、見ていて可哀想でした。
で、この回で僕が一番見た目が好きな怪獣というのがマグラーという怪獣なんです。
僕は怪獣のデザインとしては頭が大きくて鼻のあたりから角が生えている怪獣が好きみたいで、マグラーもこの条件をクリアしてるんですよね。
鼻以外にも全身からゴツゴツしたトゲが生えているような怪獣なんですけど、そういう意味で言うとレッドキングは比較的頭が小さいので、僕個人のデザイン的な好みからはちょっと外れてるんですよね。
で、このマグラーどんな活躍をしてくれるんだろうと楽しみに見てたんですけど、なんと科学特捜隊の早畑隊員と村松隊長が投げた手投げ式ナパーム弾計2発を受けてあっけなくやられちゃうんですよ。
いやーマグラーはもっとやるやつだと思ってたんですが、完全に見かけ倒しでした。
人間が持てるサイズの兵器で死ぬなよと思ったんですけど。
で、この回の主役怪獣のレッドキングは後半でウルトラマンと戦うんですが珍しいのがスペシウム光線で止めじゃないんですよ。
ウルトラマンと怪獣の戦闘って途中は対術とかいろんな小技で戦いつつ、とどめはスペシウム光線あるいは八月降臨という物騒な名前の切断系の光線技が多いんですけど、
この回ウルトラマンがレッドキングにとどめを刺した決め技って背負い投げなんですよ。
ウルトラマンが背負い投げでレッドキングの体を地面に叩きつけてそうするとレッドキングはしばらくの間ピクピクと系連した後スッと動かなくなるんですよ。
爽快感ないしちょっと生々しくて怖かったです。そんな第8話怪獣無法地帯という回でした。続いては第10話謎の恐竜基地という回です。
ネスコとジラースの関係
この回ではある科学者がネスコから持ち帰ってきた恐竜が日本の湖で密かに育てられておりついには暴れ出すというお話でネスコ出身の怪獣ということでネスコに住むと言われているユーマ、ネッシーのような首長流体系の怪獣をご想像される方もいらっしゃるかもしれないんです。
この回に出てくるジラースという怪獣は実際には直立二足歩行のゴジラ体系の怪獣というかゴジラにそっくりなんです。
唯一違うのは首の周りに生やしたエリマキトカゲのようなエリマキなんですがそのエリマキを除いたらほぼゴジラなんですよね。というか実際このジラースの着ぐるみはゴジラの着ぐるみを流用してるんですよ。
ウルトラマンはつぶら屋プロダクションが制作。ゴジラは東宝という別の会社が制作した特撮作品なんですがつぶら屋プロダクションの創業者であるつぶら屋英二という人はゴジラの特撮パートを担当したいわばゴジラの生みの親の一人でもあるので
ゴジラとも浅からぬ縁があるわけです。そういうところから一応設定上は別怪獣なんですが実質ゴジラがウルトラマンに友情出演したというふうに見ることができる回なんですよね。
さらにゴジラとジラースのほぼ唯一の外見的な違いだったエリマキもウルトラマンとの戦いの中で引きちぎられてしまってもう最終的な絵面としてはウルトラマンとゴジラが戦ってるようにしか見えなくなるんですよね。
これはもう完全に確信犯だったと思います。変化球ではあったんですが会社同士の垣根を超えた遊び心のある粋なコラボだったんじゃないかなと思います。
続いては第17話 無限へのパスポートというお話でこの回には4次元怪獣ブルトンという怪獣が出てきます。この怪獣不思議な赤い隕石と青い隕石が合体して赤と青の巨大な顔のない鉱物のような見た目の怪獣に変身するんですが
このブルトン4次元の力を使うということで 4次元の力とは具体的にはどういうものなのか僕にはちょっとよくわからないんですけど
空間を歪めたり人をワープさせたりウルトラマンの動きを止めたり粘土力で動かしたりかなりトリッキーな攻撃でウルトラマンを翻弄するんですよ
で4次元を操るブルトンに対してウルトラマンはなす術もないかと思われたんですがブルトンとの戦闘中ウルトラマンがおもむろに高速回転を始めまして
そうするとブルトンの4次元パワーの源だったアンテナがなぜか破壊されてこのあたりちょっと原理がよくわからないんですが
そうやって4次元パワーを無効化することでスペシウム光線も効くようになってブルトンを撃破することができました
ちなみにブルトンという怪獣は4次元の力で不思議な現象を引き起こすいわば超現実的なシュールレアリズム的な存在だと思うんですが
美術史におけるシュールレアリズム運動の創始者であり中心人物でもあったフランスの詩人にアンドレ・ブルトンという人がいるんですよ
怪獣ブルトンはおそらくこのシュールレアリズム運動の創始者であるアンドレ・ブルトンから名前を取ったんじゃないかなと思います
後でお話しするエピソードに出てくるダダという宇宙生物も芸術運動のダダイズムから名前を取ったんじゃないかと思ってまして
ウルトラ怪獣のネーミングって割とそのあたりからの引用が多いんじゃないかと思います
ちなみにブルトンでもう一つ言うとスーファミの格闘アクションゲームでその名もウルトラマンというゲームがあるんですけども
僕は子供の頃持っていて結構遊んだんですがこのスーファミのウルトラマンにもブルトンが登場していてワープしたり
その無機質な体をフル活用して隕石のようにウルトラマンに突撃してきたりトリッキーな動きでかなり手こずらされました
ブルトンはそんなところですね
続いては第22話地上破壊工作という回なんですが
この回を監督したのは実相寺昭雄という人なんですよね
ウルトラマンは各エピソードごとにそれぞれ担当の監督がいて制作を回していくという手法を取ってたんですが
この実相寺監督の担当した回はどれもこれも異色作で特撮ファンの中でも話題を呼んできました
実相寺さんはフランスのNouvelle Vagueという映画運動に共鳴して
ウルトラマンで監督したエピソードも非常に前衛的な映像表現やストーリーが持ち味になっています
この地上破壊工作という回も独特かつ極端なカメラワークやライティング
前衛的な空気感が他のウルトラマンのエピソードと比べるとかなり異質に感じる回になっています
人の顔の中心部だけ異常にアップしたりものすごい煽りで撮影したり
他の回と全然絵作りが違うんですよね
実相寺監督は一人だけ違うところを見てるという印象がありますね
続く第23話 故郷は地球も実相寺監督回です
この回に登場するのはジャーミラーという怪獣で
ウルトラ怪獣の中でもかなり有名な方なんじゃないかと思います
ジャーミラーは身長も50メートルくらいあって皮膚は粘土質の巨人で
まさしく怪獣なんですが設定上元は人間なんですよ
宇宙船の事故によって水がない異星に不自着して
その過酷な星の環境に適応するうちに
身も心も恐ろしく変わってしまった
そして事故を隠蔽するために
自分を助けに来なかった母国への恨みを募らせて
国際平和会議の会場を襲うためにやってくるんです
乾燥に適応した体を持っていたジャーミラーも水には弱く
ウルトラマンの技ウルトラ水流によって絶命しました
その水を浴びてもがき苦しむジャーミラー最後の姿は
見ていてとても辛いものではありました
スーファミのウルトラマンでも他の怪獣に
とどめのスペシウム光線を打つと大爆発して
勝利のテーマが流れるんですが
ジャーミラーの場合はスペシウム光線を当てると
うめき声を上げながらゆっくりと膝から崩れ落ちて
暗転してレクイエムのような悲しい曲が流れる
という演出がありました
ジャーミラーが一方的な被害者かというと
そうとも言い切れなくて地球に帰ってきてから
無関係な人を大勢手にかけてますし
怒りにまかせて村を焼き払った後で
ふと我に返り自分のやってしまった行為に
うろたえるというシーンもありました
そんな見た人の心に傷跡を残すジャーミラー回
ウルトラマン第23話 故郷は地球?でした
続いては第25話 海水性追放という話で
この回も第8話ほどではないんですが
計3体もの怪獣が登場する豪華な回ですね
地球に接近した水性追放の影響で
怪獣の動きが活発になり
日本アルプスに3体の怪獣が出現します
1匹は水性からやってきた怪獣ドラコ
このドラコは全身黒ベースの
トカゲっぽい見た目の怪獣で
全身に細く走る白いラインがアクセントになっています
このドラコは僕は結構好きなデザインなんですよね
空を飛ぶこともできて
羽は昆虫の羽っぽいデザインなのが特徴です
2匹目はギガースという
巨大な白いゴリラみたいな雪男の怪獣です
このギガースとドラコは
お互いの逃走本能により遭遇した直後に
殴り合いの喧嘩を始めます
で3匹目は8話にも登場したレッドキングの別個体
レッドキング2代目ですね
このレッドキングは
オホーツグ海に登記されたという水爆を飲み込んでいて
のど元のあたりにその水爆が引っかかってるんですよ
これを爆発させると大変なことになるので
うかつにスペシウム光線とかで攻撃できないんですよね
この回で印象的だったのは
レッドキングが登場した途端
その雪男怪獣のギガスがものすごくびっくりした顔をするんですよ
ギガスの顔がドアアップになって
目をパチクリしてレッドキングに見入っている様子が
描写されるんですけど
なんですかね
生物として圧倒されすぎて
瞬き以外の行動が取れなかったのかもしれないんですけど
しかもそのギガスのドアアップが
1回じゃなくて何回もあるんですよ
今見返したら計3回ギガスがドアアップになってました
この回はそのギガスの顔芸というか
リアクションがすごく良かったですね
そんな第25話海水性追放でした
続いては第26、27話の怪獣殿下前後編です
この回では古都に住んでいた古代怪獣のゴモラを
ぜひ来たる万博で見せ物として公開したいということで
科学特捜隊がゴモラを眠らせて日本に運ぶんですが
途中で麻酔が切れて逃亡、コントロール不能になります
大阪の特撮エピソード
初代ウルトラマン唯一の前後編で舞台は大阪になります
前後編ということで特撮にもすごく力が入っていて
特にゴモラが大阪城を粉々に破壊するシーンは圧巻でした
ゴモラも正統派の強力な怪獣で
ウルトラマンの中でも特に人気のある怪獣だと思います
ただ一点大阪が舞台なのに大阪の人たちという設定のキャラクターたちが
一切関西弁を喋らないというのが違和感がありましたね
この時代地域ごとの方言を作品上で表現するという視点があまりなかったんですかね
時代的なものなのか作品固有の事情なのかちょっとわからないんですが
そこだけ少し気になりました
続いての第28話人間標本5、6話
さっきもちらっと名前が出た宇宙生物ダダというのが出てくる回です
ダダは非常に見た目が独特な白と黒にきっちり塗り分けられた怪人ですね
この回構成や作品に漂う空気感が非常に独特かつミステリアスで印象深い回です
この回では冒頭東京の奥多摩でバス事故が発生しているということで
科学特捜隊の隊長村松と井出隊員はバスに乗って調査を開始するんですが
乗っているバスが事故を起こして崖から転落して村松が目を覚ますと
そこには自分ともう一人の不審な女性客しかいなくなってるんですよ
で僕は初めてこの回を見たとき
この怪しい女性は怪人ダダが化けてるんじゃないかと思ったんですよね
女性の後をつけていくとそこにはある研究所があって
で紛らわしいんですが結果から言うとその女性はダダではなくて
その研究所と連絡が取れなくて様子を見にやってきた別の研究所の人だったんです
で実はその研究所は宇宙生物ダダに乗っ取られていて
ダダの目的は地球人を研究するため標本にすることだったんですよ
研究所にやってきた村松とその女性を標本にするためダダが襲ってくるわけです
でこのダダなんですけど進出機ボスで何もない空間にすっと出てきたりまた消えたり
そういう能力を持ってるんですよ
でダダABCと言われる3つの顔を持っていて姿を消したと思ったら別の顔で現れるというのを繰り返して
後半ではウルトラマンですらも翻弄するんですが
正直見ていて顔を変える意味というのはよくわからなかったんですよね
僕が見る限りこの顔の時はこの能力が使えるみたいなことでもなかったですし
実際は一人なのに顔を変えることで大勢いるように見せかけたかったのか
あまり意味がないと思うんですけど
ただそのよくわからなさが不穏なムードをより一層かきたてる効果はあった気がします
演出や雰囲気作りの妙が感じられる回でしたね
続いてが第30話幻の雪山という回です
これはロケ会というかスキーブームに乗って村起こしをしている山愛の村が舞台で
一面の雪景色が画面に広がります
ウルトラマンに登場するほとんどの怪獣は人間に敵意を持って攻撃してくるという存在が多いんですが
今回出てくる怪獣ウウウは違っていて
その村に古くから伝えられる巨大な雪の精霊のような怪獣で
むやみに人間を襲うことはないんですよね
ただこの回ではスキーで村起こしをしたい村の人たちと利害がぶつかり
人間に攻撃されてそれに対してウウは反撃してきます
人間が文明化される中で徐々に行き場を失っていく野生生物や自然の象徴のような怪獣なんですよね
一方でウウはその村に住む雪インコウと呼ばれる女の子と気持ちがリンクしたりもしていて
雪インコは人間の女の子なんですが雪の日に行き倒れになっていた親子の
その行き倒れになってしまったお母さんの残したみなし子で
雪の日にやってきた雪女の娘だと村の人には恐れられて
誰も引き取り手がいなかったところを山のふもとで一人暮らしをしていた老人が引き取って育ててたんですが
その人も亡くなってしまい天外孤独の実になって村の人とうまくなじめずにいる
そういう重い背景を背負ったキャラクターなんですよ
クライマックスでは村人に言いがかりをつけられて村を追われた雪インコが雪の中に倒れ込んでウウを呼びます
するとウウはそれに答えるようにスーッと消えて
それ以来雪インコの姿もウウの姿も見る人はいなかったと
そういうウルトラマンの話としてはふんわりした感じにある意味昔話っぽく終わっていくんですよね
そんな第30話幻の雪山という回だったんですけど
個人的には約30分で語り尽くせるような軽いテーマではなかったので
最後ふんわりさせるしかなかったのかなというふうにも見えました
続いては第34話空の贈り物という回で
こちらは実装時監督会になります
ジャミラ回とは打って変わって突き抜けたコミカルさ
メタっぽい構成が非常に面白く
実はこの回ウルトラマン見たことない
これまであまり特撮を見てこなかったという方にも一押しの回で
そういう方も特撮ファンも広く楽しめる回なんじゃないかと思っています
宇宙から隕石のように墜落してやってきた超重量級の怪獣スカイドンというのが
地球に居座ってしまったので何とかやっつけようとするんですが
あまりにも質量がありすぎてウルトラマンの攻撃も一切通用しないんですよ
ウルトラマンでもダメだということで
科学特捜隊でいろんな作戦を立てて次々に実行するんですが
ことごとく失敗していくんですよね
スカイドンのお尻から水素を注入して怪獣風船にして大気圏外に追い出すという
怪獣風船化作戦はうまくスカイドンを浮かばせて成功したかに思いましたし
やったぜ大成功だやっほーというセリフとともに
みんなでジャンプしたところを透明で見せるということまでして
終わった感を演出してたんですが
途中でガスが切れてその怪獣風船ことスカイドンが墜落してくるんですよね
そこで満を持してのウルトラマン2度目の変身で墜落してきた
可燃ガスの塊と化したスカイドンに空中で突撃することで
スカイドンは大爆発ようやく倒すことができました
ちなみにこのスカイドンが落ちてきますという報告を受けたとき
科学特捜隊のみんなでなぜか本部で一列に座って
名画最後の晩餐みたいな構図でみんなでカレーを食べてるんですよ
で早田隊員はウルトラマンに変身するとき
βカプセルという筒状の道具を使って変身するんですけど
慌てて変身しようとしたのでうっかりその寸前まで食べてたカレーのスプーンを
空高く掲げてしまって
あ違ったみたいな感じでそのスプーンをその辺に放り投げて
改めてβカプセルで変身するという
特撮ファンには有名なワンシーンもこの回にありました
クライマックスではなぜか科学特捜隊のメンバーが
日本庭園みたいなところに集まって
着物姿の藤田委員がお茶を立てて
科学特捜隊のみんなでお茶を飲むという
非常にシュールなシーンで終わっていきます
かなりやりたい放題という感じもある
そんな第34話空の贈り物でした
続いて第35話怪獣墓場という回です
宇宙をパトロールしていた科学特捜隊は
宇宙空間で不思議な光景に遭遇します
それは今まで倒してきた怪獣たちの魂が集う怪獣墓場というところでした
ウルトラマンの最終戦
思えば地球の平和のためとはいえ
多くの怪獣たちを手にかけてしまったな
という思いに駆られた科学特捜隊のメンバーは
よし一つ怪獣供養をやろうじゃないか
ということになります
複数の怪獣にまとめて宇宙院怪獣工事という怪名までつけて
科学特捜隊の本部にお坊さんを呼んでお経をあげてもらうんですよね
これまたすごくシュールな絵面なんですけど
そんな中怪獣墓場から月探査用のロケットにくっついて
地球にあってきてしまった見た目は怪獣の骨格標本のような
高齢怪獣シーボーズという怪獣が現れます
このシーボーズは人間に対する敵意はなくて
ただただ故郷の怪獣墓場に帰りたくて
そのあたりで一番高いビルに登って帰りたいよーというかのように
悲しげな鳴き声を上げたりしてるんですよ
これは他の怪獣のように倒してしまうのは可哀想じゃないかということになって
ウルトラマンはそのシーボーズを叱ったりなだめたりしながら誘導してあげて
もう一台あった月ロケットで怪獣墓場に返してあげるんです
まずシーボーズの仕草が人間臭くて可愛くて
個人的にはすごくこの回を見てシーボーズという怪獣が好きになりましたし
お気に入りの回ですね
そんな第35話怪獣墓場という回でした
続いては初代ウルトラマン最後のエピソードである第39話さらばウルトラマンという回です
この回では地球支配を企む宇宙人ゼットン星人と
その手先である宇宙恐竜ゼットンが登場します
今までいくたの強敵を退けてきたウルトラマンだったんですが
この宇宙恐竜ゼットンには苦戦させられます
必殺の八崎降臨もバリアで跳ね返すゼットン
ウルトラマンの対術も通用せずパワー負けしてしまいます
そしてついに切り札のスペシウム光線でゼットンを攻撃したウルトラマンだったんですが
ゼットンはスペシウム光線を打ち消し
逆にその光線のエネルギーを逆利用してウルトラマンにぶつけてきます
今までどんなに苦戦させられても最後には必ず敵を倒してきたウルトラマンが
ついにゼットンの前に膝を屈し倒れることになりました
もうウルトラマンの力には頼れない科学特捜隊は
試作兵器で一発しかない無重力弾をアラシ隊の手によって見事ゼットンに命中させ
人間の手で地球の危機を救うことに成功します
そして倒れ込み動かなくなったウルトラマンに誰かが語りかけます
それはウルトラマンの故郷M78星雲からやってきたウルトラマンの仲間ゾフィーでした
力尽きたウルトラマンに私は君のために命を持ってきた
私と一緒に帰ろうとゾフィーは言います
それに対してウルトラマンは私だけが帰るわけにはいかない
その命はハヤタにあげてくれというふうに返すんですけど
この下りすごくグッとくるんですよね
ウルトラマンの婚外に対してウルトラマンそんなに地球人が好きになったのか
と返すゾフィーのセリフもすごく効いてますね
それを受けてゾフィーはウルトラマンとハヤタの二人に命を吹き込んで
ウルトラマンとハヤタは一心同体から元の別々の肉体人格に分離するんです
そしてM78星雲に帰るウルトラマンとゾフィーを
ハヤタも含めて科学特捜隊のみんなで見送るんですけど
残されたハヤタの口ぶりからすると
そのウルトラマンと分離したハヤタには
第1話でウルトラマンと衝突して以降の記憶がないみたいなんですよね
今回最終話を見てそこにすごく胸をつかまれたというか
前39話ずっと見てきてハヤタとウルトラマンで同一死してたんですけど
ウルトラマンと分離したハヤタにはその間の記憶が残されていないということに
すごく喪失感を感じたというか
その記憶の喪失というところに
ウルトラマンの影響と魅力
この別れ最終回がより一層重いものとして感じられましたね
圧倒的な存在だったウルトラマンが最終話で怪獣に敗北するという流れも
当時見ていた人たち特に子供たちにものすごいインパクトを与えたようです
ということでウルトラマンのいろんなエピソードについて
つれづれにお話ししてきましたがいかがだったでしょうか
感動あり笑いあり前衛的な演出ありの本当に見どころが多い作品でした
今は特撮作品も大部分はCGで
毎週のようにセットを組んで火薬を爆発させてっていう特撮をテレビで見ることができた
そしてそれを多くの人が共通体験にできたというのは
本当に贅沢なことだったんじゃないかなと思いました
特撮に関して言うとウルトラマンの戦闘シーンなんかは
もう火災の一歩手前みたいなレベルで炎がごうごう燃えて
その中で怪獣の着ぐるみを着たスーツアクターの方が演技されていて
これは本当に大変なことだったんじゃないかと想像します
ウルトラマンのシリーズについては
ウルトラ7もまだまだ見てないエピソードがたくさんあるので
こちらもいずれお話しできたらなと思っています
最後にウルトラマンで科学特捜隊の後一転
藤田彩音を演じた女優の桜井ひろこさんという方がいらっしゃるんですが
この方はロコトークというyoutubeチャンネルを配信されてまして
最新回のゲストは新ウルトラマンの庵野秀明監督です
他にもウルトラマンで早田大院を演じた黒部すすむさんのゲスト回もあったりして
ゲストが豪華かつ内容が濃厚すぎてまだ全然チェックできてないんですが
少しずつこの藤田彩音こと桜井ひろこさんのyoutubeチャンネルも見ていきたいなと思っています
こちら概要欄に貼っておきますのでよかったらチェックしてみてくださいね
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今回は特撮作品の古典的名作初代ウルトラマンについてお話しさせていただきました
ご視聴ありがとうございました
58:23
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