そうですね。
分厚く、500ページでしたっけ?
500数十ページありますね。
数十ページですよね。結構威圧感のある長さなんですけど、
なんでまあ、話自体長いです。
で、登場人物もすごく多くて、警察とか、テリーの義理の父。
ポッターさん。
そうですよね、がいるんですけど、その人の側の人間とか、いろいろ思惑が絡んでいて、
それに主人公の私立団体フィリップ・マーローが巻き込まれていくというか、翻弄されていく話ではあるんですけれども、
その中でやっぱりマーローは自分の信念というか、いろんなところがいろんな圧力がかかるんですけど、
それで自分の行動を曲げたりとかしないテリーが無罪を信じて動き続けるっていうところなんですけど、
そこにやっぱりカッコよさを感じる作品ではあります。
で、今言ったように分厚いんですけど、かなりストーリー展開が早くて、非常に文章も読みやすいです。
なので割と夢中で読めてしまう部分もあるので、結構海外文学苦手な人とかでも読みやすい作品になっているんじゃないかなと思います。
そうですね、純粋にミステリーの小説としても本当に面白く読めるものですもんね。
この機会に読んだことないな、ちょっと分厚いぞあれと思っているような人は、今日の話を聞いて、気になったら読んでいただけたらありがたいです。
そうですね、ハマってしまうと一晩で読んでしまいそうな作品だなと思いますので。
じゃあちょっとお互いの感想をちょっと言い合いましょうか。
三重の方から感想を伝えようと思うんですけども、まずこの私は村上春樹役のロンググッドバイを読んだんですけども、本当にエンターテインメントとして面白い小説だと思っています。
最初から最後までスリリングで、原作が1950年代に書かれたものなんですけども、今でも新鮮に読める小説だと思っています。
先ほども田野大地さんから話し合ったんですけども、次々に場面が転換していく、テンポの良さもいいですし、主人公のマーロンのすごいユーモアあふれる会話なんかも読んでいて楽しいですね。
個人的にも一番印象が残っているのはテリー・レノックスという登場人物で、テリー・レノックスが抱える影というか悲しみというのが自分にとっては忘れられないものになっています。
小説の舞台では華やかな世界に生きているんですけども、過去には戦争の重い影というのがあって、テリー・レノックスはもう栄光と悲しみの両方を抱えて生きているんですけども、
その姿は真っ当に生きられないけど、それでも生きていこうとすると。だからこそ事件が起きて、そこに主人公のフィリップ・マーロンが登場して巻き込まれていくわけですけども。
このロング・グッドバイを読んでいて思ったのは、本の後書きで村上春樹さんも触れているんですけども、グレートギャツビーに非常に重ねて読めるところがあるなと。
ここをぜひ村上春樹さんの解説も読んでほしいなと思うところです。
ありがとうございます。私も村上春樹役持ってるんです。一番年に読んだのは村上春樹役なんですけど、解説長いんですよね、確か。
そうですね。後書き?
後書き多分40ページ、50ページぐらいありますね。
結構ボリュームありますよね。ありがとうございます。じゃあちょっと私の方から感想をちょっと。
お願いします。
単的にめちゃめちゃかっこいい小説だなと思ってまして、哀愁がたまらない作品だなっていうのがあります。
何度か読んでるんですけど、ちなみに今回清水役で読みに帰したんですけど、村上春樹役。
私は最初村上春樹役でやって2回読んでて、清水役も2回読んでて、でもう1回今回清水役読んだんで計5回読んでるんですけど、
毎回読むたびに本当に同じような感情というか、やるせなさのようなものを感じて、そこがなんかすごくグッとくるので、
だから何度も読んでしまうんだろうなって思う小説です。で、なんでこういうことを感じるのかなと思うのは、
フィリップ・マーローって自分で考えて自分で動いて、自分で感じた答えしか信じないタイプの男で、
それってもうなかなか難しいじゃないですか、そういう生き方を貫くっていうのは。
そういう行動をした結果にたどり着いた真実にマーローは向き合うんですけど、
その時の悲しみっていうのがすごくやるせない小説だなと思う。
このマーローの生き方って結構テリーレノックスのことが好きでいろいろ動いてるっていうところが多分あると思うんですけど、
それって結構期待というか、期待してしまってる部分っていうのはなんかあるんじゃないかなと思うんですね。
その期待って結局それが報われることがないかったりとかすることって現実でもあると思うんですけど、
何かのために頑張ったのに報われないこと、不幸な状態だと思うんですけれども、なぜか惹かれてしまう部分があって、
そういうのって結構他の作品でもあるったりとか、報われないことに関して感情が動かされてしまうことって結構あると思うんですけど、
そういう感情を結構味わえる作品だと思うので、すごく自分はそういうのが好きなんだと思います。
こういう人間臭さみたいなところにこの作品、フィリップ・マーローの生き方に憧れてるんだなと思ってます。
このマーローとテリーレノックスの人間関係っていうのが、普通の小説とはちょっと違う特殊な結びつきのように思えてしまう。
大地さんが、マーローがテリーレノックスに抱いていたであろう期待ってどんな期待なのですか?
ちょっとネタバレにならないように話すのがすごく難しいんですけど、期待の種類で言うとこうあって欲しかったみたいなのがあったんじゃないかなと思いますね。
こういう事実であって欲しかったみたいなのが多分マーローにはあったと思うんですよ。
でも行動していくうちに色々分かってきた部分もあって、それでも彼は行動をやめないっていうところもあるし、
多分マーローはものすごくテリーを信頼したんだと思うんですね。自分を頼ってくれたもしたし、
それに関してマーローってテリーとの関係ってそこまで深くないじゃないですか、出会い方からして。
そうですね、期間は短いですね。
酔い潰れたところ助けて、助けてあらたびたびテリーが訪れてきて一緒に飲むようになっただけっていう関係じゃないですか。
深い関係じゃないけれども、自分を頼ってくれたりとかしてる部分、それに関して全力で応えようとしてるマーローっていうのが、
これだけ聞くとあんまりその関係性って理解されにくい気がするんですけど、でも現実でこういうことって結構あると思うんですよね。
まだ関係性が浅いけど、頑張って返したくなるような人いると思うんですよ。
それってやっぱ信用だと思うんで、それを寄せたと思うんですね、期待として。
それが報われなかったなっていうのがちょっと感じたところですね。
作品にも大きくテーマにもなってると思うんですけど、マーローとテリーの友情っていうのが描かれているというか、交換にある作品だなと思ってるんですけど、
これちょっと今も話したんですけど、あんまり深くない2人っていうか、結構サラッとしてるんですよね、このバーで飲んでるシーンって。
ビクターズっていうめちゃめちゃ良さそうなバーに2人で行くんですけど、しかも早い時間に行くんですよね、バーの静かな。
この描写もすごい好きですね。静かなバーに行って飲まないかっていうところがあるんですけど、
清水役で言うと32ページなんですけど、この辺りもすごくいいなって思います。
2人で飲んでて関係が深まっていってるんだなっていうのがわかるシーンでもあるので。
村上春樹役だと34ページに今の描写が書かれていて、僕もすごい好きなセリフのところですね。
ほとんど同じ、あ、最後何者にも買いがたいっていうところが終わってるんですね。
あ、そうか、この一言がちょっと違ってるんですかね。
清水役で言うとこんな素晴らしいものはないぜっていうのが、村上春樹役だと何者にも買いがたいって。
あー、いいですね。
付き合わせると結構面白いですね、こういうところね。
そうですね。
こういうのってすごく物語の序盤で、ページ数もさっき言った通り伝えてないんですけど、すごく端的に関係が深まっていくっていう感じがあるんで。
なんか男同士ってこういうのはありますよね。
女性ってどんどん終わらないですけど。
なんかちょっと気が合って飲んでるうちにすごい関係がいつの間にか短い期間だけど深まっちゃうっていうことが多分あるんで。
そうですよね。
それで友情が育まれて信頼し合っていくような感じがすごくあります。
なんかこの友情のところで言うと、フィリップ・マーロンはすごく一匹狼なところがあると思うんですが、
テリー・レノックスもなんというか世の中からちょっと浮いてしまっているような存在で、その二人が偶然出会って気が合うっていうところが面白いなって思いますよね。
おすすめだなって思います。
主人公のマーローがとことん現実的な人間で、
自分は自分、他人は他人って常に物事を切り離して考えているんですね。
でもそれを徹底して描かれているんで、
例えば小さな嘘とか、小さな違和感とか、
そういったのを本当に見逃さないし、見逃さないからピンチになったりするんですけど、
でもそんなマーローが自分の問題だと思ったら、
どんな小さなことでも見逃さずに信念を持って立ち向かうっていう、
その姿が嫌われる勇気とかに影響を受けた人は、
マーローの生き様っていうのが心地いいって思えるんじゃないかなって、
なんかそう思いますね。
確かにそうかもしれないですね。
ロマンチストな人にも結構おすすめだなと思いますね。
これも最初にグレートギャッツビーに重なるところがあるというのでお伝えしたように、
華やかさと重くのしかかる影っていうのを両方をはらんでいる作品なので、
すごく想像力を掻き立てられるんですね。
最後まではまたすごく良い余韻に浸れるので、
ロマンを感じたい人にもおすすめだなと思っています。
本当ですよね。ぜひ読んでない人はこれを機会に読んでもらいたいと本当に思います。
じゃあ今回はこんなところで第2回レイモンド・チャンドラーのロンググッバイ、長いお別れでした。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
じゃあちょっと次回予告をさせていただきたいと思います。
次回はですね、アメリカの作家なんですけど、リチャード・ブローティガンのスイカ島の日々をご紹介取り上げたいと思います。
なかなか髪どころない小説なので。
そうだね、またロンググッバイってまたちょっと対極にあるような作品ですよね。
うまく話せるか非常に不安な、二人今ちょっと不安になってます。
そうですね、僕も不安感じてます。
ですよね。なのでちょっと楽しみにしていただければなと思います。
そんな不安な感じも味わっていただけるかもしれません。
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そうですね。
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ということで、次回ジャジャポロデガンのスイカ堂の日々なのでよろしくお願いします。
それではまた次回配信お楽しみいただければと思います。
はい、どうもありがとうございます。
ありがとうございました。