平積みされてるのを買って読んだのが、私とイタロウ・カルビーノの出会いでしたね。
完全にこれ、帯一緒かな。伊沢ユーブックスですよね。
そうです。
私のユーブックスも読書をめぐる冒険って。
じゃあ一緒だ。
書いてある。この帯とこの表紙にやられて買いました。
すごいワクワクしますよね。
帯もそうだし、タイトルもすごい、冬の夜一人の旅人がっていう、すごいロマンを感じるような。
完全にカルビーノっていう存在を知らないときに、ほぼ知らなかったかな。
見えない年ぐらいは知らなかったけど、ちょっと知らないときに若気買いしたのがあれですね。
で、私今回古本屋でたまたま買ってあった将来者版を持ってるんですけど、それで読んだんですけど、訳は一緒でしたね。
そうなんですね。
なので多分どれで読んでも、ちくまで読んでも一緒だと思います。
じゃあちょっと私の方からあらすじを行きます。
今回あらすじ非常に、あらすじというか本自体がめちゃくちゃ複雑な内容なので、後でストーリーラインを解説しますが、とりあえず一回あらすじの方をお話ししたいと思います。
あなたはイタロウ・カルビーノの新作、冬の夜一人の旅人がを読み始めようとしている。
しかしその本は30ページほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。
乱丁本だ。
あなたは本屋へ行き、交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。
あなたが読んでいたのは、冬の夜一人の旅人が、ではなく、全く別の小説だったのだ。
書き出しだけで中断されてしまう小説の続きを追って、あなたイコール男性読者と女性読者の探索の旅が始まる。
大学の研究室や出版社を訪ね歩くうちに、この混乱の背後に偽の本を作り続ける翻訳者の存在が浮上するのだが…
さまざまな文体を駆使したメタフィクションの手法を用いて、あらゆる本を書くという不可能に挑み、
読書という不思議な営み、その史上の喜びを謳い上げる文学の魔術師、カルビーノによる究極の読書小説となっておりますね。
このあらすじがまた…
あらすじがまた…確かに書いてある通りなんですけどね、また何のことだろうって思っちゃいますよね。
でもこのあらすじ、読むとですね、結構ドキドキワクワクしますよね。
何だろうみたいな。
そうですね、書き出しだけで中断されてしまって、何だろうとかって。
男性読者、女性読者が出てくるっていうのも、たぶん初めてのケースだと思うんですよね。
あと最初にもうすでに、イタロウ・カルビーノの新しい小説、冬の夜一人の旅人が読み始めようとしてるって、
え、この本は冬の夜の一人の旅人じゃないの?みたいな。
いろんな仕掛けがあってですね、めちゃくちゃ面白いんですよ。そんな話ですが。
まずちょっと本題に入る前に、イタロウ・カルビーノについてちょっと発足しておきましょうか。
そうですね。
イタリアの一応国民的な作家としてすごく知られていて、文学好きな人はかなり知名度が高いですよね。
カルビーノ。読んでるか読んでないかまた置いといておくかと思うんですけど。
名前は聞いたことあるっていう人が多いかなと思いますよね。
結構この冬の夜一人の旅人って結構読書館に関する話が多いので、ちょいちょい引用されてる本に出会ったことありますね、私ね。
面白い作家だなと思います。で、なかなか実験的な小説をたくさん書き続けた人なんじゃないかなと思います。
作風というか作品ごとに結構その試みみたいなのが変わってて、面白いですよね。まあ私そんな読んでないですけど。
そうですよね。我々の祖先三部作っていう。
日の森断釈とか。
そうですね。その中で真っ二つの試釈っていう本になったことあるんですけど、それもすごい何だろうちょっと面白い書き方してて。
ちょっとね実験してる。実験と言ったら例ですけどね。なんかすごいテーマが面白くて、なんかそういうのを毎回毎回なんか次に新しくっていうのでやってる作家だなって思いますよね。
すごいね、なんていうかかっこいい人だなと思います。
そうですね。
自分の作風になんていうのかな、多分固執しないっていうか、すごい人だったんだろうなと思います。もうなくなってますけどね。
今回紹介する冬の夜一人の旅人が、ギタロ・カルビーノの中でも結構後期の作品になってくるんですよね。
1970年代の終わりに原作が出版されてるんですけど、それまでその前の作品から6年期間が空いているというので、カルビーノが次は何を書いただろうというので、
結構注目されながら出た本っていうのをなんかでちょっと後書きを読んでいるとね。
そうですね。長編で言うと彼の最後の作品になるのかな、確か。
これが一番最後の作品になったんだという。どっかで読んだことある。後書きじゃなかったかな。
みんな知らないってことは後書きじゃないですね。
私はちなみにギタロ・カルビーノはですね、実はめちゃくちゃ持っているんですけど、読もうと思って。
でも、宿命の交わる城っていうのしか読んでないんで、まだ2冊しか絶対読んでないんです。
これも実はですね、一番最初に冬の夜人の旅人が読んでしまったので、逆行しようと思って。
彼が冬の夜人の旅人の前に書いたのが宿命の交わる城なんですよ。
なので、遡ってこうかなと思って。
なるほど、なるほど。
カルビーノは。と思ってるんですけど、今、たぶん次が見えない都市になるのかな。
そうですね。
日本で翻訳されてるんですか。
ちょっとそれをこう、行こうと思っている最中です。
でも全然済んだね、その旅が。
結構長い旅。
長い旅。
さっきみえさんが言った3部作めっちゃ読みたい。でもあれ初期の先なんですもんね。
そうですね、比較的。
カルビーノ、その見えない都市は読んだことがあって、川出文庫から出ていて、架空の国の話を延々と書いてて。
なのでちょっと後で話しますけど、後半でこれどうやったら読みやすく読めるかなみたいな話をちょっと名産としたいなと思ってます。
今回ラジオの目的としては、この難解な小説をどれだけハードル低くして読むことに対してトライしてくれた人たちの助けになるかっていうのをちょっと頑張ってみたいなとは思ってます。
どれだけ助けになるかわかんないけど。
そうですね。確かにすごい面白そうな小説なんですけど、実際読むとつまずきやすいですもんね、これ。これを全部読めた人ってなかなか少ないんじゃないかなと。
挫折する人は出てきますね。
そうですね。
だからちょっと何とかこう助けになったらなと思ってます。
その奥にはマジで面白いかなって気持ちがあるんですけどね、俺の中には。
じゃあちょっとまず今日の全体の構成を最初ちょっと触れたいなと思います。
まずですね、ちょっとストーリーラインの解説をちょっとします。
全部は話さないんですけど、前半ある程度こういう感じでストーリーは進んでいくよみたいな話を触れるので、参考にしてもらえればなと思います。
で、逆にですね、正直ここはもう理解しなくてもなんとかなるよみたいなところまでちょっと話せたらなとちょっと思ってます。
で、次がこの小説に関してどう面白かった、ここ読みどころですよねみたいなのを三枝さんと話していきたいなと思ってます。
で、最後にどうやったら読みやすくなるかって話をして今日は締めたいと思ってますのでよろしくお願いします。
じゃあ早速なんですけど、ストーリーラインの解説をちょっと私の方から始めたいと思います。
大枠はですね、これあらすじにもあったんですけど、読書が中断されるっていう体験をですね、味わえる小説なんですよ。
とにかく面白い小説を読んでいたら急に続きが読めなくなってしまい続ける男の話です。
面白いのは第1章から第12章まであるんですけど、章と章の間に中断させられる小説が挟み込まれます。
実際に、主人公が読んでいる小説っていうのが10本挟み込まれます。
これによって、すごくこれが面白いなと思ったんですけど、強制的に読者を主人公と同じ環境に置くことに成功してるんですよね。
主人公と同じ体験を読んでいる読者が、この小説を読んでいる読者が共有できるっていう構成になってます。
楽しめで読み始めたら、すげえいいとこで毎回終わるんですよ、小説が。
しかもその10本の小説、外れがないっていうか、どれもほんと面白ってなってるところで終わるから、めちゃくちゃなんかこうもやもやするし、
それを小説の主人公と同じ気持ちにさせてくれるんで、すごい面白いなと思います。
冒頭だけの小説なんですけど、これをこのラジオで話すときに、なんて言ったらいいかなと思って、小説な小説なんですけど、
とりあえずこの小説の中の短編と呼ぶことにしようかなと思ってます。
なので、短編ってなったら冒頭小説のことだなと思ってください。