5杯目以降はもうね、なんかただ酔うために飲むのだみたいなね。
どんだけ飲むんだっていうようなことを書いてたりするんですけど。
ちょっとこの歩くことの哲学みたいなところに合わせつつね、
彼の人生哲学みたいなのがね、垣間見える文章があるんで非常に面白いですよね。
そうですね。
あとこの本の特徴としては、古今東西の作家とか哲学者とか、
すごいいろんな人が、例えばマルソーであったり、ランボーであったり、
アリストテレスも出てきますね。
そういった人たちからの引用も非常に多いんですし、
そういう人たちとちょっと対話をしているような、そういった描写も見られてですね。
そこが、読んでいるとちょっと難しく思う面もあるんですけども、
ただわかる人にはそれはすごく面白く読めるんじゃないかなと。
より深く作品を楽しんで読めることができるんじゃないかなと思うところですね。
そうですね。これ結構引用が多いので、私はもうほぼ8割ぐらいわかんなかったです。
8割ももっともっとかな。
全然わかんなかったですけど。
1つもわかるものなかったかもしれないけど。
でもやっぱりその引用されている文章自体もめちゃめちゃいいんで、
読んでて楽しかったですね。
じゃあちょっとそんなところでポイント伝えましたが、
ちょっとこれ二部構成になってるんで、その辺りちょっと三井さんから。
そうですね。ストーリーというよりかはその作品の全体像みたいな説明になるかなと思いまして、
二部ある中のまず一部ですね。
主人公はこの著者自身であるトマスになります。
この主人公が作品の始まりの時点でどういう状況なのかというのが、
ちょっと役者後書きに説明があるので、ちょっとそこから引用するとですね。
かつて結婚して子供もいたっていうので、
主婦をしていた時期っていうのが4年あったんですけど、
結婚生活とか田舎暮らしにも、あと物を書かない日々にも、
作家だったんで、耐えられなくなったと。
新たな人間関係を築いて、新たな夢を見て、新たな旅をして、
4年ぶりに筆を取って、新たな金も稼いで、新たな本を書いて、新たな恋人も作ったと。
しかしその恋人にも捨てられてしまい、夜景になって酒を浴びるように飲んだ後、
近所の道を歩いていて、不意に幸福が訪れる場面から本作が始まるというんですね。
確かに4日間、ずっとひたすら飲んでて、死ぬほどだるい状況で歩いていたら、
そこから幸福が出てくるっていう、そこから始まっています。
実際そこでバーガヨイの話とかも書かれているんですけども、
ここからは主人公が放浪者になりたいと思っているところがあって、
作家なんですけども、変化その部屋にこもって書くとかというのじゃなくて、
っていうので、ある車が立ち往生していたときに助けてあげて、
ちょっと馬に食料をあげてくれないかというので、食料をもらっている間にもう去って逃げて、
そしたら今度馬は車を追いかけていくっていうですね、そんな話があって、
そことか結構面白かったですね。
この馬の話って本当だったのかって。
本当なのかどうか。倫理的にはだいぶダメなことをしているんですけども。
いまいち私は信じないですね。
何の話だったんだっていう。
あと馬に噛みついたとかね、そんなこともやってたりしましたし、大丈夫かっていうのも。
あとヘビのお話はこれあれ、イソップ童話、こういう話があったんじゃないかっていうんだけど、
なんかなかったかもしれないみたいな。
そうそうそう。なんかすごい面白いイソップ童話を教えてもらって、
っていうのでじゃあそれ探したら見つからないっていう。
なんかこれも本当にあったかどうかわからないところで追求しないあたりも、
この本らしいところで面白く好きだったな。
確かに。あとはちょっと印象的だったのはシェイクスピアの劇ですね。
真夏の夜の夢を。
これもトマスとナルフェでそれを鑑賞しているシーンがあったんですけども、
途中でその2人の掛け合いですね、その会話が、
なんかね、その実際のシェイクスピアの劇を模倣しているかのような掛け合いに変わってるとかですね。
この辺の遊び心すごい良かったですね。
このシェイクスピアの劇のところはなんか面白かったね。
結局寝ちゃうしね。
確か。
僕は結構ですね、あと終わりの方に近づいてくるとですね、
これもなんかやっぱり印象的な体験っていうところで、
これも旅している時に本当に一夜限りのというか、
その出会った友人にアンドリアスっていう人がいて、
このアンドリアスは結構マスケンからするとちょっとこの人大丈夫なのかって思われるようなタイプの人で、
ちょっと意味不明なことを言ったりするような人で。
ただこのトマスですね、主人公は面白がって、
アンドリアスとね、よく短い間ですけど一緒に飲んでて、
っていうそんな二人の下にすごいもういかにも成功者みたいな家族が通りかかって、
そこの旦那さんですね、軍隊の大佐っていう偉い地位にいる人なんですけどもしていて、
でももともとはヒッピーで、アンドリアスみたいな、
アンドリアスもひげぼうぼうで、なんかヒッピーみたいな感じなんですけど、
そのアンドリアスみたいな格好をしていたっていうので、結構この大佐とが何て言うんですかね、
このトマスであったりアンドリアスに何か心を通じる部分があるっていうので、
下川神社だっけ。
はいはいはい。
まあもう行ったから、結構なんか歩いてる気がするな、その日。
歩いてると思いますね、かなり。
やっぱなんか見るとこがあると全然いけちゃうんだよな。
若かったのもあるかもしれないけど。
この作中に出てくるトマスは、なんかその39歳の時に、
なんかこの放浪者のように歩いてたっていうのが描かれてたんですけど、
まあ今のね、自分たちがそういうふうにもう何もかも捨てて、
なんか歩けるかとかって考えた時に、
なんですよね、なんか自分なら果たしてできるだろうかって言うとですね、
もうちょっとなかなかそれ想像ができなくてですね。
だからこのトマスがこの放浪者になりたいのは何でなんだろうかとかですね。
そう、まあその楽しみとかそういうものでは多分ないのかなと思うんですね。
歩くことでその幸福感を得られているっていうのはあったと思うんですけども、
何かその本能的というか、なんかねそういう欲みたいなものがあって歩いてたのかもしれないとかっていうのはちょっと思ったりしましたね。
何だろうね、確かに。まあでも飼い慣らされたくなかったのか。
そこなのかな。
私はだいぶこのトマスの生き方に憧れちゃいましたけど。
それはね、思いますね。
だってもう本当予定も決めずに歩いてさ、たどり着いたとこでまた次の行き先決めてみたいな。
でもね、これね、すごいラストでね、旅の終わりのことが書かれていて、
なんかすごく切なくなってしまったとかあるけれども。
うん、確かに。でもトマスももしかしたら旅に終わりがあるっていうのはもう分かってたから。
いや、めちゃくちゃ意識したの。
旅してる時はいかに自分を捨てれるかとか、
放浪者になれるかっていうところ、それを求めてたのかもしれないなと思いますね。
やっぱあれだな、自宅までの帰り道を、帰る時間とかを気にしてしまうようでは。
もう全く難しいですね、こんな状況にね。
散歩レベルだよ、散歩。
確かに憧れますね。
やっぱり今、自分が歩くのって、やっぱ散歩とか何か目的地に行くとかっていう、
そういう歩きしかしてないので、何かこの旅というか、
この歩いてる道中だけは、今までの自分とは違う自分になるんだとかですね。
なんかね、そんなことができる歩きっていうのが、ちょっとしたいなっていうのはね、思いますね。
やはりこれは、飼いならされずに、詩的な人生を生きる術でしたね。
そうですね。本当、タイトルちゃんと書いてある通りでしたね。
じゃあ最後、感想とどんな人に読んでもらいたいか、ちょっと話して終わりたいと思います。
どうだったかな、改めて話してみて思ったけど、
三重さんが最初に言った、自分縛られてるかもって思ってる人にはめちゃくちゃ刺さりそうだなと思った。
だからね、今日の紹介を聞いて、少しでも、
なんか自分最近縛られてるな、飼いならされてるなって思った人はですね、
ちょっと手に取ってもらいたいかもしれないですね。
そうですね。
三重さんはどうですか?
他やっぱり、このトマスの生き様というか、
これがどこまでが現実で、どこまでがフィクションなんだろうか、やっぱり気になってきましたね。
なるほど。
これでもし現実要素が多かったら、この作家はすごすぎると思いますし、
ちょっとこれはもうとんでもない作家というか、とんでもない人だなって。
この人の本はもうちょっといろいろ読みたいなって思いましたね。
でも今回、ノルウェーの面白い作家が知れてよかったですね。
そうですね。
こういうの読める、こういうのはちょっと求めていたというか、
読みたいなっていう、そんな本でしたね。
良かった良かった。
求めていたっていうか、こういうの読みたかったって改めて思いましたね。
そうですね。
もしかすると、この本に関してはやっぱり読んだ後、後々からどんどん自分の中に、
この本が残り続けるんじゃないかなって思うような、
それくらいすごくずっしっと来るものがありましたね。
そうですね。
ぜひいろんな人に読んでもらいたいと思います。
じゃあ次回もお伺いしたいと思います。
次回はフェルナンダ・メルチョールのハリケーンの季節をご紹介します。
お楽しみに。
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