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視覚障害者からの問いかけラジオ。この番組は、プロトタイピングチームPLAYERSが提供する視覚障害者からの問いかけワークショップから派生した音声コンテンツです。
いずれもPLAYERSのメンバーである視覚障害者の中川と、晴眼者の本間が、見えない生活で感じる疑問や見える世界で感じる違和感などについて、ゆるく対話を繰り広げる雑談ポッドキャストです。
毎回のトピックに関連して、投げかけられる問いかけにも耳を傾け、自分なりの考えに思いを巡らせていただけると嬉しいです。
第2回ですね。
よろしくお願いします。
初回よりもうまく最初を話せると。
いや、これすごいですよね。
私、めちゃくちゃ台本を読み上げてますけど、中川さん、目で追って読み上げるっていうことをされてないので、覚えてらっしゃるってことですよね。
そうですそうです。
なんか、話してるだけだと中川が視覚障害者だってわからないじゃないですか。
そうですね。
で、本間さんは台本見たりとかできるから、それ読めばいいし、でも中川はこれ読んだりできないから、事前に覚えなきゃいけなくて、
セミナーとかワークショップとかでも、決まったこととか、言わなきゃいけないこととかもし決まってると、全部覚えるんですよ。
それすごいなっていつも思っていて、展示とかはあまりそういうのは使わないのですか?
確かに、展示読めたら絶対楽だわ。
それ、僕、展示読めないんですよ。視覚障害者の中での展示の識字率って1割ちょっとぐらいなんですけど、視覚障害者が10人いても1人ぐらいしか展示読めないってことですけど、
10人に1人。
僕、読めないんですけど、確かに展示の台本あったらそれ指でたどりながらしゃべれるじゃん。
めっちゃいいですよね。
最近リスキリングっていう言葉流行ってるじゃないですか。
はい。
僕もだんだん見えなくなっていくに応じて、視覚障害者のリスキリングっていうのは自分の中でテーマがありまして。
なるほど。
なんか、ちょっと健常者と違って必要に迫られてる感があるので、どう思うかわからないですけど。
確かにな、展示読めたら絶対台本もうちょっと楽だな。
なんかでももうちょっとテクノロジーの進化で何とかならんのですかね。
なんか片耳でちょっとパソコンで音声聞きながらで一方でしゃべりながらってできなくはないですけど、
いやいや耳で聞きながらやればしゃべれそうな気もするけど楽しくなりそうだなって思う。
今でも十分ただ正しいやんけっていうのもありまして。
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いやいやいや、だいぶ崩れましたよ、第一弾から。
はいはい、そうですね。
上手くなっていった時に本番さんに手渡そうと思ってます。
で、私は完全台本読み上げるっていう。
ズルしますよ。
ズルしててもわかんないのがラジオの意図ですよね。
そうですよね。
逆に努力が見えないっていうのもあるのか。
確かに、加賀さんの努力が見えないっていう。
まあね、それは面白いところっすよね。
なんか突然今日の話をしたいなと思ったんですけど。
はい、突然来ますね、どうぞ。
僕は走るの趣味でして、走るって資格障害者だから一人で走れなくて、
ランニングを今でも週2回やってるんですけど、
ジムのマシンじゃなくて、伴奏者と走るんですよ。
伴奏者、ブラインドマラソンっていうやつ。
ですね。
で、11月に初めてフルマラソンを走ったんですけど、
なんか、ブラインドマラソンって言われるとすごい違和感あって、
なんかそのつもりでやってなかったから。
なんか、ただランニング一人でできないから伴奏者と一緒に走ってるだけで、
そこにブラインドマラソンっていう名前が付くのすごい僕は違和感を持ってるんですけど。
で、フルマラソン走るために2年から1年ぐらいかけて、
ちょっとずつ走れるようにしていって、最後は週2回をずっと走ってたし、
20キロ毎週走ったり、途中で30キロも1回走ったりとかして、
で、フルマラソンって42キロあるじゃないですか。
はい。
伴奏者2人付けたんですよ。
へー、変わるんですか、途中で。
え、じゃあ42.195キロを2人が走るってことですか。
やり方ちょっと自由っちゃ自由ですけど、
本当の競技じゃなくて趣味として僕は走ってますけど、
2人いた方がいろいろといいことがある。
逆に言うと1人だと困ることが結構あって、
1人だと困るのが給水のときに伴奏の人にコップを取りに行ってもらうんですけど、
それを取りに行く間、混むじゃないですか。
一緒について行って、混んでて、受け渡ししてが結構大変なんですよ。
なのでもう1人いる伴奏者の人に先に行ってもらって、
コップを取っておいてもらって、
それを渡してもらうっていう給水の方法があるんですよ。
そうすると視覚障害である僕が混雑に巻き込まれずに飲むことができるっていう。
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日本ブラインドマラソン協会の説明を引用させていただくと、
伴走とは走者のそばについて一緒に走ることを言います。
特にブラインドマラソンにあたっては伴奏者は障害者ランナーと一緒に走り、
視覚障害者の目となり、方向を伝えたり、障害物を避けたりする役割があります。
伴走には特に資格はありません。
伴走ロープという1mのロープを輪にしてお互いの手に握って走ります。
その一応基礎知識として見ていたんですけども、
2人の方と走るってことは、両手にその伴走のロープを持って走られたってことですか?
いやいやいや、それちょっと滑稽じゃないですか。
どんな感じだったんだろうって。
1人の人とは常に僕の左手、相手の右手がロープ繋がってるんですけど、
1人の人は僕の前にいて、他の人に声をかけてもらったり、
給水のときに先にいて取ってもらったりっていう感じで、
僕とは別のところを走ってくれてるんですね。
伴走の人がお手洗い、トイレに行きたくなることもあるんですよ。
42キロ長いし気温も低いので。
その分って言っちゃあれなんですけど、
伴走の人の方が僕よりも走る力が強いというか、
走れる人が伴走してくることですね。
そうですね、それはちょっと拝見しまして、
ランナーの目標タイムを超える走力が必要であると。
そうそうそうそう。
それ結構な走力ですよね。
でも僕が2時間半で走るって言うんだったら、
それより早い人は少ないですけど、
僕はたかだか42キロ5時間で走るってなれば、
それはある程度いるんですよ。
なるほど。
それは見つけさえすれば大丈夫。
確かに走ってる間、説明、言葉で話したり、
例えばトイレ行ってる間、
僕たちが先走ってるってことは追いつかなきゃいけないじゃないですか。
そういう意味で走力が必要ですよね。
中川さんが練習をされている間は、
常に同じ人と伴走していただいて走っていたのか、
毎回違ったのかとかで言うとどうなんですか。
そうですね、大会に向けてはやっぱり本番の人との練習が必要なんですよね。
なので最後の3ヶ月ぐらいは、
もうその3人で毎週走ってました。
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ただそこまでやんなくても、
途中途中別の人と走っても全然大丈夫だと思います。
要は本番の人と走る機会がある程度ないとさすがになると思うんですけど、
他の人と走っちゃだめってことはないですね。
だから逆に3人でそんなによく何回もスケジュール合わせて走れたよねっていう感じもありますね。
そのお二人とはどうやって知り合うんですか。
視覚障害者と健常者がランニングのために集まるサークルクラブみたいなのがあって、
そこでメンバーペアを見つけたっていう感じですね。
そこに来る健常者の方はもう伴走するつもりで来てくださってるんですよね。
そういうところで見つけて一緒に走りましたね。
今までやったことないことをやってみたいなっていう僕の気持ちもありまして、
次は陸上トラックの方をやりたいなと思ったんです。
距離としてはもうちょっと短い1500とか800とか。
そっちの方をやってみたいなと思って今も走ってます。
それも伴走で走るものなんですか。
そうですね。競技場のトラック走るときは伴走者にないと走れないんですよね。
競技として大会とかに出ることを目標としてっていうことなんですか。
そうですね。それをやっぱり目指すと思います。
なんか新しいチャレンジがいっぱいあっていいですね。川さん。
そうですか。見えないからそういうことに好奇心が貪欲になってるのか、
見えててもそういうふうにチャレンジしていってるのか、ちょっと今はもうわからないですよね。
いわゆる見えてる人生、見えない人生のうちの見えない人生の僕は今来てるわけじゃないですか。
もし見える方の人生があったら何してるかわかんないですよね。
見えていた頃は陸上とか走るっていうことに興味があったんですか。
運動は好きでしたいなとは思う方ですね。部活とかもやっぱり運動部でしたし。
ただもし例えば見えてたら、草野球とかフットサルとか、
見える人として一人でランニングしてたかっていうと、やってたかなどうなんかなってわからないですね。
では今週の問いかけのコーナーに行きますね。
今日のマラソンのトピックに関連して、
今日の問いかけは、視覚障害者の伴奏をしてみたいと思いますかという問いかけですね。
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今日の話を受けてというところもありますが、
事前にプレイヤーズのメンバーにも少し質問していて、
少し紹介してもらっていいですか。
はい、まずお一人はですね、いつかやってみたい。
走らなきゃいけない理由ができて、3日坊主にならなそうだから。
でもまずは自主練が必要そうです。
もう一人コメントいただいたんですけど、
やってみたいがペースが遅くて迷惑をかけてしまいそうです…ということで。
お二人ともやってみたいけど不安があるっていうような話でしたね。
なるほど。
一人でランニング始めようと思うと、やっぱりいいかなって思うこともあるかもしれないけど、
伴奏するってなると、よくも待ち合わせしたり責任が伴ったりする分だけ走るきっかけにはなりますよね。
本当そう思います。
よく伴奏の人が言っているのは、一人で知って個人練習しているときは、
なんか早くやめたくなるし早くやめちゃうことも多いけど、
一緒に走るとなると、最後まで付き合うっていうことが伴う分だけ
長く走れるって言ってますね。
なので僕からすると、ちょっと何ていうか申し訳ないっていうあれだけど、
ありがたいなーって思うけど、伴奏者の人にとってもありがたいと思ってもらえてるみたいですね。
なんかその気持ちはすごいわかりますね。
私もこのPLAYERSメンバーの回答と一緒で、
運動しなきゃなーと思いつつ、
いまいちそこから一歩出ないので、
なんかこの走る理由ができるっていうのはすごい魅力的だなと思いつつ、
先ほどもちょっとお話ししたような、
ちょっと走力が求められるっていうところで行くと、
だいぶ迷惑をかけてしまうので、
身の足を踏んでしまいそうだなっていうのが、私の感想ですね。
さっき話した集まりっていうか、サークル、クラブの方は、
ウォーキングする人もいるんですよ。
その年齢がまちまちなので、高齢の方もいて、
そういう方は走るんじゃなくて歩いてる方もいて、
ウォーキングを一緒にやるところから始めるとかはすごいいいかなーと思ってます。
ちなみにその伴奏で走ってる間っていうのは、
お話をしながら走るんですか?
それとも結構集中して走られてるんですか?
練習でも本番でも、なんか元気なうちは、
どうでもいいことをダラダラ喋ってますよ。
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本番は人が混んでたり、情報を伝えなきゃいけないときは、
もうちょっとピリピリもしたりするけど、
全然そうじゃない。雑談したりしてますよ。
それはでもいいですね、ウォーキングとか。
新しい人との出会いが。
そうですね、そうそう。
なんか責任感とかやっぱり気になります?
だいぶ気になりますね。
気になります?
自分の走力とか体力に自信がない分、
人を伴走するなんて言っていいんだろうかみたいな。
逆にそんな風には思わないよっていうことですか?
そうですね、本番の大会に出るまでは、
あんまりその伴走者側の責任みたいなものを、
あんまり感じてなかったし、感じれてなかったなって思ったんですね。
っていうのが、大会に出るとなると、
当日風邪をひいて休むって絶対できないじゃないですか。
確かに。
2人いるから最悪1人はもしかしたら大丈夫かもしれないけど、
そういう意味での責任感とピリピリ感は、
僕ももちろん風邪ひいちゃいけないけど、
伴走の人はもっとその責任感ありそうだなって思ったりとかしましたね。
でもその一方でって言ったらあれなんですけど、
伴走の人が本番の時に沿道の人と声かけてくれるから、
手振ったりこうありがとうございますとか言ったりとかするんで、
伴走の人が沿道の人側にいて、沿道の人とコミュニケーションしてる間に、
僕が道路の途中の三角コーンにぶつかるっていう。
それダメじゃないですか。
僕がそれでこけそうになって半分怒るっていう。
それダメですね、伴走って。
沿道の人はいいんで前見てくださいって怒ってましたけどね。
優しくもういられなくなるじゃないですか。
しんどいから。
それはあなたの役割でしょって感じですもんね。
言いたくなっちゃうっていう。
そういうドラマがあると。
全然怪我してないんであれなんですけど、
本当は笑っちゃいけないことで本当にダメなことではありつつ、
なんともないし、
そういう感情的な波があると絆が深まりますよね。
でもちょっとそれぐらい伴走の方も実は楽しいんだよっていうのが。
それは多分一緒にやると楽しいんじゃないかな。
なんか運動のきっかけにしてくれたらいいと思います。
それぞれの地方でね、そういうのをやってるクラブとかサークルがあったりとかするので、
もし興味のある人は探してみたらいいんじゃないかなと思います。
はい、ではここまでお聞きいただきありがとうございました。
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