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スピーカー 1
で、ちょっと事件の概要の部分に入るんだけれども、あの冒頭でもちょっと触れちゃったけど、あの事件が起きたのは帝国銀行、まあ当時の呼び名でちょっと統一するけど帝国銀行の椎名町支店で起きたんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、これ時間は閉店って当時の銀行って3時だったみたいなんだけど、3時過ぎに起きたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
閉店して、まああの銀行がこう何だろう、残無処理っていうの。いろいろまあその時にこうさ、銀行にこう入ってきたお金数えてたりとかそういう中の仕事をこうやってる時に、ある男が訪ねるんだよね、その銀行に。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、この男は厚生省の関係者に奮して現れたんだよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
まあもちろんこの男が犯人なんだけど、一人で現れたの。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
そう。で、腕には東京都貿易犯のワンショーを巻いてたわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ちょっとどういうワンショーか俺もちょっと見てないんだけど、多分こう、貿易犯とかこう書いてあるんじゃないの?多分。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、まあ年齢は中年ぐらいで、でこう銀行訪ねて、私は厚生省の議官ですっていう形で名乗って名刺を差し出すんだよね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、名刺はまあ間違いなくその厚生省の名刺だったんだけれども。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
そうそう。で、名刺を差し出して、まあ私はなんで来たかっていうとっていうところで、近所で集団セキュリが発生したっていうことを伝えに来たのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
その銀行の近所でってことね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、GHQがまあこの銀行の構内を消毒する前に、皆さんには予防薬を飲んでもらいたいっていうことをこう告げるわけよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
で、なんでじゃあ銀行に来たかっていうと、もう感染者の一人、そのセキュリの感染者の一人がこの銀行に来ちゃってるんですよっていうところで、
集団感染を防ぐために、まあ行員と正確に言うと、用務員の家族もいたんだけれども。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
全員で16人いたのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その16名にこの予防薬を飲んでくださいっていう形で、こう進めるわけよ薬を。
スピーカー 2
うわ、怖いなこの話ね。
スピーカー 1
そうそう。でさ、ちょっと時代背景のところでも触れたけど、当時って日本自体やっぱり不衛生な環境があって、
集団感染っていうのはすごくもう問題化されてたわけよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、厚生省の名刺を持ってきて、それっぽいことを言ってるわけよ。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、これは生存者もいたから、生存者の証言とかもいろいろあるんだけど、その話を聞いて疑ってる人はいなかったらしいのよ。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
まあだから和術がすごいのか、まあちょっとわからないけど、とにかくもう巧妙なんだよね。
手口が巧妙で、誰も疑わなかったわけ、その時点では。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、ちょっとパッパ言っちゃうけど、この後。
で、その男は、まあもちろんこの予防薬っていうのが、要は毒薬なわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。で、この毒薬は、いわゆる生産化合物と言われてるんだよね。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
で、この生産化合物を抗原に飲ませたことで、まあ毒殺をするんだけど、この飲ませ方もすごく巧妙なんだよね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
手口としては、薬を1回で飲ませたわけじゃなくて、2回に分けたのよ。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
そう。1個目の薬は、犯人がこう、自分でこういう感じで飲んでくださいねって言うんでレクチャーするのよ。
みんなの前で、自分が先に薬を飲むのよ。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
で、これ、確実に飲ませるためにやったものだって一応言われてるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ベロにこう絡ませて、こう、喉の奥でこう飲み込むみたいな、なんかちょっとあまり俺の説明が上手くないんだけどさ。
とにかく、口の中に残らないようにとにかく飲み込ませるっていうような指導をするために、
私の手本見ててくださいねって言って、こうやって飲むんですよっていうのを先に男がその薬を飲んだのよ。
はいはい。
だから、この薬を飲んだことによって、あ、この薬は安全なんだなっていうのがなんとなくやっぱ雰囲気としてできたわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、孔明の手口は、この薬を2回に分けたことなんだよね。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
男は1個目の薬は飲んでるけど、2個目の薬はもちろん飲んでないわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、孔隠がこの後1個目の薬をこうみんなで飲むんだよね。みんなで飲んで。
で、それで飲んだ後に、なんかこう胸が焼けるような感覚に襲われたらしいのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
なんかこう胸が熱いみたいな。
で、我先にと、もう2つ目の薬。
なんか、一応この証言によると、大体1個目の薬から、まあ30秒ぐらいで飲んでくださいねみたいなこと言われてたらしくて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから薬飲んで、ちょっと胸が焼ける、まあもう2個目さっさと飲んじゃうっつうんで、この2個目をみんな飲んでったら、
バッタバタ倒れてっちゃったっていう感じなんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからすごい巧妙な手口なんだよね、これって。
スピーカー 2
あ、あの男は違うのを飲んだってこと?
スピーカー 1
いや、わかんない。
スピーカー 2
あ、そうなんだ。
スピーカー 1
1つ目が偽物の薬を飲んだのか、1個だけじゃ効果がない薬を飲んだのかっていうのは、もう正直もうわからない。
スピーカー 2
あ、そうなんだ。
スピーカー 1
そう。この事件ね、ちなみにほとんどわかんないことが多いのよ。
スピーカー 2
あ、薬が残ってなかったってことか。
スピーカー 1
うん。飲んだ薬を吐いて、それが生産化合物だっていうのはわかってるんだけど、
後院が飲んだ、いわゆる死んじゃった人とかもいる。
てかほとんど死んじゃったんだけど、こう、土砂物が生産化合物こう出てたのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから生産化合物で毒殺されたっていうのはわかってるのよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
ただ薬を2回に分けて飲んだっていうところで、その1個と2個目が何なのかっていうのはわかんないのよ。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
合計したら生産化合物にはなってたわけよ、要は。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
ってことは多分1個目と2個目を合わせたら生産化合物なんじゃないのかとか、
いろいろこれも説があってもう何とも言えないのよね。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
1個目の薬は全く意味がないのかもしれないし、だから2つ目だけが本物でとかっていう可能性もあるわけじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう、でこれは本当にわかってない。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
あ、ちなみにこの平沢定道っていう人が、ま、容疑者なんだけれども。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ちょっとここから平沢ってちょっと呼び捨てにしちゃうけどめんどくさいから、あの平沢は北海道出身の画家なんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
あの画家って言っても結構しかも売れてる画家だったのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。だからまあ知ってる人は知ってるぐらいもう名前を。もう一流の画家で割と成功はしてたわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
たださ、やっぱりさ、それはあの戦前の話で、戦争になってからさ、絵なんてさとてもじゃないけどもうみんな買わなくなるわけじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからちょっとこう生活は困窮し気味になっていたとは言われてるんだよね。
その当時は。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
画家として成功はしていたけれども、まあ売れなくなってるわけだから、まあお金には困ってたんじゃないかっていうのはまあ後々言われてるんだけれども。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。で、そんな平沢が逮捕されて取り調べを受けることになったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、これは何でかっていうと、その公正期間の名刺を平沢は無くしたって主張してたのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから変な話、平沢がこれで名刺持ってたら疑い晴れちゃったわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
でもなかったの。名刺を出せなかったの。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、これは財布ごと刷られたっていう主張をしてるんだけれども、まあとりあえずそういう物的なありばいがなかったわけよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、あと何で逮捕されたかっていうと、もう一つが18万円ぐらいって言ったじゃん。だいたいお金。あの盗まれたお金は。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そう。この盗まれたお金とだいたい同じ金額を平沢が持ってたのよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
でも持ってただけじゃさ、犯人になんないじゃん。さすがに。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
もともと画家でさ、一流の画家でさ、売れてた時に試せたお金かもしんないじゃん。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
ただ、この平沢自身がこのお金の出どころをはぐらかして説明しなかったのよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
だからめちゃめちゃ怪しいじゃん、そんなやつ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
このお金はどうしたんだっつったら、あーどうしたんだっけみたいな感じで、だからはぐらかしてさ、全然その、まあ例えばさ、絵で稼いだんですとかって言えばいいけどさ、まあ全然そういうことも言わないわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから怪しくって、もうどんどんどんどんこうねほりはほり、もうあらを探してったわけよ、警察っていうのは。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、取り調べしていくうちに、実はこの平沢って過去に詐欺事件を起こしていたっていうことが発覚するんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
それで、もう世間のこう風当たりっていうのも、なんだよ犯罪者かよみたいな感じでさ、どんどんどんどん、あ、こいつが有罪なんだみたいな感じに、こう有罪なんだっていうような風潮になってって、やっぱり警察もそういう風にどんどんどんどん、もうこいつが絶対犯人だみたいな感じで圧をかけていくわけよ。
スピーカー 2
はい。
で、生き残った被害者がいたから、その生き残った被害者にこう面取りもさせたのよ。
うん。
スピーカー 1
ただ、初見あの平沢を見て、いやこれが犯人ですって言った人はいないんだよ。
はいはい。
スピーカー 2
ただ、まあこう言うとちょっとなんだろうな、なんか俺が平沢の方をこう弁護しちゃう感じになっちゃうんだけど、何度もこう面通りさせられるわけ、被害者が。本当にこの人じゃないんですかみたいな感じで。
スピーカー 1
はいはい。
で、何回も顔見るとさ、記憶が捏造されていっちゃうじゃん、やっぱり。改ざんされちゃうっていうの。なんか思ってた顔があってさ、でも平沢の顔を何回も見てさ、こいつが犯人の候補なんだけどみたいな感じでずっとこう見せられるとさ、なんかだんだんだんだんそっちの顔にこうなんつーの、この記憶が寄ってっちゃうっていうの。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、最終的にその被害者があ、こいつだみたいなこと言っちゃうのよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、もうそうなると警察はいやお前がやったっていう証拠が出てんだぞみたいな感じでどんどん詰めるわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、1ヶ月ぐらい経ったら平沢自身がもう辞却しちゃうんだよね。私がやりましたって。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
そうそう。その辞却が元にもう平沢っていうのはもちろん殺人罪で起訴されて、他にもね、あのこの同時期に2つ類似事件を起こしたって言われてて。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあこれも銀行強盗未遂なんだけど、まあ2つともね。銀行強盗未遂事件もこれも平沢なんだろうっていう感じで、
まあ平沢がこう疑われて、で、同時に裁判かけられて、最終的に死刑判決を受けるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあ12名殺害してるってところを考えてもまあ死刑は打倒じゃん。まあ正直な話。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあそんな感じの事件なのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、ただこの事件ってすごい謎が多いよね。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
うん。あのまず3つ謎をちょっと説明、説明というか話すけれども、まず1個目が平沢自身に毒薬に関する知識って全くないわけよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
まあ画家だからね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
毒薬に関する知識なんてもちろん平沢にはないんだけど、でもさ、まあ犯人はさ、少なくともこの薬の飲ませ方とか、
まあ1回目自分が飲んで、まあ安全だっていうのを、まあ安全だったのかどうかわからないけど安全だっていうところの多分ある程度のさ、保証があったから飲めてるわけじゃん。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だからそういうところからも、これって薬に関するある一定の知識がないとできないよねっていうのは言われてて。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、じゃあなんで平沢にそんなことできたんだよみたいなところがまず事件の謎なんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、2つ目は、これ旧陸軍にもさ、こう捜査の網がこう敷かれたっていうような説明したと思うけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これ捜査の途中にGHQから捜査中心の命令が下されたんだよね。その陸軍関係者への捜査。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
で、ちなみにこれ下されたって言ったけど、これ下されたと言われているが正解で。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、実際のところは不明なのよこれは。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
本当にそういう命令があったのかどうかっていうのは分からないんだけれども、ただそういう噂は少なくともあるから、
そういうところから陰謀論っていう形でGHQが裏で何かやってたんじゃないかみたいなのがすごい根強く残ってるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあこれ一説によると、例えば9731部隊とかのその毒薬製造してたような部隊の情報っていうのを漏えいさせないため、GHQが囲って自分たちの研究に役立ちたいっていうところから、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
春画を描いてたんじゃないのって、副業で。あ、春画ってあれね、あの小片郎の好きなあの絵のことね。
スピーカー 2
いやそれわかんねえだろ、なんで俺ちげえし。
スピーカー 1
え?え、春画って小片郎が好きないでしょ。
スピーカー 2
いや俺小説とかそういうの全般だから。
スピーカー 1
いやいや、ウケるわ。
まあ、とりあえずさ、あの当時ってさ、もちろんさ、写真はあったけどさ、あんまりそういうさ、いわゆる小片郎がよく見るような写真っていうのはないわけよ。
スピーカー 2
なんて俺なんて。
スピーカー 1
で、あの春画っていうのがこう裏で結構売れてたわけよ、取引されてたわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
たださ、画家がさ、しかもそこそこ名の売れてる画家なわけじゃん、平沢自身は。
春画描いてますなんてさ、恥ずかしくて言えないわけよ。
スピーカー 2
あー、はいはい。
スピーカー 1
そこ気持ちはわかる気がするんだけど、芸術家ってさ、やっぱりプライド持ってやってるわけじゃん、ある程度自分の絵とか作品に。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
それがさ、まあ、春画描いてますとかさ、まあ春画画家ですみたいな感じで売り出し店ならいいけどさ、そうじゃない人がさ、こう副業でさ、やっぱそういうの描いてるっていうのはさ、
すごい恥ずかしい、まあ恥ずかしいっていうかやっぱり不名誉だったんだろうね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
だから言えなかったんじゃないのかみたいな説があるんだよ。
スピーカー 2
あー、そうなんだ。
スピーカー 1
まあ、とはいえもう自分死刑判決受けてるからね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
最悪そこをはっきりさせればさ、なんか疑いは晴れたんじゃないのかっていうところはあるんだけど。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、1955年に最高裁でまあ死刑判決を受けるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、その後も平沢っていうのはもう一貫して無罪を主張し続けたわけよ。
私はやってませんって。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
一度は辞経したんだけれども、裁判になってからはもう一切もう容疑は否認してたわけ。
スピーカー 2
あー、そうなんだ。
スピーカー 1
そうで、死刑判決受けてからももうずっと一貫して無罪を主張し続けたわけ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、やっぱりさ、平沢じゃないよねっていう人も多かったんだよ。支援する人も多かったんだよ。だからあの人がやってるわけないじゃんみたいな。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
まあ平沢本人も最新請求したし、あの支援者たちも何度も最新請求したのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
これね、計18回してるんだって最新請求。
スピーカー 2
あーそうなんだ。
スピーカー 1
まあものすごい数なんだけど。で、これ御社も願い出てるんだよ3回ほど。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だけどまあこれは全部拒否。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ただ、最新請求とかをしてることによって死刑執行っていうのはずっと阻止され続けてたのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
やっぱりね、最新請求があるような事件のあの死刑囚っていうのはなかなかね、死刑執行できないんだよね。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、時は過ぎて1974年になると、あの平沢は心臓発作で入院することになるのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、この時26年ぶりに出獄できたんだよね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
入院するからね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、まあ最高レベルの医療を施されたことによって、まあその心臓発作自体を何とかこう回復して、また刑務所には戻ることになるんだよね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、その後十何年かして、まあ1987年になるんだけど、1987年に今度は肺炎を患って、で最終的に八王子医療刑務所で病気で亡くなるんだよ。その肺炎が元で。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、去年95歳なんだよ。
スピーカー 2
おー、長生きしたね。
スピーカー 1
そうそう。で、これ獄中に約39年間いたわけよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
もちろん死刑執行されなくて、そのまま亡くなったの。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
っていう、まあこの平沢自身かなり波乱万丈って言えばいいの。まあやったかやってないかはもうちょっと本当に正直わからないから、どういう扱いでこの喋っていいのかもちょっと微妙なところなんだけど。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、結局この事件って平沢が犯人だったかもしれないし、そうじゃないかもしれないしっていうところで、マジなところわからないわけよ。
スピーカー 2
あーはいはい。
スピーカー 1
で、ほらGHQの話もしたけれども、陰謀論っていうのもものすごく取り出されるぐらいだし、何か大きな力があったのを揉み消されて、たまたまそれっぽいやつを犯人に仕立て上げられたんじゃない?
まあそれっぽいっていうのは平沢のことだけれども、が犯人に仕立て上げられたのかもしれないし、もちろん平沢自身がお金に困って単純に強盗しようって言って、で、たまたまどっかで薬の知識を得てやったのかもしれないし。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
全然わからないんだけれども、とにかくこの定銀事件自体は、戦後の混乱っていうのをやっと抜けるか抜けないかのところで、またさらに混乱を巻き起こしたっていうような、本当に戦後の日本を象徴するような事件として、小説家とかされてるし、もちろん映画家なんかもされたりしてて、話題性の強い事件だったから、今に至るまで語り継がれてるような大事件だったっていうところなんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そんな感じで今日定銀事件を扱ったんだけれども、じゃあちょっと小片郎の感想を聞かせてください。
スピーカー 2
はい。なんか刑事ドラマを見てるとか聞いてるような感じだった。
スピーカー 1
そうそうそう。なんかこの事件ってすごい、なんだろうね、不謹慎な言い方だけど、ちょっと小説っぽいよね。事件の概要とかさ、そういう犯人が本当は犯人なのかみたいなところもそうだしさ。
スピーカー 2
そうだよね。
なんかさ、普通さ、銀行強盗ってさ、やっぱりさ、すぐさ、その場からさ、離れたいっていう人間の心理があるような気がするんだけどさ、結構その毒殺ってことは、やっぱそれなりにこう説明をして飲ませるっていう工程がさ、時間かかるわけじゃん。
だから相当、なんだろう、慣れてるのか、なんか綿密に計画してるのかっていう、普通さ、やらないような手口だよねって思って。
スピーカー 1
うん、そうなんだよね。
スピーカー 2
そうそう。なんかその事件自体知らなかったから、こんなの本当にあったんだって思って。
あとなんだっけ、警察がさ、物的証拠とか、その場のさ、現場検証とかあんましなかったってわけでしょ。
スピーカー 1
現場保存ができなかったんだよね。
スピーカー 2
あ、保存か。
スピーカー 1
うん。だから、銀行強盗事件だっていう目で見てなかったから、あのそもそも事件、これが何の事件なのかもちょっとよくわかんなかったわけよ。もうパッと見たときに。
スピーカー 2
あー、そうなんだ。
スピーカー 1
うん。だから、いろいろ証拠とか、なんだろう、犯人が触ったであろうものとか、もうなんかもうめちゃめちゃになっちゃってるわけよ。もうよくわけがわかんなくって。
はいはい。
そう。で、結果証拠はほぼ残んなかった。
スピーカー 2
あー、謎が謎。
スピーカー 1
そう。
まあ、名刺はでもちゃんと残せたわけだから、とはいえ。
スピーカー 2
あー、そうだね。
うん。
犯人は服面とか被ってなかったのかな?
スピーカー 1
被ってない。だって、そんな服面被ってたらもう私銀行強盗ですって言いに来てるようなもんじゃん。
じゃあ、本当に顔はちゃんと見てて、あー、でもそれでもそうなんだ。
そう、なんかね、似顔絵がさ、その、描かれるのよ。ほらよくさ、昔の刑事ドラマとかでさ、犯人の似顔絵はこうですみたいなんでやるじゃん。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
生存者の証言を元に犯人の似顔絵描かれるんだけど、まあね、これはね、平沢に似てるっちゃ似てるし、似てないっちゃ似てないしなんだよね。
なんか、俺はちょっと正直何とも言いがたかったね。これはどっちだろうみたいな。